秋田の人口減少(流出)を加速させる要因

ヘルシンキに行く用事が出来たため、急遽1泊で往復してそのまま帰国便に乗り継いだ。筆者の場合、欧州発日本行の往復航空券を買うため日本にいる間は言ってみれば途中降機状態で制約があるのだが、欧州域内では既にいろいろとLCCを選べるため、日本円で数千円の航空券は秋田~東京の高速バス料金のような感じだ。(サービスも似たようなものだが(^^))。まあ、安いことは良いことだ。
朝、ヘルシンキのバンター空港に行くまで時間があったためヘルシンキ中央駅付近から港まで散歩。
そろそろ白夜の季節も近いし日差しは強くなってきて1時間ほど歩いただけでちょっと日焼けした感じだ。観光シーズンも幕開けと言った感じで、ヘルシンキ湾には巨大なフェリーが浮かんでいるし、街なかも観光客が増えてきた印象。

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(ヘルシンキ港)

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(写真中央のビルに日本大使館がある)

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街の賑わいというのはやはり歩く人の多さだなと実感。露店やオープンカフェも歩く人がいなければ流行らないし、それらが無ければ歩く人も増えないだろう。ごく単純な原理のような気がするが、秋田市の『エリアなかいち』ははてさてどうなることやら。

帰国してニュースなどを眺めていたら、秋田県の人口が107万人を割ったそうだ
毎年約1万人ずつ減少しているそうで、このままで推移すると国立社会保障・人口問題研究所によれば、2020年に97万5千人、2035年には78万3千人になると推計されている。
この約1万人という数は、八峰町の総人口、あるいは小中高の全県の生徒の1学年分に匹敵する。毎年、八峰町が1個ずつ消える、あるいは全県で1学年分がいなくなると考えると結構大変な危機的状況だと思うが、その1万人のほとんどが高齢者であればまあ自然減で年齢構成の改善には寄与するだろうから様子見でいいかもしれないと眺めていれば良いかもしれないが、実は1万人の内訳を見ると96%は15~24歳までの若年人口だということが愕然とする事実だ。
15~24歳までの若年人口が県外に流出しているのは就職や進学などの理由から他の都道府県へ転居しそのまま秋田県外で生活するというパターンで、筆者が命名した『篤胤・信淵族』なのだ。年齢構成が超高齢化に向かって加速するのは当然だ。
結果的に子供を生み、育てる世代がどんどん減少し、負のスパイラルが進む。

行政による目に見えるような効果のある対策は未だ無さそうで、県内経済や税収にも当然影響は大きいはずだが、この30年くらいを見ても抜本的な対策は何も効果が見えない。
秋田の<常に掘り下げ不足の>シンクタンク秋田経済研究所などは産業政策、特に地元定着のための雇用の確保が最大の課題のように報告するが、筆者はこのことよりももっと別なところに要因があると感じている。

それは、教育施策の皮肉な結果親達世代の学歴コンプレックスだ。
前者については、子供を持つ親なら実感としてわかるはずだ。
秋田県の小中学校の学力・体力日本一あるいはトップクラス(ただしほぼ公立に限る)は既に定着し、世間の注目は問題が高校(主として大学進学率)という風にシフトしている。
秋田県の大学進学率(専門学校や短期大学も含む)は約43%で、4年制大学に絞ると約30%となり、それぞれ全国平均より10ポイント程度低く都道府県順位で40位くらいだ。
そこで秋田県は、大学進学率を上げるために各公立高校の中期目標などで数値目標を設定し、これに合わせて県内の成績上位者だけを選抜し難関大学向けの講座を開催したりしている。無論、これらは県費で行っている。対象人数は全県で約100人。
この講座を受けられない生徒(成績中位以下)についても進路指導は高校入学とともに開始し、具体的な目標大学の設定を行わせ、普段の学習でもほぼ毎日の課題と長期休暇中の膨大な課題、さらに土曜日の補習(建前は希望者だけだが実態は進学校ではほぼ全員)と徹底した管理教育(受験対策教育)を進めている。
既に有名大学を卒業しても高給が保証される時代ではないため、卒業しても役に立たない大学は敬遠されるのが現代の日本。
全体的に高校の学力水準が上がっても、それを受け入れるまともな大学が秋田にはほとんど無いため、職業専門学校としての秋大医学部を除けば選択肢は首都圏を中心とした県外の大学への進学とならざるを得ない。そしてその子供たちは秋田には戻ってこない。
結局、秋田県の将来には人材が重要で大学進学率を上げようという県の施策が、皮肉なことに若年人口の県外流出を手助けしていることになっている。

