やはり奇妙な秋田県と北秋田市の決定 ~クマ問題~

八幡平のクマ牧場の従業員2人がクマに襲われて亡くなった事件に端を発した今回の問題、最終的(現状では)に知事が決断し、阿仁クマ牧場への受け入れのための新施設設計費(2千万円)と建設費(3億4千8百万円)を計上し議会を通過した。
議会ではこの知事の決断に複数の議員から疑問が呈されたが、知事は自分のリーダーシップだとトンチンカンな答弁で強行すると言い切った。

知事に拠れば殺処分をした場合に、動物愛護の観点から批判が殺到し秋田県のイメージが損なわれ観光客の減少にもなり、トータルで考えてマイナスのほうが大きいということだが、これもまたトンチンカンな意見だろう。減少するどころかもともとどれほど観光客がクマ牧場を訪れているのか聞いてみたいものだ。
また、殺処分しないように国内外から圧倒的に嘆願が多かったということも報道を通じて言われているがこれはかなり怪しい。秋田県のHPにもその実態については記載がない。
秋田県民に聞いたらおそらく圧倒的に殺処分やむなしの意見が多いのではないか?
以前、筆者は『熊の移送と飼育は知事・市長の私費と賛同者の寄付金で』と書いたが今もそう思う。

動物愛護の観点からというが、海外では例えば動物園で生まれた子供を親が育てられない場合(育児放棄)には人工哺育は不自然ということで躊躇なく殺処分されるケースもある。不健全な環境で飼い殺し状態はそれこそ動物愛護ではない。
そもそも、この八幡平クマ牧場については事故後2012年4月20日に動物愛護に関する海外13団体が佐竹知事に要望書を提出している。これを地元メディアは取り上げていない。

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この要望書には、
『以上を満たすことができないのでしたら、クマを不適切な施設へ移動するのではなく、人道的な安楽死を検討するべきと考えます』
『世界中に存在する仲間や同僚を代表して、再度申し上げます。八幡平クマ牧場のクマたちの福祉を向上するために上記の解決措置を確実に実行していただくか、それが不可能なら持続する苦しみから解放するために人道的な方法の安楽死をご検討ください
と書かれていて、クマの飼育施設に関する条件、飼育に必要な人的条件(獣医師やスタッフ)をクリアできなければ安楽死を検討すべきと言っている。

そもそも飼育している動物の殺処分は法的には所有者が決めることであり、県や知事が決める前に破綻した八幡平クマ牧場の経営者にさっさと決めさせれば良かったのだ。
経営者が殺処分すると言えば、行政としてはその決定を尊重し処分・埋葬等に関する費用や人的な支援を行えば良いのであって、知事が動物愛護の私見を語る必要など微塵も無い。
第一、当事者である破綻した牧場の経営者がTVニュースで『このままでは殺処分しかない』と言っていたではないか。
敢えて言えば、せめて行政がプラスアルファしてもよさそうなことは殺処分したクマの慰霊碑でも作って人間の愚かさを教訓にするようにしたら良かったのだ。(これなら費用的にも県民の理解が得られたはず)

12月26日に県と北秋田市が締結したという覚書は明らかにされていないが素案では、
・ヒグマ受け入れ後も、県は阿仁熊牧場の管理運営を全面的に支援
※支援先の実際は北秋田市営ではなく『マタギの里観光開発株式会社』
・北秋田市に新たな負担を生じさせないとの条項を盛り込む
・財政措置や職員派遣を行う
・覚書の有効期間は、ヒグマと受け入れ済みのツキノワグマの計24頭の生存期間中
※クマの寿命は20年前後ということだ
・ヒグマ受け入れで増加が懸念される阿仁熊牧場の管理運営費については、専門家のシンポジウムや動物愛護フェスティバルなどを県が主催、来場客を増やして入場料収入で穴埋めする
ということらしい。
つまり、24頭が行き続ける限り県が無条件に北秋田市への公金(税金)投入を続けるという無茶苦茶な内容だ。もっと正確に言えば、『マタギの里観光開発株式会社』への公金投入を続けるということだ。メディアはあたかも北秋田市への補助のように書いていて相手が一民間企業であることには決して触れない。形式的とはいえ株式会社は民間のはずだ。

金額の大小が問題ではないが、新施設設計費(2千万円)と建設費(3億4千8百万円)だけではなく今後延々と公金の投入が行われ、その投入先も県立クマ牧場ではなく北秋田市の『マタギの里観光開発株式会社』という株式会社である。公設民営なのかもしれないが、阿仁クマ牧場は北秋田市営ではないのである。
一民間企業に公金を平気で投入するのは大韓航空への補助金でもそうだが佐竹知事のお得意である。とんでもない話だが、それをリーダーシップと勘違いしているのだから手が付けられない。
固定資産になると思われる新施設、売上げではない県からの補助金・・・、株式会社なのだから贈与と雑所得で税務署はきっちりと対応してもらいたいものだ。
こういう公民混同なものを平気でやってのける秋田県や北秋田市、それを許す秋田県民はちょっといかがなものか。未だに第三セクター的な考え方、施策が連綿と続いている。

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やはり奇妙な秋田県と北秋田市の決定 ~クマ問題~ への1件のフィードバック

  1. argusakita より:

    誰が見ても少し時間が経てば『ほら見たことか!』と指摘されるのが予想されることを無理矢理進めるのが行政、自治体の特権といえば特権(殿様知事に言わせれば『リーダーシップ』)である。
    血税はこうして無駄遣いされていく・・・。

    北秋田市、三セクに6千万貸し付け 「クウィンス」休業へ(2015/9/1 魁)

    北秋田市が市出資の第三セクター『マタギの里観光開発』(既に累積損失が1億7千万)に運転資金6,000万円を貸し付けるらしい。
    市議会で説明したらしいが、市議会は単なる追認機関だろうから、おそらく反対もなく融資するのだろう。
    いいなぁ・・・実質的に無担保融資(^^)。民間ならまず考えられない。

    強心剤をどんなに使っても死ぬときは死ぬ。

    北秋田市の住民は、目先のことだけでそれでいいのかなぁ?
    この件は殿様知事、秋田県にも『覚書』がある以上、責任の一端はあるな。

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