馴れ合いといい加減さの典型 ~秋田県の政策に関する外部評価~

知事選の前からメモで書き溜めていたのだが、朝早い便でモスクワに向かうため時間潰しを兼ねてupする。

選挙もあることだしと遠慮していたものの今回は残念ながら知事選も行われず暢気な知事がなんとなく2期目に突入し、相変わらず危機感の無さでボーッとしているように見える秋田県(知事と県庁組織と言い換えても良い)のいい加減さを指摘してみる。

県のHPに平成24年度政策等評価に係る外部評価の実施についてというページがあり、県の政策等を第三者の視点で評価する外部評価というものがupされている。
外部評価結果報告書はダウンロードして見ることができるため、ぜひ一度眺めて欲しい。

今回の外部評価のテーマは、
(1)特定非営利活動法人 秋田県南NPOセンター
「働きながら子育てできる環境づくり」
(2)特定非営利活動法人 あきた市民政策支援ネットワーク
「県民協働のための基盤づくりの推進」

となっている。
まず、それぞれ評価を行ったとされるNPOが問題である。NPOなどというものは、役所の代弁者だったり、役所に対するロビー活動組織だったり、役所の作った赤字の清算団体だったりするわけだが・・・。
(1)(2)はNPOであるから秋田県の広報で知事名で公告されたものであり、秋田県南NPOセンターというのはそのHPを見てもわかるように、横手にあるNPOで主たる事業は秋田県から発注される秋田県南部男女共同参画センター指定管理者業務である。
また、あきた市民政策支援ネットワークというのは平成22年1月31日に申請された代表者:安食隆敏、事業所:秋田市(筆者の調べでは荒巻であるから日赤の近くだろう)となっていてHPも無く、わずかにblogを作ろうと思った形跡があるが、1年以上更新も何も無い。
第三者の視点というのは全くの誤魔化しで、一方は県の予算をもらって事業を受託するNPO、もう一方は実体があるのかどうかも不明なNPOである。
評価実施機関が県と利害関係があったり怪しげな機関であり、そのような機関が果たして第三者の視点というものを持ちえるかどうかは大いに疑問であり、評価において県から提供される資料他は県や利害関係先にとって都合の良いものに違いないわけで、単なる追認評価に等しいと見るのが自然だろう。県庁内部のお手盛り評価では批判されるため形だけ外部の第三者としているというのが実態と言える。

評価の中身はそれぞれで確認してもらえば良いが、何しろ『大甘』で思わず眉を顰めてしまうものだ。
総合評価を抜き出すと、(1)は、

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となっていて、ほとんどB評価でC評価が1つである。評価基準はこれまたわかりにくい分類をしていていくらでも玉虫色に読めるように作成している。

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『概ね順調』とは何だ? B評価など要らない。極端に言えば順調か順調でないかの2つで良いわけで、3段階にするにしても順調、尚一層の努力が必要、不適切の3つで良い。
つまりこの総合評価は『何一つ順調なものは無い』と読むことが妥当なのだ。
そもそもディスクレーマーで、『実施主体が市町村となっているケースがほとんどで、市町村ごとに実施ウェイトが異なるため、県民満足度にバラツキが大きい』などと書いてある。
まさに噴飯モノである。子育て支援などは実施主体が市町村であることは評価以前からわかりきっていることで、県の関与が難しいものもあることは明らかである。
その状況で秋田県が全県的に少子化に取り組むために必要・有効な施策を掘り起こすために評価をするのではないのか?
また、評価で用いられているアンケートは県北・県央・県南から各20名(計60名)の働きながら子育てをしている保護者(ママさん)ということになっている。しかし、そのうち17人は『働いていない』と回答している。何だこのアンケートは!?
たった60名(実質43名)という母数からの統計である。
これでは、実際に働きながら子育てをしている保護者達の切実な意見など吸い上げることも叶わないのではないか?
こういうアンケートこそ教育委員会の協力を得て学校を通じて全県的に行うべきもので、そうしないのは如何に秋田県が少子化対策や子育て環境の充実に真剣でないかの証左であると言わねばならない。

(2)の報告書は、はっきり言って読むのも苦痛だ。秋田県が一体何を目指して行っている施策なのかも不明だし、『県民協働のための基盤』というものがあまりに概念的・観念的過ぎ、さらにそれを評価しようなどとは無謀というか調査費用の無駄のようにしか思えない。そもそも『ふるさと秋田元気創造プラン』という『殿』のキャッチコピーが具体性に欠け、現実との乖離が大きいのだ。
この報告書の中でもアンケートがあり、母数はわずかに105人だ。しかも男女比が大きく偏り(男34.3%、女65.7%)、回答者の1/3が秋田市であり、能代市が1/5、これに美郷町を加えて6割以上になるというとても全県的なアンケートとは言い難いものだ。しかも回答者の年齢なども明らかにされていない。
こんな杜撰なアンケートは珍しいのではないか?
そして、そのアンケート、ヒアリングのまとめで有効性や効率性について『ヒアリングやアンケートでは判断できない』と平気で記述している。有効性や効率性について炙り出すのがアンケートやヒアリングの目的であり必要性ではないのか?
結局、総合評価は、