親達世代の学歴については、
http://www.geocities.jp/yamamrhr/ProIKE0911-115.html
(2000年の国勢調査による最終学歴分布の都道府県別ランキング)
から引用したグラフを見てわかるように、秋田県の住民の大卒・院卒の構成比率7.3%は46位で、逆に義務教育が最終学歴である人は35.9%(岩手県、青森県、島根県に次いで4位)と極めて高い。

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大卒・院率が7.3%であるから、例えば夫婦揃って大卒・院率などという夫婦は単純に計算すると最大0.5%程度しかいないことになる。夫婦の組で言えばさらにその半分以下。
つまり0.25%以下、約400組の夫婦に1組といった数字になる。
筆者が20年ほど前にUターンしてきたとき、何かの集まりで互いの共通点を見つけようと何気なく学校の昔話などになると大学の話は出ず、高校の話で終始していた。秋田では一般的に学歴というのは高校までのことだと理解するのは少し時間がかかった。ましてや(東京ではどうということのないつまらない話題なのだが)家内の出身大学の話などほとんどタブーのようなもので、近所の付き合いでもまず話題になったりすることは無かった。

大学に行かなかった、あるいは行けなかった世代が子供を持って、自分の経験からとにかく大学まで進学させよう、大学を出れば自分の人生よりは楽なはずといった親心で進学させようとする図式が想像できるが、自分に大学・大学院の経験が無いため大学の善し悪し、つまりどういう大学が勉強する上で必要な設備や教員が充実しているかや、卒業後のネームバリューや同窓会組織が何かの役に立つかどうか、世間の扱いはどうかといった判断なしに『大学と名前が付けばどこも同じ』的な感覚で子供を進学させている。
大学に対する評価も何となく歪で、(学部にも拠るのだが)世間の評価で東北大のほうが千葉大や横浜国大などよりも相当上だと思っている秋田の人が多いのには閉口する。
首都圏というか特に大企業などから見たら東北大や京大は単なる地方大学で、現実問題として就職時に首都圏まで就活しに行かなければならないハンデなども実は大きい。
現在は、受験産業の発信する膨大な情報量で多少は改善されただろうが、そのような大学進学、卒業をしていざ秋田に帰ろうとしても大卒に満足な給与を払える企業が少ないため、大抵は首都圏他県外で就職し、秋田には帰ってこない。
結局、親心というか親世代の学歴コンプレックスもまた若年人口の県外流出を手助けしているのだ。

行政がやみくもに大学進学率の数字を上げようとしたり、自分でも経験の無い大学進学を親が子供に勧めるのを止めて、本当に大学で勉強することや目的を親子で考えて、豊富にある大学の中身の情報を分析し、場合によっては勉強よりも手に職を付ける道を選ばせるような価値観の選択や進路指導をしないと、ますます人口流出が加速するだけである。
いわゆるフィンランド・メソッドも一つの解なのかもしれない。

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秋田の人口減少(流出)を加速させる要因 への14件のフィードバック

  1. ムーミン より:

     
    フィンランドっていいところですよね。
    国土の大半が静かな北極圏というイメージのせいか
    静かな国という印象ですね。
    でも、国民が銃器を持っている割合は世界3位でし
    たっけ、案外物騒なところでもあるので不思議で
    す。

    ムーミン

  2. Argus より:

      
    ムーミンさん、こんばんは。
    話題がそっちに行っちゃいましたか・・・。
    そうですね、私はヘルシンキくらいしか知らなくて、あまりおいしいものを食べた記憶もありませんが、静かに暮らせそうな印象はあります。
    最近は時々銃器が問題になっていますが、狩猟民族でしょうからね。
    フィンランド人はまじめな印象が強いですが、夏や冬の各地の祭り(たぶん日本の地域おこし的な)は笑えるのが多いですよ。
     
    ◆携帯電話投げ世界選手権大会
    現代のこの機械のせいでもたらされるあらゆる失望とフラストレーションに仕返しを・・・みたいなコンセプトで、何か叫んだ後に単純に自分の携帯電話をどれだけ遠くに投げれるかを競って、優勝すると新しい携帯電話がもらえる。
    いかにもNOKIAのお膝元らしい。
      
    ◆世界サウナ選手権大会
    読んでその通りの我慢大会
      
    ◆国際雪合戦大会
    これ、北海道のどこかの町から輸入したイベントだと聞きましたが詳細不明。
     
    などなど。

  3. Lion より:

    「雇用の確保が最大の課題のように報告するが、筆者はこのことよりももっと別なところに要因があると感じている」とありますが、
    「卒業をしていざ秋田に帰ろうとしても大卒に満足な給与を払える企業が少ないため、大抵は首都圏他県外で就職し、秋田には帰ってこない」
    とのことなので、つまりは「雇用の確保」が問題なのではないですか?

