相当に遅れてしまった日本のICT分野の拙さ

自分の仕事の分野をまじめに書いたことはあまりないが、こうして海外で仕事をしていて最近強く感じるのは、ICT分野つまり通信(音声・データ)、コンピュータ(ソフトもハードも)のセクタで産業としての競争力という点では日本は残念ながら完全に二番手、三番手グループに落ちているということだ。しかも残念なことに、おそらくここ当分はこれを挽回できないと思われる。
無論、量子コンピュータやスパコン、半導体製造技術、光通信の基礎科学の分野ではまだまだ日本はトップレベルだと思うが一部の工学と基礎科学を除けば、産業としては弱小国に近い状態と言っても過言ではない。
かつては世界のシェアも大きかった半導体も付加価値の高いCPUやDSPは無論、DRAM他HDDなども含めて国産はほとんどシェアが無い。自動車用のCPUセットなど特殊なものは大きなシェアがあるものの汎用性のあるものではない。秋田の電子工業などはコンデンサチップなど付加価値の低いものばかりで為替が動けば工場閉鎖に追い込まれるほど脆弱な産業しか無い。
パソコンも富士通やNECなどは自社のグループ企業くらいにしか需要が無いのではないかとさえ思えるくらいで、一般向けの市場ではHP、DELL、Lenovoあたりに大きく水を開けられている。

通信の世界では、目も当てられない状態が続いている。
携帯やスマホ、タブレットなどは国産のシェアはほとんど国内出荷くらいで海外に出ているのはSONYのエクスペリアくらいか。
端末のデバイスがガラパゴスで行き詰ったのはよく知られていることだが、実はそれ以上に通信のバックグラウンドの世界で日本企業の出る幕はほとんど無いのが現状だ。
一般の人にはなじみがないだろうが、通信機器の世界でのトップシェア企業は売上高を見るとスウェーデンのエリクソンだと言われるが、現在は(おそらく)支那のHuawei Technologies(華為技術)となっているだろう。

huawei-logo

欧州では、仏:アルカテル・ルーセント、フィンンランド:ノキア・シーメンス・ネットワークスなどもある程度シェアを持ち、米:Cisco Systemsなどもメジャーだが、日本企業の存在感はほぼゼロに等しい。
そもそも日本国内でも国産の機器(コアスイッチやルータ等)はリアルタイムのシェアは不明だがおそらく2%あるかないかくらいだろう。
本来、通信機器は耐久性、信頼性が要求される付加価値の高い機材で日本のモノ作りの精神からいえばお家芸であってもおかしくないのだが、長年のNTTによる旧電電公社企業(NEC、富士通、沖、日立)との馴れ合いや無競争体質で商品開発をしなくとも良かった時代が長く続いたせいで海外のメーカーにすっかりやられてしまった。

現在世界トップ企業であるHuawei Technologies(ファーウェイ、華為技術)は固定通信、移動通信両方を手がけ、ファイバー敷設(無中継5,000kmという技術を持っていると言われている)から携帯端末まで手がけ、半導体設計から鉄塔敷設といった広範な事業を行っている企業だが、日本では一般にはあまりなじみがないはずだ。
日本の固定・移動通信のバックボーンはそれこそ旧電電ファミリーでガチガチなのとCisco等の機材が既に入っているためファーウェイの入る余地はあまり無い。
このファーウェイは民間企業であるもののトップが支那の軍出身の人間で、輸出には政府が補助金を出すため海外での価格競争力が抜群だ。欧州でも、ロシアのTransTelecomに25,000kmの光通信網を提供したりスペインではボーダフォン、ハンガリーのT-mobile、ドイツのドイツテレコム、イギリスのブリティッシュテレコムと食い込んでいる。アジアでも支那の国内企業だけでなくシンガポール・テレコムなどもファーウェイの独壇場だ。
そのため、現在は欧州各国もこれはまずいと思ったのかこのダンピングを制裁するという方向で来月には47%の輸入関税が決定される予定だ。当然支那は保護貿易だと反発している。

移動通信では後発組のため各国での事業展開ではエンドユーザに近い部分から『攻めて』いる。日本ではソフトバンク(イー・アクセス、ディズニー・モバイルも含めて)の家庭用Wi-FiルータやUSB接続型のデータ通信端末などの他、NTTドコモ、au、沖縄セルラーも含めて基地局などに食い込んでいるのが実情だ。イー・アクセスの札幌、仙台などはほとんどファーウェイだ。

sb102hw gl01p s9300css
(ファーウェイはこういう家庭用の小さなものだけではなく大型のコアスイッチなども製造している)

このファーウェイ、昨年10月に米連邦議会下院の諜報委員会で同じく支那の通信機器メーカーZTE(中興通訊)とともにスパイ疑惑を問われた。

zte-logo
委員会は人民解放軍や支那共産党公安部門と結託し、スパイ行為やサイバー攻撃のためのインフラの構築を行っている疑いが強いとする調査結果を発表し、両社の製品をアメリカ政府の調達品から排除し、民間企業でも取引の自粛を求める勧告を出した。
アメリカがこういう難癖をつける場合は大抵国内企業によるロビー活動によるもので、Ciscoでさえ製品の約3割は支那で製造していることなどを考えても妙な言いがかりという向きもある。
しかし、最近、アメリカだけではなく、日本、南朝鮮、フランス、ドイツ、オーストラリアなどの公共機関や金融機関へのサイバーアタックの発信元が支那ということも続き、下院議会の指摘がまんざらでもないという空気が出てきた。自作自演という陰謀説も無いことは無いが・・・。
欧州のダンピング課税もそういう状況に影響を受けたと見てもよい。

安全保障は武力だけではない。現代社会ではエネルギーの次に重要なのが情報通信であり、災害時などを考えてもその重要性はあの大震災で日本人は身にしみて知っているはずだ。
家庭用のWi-Fiルータ程度ならまだしも、移動通信の基地局やバックボーンに安いからというだけで支那企業の製品を無造作にどんどん入れていくことに筆者は非常に抵抗を感じるのだが、そういうことに造詣の深い政治家が日本では少ないことと支那シンパが多いため国会で話題になることも無いし、支那寄りの多いマスコミも取り上げるわけがない。
産業競争力+安全保障の面で二重に拙いなと思う日本のICT分野である。

端末は米:Appleや南朝鮮:サムスン、バックボーンは支那:ファーウェイ、アプリはLINEで南朝鮮・・・いいんですかねぇ日本は?

ブログランキング・にほんブログ村へ
(blog rankingに参加。ご協力を。Click it!)


広告
カテゴリー: ディジタル・ネットワーク, 迷惑な隣国, 国際・政治, 国政・国会, 海外 タグ: , , , , , , , , , パーマリンク