白神山地は世界遺産を返上しよう

富士山を世界遺産にしようと山梨、静岡の両県が動き出したそうだ。
またか~と辟易するのはこの国のこういう皆で一方向にダーッと行く性癖なのだが、まあ日本人の特性はそうそう変らないだろう。流行の半纏『世界遺産』。国内の世界遺産は最近リストに載った小笠原以外は全部訪れたことがあるのだが、印象として『残念な感じ』のものが多いのも事実だ。平泉も『えっ、あそこが?』という印象だ。
富士山は確かに日本のシンボルの一つであり美しい山(もっとも、極東ロシアやアリューシャン列島にはもっとスケールの大きな美しい成層火山がゴロゴロあるらしいが)なのだが、ゴミ捨て場、自殺の名所・青木ヶ原、自衛隊・米軍の演習場を抱えたままでは自然遺産は無理だから今度は山岳信仰などをメインにした文化遺産登録を狙っているという。山岳信仰は、個人的には北アルプス剱岳、出羽三山などのほうが印象にあるのだが、まあ、富士山の話題はいいとして、身近な白神山地だ。

筆者は学生時代山登りをやっていたのでたまに今でもたまに山登り、山歩きをしたりするのだが、学生時代に白神山地などという名前は全く聞いたことが無かった。で、実は秋田県の人も世界遺産になる前は白神山地というのを知らなかったらしいし、今でも白神山地のエリアを正確に指摘できる人はほとんどいないだろう。漠然と日本海から内陸までの秋田と青森の県境に跨っているという程度しか知らない人(筆者もそうだが)が大半だろう。
筆者は白神山地に秋田側、青森側から2回入ってブナ林を歩いたことがあるのだが未だに何故あんなただの(要するに放りっぱなしの)ブナの原生林が世界遺産なのか不思議で仕方がない。山歩きをしてみても特に眺望の素晴らしいところは無いし、森林限界までは単に原生林の中を歩く退屈な山だ。丹沢の奥や飯豊・朝日連峰のほうがよほど変化に富み楽しい。(森に包まれる感じが良いという人もいるが)
白神山地の核心部というのは立入禁止(青森側は届出制になったらしいが)のため筆者の想像の域を出ないが、自然のダムと言われるブナ林による豊富な水が本当は白神山地の価値なのであろう。普通の山歩きではつまらないが、おそらく沢歩きのようなものが出来れば白神山地の本質、魅力が案外発見できるのかもしれない。沢歩きしながらイワナ釣りしたり山菜を取ったりして焚き火、キャンピングができれば最高・・・だが、立入禁止や許可制、届出では敷居が高い。

世界遺産になってから、看板や標識の整備、ブナ林の取り付きの木製階段、駐車場、トイレくらいはそれなりに整備されたのだろうとは思うが、県外から『世界遺産・白神山地』と聞いて楽しみにしてやってきた山歩きの準備の無い観光客は『何が世界遺産? どの場所が世界遺産?』とガッカリ度が非常に高いだろうことは容易に想像できる。また、地元にはそれらの観光客による恩恵は何かあったのだろうか?
今、藤里町の町長選挙が行われている。当然選挙の謳い文句には『世界遺産を活用した観光事業の推進』などと言っているだろうが、平成の大合併にも組せず人口4千人くらいの町が何をどうするのか・・・その無力さは子供でもわかろうというものだ。
素波里ダム源流の粕毛川源流を沢歩きできるくらいになれば観光客もそれなりに増えるだろうが、林野庁様あたりの裁量が大きく藤里町単独では無理だろう。

もともと白神山地(もともとは弘西山地)は、青秋林道の開発に反対する自然保護団体(県外のいわゆるプロ市民達だったらしい)や日本野鳥の会と推進派の青森・秋田両県の対立構図から一転、林道を作ってもブナの製剤所が無い青森側が恩恵が少ないことに気付き、保護団体側に寝返って結局秋田県を説得してしまい工事は中断したいう経緯がある。その間に白神山地という名称が一人歩きし、いつの間にかユネスコで登録されてしまった。
いっそのこと世界遺産を返上して、沢歩きのできる観光資源としての再検討をしてはどうか。ただし環境保護、水資源の保護も合わせて行うことを考えるべきだ。ただしあくまでもプロ市民達を入れずに地元の人間達を中心に行うことが重要だ。
世界遺産を守るんじゃなく、白神山地を守るんだよ!

ブログランキング・にほんブログ村へ 
(blog rankingに参加。ご協力を。Click it!)

広告
カテゴリー: 社会・経済, 祭り・イベント タグ: , , , , , パーマリンク