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となっており、『概ね評価できる』だそうだが予想通りの当たり前の結果である。
評価の各理由も数行書かれているが、その理由にたどり着く根拠(アンケートやヒアリングの結果)との関連性が希薄で、ここだけ別に書いたような唐突感が否めない。
スギッチファンドを知っている人が多いことがわかっただけでは政策評価にならない。実際にファンドを利用した人の意見や利用できなかった人の意見を聞かないことには評価に基づく施策の改善も何もあったものではないし、ファンドの施策の評価にならない。

この2つの外部評価、一体いくらの金額で発注し請け負ったのか知る由も無いが、
・県と利害関係のあるNPOの外部評価などは『お手盛り』である。
・回答者母数が少なかったり、男女、年齢、地域に偏りのあるアンケートでは信頼に耐えない。
・『概ね評価できる』を結論に持っていく予定調和ではお話にならない。
結局、こういうのがシロアリ役人達の細かな無駄遣いなのだ。

それにしても、この二つの評価を眺めても、
・秋田県は少子化対策、子育て環境の充実などに真剣ではない。
・概念的なキャッチも細かな施策も評価以前に県民はその存在すら知らない。
ということだけはよくわかるではないか。回答者の層・母数なども問題だが、こういう結果は『殿』もよく見るべきだ。

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外部評価は利害関係の無い民間企業などに委ねるべきである。
県庁の役人達(とそれを制御できない県議会)が秋田県を潰す。いつまでも変わらない実態である。

さてそろそろシュベッヒャートに向かわねば。

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馴れ合いといい加減さの典型 ~秋田県の政策に関する外部評価~ への3件のフィードバック

  1. blogファンその1 より:

    久々のコメントです。
    Argusさんが書いている、
    >NPOなどというものは、役所の代弁者だったり、役所に対するロビー活動組織だったり、役所の作った赤字の清算団体だったりするわけだが・・・。

    は、全く同感です。
    地元メディアもあまり取り上げなかったですが、秋田スギニカの整理などはまさに政策の拙さによる赤字をNPOに抱え込ませ清算したとしか思えませんよね。
    また、フォンテに巣くう朝鮮関連のロビー団体のNPO・・・。
    一昔前は3セクが問題になっていましたが、今は県関連の業務を行っているNPOは設立申請の認証が県知事であることもあり非常に怪しく、問題を抱えているところが多数に感じますね。

    • blogファンのあざみより より:

      私も、まったく同感です。過去に県の政策評価委員を務めた際も
      県との利害関係にあるNPO法人の外部評価では無難な評価しかできないだろうし、、
      評価の仕方に緊張感が伴わないことも指摘しましたが、
      一向に改善されておらず、むなしさばかり感じております。
      2年の任期を終了する最後の委員会では、この政策委員会を自分なりに評価し、
      こういう評価の仕方しかできない委員会であれば必要ない。と発言をした経緯があります。
      当然ですが、任期終了で解任されました。
      NPO団体については、私も疑問視していますが、行動に移せないでおります。
      Arugsさんのブログは、いつも刺激的で、共感できます。
      もちろん、時として意見の違う点もありますが、それすら刺激的です。
      こういう方が秋田にもいることを知り、ホッとするとともに、
      Argusさんの想いをなんらかの行動に移して戴けないものかと期待しております。

    • argusakita より:

      blogファンその1 さん、blogファンのあざみより さん、こんばんは。

      やっぱり外部政策評価やNPOに対する見方は私以外にも多くの人が同様に感じているのだなと安堵しました。
      何故こういういい加減なものを県民が許しているのか、地元メディアが全然取り上げないのか不思議を通り越して異常さを感じます。
      決して綺麗ごとの正論のような指摘ではないのですが・・・。
       
      blogファンのあざみより さん、
       
      実際に政策評価をされた方の意見は重いですね。
      私も実は90年代にある件で委嘱状をもらって結構な報酬をもらって5年近く県の仕事をしました。そのときの『何だこの腐った組織は!』という印象が未だに・・・。
       
      意見や見方が違って当然ですし、私は自分の思い込みがいつも正しいと思うほど若くはありませんので、ぜひ違う意見、見方を都度コメントください。
      想いを行動にというお話ですが、リーマンショックさえなければ50代半ばで仕事を引退し、子供の頃育った秋田に何か役に立つことをなどと考えていたのですが、そうそう人生思うようにはいかず今は自分の頭の上の蝿を追っ払うのが精一杯です。
      しかしあまりにも酷い県政、市政や今春の選挙の状況を見ていると意識のある人達が動かないと秋田は本当に大変なことになると強く感じています。
      同じような想いの人はいるとは思うのですが・・・。

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