サイバーボランティアという低レベルなチクリの仕組み

アメリカのNSAによる大手情報サービス会社からの個人情報入手が2007年からそれぞれのサーバへの直接的なアクセスによって行われていたというPRISM Scandalが欧米で大きな物議を醸していて、内部情報をリークした元CIA職員Edward Snowden氏のPowerPoint画像があちこちに出ている。

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Snowden氏は香港で隠れているというが、アイスランドへの亡命を希望しているらしく、アイスランド側はさぞや迷惑なことだろうが、ロシアは逆に亡命を受け入れるなどと発表している。

このスキャンダルを巡って名指しされた9社、Microsoft、Yahoo!、Google、Facebook、Paltalk、AOL、Skype、YouTube、Appleはそれぞれ『ウチは協力していない』と発表したり否定発言をしているが、野次馬からはかえって怪しまれる結果になっている。
NSAは連邦法に基づく法的根拠のある活動だと弁明しているが、これもかえって疑心暗鬼の空気を生んでいる。
問題が国際化しているのは、これら9社が国際的なサービス会社であるためNSAによる個人情報収集が国内の米市民だけではなく海外(他国)の市民の個人情報収集まで及んでいることによる。
こうなるとスキャンダルは一層加速し、今は情報戦といった様相。
Snowden氏の特異な経歴、特殊部隊に入りたかったが入れなかったことでの遺恨などと個人への印象操作、9社のうちAppleはジョブス氏が生きている間は拒否し続けていてそのせいでジョブス氏は癌にされた・・・といった陰謀説まで出てきてしばらく火は収まらない模様だ。

技術的にどうなのかという議論も起きているが、各社のサーバにバックドアのようなものを作ることは外部からは難しそうで、何か一種のAPIのようなものをサーバのプロセスに仕込むことでbig dataの取得を継続的に可能なようにしていたのだろうとする推測が大方の見方だが、そうなるとサーバを管理する各社の協力無し(全社的かどうかは別として)には起き得ないだろう。やはり怪しい・・・。
挙げられた各社に限らず、今はbig dataの有料提供がビジネスになっているため、日本でもそのうちLINEやcommなども何かのきっかけで・・・。

しかし、二枚舌のアメリカらしい話題である。支那のように『金盾で全部監視しています』と半ば公表しておくほうが逆に誠実そうに見えるから可笑しい。

国家的な情報監視の内部告発や漏洩の話題の一方、スケールや問題こそ違うが新潟県でも秋田県警同様の大学生によるサイバーボランティアによるネット犯罪監視・チクリシステムが行われるらしい。
警察は報酬をもらう職業であるにも関わらず、自分たちでやらずに無報酬のボランティアに仕事をさせるというとんでもない話である。
秋田県のサイバーボランティアについては発足時から筆者は疑問を感じていたが、一体何をしているのか、効果はあったのかなどはさっぱりわからない。
■『ネット監視、大学生ボランティア募集』という不思議さ
■秋田県サイバーボランティア発足に思う

いずれはサイバーボランティア協会といった天下り団体でも作るのであろう。
先般の泉中のYouTube動画upの件では発見したのは同校の教員(この先生もヒマというか大変だが)だということだし、振り込め詐欺防止で表彰されたりしているのは銀行の窓口の行員だったりする。
そもそも日本一ネット利用の割合が低い秋田県では犯罪の犯人よりは年寄りを中心とした『情報化社会要援護者』である被害者のほうが多い可能性が高いわけで、犯罪者の発見よりも被害者にならないように情報リテラシー向上あるいはその手助けに注力すべきである。
海外も国内も県内外など無関係なインターネットで田舎の県警が何にどう対処できるのか大いに疑問だ。
警察にはネットのサイバー空間で存在感を見せることに注力せずに現実社会の身近な問題を解決して欲しい。筆者の子供たちの防犯登録、施錠した自転車はこの5年間に3台盗まれて被害届けを出しているが1台もかえってこない。おまわりさん、働いてくれよと。

インターネットは例えて言うなら、F1サーキットに時速300kmのF1マシンや一般乗用車、自転車、あるいはコキコキ進む三輪車が混在している状態でしかも皆一方向に動いているわけではない状態だ。
そんなサーキットに交通安全の黄色い帽子をかぶって『交通整理』に立つという滑稽な図式はあまりに無謀と言うか滑稽である。
Anonymousではないが、インターネットにある『規範』は(善悪含めて)『自由』だけであって、国家や法律が規制できるものは限界があることは事実だ。これを見てみないフリをして『インターネットの健全利用』だとか『ネットの安全・安心を』などと嘯くのはいかがわしい新興宗教並みのまやかしである。
極端な話、例えばアダルトサイトが増えて未成年者が好きなように利用できるようになってずいぶん経つが、そのせいで現実社会の秩序が大きく乱れたり、振り込め詐欺の被害でどこかの株価が下がったり使われた銀行が潰れたなどという大きな被害があったとでもいうのだろうか・・・。ネットがあろうがなかろうが騙される奴はいるし、騙されたほうにも結果責任の半分はあるはずだ。