    Argusさんのおっしゃるような「学歴コンプレックス」があったとしても、雇用さえあれば卒業後にも戻ってくるハズということになります。

  4. Argus より:

     
    Lionさん、こんにちは。
    せっかくの連休、雨で残念ですね。
     
    雇用は『量』ではなく『質』が大事で、合わせて私は労働分配率も課題だと思っています。
    大学というのはある意味職業訓練学校です。
    そこを出て専門知識、資格を身につけても雇用の中身がアンマッチなら就職はしないでしょう。
     
    篤胤・信淵は、当時たとえ秋田に笠貼りの仕事が膨大にあっても帰ってはこなかったでしょうね。
     

  5. Lion より:

    高校卒業後に手に職をつけて地元に留まるにせよ、大学卒業後にUターンするにせよ、結局は雇用(仕事)が必要な訳で、本質的には「人口減少」と「学歴コンプレックス」は無関係です。

    人口減少は秋田県で多少顕著であるにしても、日本全土で共通の問題です。
    少子高齢化している中での人口分布という観点では、都市への人口集中と僻地の過疎化の加速は自然なことでしょう。道州制で「秋田県」という枠組みが消滅するのが先か、TPPや移民政策による日本全体のグローバル化が先かはわかりませんが、県単位のようなローカルな枠組みで人口減少を議論するのはあまり意味がないと思います。(市・県民税の納税者として地元自治体の施策について一言述べたい気持ちはわかりますが(笑))

  6. Argus より:

     
    おっとっと、教育施策と学歴コンプレックスが『本質的な』問題とは主張していませんよ、大きな『要因』としただけです。誤解なきよう。
    秋田県の場合の人口構成の割合で言う高齢化は日本全体の平均的な傾向とは少しズレています。平均寿命は全国で2番目くらいに低いのです。
    年寄りはさっさと亡くなっていますが、何しろ子供が少ない・生まれない。だから割合では高齢化という結果が顕著。多少顕著ではなく極端に顕著でしょうね。
    道州制などは連邦あるいは共和国を経験していない日本では難しいだろうと思います。まあ少なくとも自分が生きている間はまずあり得ないでしょうからリアリティがありませんね。
    秋田に限りませんが、低学歴、低スキルの人材が大部分の地域で雇用を作るにしても労働集約型ではそれに見合った外国人労働者を採用する(さらには海外の拠点を使う)ほうが経営的には合理的でしょうし、そういう地域では非労働集約型というのは現実性が無い。
    とにかく雇用というのは『穴掘って埋め戻すのも・・・』的なケインズ流のコンテキストであって、成熟した日本ではもはや難しいでしょう。

  7. 食糧不足研究会 より:

    『地球「人口爆発」まであと半世紀…解決のカギは日本人「始末の精神」と「ファーブル」にある』に書いてあるように、もうすぐ食料難になるとなると言われております。そうしたら競って田舎に帰ってきます。だって食べ物があるのは田舎なのですから。考えても見てください。今言われてる理屈おかしいじゃありませんか。農業従事者の平均年齢は65.8歳で、問題と言いながら、手立てなしと言われていますが、ホントでしょうか。65.8歳で4兆8千億円(GDPの10分の1)を生み出しています。工業では言葉は悪いがお払い箱の年齢です。しかし農業ではまだ生産できているのです。これを考察すると、事実は農業に若返ってもらっては困るのではないかという疑問が沸いてきます。若返ると、工業を追い越してしまうし、自足自給の可能性もあり、工業ほどエネルギーを使いません。つまり現段階では生産過剰になるのです。だから、農業に人を寄せ付けないようにして潰してしまおうとしているのではないでしょうか。でも現在自給率40パーセントですので食糧難になったらそりゃもう地獄でしょう。日本国内でも暴動の可能性があります。だっておよそ半分の人は飢え死にです。外国から輸入は不可能です。だって地球単位での食糧難ですから。さらに小氷河期に向かっていると言われていますので、ひょっとすると数年内に食料の高騰となり、今一所懸命になっているデフレに勝手になるのではないでしょうか。

    • argusakita より:

      こんにちは。
      食料不足などの国家の食料安全保障の問題と農業の産業としての産出額のような地方経済の問題を混ぜては議論は前に進まないのではないでしょうか?

