秋田市新市庁舎建替えという新たな無駄遣い

何故か急にコメントが多く付いていますが、記事自体は約2年前のものですので予めお断りしておきます。

 

たまたま某所で今朝の地元新聞紙を見たところ、秋田市の新市庁舎建設に関わる『建設前に議論尽くそう』という社説が掲載されていた。今頃・・・である。
既に今年度は実施設計段階で来春には着工
という工程がずいぶん前に発表されていたにも関わらず今頃『議論を尽くそう』とは。まるで、これから盛り上がる反対意見を見越してアリバイ工作をする市役所当局に加担するかのようなタイミングである。秋田にはつくづくジャーナリズムなど無いし行政を監視する『目』が無いのだと痛感する。
筆者は昨年この件について書いた。
■やりたい放題の秋田市とdo-nothingな市長

しかし、エリアなかいちに続いてまたまた着々と無駄遣いが進行しつつあることに憤りを感じるため再度書く。

秋田市は平成2年度に秋田市庁舎建設基金条例を制定し約80億円を積み立てててきた。これに加えて合併特例債40億円を利用し、総事業費130億円で新庁舎を建設するという。(既にここで10億の差がありどんぶり勘定なのだ)平成7年度の約9億円の積み立てをピークにどんどん財政が厳しくなり、昨年度の積立額が約630万と減少したため思い切って新庁舎建設に踏み切ったのか、22年度までの積み立て額が80億を超えたため積み立てをほとんどやめたのかは知らないが、平成の大合併時から合併特例債の起債期限を睨みながらのスケジュールであることは間違いない。
資金があるから建替えとはいっても基金そのものは当然税金であり、合併特例債の70%(この場合28億)は交付税措置されるとはいってもやはり税金である。
税金と借金で無理に建替えする必要があるのか?

明らかに最初から新築ありきで進んでいる計画で、それを説明する各種の資料は滑稽だ。2010年4月1日付で市民意見の概要が掲載されている。
http://www.city.akita.akita.jp/city/gn/op/ikengaiyou1.htm
これには、
①新庁舎建設案(1案)
②別棟庁舎建設案(2案)
③現庁舎大規模改修案(3-A案)
④現庁舎修繕案(3-B案)
⑤その他(中央街区等への移転)
⑥判断できない
に分類された多くの意見があるものの財政が許せば新庁舎もやぶさかではないが景気を考えで時期の見直しや税金の有効利用という観点が重要というのが共通した意見である。
さらに、『市役所の建て替えについて語らう会の意見書』(そんな会があったのか!?)には、白紙段階から市民の意見を聞くべきといった意見も多く、将来の人口減を考慮するべきだとか無駄遣いを心配する意見が圧倒的に多い。中には『高校生にも「語らう会」に参加して欲しくて声をかけたが、一人も来てくれなかった』といったトンチンカンなものもある。
建替え不要論も多いのだが、このアンケートはおそらくいきなり『新しい庁舎に欲しい機能やあったら良い施設は何か?』といったことを中心に尋ね、そもそも必要なのかどうかはちょろっと聞く程度の偏った内容だったのだろうことが想像できる。とにかく建替えありきなのである。
これらの細かな意見書を出しておきながら、肝心の現在の庁舎の耐震診断の結果などは後から出して意見書をまるごと無視・否定し建替えに持っていく。役人の姑息なやり方そのものである。(常套手段であるが)
その耐震診断の結果は、
http://www.city.akita.akita.jp/city/gn/op/taisinchuukan1is.htm
にあるが全て要補強である。当たり前だ建築基準法が建設時から大きく変わっているのだから。しかし、
http://www.city.akita.akita.jp/city/gn/op/taisinchuukan1.htm
にあるようにコンクリート強度については問題なし、中性化については一部に問題があるものの、耐震強度の補強は県庁で行ったKブレース追加等で対応可能だろうし、中性化進行箇所は部分的な改修で対応可能なはずだ。とにかく建替えありきなのである。

噴飯モノの資料はこれだ。
http://www.city.akita.akita.jp/city/gn/op/taisin.htm
にある、業務委託報告書の概要版(PDFファイル 588KB) (H22.02.17 市議会総務委員会報告) の中の『106年間のライフサイクルコスト内訳』。
何故いきなり106年間なんだ?
cost

