ネット選挙のガイドラインがネット規制を強めることになる

深夜(こちらでは朝3時過ぎ)、ホテルの部屋の外で女性の叫び声とバタバタ走る複数の人間の足音で目が覚め、何事かとドアから覗くと何人かが走り回っている。ヤバイなと思いつつ、こういうときは火事でない限りドアロックを確認してドアから離れるに限るので知らん振り。
まったく迷惑な話だが、海外ではそう珍しいことではないのでもう一度寝ようと思ったが目が冴えてしまった。

参院選に向けてネット選挙のガイドラインが固まったようだが、あちこち拾い読みをする限りあまりにもザル法のようなもので度し難い。
メールの利用をどう制限するかが与野党の相違と言われているが他にもいくつかポイントがあるようだ。
■ウェブサイトのトップページにメールアドレスなどを表示
まともにテキストでlinkしたメアドなど載せたら最後、日に何十万通ものspamが届くだろうからlink無しの画像で載せるのだろうが、ネットを使う人間が全て画像を表示可能なブラウザを使うわけではない。テキストブラウザを使う有権者を無視したものだ。

■各選挙管理委員会は政党・候補者のウェブサイトのURLを公表
単にポータルのURLを公表しても、例えばそのページだけが認証されていてもWeb2.0でlinkされているページの一部等の認証まで保証するものではないため信頼性は確保できない。(消火器押し売りが『消防署の”ほう”からきました』と言うのに近い)

■一般有権者が政党・候補者からの電子メールを転送することは禁止
電子メールで、たまたま留守中に自動転送設定をしていたりvacation設定していると禁止行為に抵触するではないか。

■ウェブサイトや電子メールに添付されたビラなどを紙に印刷し、頒布することは違反
そもそも電子メールに添付ということが理解されていない。そもそもメール添付は画像だろうと音声だろうと送信時にはencodeされたASCIIテキストデータなのだ。
簡単に印刷できるプログラムとデータを一体化した実行ファイルを添付して、それを受け取ったほうがオフラインで実行した場合も添付物の印刷、頒布に該当するのか?
受け取る側も、秋田県のような年寄り多数で情弱状態ではiPadででも持ち歩いて一々見せて歩くしか方法が無くなる。

■政党や候補のHPなどの企画立案制作等を丸投げ外注した場合、買収にあたる
政党ならまだしも候補者がそれらを陣営内に抱えるのであれば全体で見れば莫大な金の要る話になるではないか。そもそも自分でキーボード叩かない年寄り候補者の大部分は途方に暮れる。ひょっとしてコンテンツ屋さんは選挙バブルで大儲け?

インターネットの技術はその制約や規制が無いに等しいからこそこれだけ普及した。今更人為的に、しかも『抜け』だらけの規制をかけること自体が無謀なことだ。
ご馳走を目の前にして『何でも食べていいよ』と言われていたのに何かを食べようとしたら『あ、それは食べちゃダメ、あ、それも食べちゃダメ』ではちゃぶ台返ししか待っていない。

毎日新聞によれば、
警察庁有識者会議:ネット管理者が通信遮断を 匿名悪用で
だそうで、Torの使用制限をサイト管理者に要請し、Torで使用するExit RouterのIPアドレスを拒否するようにプロバイダに促す方向だそうだ。警察が『要請』『促す』と発表するときは従わない者は別件・別手段で取り締まることを意味するため、この流れは日本では強まるかもしれない。だが、これも全くの無駄でExit Routerと目的のサイトの間に海外のサーバ(DynamicにIPアドレスを変更可能ならベター)を経由すると回避される。
警察庁は『Torを使われると捜査はお手上げなので使うな』と間抜けなことを言っているに等しい。
ネットの匿名性が欲しい奴はどこまでも技術的にそれを追求することを何故理解できないのか不思議で仕方がない。(諦めるか支那の金盾方式しか無いのだ)

投票率は上げたい(特に若者の)、だが誹謗中傷は困る(特に自民党や公明党)、だから半端な規制を試みる
—->抜け道をどんどん試される
—->もっと規制を強く、大きな網をかける
—->さらに大きな反発を買う
(以下繰り返し)

ネット選挙の半端な解禁は今後ネット規制を強くするための布石としか思えない。

おっと、外からパトカーの音が聞こえる。

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ネット選挙のガイドラインがネット規制を強めることになる への2件のフィードバック

  1. 選挙マニア より:

    そろそろ参院選が見えてきましたね。
    ネット選挙に絡んだ法律改正によるガイドライン(案となっていますが最終はいつなのか)を読んでみました。
    http://www.soumu.go.jp/main_content/000220083.pdf

    なんだかArgusさんの指摘していた部分は曖昧またはそりゃ現実的に無理だと言うものばかりのような気がします。
    今度から個人的にも組織的にも落選運動(誰それを落選させよう)も行えることがちょっと画期的でしょうか。

    それにしても秋田県選挙管理委員会のWebページ、
    http://www.pref.akita.jp/senkyo/
    ここがそもそも改正に無関心かのようなページ。
    <最近の改正>が、なんと平成19年12月28日公布、平成20年1月1日等施行の分です。
    やる気が無いのか、どうせ秋田はジジババでネット選挙など無縁だと決め付けているのか、酷いものです。

    • argusakita より:

      選挙マニアさん、こんにちは

      秋田県選挙管理委員会のWebページ、確かにやる気無さそうです(^^)。
      情弱状態で選挙に関する情報が年寄りに伝わらないというのは超高齢社会の秋田では問題ですよね。
      そもそも、選挙情報に限らずLCCの航空券やコンサートのチケット、日用品や食料品などもネットを使わないと入手できないモノやネットを使うと得なものがこれほど普及しているのですから、年寄りたちは完全に損しているでしょう?
      少なくとも選挙に関しては、行政の責任が大きいように思うのですが、秋田県などは何も動きはありませんか?

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