秋田の『内需拡大』を胃袋から

今回はいくつかのまとまった仕事のプロジェクトが平行して走っているためなかなか日本に戻れず久しぶりに4ヶ月近い海外生活になっているが、あちこち出張しているため根無し草状態で少々草臥れてきた。こういうときはやはり日本食が恋しくなるのだがウィーンではリーズナブルな値段でまともな日本食を食べられるところが無いためたまに送ってもらった米を炊いてみたりする。
とはいうものの、この4ヶ月弱で米を日本風に茶碗で食べたのは2回かな。若い頃イギリスやドイツで数年間生活したせいもあり米が無くても特に困ることも無く、日本では手に入らないようなパスタやパンでも十分暮らせる。秋田にいる家族も平均よりははるかに米を食べないのではないだろうか。5人家族で10kgも米を買ったら1ヶ月以上持つのだから。
日本人なら米を食えという言葉もあるが、日本人の米の消費量は1960年代の1,300万トンから最近は700万トン台に減ったそうでウチみたいなのが増えたのだろう。日本ほど米以外に麺類、パン、パスタなど豊富に選べる国も珍しいかもしれないとは思うが米以外の選択肢が多いのは良いことだ。
消費量が激減しているのに、未だに米が農業の主力で『農業県』を標榜しているステロタイプな県の無策ぶりには呆れてモノが言えないが、その米農家も高齢化と後継者不足だろうからもう10年もしたら秋田は米どころ”だった”と過去形で言われることだろう。

そのステロタイプな県の最重要課題が雇用だとされているが、さっぱり成果が見えていないようでこれまた無策ぶりには呆れてしまうが、雇用を生み出すために企業誘致するにしても秋田ほど企業にとって魅力の無い、むしろ不利な条件の揃った場所は無いくらいで今後もまとまった雇用を伴う企業誘致などはうまくいくとは到底思えない。
地元の起業する人を支援すべきなのだが、その支援策も中途半端でほとんどの新興企業が数年で消えてしまう。仮に順調に業績が上がっても企業は成長が必要でそのためのマーケットを必要とするため、あらゆるマーケットの小さな秋田を出て行くか軸足を県外に置かざるを得なくなる。
いっそのこと雇用を作るなどと出来もしない大げさなことを言わずに地元の『消費』拡大にエネルギーを傾けるべきではなかろうか。
民間の可処分所得が少ないため消費拡大は簡単ではないが、ある程度の消費の規模が出来ればその消費を支える関連業種が活性化し波及していく。そのスパイラルを生み出すまで何らかの形で公費を投入すべきだ。実は、この意味でかつての食糧費には意味があったのだが公務員に対する『やっかみ』がこれを止めさせ、特に都市部での経済に影響を与えたといっても過言ではない。
秋田の『内需拡大』については、以前から何度か書いてきた。

秋田の内需拡大の思いつき(2012/02/19)
シルバーウィークよりも年金を金券で給付したら良い(2012/05/28)
などである。

日本の中では秋田は特筆すべき歴史も無く、そのせいで文化的な施設も文化的資産も多いとは言えず、ひいては住民の文化水準(食文化も含めて)も全体的に高いとは言えないのが残念ながら現実だ。
加えて可処分所得が少ない、そういう場所では消費拡大は衣食住の衣食に向かうしかなく、昔から秋田は着道楽、食い道楽と言われる通りなのだが、ちょっと街を歩けばわかるように年寄りたちのファッションは着道楽とは縁遠い辛気臭いものだし、若者向けのアパレルも過当競争なのか最近は元気が無さそうだ。
となれば食い道楽が残されるわけだが、筆者の個人的な印象では秋田の人がさほど食い道楽、美味いものを食べているという感じはしない。
秋田県全体では海山の美味い素材は沢山あるのだが、それをちょいとおしゃれに食わせる店や雰囲気の良い『ハレ』の日に奮発して家族で行こうかと思う飲食店がほとんどない。
若い人が奮発して勝負デートにと思うような店もほとんど無いだろう。
よくあるパフォーマンスを伴うステーキハウスや、天ぷら屋、座敷や小上がりですき焼きやしゃぶしゃぶをなどという店も多いとは言えない。人口30万の秋田市ならもう少し気の利いた飲食店があってもよさそうなものだが・・・。
結局酒飲み主体で、中央資本やフランチャイズのやかましい居酒屋チェーンのような店に人が集まるという残念な現象が起きている。秋田駅前近辺などはそういう居酒屋ラッシュだそうだ。
そういう居酒屋が一過性の使い捨てながら雇用を生み出しているのも間違いないが、地元や関連業種への波及効果という点ではあまり良い方向ではない。もっと地元の人間が経営して店と客が互いに育つような飲食店が理想的なのだ。

せっかく義平福や藤里の羊、県南の(どこだったかな)兎や生ハム、北秋田の馬肉、男鹿の鯛やトラフグ、八峰町のアワビ、本荘の舌平目、岩牡蠣など付加価値の高くできる素材があっても地元でそれらの専門店すら無いのではおかしいだろうと何故思わないのか不思議で仕方がない。
秋田には美味いものが一杯あるという人に聞いても美味い食べ方をあれこれ教えられる人は少ない。
別に価格の高いものばかりが能ではない。前記のような素材を気軽に手ごろな値段で食べられることが大切だ。
年寄りも立ち寄れるような秋田県内の漬物を常時100種類食べられる店、季節によっては山菜が多数、あるいは県内の果物をメインにしたフルーツバーなどがあっても良いではないか。
美味いものがあるなら、まず地元の人間たちがそれを食べられるように。そういう発想が何故首長に無いのか・・・。
秋田市の広小路のシャッター通りや市場の近くを秋田市や県で借り上げ、3年くらい家賃タダで貸し出すような思い切った施策で景気に刺激を与えるようなことが必要だろうし、特に秋田市は保健所の管轄を秋田県とは別に行える中核市なのだから飲食店に関して特区的な規制緩和の施策も可能なはずだ。
例え、既存の飲食店に対する民業圧迫だと言われても中長期的には競争原理が働くはずで批判には競争しなさいと言えば良いだけだ。

先月、サンフランシスコに数日出張した際に行った海鮮の店がある。カウンターだけの小さな店で値段も安いし美味い。気取った店でも客に媚びる店でもないが調理(といっても素材そのものをストレートにという感じ)する親父たちが最高。気軽に行けるため、サンフランシスコに行く際は大体毎回行く。
こういう店が秋田でも沢山できれば、そのうち可処分所得の高い人たち向けの気取った高級店も出てくるかもしれないではないか。

インターネットでも検索できたので紹介しておく。
Swan Oyster Depot(スワン・オイスター・デポ)

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