現代建築で使われる国産のポルトランドセメントは日本では1875年に発明されてまだ140年弱しか経っていない。にもかかわらず106年先を見据えたコスト計算など不可能だろうし、1960年代建設された首都高速のコンクリートの劣化などはわずか50年ではないか。コンクリート構造物など未だに実験中のようなものだ。
そして、そのライフサイクルコストで見れば、運用管理費が全ての場合でほとんど変わらないではないか。結局初期費用の大きな差ばかりが目立つ。
この金額通りなら、現庁舎大規模改修案か現庁舎修繕案で十分であろう。いずれも合併特例債など起債しなくとも積み立てた基金内で対応できお釣りが来るではないか。

長々書いたが、明らかに無駄遣いで、それを屁理屈で固めている新市庁舎建設について秋田市民は一度、
秋田市総務部新庁舎建設室のページ
http://www.city.akita.akita.jp/city/gn/op/default.htm
をじっくり読んでみて欲しい。
・役人とはこれほど姑息で狡猾(滑稽だが)であること。
・本来こういった案件について市民の意見を吸い上げ、執行を監視すべき秋田市議会が全く批判の目を持たず追認機関になっていること(=無能・怠慢)。
などがはっきりとわかるだろう。
無為無策な市長は最初から問題外である。

80億も基金積むくらいなら、無策のまま外側に拡大する秋田市では消防署を増やすとか、除雪機材整備と各所への配置くらい先に考えたらどうだ? と思うのが普通の秋田市民のはずだ。
この市庁舎建替えの話は秋田市に限ったことではない、隣の潟上市も湯沢市も規模の差こそあれ同様だ。

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秋田市新市庁舎建替えという新たな無駄遣い への18件のフィードバック

  1. 通りすがり より:

     
    秋田市政に関するアンケート
    http://enq-maker.com/cR8Bn0e
    でも圧倒的に市長への批判と新市庁舎見直しが多数の意見。
     
    無駄遣いには良い無駄遣いと悪い無駄遣いがあるが、新市
    庁舎は後者。

  2. argusakita より:

     
    通りすがりさん

    >無駄遣いには良い無駄遣いと悪い無駄遣いがあるが、新市
    庁舎は後者。

    全くその通りだと思います。

  3. argusakita より:

    読売新聞のサイトを見たら、
    秋田市 再公告の新庁舎入札を中止
    http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20130821-OYT8T01225.htm
    だそうで、言わんこっちゃないという印象。
    地元業者優先などと先に言ってしまったら、業者たちだって『よーし、これからしばらく無いような大型案件だ、絶対ふんだくってやる』と力が入るのは当然。

    積立金80億以外の合併特例債による上乗せがどこまでできるかの情報が業者に流れれば応札するかどうかの『相談』くらいはするだろうに。
    このまままた10億だ、20億だと積み上げたら、ゼネコンにやらせたほうが安くなる(結果的に下請けの地元業者へのしわ寄せがくる)結果になるだろう。

    ったく、市役所というか市長もまるごと能無しだ・・・。(^^;)

  4. 秋田シミーン より:

    1回や2回の入札でガタガタ言っちゃいけない。
    韓国なんて次期戦闘機で56回も入札してるぞ(ボーイングは降りたけど)(^^)。
    市民、業者、市役所が納得いくまで、20回でも30回でも入札やってくれ。

  5. オンブズウーマン より:

    市長の言葉によれば、
    「非常に残念。今後、(資料を請求した)11社に聞き取りした上で、単価や発注方法、本庁舎以外の工事で削れる部分があるかなどを検討し、年内に方向性を決めたい」
    (新庁舎の設計は)「防災拠点機能などを備え、市民の理解を得ており、見直す考えはない」

    リアルタイムな積算単価の把握が出来なかったのは市側。積算担当部署の責任にも関わらず「残念」とは何でしょう。
    本庁舎の設計は絶対に変えないといったこの姿勢は呆れてしまいます。もっとも、簡単に削ったり変更したら「やっぱり不要不急なものを作ろうとしていた」と指摘されるのでしょうけれど。