  8. 食料不足研究会 より:

    では上記発言はなかったことにさせていただきます。
    ただ、産業構造の変化に伴う人口の移動は、気圧変化に伴う風とは違うように思っておりました。ので、発言したまでです。

  9. ばんそうこう より:

    「教育施策」と「学歴コンプレックス」、ないとは言いませんが、そもそも先立つものがないのではないか?と思います。秋田県という低所得の県から首都圏という生活費の高い地域へ「仕送りする」ということに耐えられる人はそうそういない。だから、大学進学率が低いのだと思います。県内であれ、県外であれ「就職してくれ」ということになるでしょう。逆に言えば、若者たちにも、それがみえているからこそ戻ってこないのです。「大学・短大だけは入れてやりたいが、カネないから県内の国公立大学にしてくれ」という親もいます。ただ、県内の国公立大学って、秋大の教育学部と国教大を除くと、全部、理系の実学系ですよね。文系の生徒は行く大学がない。エンジニア系統の学部が秋大と県大の2学部もあるのに、工業立地の水準は低いわけですから、それを活用できる職場が少ない。大卒・院卒の構成比率が低いのは、「要因」というよりは、むしろ、そういうアンバランスの「結果」なんじゃないでしょうか? ノースアジア大を県が買い取ってしまって「県立大法文学部・経済学部」に再編成して優秀な教員・学生を集めるとかしたら変わっていく可能性があると思います。

  10. 長谷川 茂 より:

    現実には受け皿が無い事です!都会(横浜市)で20年から生活していましたが、秋田に暮らして28年になるけどAターンだのUターンとそんなきれいな言葉は適用しません!結局12年以上も単身で名古屋だ、川崎だと働いて来ました。資産(田や畑等)も無く、それでも子供は努力もしただろうけど地元の国大.修士まで出しました。でも地元に受け皿は無く出ていくのを見送るしか有りませんでしたね!・・・。そして自分達の老後も考えて5年近く65歳まで県外(川崎)で働いて、やっと年金生活が・・・と思いきや高額な国民健康保険料に介護保険料が待ち受けている現実!そうでしょ!全国1位の少子高齢化率に極端な人口減少です。・・・ばんそこうさんも知らないのですね。全国から集まる学生向けに資産のある方は税金対策でアパート等の経営で、勿論職人さん達も仕事になり、それが秋田の経済活動?・・・卒業すれば結局出ていきます。
     行政(県・秋田市)は?企業誘致して補助金に優遇税制で派遣にパートの会社ばかり。ハーアッ?身内にコネや縁故で身を固め硬直化した組織体制で何の創意工夫も無く延々と続く・・・。
    他県のネットでの「情報公開ホームページ」を見れば一目瞭然!県単位の事業、工事現場に限らず写真を使って説明してます。私のような凡人でも税金がどう使われているか理解出来ます。
    控えて秋田では?役人(県・秋田市)は待遇(給料など等)が全国の26~7番位、民間の平均 所得は下から4~5番目程度です。
    知っていますか?県の人口は日本の1%にも満たないし、「県都」秋田市も30万人を切るのも時間の問題です。首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木・群馬・等)は日本の4割近くの人口で「産業や経済活動」も”人口に比例する”原則そのものです。
    「あきたビジョン:地域の活性化・定住促進・子育て支援・など」そう言っても何も具体的には見えて来ないし、危機感は感じられません。
    私のように通院も投薬も無く健康でそれなりの体力でも、65歳を過ぎれば働きたくても何処も
    相手にされず社会的な負担ばかり重くなり、一掃ここ秋田から出て行く事も考えている次第です。

    • argusakita より:

      秋田に大卒・院卒の受け皿がほとんど無い状態は今始まったことではなく、三菱金属が三菱マテリアルになった1990年(だったかな)頃には、ほぼ先が見えていたはずで、県庁などの一部役所と銀行くらいしか高給な就職口が無いのは何十年も前からです。
      その中で、子息を大学に行かせたら秋田を出るのは自明で、行政が何とかしてくれるだろうというのは夢想に近い。(今後も同様あるいはさらに厳しくなるでしょう、地銀など無くなるかもしれませんし)
      一瞬、大王製紙という騒ぎもありましたが結局は没。
      親も子も遅くとも25年以上前にパラダイムシフトしておかなければいけなかったということでしょうか。逆転するための限界をとっくの昔に超えているという印象です。