サイバーボランティアで大学生を募集するということは、そういう分野に特技を持つあるいは造詣の深い地元の若者(まあ、オタク)の個人情報を収集し、そういう輩がダークサイドに落ちて犯罪者になる場合に見込みをつけることには役立つかもしれないが、トラフィックのタッピングも出来ない(技術的にも法的にも)アマチュアに漫然とネットの掲示板やSNSのチェックをさせるのは膨大なネット情報ではほとんど意味が無い。むしろ大学生のボランティアではなくきちんと報酬を支払い障害者雇用にでも役立てるくらいの知恵が欲しい。下半身に不自由があったり耳に障害がある場合でもこういう監視作業は可能で、筆者が以前雇用した経験からも非常に集中力の高い仕事をしてくれる人が多い。

監視など無駄で、ボランティアでやらせるならネット犯罪の被害者予備軍である、
・自分の携帯を持つ少し手前の年代の子供たち
・年寄りを中心とした『情報化社会要援護者』
の情報リテラシーとモラル向上を手伝うほうが健全ではないか。
官憲の片棒かついでチクリの手伝いをするよりは、よほど社会貢献である。
サイバーなんとかの大学生にはもう少し考えて欲しいものだ。

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サイバーボランティアという低レベルなチクリの仕組み への6件のフィードバック

  1. 不満居士 より:

    秋田県のサイバー何とかも昨日だったか一昨日だったか今年度分でしょうか委嘱状を渡す式が行われていました。ニュースでは見ましたが魁には無かったような気がします。
    一人の大学生が『自分はコンピュータの専門でもないが頑張ります』みたいなことを言っていましたが、おやおやという感じでした。警察が関係することに参加すると就職か何かの履歴書にでも書けるのでしょうかね。
    大学生のボランティアはArgusさんが書かれた様に本当に身近な社会のためになるもっと別の方向に向かって欲しいものです。

    最近の警察を見ていると不祥事は問題外としても何か妙な話題が多いですね。
    振り込め詐欺の新しいネーミング、渋谷のDJポリスに警視総監賞、そしてこの秋田のサイバー何とか。警察のマスターベーションでしょうか。
    警察が手がけなくとも良いものにわざわざ取り組んで、費用がかかるとしたらこれも税金の無駄遣いです。

    • argusakita より:

      不満居士さん、こんにちは

      やはりそう思うでしょう?
      『母さん助けて詐欺』の馬鹿らしさとそのイベントに使った無駄遣いは知っていますが、DJポリスってのは知らなかったのでググってみました。
      なかなかセンスのいい警官じゃないですか(^^)。ただ、身内に賞をやってどうする?という気がします。あんなもの流行語大賞でいいですね。

  2. Fラン大学生 より:

    学生の間でもちょい話題。 ….というわけでもないかw
    ハンパなオタクが集まったって話。
    中には、あいつIPアドレスなんて知ってるのかという程度らしい。
    警察のパシリみたいなことをまじめにやるとか…志の低い連中だぜ。

  3. なまはげ より:

    秋田県は極めて特殊な地域で、秋田県の役所は今でも 【一太郎】 を使っています。
    秋田県警は 【一太郎】 以外のワープロソフトを使えない、という人が非常に多い。

    そんな古色蒼然とした連中が、サイバー犯罪対策なんてムリです・・・
    アルバイト以下の役人よりも、学生の方が遥かに優秀です。
    県警にレベルの高い人材がいない以上、 【学徒出陣】 もやむを得ないと考えます。

    • argusakita より:

      なまはげさん、こんにちは

      一太郎、秋田県がそう特殊なわけじゃないです。他の自治体でもそういうところは少なくないです。これには理由があって、昭和の終わり頃だったか(ずいぶん昔でしょ)内閣官房長官通知が出されて公用文における漢字使用について決まりがあるのです。
      例えば、○表す ×表わす のような どーでもいいことですが。
      これに準拠(optionで選択)したのが一太郎のATOKで、さらに1990年代だったかジャストがPCと抱き合わせで5太郎だったか6太郎の頃に全国自治体に廉価(一種のダンピングです)で大量に納入したのです。
      こういう事情がずーっと続いて、今も一太郎を使い続けていると。
      でも、文科省・法務省では今でも一太郎指定らしいですし、防衛省はWordバンドルのPCを大量導入したにもかかわらず敢て一太郎を買ってインストールしているらしいです。

      別に何のワープロS/W使ってもいいのですが、世間は圧倒的にWordユーザが多い現実を考えると、今でも平気で文書を*.jtdで寄越したりHPに掲載する書類のテンプレートが*.jtdだったりすると、せめて*.docも同時に掲載してくれよと。(^^)
      未だに秋田県のHPの掲載文書には『横倍角文字』などが平気で使われていますし、そのまま書き込めないPDF形式などが多く閉口します。
      こういうのがITリテラシーの低レベルな奴なわけです。
      一度やんわり文句言ったら、『受信したほうで変換してもらうことにしています』だそうで、こいつら自分たちがサービス業だという自覚が無いなと呆れました。
       
      一太郎ユーザにちょっといじわるしたい場合は、相手の一太郎のバージョンにもよりますが文字コードをUTF-8で送ると相手がちょっと困ったりします。

  4. なまはげ より:

    いろんな県で仕事をして来ましたが、【一太郎】で困らせられたのは秋田県だけでした。
    他の自治体は【一太郎】を使っているかもしれないが、変換してくれるので問題にならないです。

    フリーのオフィスソフトで経費節減する自治体もありますが、秋田県の役人はスキルが低すぎて変化に対応できないでしょう。
    知事や市長には、そういうところから変えていって欲しいのですが、まず本人がパソコンを使えないと思います。

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