    これで、当初のスケジュールから大きく逸脱することになり、来年4月の消費税アップが決まった場合、市側の落ち度で余計な消費税(数億円~10億円)が発生することになるわけですから、住民監査、住民訴訟も視野に入れて注視したいと思います。

  6. ぷんぷん丸 より:

    総事業費130億で計画されたのは消費税5%のうちに契約というのが前提だったはずで、これが庁舎分96億が105億にしてもダメとなれば、総事業費もさらに増える。
    下手すると10億近く余計な消費税がかかることになる。

    新庁舎自体もblog主さんの言っているように無駄遣いに思われるし、その上消費税で上乗せして無駄な金を払う。
    一体、公金(税金)をなんだと思っているのか!
    市長の責任問題だ。

  7. ちんあなご より:

    前回も聞き取りしているけど、役人に理解力がないので時間の無駄になった。
    人の話を聞けないなら、聞き取りなんてしないほうがいいのに、
    今回も 「同じ儀式」 をやって業者を責めるらしいが、呆れるしかない。
    「赤字でも有難く受注しろよ!」 とでも言うのか?
    これでは人も企業も逃げ出すのは当たり前だよ。

    96億 >> 130億の大幅アップ。 
    物価と人件費のせいでなく、明らかに役人のミスなのに、絶対落ち度を認めないし、本庁舎の設計を見直すことも拒否してる。  

    • ぷんぷん丸 より:

      いや、計画総事業費130億円でそのうち96億円が庁舎本体。
      この96億が105億になっても応札なしだったわけで、総事業費も140とか150億円になるんじゃないっすか?
      オンブズウーマンさんが書かれたように、消費税によっては住民訴訟が必要だ!

      • argusakita より:

        1年近く前に書いたarticleが盛り上がっていて吃驚。
        こちらでは秋田市のニュースなどはちょっと入手しにくいので盛り上がりの様子はよくわかりませんが、相変わらず低レベルな役所と無能な市長の対処が伝わってきます。

        無駄遣い(新市庁舎は良い無駄遣いではなく悪い無駄遣い)と自治体のレベル低下、歯止めがかかりませんね。

  8. ちんあなご より:

    あるゼネコンは、「約115億円」と言っていますね。
    http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20130821-OYT8T01225.htm

    消費税の増税(約4億円) + 今後のコスト増 を含めると、確実に120億円台。
    一旦、白紙に戻すべきでしょうね。

    • argusakita より:

      庁舎本体が96億、付帯工事等が34億で総事業費130億だったかと記憶していますが、その庁舎本体が105億だの115億だのになれば、それぞれ総事業費が139億、149億になるのでは?
      最新の物価本(月刊:建設物価や積算資料)を使って積算しても全く乖離しているというのはちょっとおかしい話。業者だって同じ月刊のものを使うはずですからね。
      積算システムが(例えば古すぎて)おかしいか担当者がアホでシステムをきちんと使えなかったかのどちらかしか考えられません。

      アホ市長が庁舎は変更しないといっている中に『市民ホール』『茶室』『音楽室』も含まれているはずで、それらも含めて変更しないのであれば市民じゃなくても『頭おかしいだろう』と指摘されても仕方がありませんね。

      もともとこの事業の予算の多くを占める積み立ててきた(はずの)基金80億円(だったかな)は毎年5億ずつ積み立てて運用益も積み立てたはずですが、毎年どういう運用益(損?)が出たのかなど不明な点が多く怪しげなものだと感じています。指摘する議員もいない。
      NHKの跡地の問題は駅東の市の土地とのバーターだったでしょうが、費用発生が何も無いというのはちょっと解せない。NHKが山王から駅東に移るメリットって何だったんでしょうね。

      湯沢市や潟上市も合併特例債(期限延長されたので2020年までかな)目当てのハコもの作りに一生懸命なはずですが、そんなハコものよりも優先順位が高いものはずいぶんあるはずですよね。

  9. シロアリ より:

    久しぶりの書き込みです。(ググッていたらやっぱりここに辿りつきました)
    公務員というのは基本的に一人では何もできないので物理的に集まっていたいという心理が働きます。大きな建物に皆でワイワイいれば、多少住民に何を言われようが内輪で傷の舐め合いができますから。
    ですから、分散式の庁舎は絶対嫌なのです。本庁、分庁みたいに分かれると何となく本庁の公務員のほうが上に見られるという不思議な空気が生まれるせいもあります。
    ですから、新市庁舎もできるだけ綺麗でデッカイビルに全員入れるようなのを望んでいるのは市役所職員そのものでしょう(笑)。

  10. ダメ出し より:

    合併特例債という借金の与信枠期限はもともと合併から10年の平成27年だったが大震災を受けて5年延長になった(平成24年6月8日)。被災地は10年延びたが。
    blog主さんが記事を書いた一昨年の時点では時間が迫っていて役所や市長が拙速に進めた感が否めない。
    今は平成32年(2020年)までになったのだから、ゆっくりとそれこそ白紙からじっくり議論をしてもよいはず。

    まあ、ハコモノ建設のために当選させた誰かさんは急かしたゼネコンや地元業者から何らかの報復を受ける覚悟は必要だろうがね。
    怖いねぇ。

    この市長じゃ、市庁舎も外旭川新駅も外旭川ジャスコも全然進まないね。
    秋田市はしばらくダメだな。

  11. ダメ出し より:

    今日の市議会本会議で市長が市庁舎本体の設計は変えずその他の工事で調整すると答弁。
    資材や設備のグレードを下げたり….だと?
    どれだけ豪華なもの作ろうと思っていたんだ?
    まあ、「現行計画の総事業費約130億円以内に収める方針」は、やってみたけど無理だったというのは議会が終わってからだな。

    • argusakita より:

      こんにちは。

      『方針』は『方針』ですからねぇ。歯止めも何も無いのが行政。
      まあ、150億くらいにはなるんじゃないでしょうか。
      9月定例議会も始まったようですが、冬の除雪対策にはどれくらいの予算がつくのでしょうね。
      ハコモノよりはそっちが気になるのが一般の住民では?

  12. ぷんぷん丸 より:

    あっはっは、やっぱり清水建設+地元業者JVで決まり。
    計画段階、パースが発表されたときも清水で決まりと皆が思っていた通り。
    何故、こうもこじれたか推理すっかな。

    当初、清水が内定していたものの人件費、資材費高騰で秋田市に予算増額を要求。秋田市は難色を示し、それなら地元業者だけに限るぞと発表。
    対抗する清水は、地元業者を集め、適当にJV作って入札が不調になるように札入れを指示。そうしないと今後下請けに使わないぞと。
    予定通り地元のJVが入札不調を2回猿芝居して見せた。
    結局最後には当初の予定より20億積み増しして決着。よく働いた地元業者を下請けに入れて清水が受注。
    推測ですよ、推測(笑)

    年間売上げ1兆2千億を超えるゼネコン。秋田市の年間予算の10倍だ。
    揃っている人材も何もかも敵うわけが無い。
    なかいち、新美術館と清水ベッタリの秋田市ですなぁ。
    新文化施設は県も絡むので鹿島ということで話がついたのでしょうな。

    TVで見たけど穂積っていつみても昼行灯みたいな精気の無い間抜けな表情。

    • argusakita より:

      あ、そういう風に決まったのですか。
      市庁舎本体が20億上積みになったってことは、付帯工事がその分20億減額されるでしょうかね?
      それとも再度議会に追加20億を認めさせますかね?
      20億減額なら付帯工事は雑工事で地元業者で十分でしょうが、20億減はさすがに飲めないでしょうから、綺麗な庁舎の周囲は砂利敷いて終わりかもしれませんね(^^)。

      相変わらず、度し難い話ばっかりです。

  13. ちんあなご より:

    東部市民サービスセンター、 【談合情報】で入札者なく不調に   
    談合情報は封書で寄せられ、落札するJV名を挙げ、「必ず落札することになっている。他のJVは見積もりをしていない」と指摘する内容。
    3JVはいずれも市内業者3社で構成。事前公表の予定価格は6億3988万円
    http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20131114h

    今度は東部市民サービスセンター。
    まえから書いていますが、この地域は異常です。

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