      秋田は四季を通じて自然が豊富で穏やかな良いところで、私は大好きです。
      しかし、少なくとも私自身の仕事(業種・職種)を生かす場が無く、ひいては(経済的に)生活できる場ではないので、今は時々『ノスタルジーと小銭を持って出かける田舎』になってしまいました。いわゆる自己責任ですね。
      劇的な発展などは考えにくいですが、せめて秋田市周辺だけでも『現状維持』してくれれば個人的には満足です。
      秋田を出た人は案外同じように思っているんじゃないでしょうか。

  11. ばんそうこう より:

    「受け皿がない」というのはまさにその通りで、秋田県といえども第三次産業人口が65%を占め、第二次産業人口の2倍から3倍に達します。子どもを何としてでも地元に残したいのなら、高卒で公務員を目指させるのが一番よいでしょう。大学に入れるのならば県外の大学の農学部に入れる方がかえって戻ってきてくれると思います。醸造関係・発酵関係は少ないながらも技術職を求めているでしょう。秋田今野商店などは確か東大で農学博士を取得された方がいらっしゃるはずです。数学がイヤでないのなら教員免許をとらせて数学教師もいいでしょう。子どもの数が減ったといってもゼロではない以上、毎年採用はあるでしょうし、少なくとも教員養成所みたいなところで免許を取得した先生に、自分の子どもを習わせたいと思う親が県内に多いとは思いません。大企業が少なく、本社機能や開発分野の集積はさらに薄いわけですから、秋田県では米づくり農業や林業に結びついた分野、教育・リベラルアーツの分野、医療の分野、自営業や行政を支援する分野を充実させるべきだと思います。工学系に進んだ以上、「日本で、世界で活躍してこい」と背中を押してやるべきではないでしょうか。あるいは、自ら受け皿となるべく、一緒に起業を考えるとか。「雪どけちゃん」のような商品を考案してネットで注文をとるようにすれば、秋田県だって可能性はあると思いますよ。起業のチャンスは意外と足元にあるかもしれません。

    ☆アスター「雪どけちゃん」
    http://ast-aster.com/contents/yukidokechan.html

    それはそれとして、「せめて秋田市周辺だけでも」の気持ちはわかります。自分も一時期秋田市に住んでいたことがあります。県庁所在地級の都市には、それなりに人口のダム機能というものが備わっているはずですが、秋田市の場合はだいぶ前から損なわれてしまっています。これは東北地方全体がそうであって、仙台市などもダム機能喪失に危機感をつのらせているくらいですが、秋田市はそれ以上に深刻です。私の年代だと県内で千秋公園を知らないなんて中高生はありえなかったのですが、いまの県南の子たちはむしろ知っている方がめずらしいようです。これには少々愕然としましたが、自分が秋田市民だった時期ですら秋田駅前で買い物した記憶がないのですから、考えてみれば当然かもしれません。
    それくらい秋田市の求心力は失われてしまっています。秋田駅の乗降客数もだいぶ前から日立駅や長岡駅に負けていましたが、最近は山形駅にも追い越されてしまいました。交通は便利になっても、県南や県北の人は秋田市に向かうのではなく、盛岡や仙台などに向かう人が多くなってしまっていいます。自分自身もこの1年を振り返ると秋田市に行ったのは落語を聴きに秋田市文化会館に3回、県立図書館に10回前後、子どもの部活関係で県立体育館に2回、「徳川将軍家と東北」を見に県博に1回行ったくらいで、金足のぞくと全部県庁西側のエリアに集中しています。途中板澤書房に何度か寄った程度でしょうか。都市構造に起因する問題もありますから難しいですけれど、秋田市には頑張ってほしいものです。

  12. トミー より:

    北関東も同じですね。文化資本、若手の憧れる産業がない地域、
    陰険な地域は極端に少なくなっています。
    いわゆる古い慣習の残る地域は全国的にそうでしょうね。
    儒教文化圏は基本的に抑圧それていますからそこから
    逃避するのに都会に出ていくのは当たり前だと思います。
    あと違う視点で言うと建築様式・住宅事情=家のキレイさ・汚さをたまに
    耳にしますけど。なんか大雑把な話ですいません。

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