秋田県の『皆で貧乏でいよう』という施策はやめてはどうか?

秋田県の施策で均衡ある県土の発展という現実を度外視した理想論によく出くわすが、最近はコメの世界にもそれが出しゃばってきている。
秋田県農業再生協議会
というのを大多数の県民は知らないかもしれないが、実態は再生どころか生産量を予め談合しようという利害調整機関である。
最近の主要なテーマは、地元の新聞紙にも載っているが、
現状維持期間を設定 県、コメ転作率格差縮小へ折衷案
にあるように、県内の市町村で転作率に差があり、低い市町村は転作率の維持を求め、高いところは低い市町村に『もっと転作率を上げろ』と迫る地域間の利害を調整しているようである。

そもそも、日本人が食べなくなって国内のコメ消費量がどんどん減少し、それに加えて加工米や外食用などがTPPによって輸入されてくるのが見えている今、全国の都道府県に生産数量目標が割り当てられ『コメどころ秋田』ではその数量の市町村間での取り分が喧嘩のタネになるというわけだ。
昭和50年頃は収穫量で70万トンを超えていた秋田県だが、都道府県別の生産数量目標で秋田県分は、

平成21年度 467,160トン(全国計 815万トン)
平成22年度 461,870トン(同上 813万トン)
平成23年度 440,420トン(同上 795万トン)
平成24年度 443,640トン(同上 793万トン)
平成25年度 446,430トン(同上 791万トン)
(※21,22年度は需要量という表現になっている)

震災があろうとなかろうとコメ消費量の全国的な減少を物語る一方、秋田県選出の国会議員が頑張っているのかどうか知らないが、震災以降若干増えているのは原発事故による汚染地域分の引き受け分だろうと推察される。(いや、福島分はさらに上乗せかも)
全国の配分率は、潜在的水稲生産数量に対する生産数量目標の割合%(100-転作率%)で表され、秋田県の場合25年度で配分率61.3%(転作率38.7%)と決められている。
最近は『減反』という『ヤミ米』を思い出させるネガティブなイメージの用語を使わずこの配分率や転作率で表現してスマートな印象だが、やっていることは昔と本質的に変わらない。
この配分率(または転作率)に基づいて市町村の数量割り当てを決めるのだが、ここで当然喧嘩のタネが出てくるのである。
想像するに、
『お前んとこは転作率低い、もっと大豆なんかに転作しろ』
『いや、水もいいしコメに適した土地だから、不味いコメしか出来ないそっちこそもっと転作しろ』
『何だと!』
といった不毛な議論を避けるための調整機関が秋田県農業再生協議会なのだ。
協議会の専門部会のメンバーは・・・自分の目で確認して欲しい。

秋田県内の地域によっては確かに美味い米不味いコメ、カドミウムの多い米少ない米があり、他の作物に転作するのに適した自然条件、水利、農家の人的要因(転作ができるできない農家)と様々な違いがあるはずにも関わらず一律にキャップ。
なんと社会主義的な話だろう。

米作に適した場所、やる気があり後継者にも不安がないといった農業従事者には非常に迷惑なものであり、美味い米が作れるならどんどん作ってもらったら良いではないか。
小規模でコスト割れしそうな後継者もいない農家や兼業農家を救済するためにやる気のある農家の足を引っ張ることになるこの施策はおかしい。
時々耳にする『農産物は工業製品のような一律なものではない』といいながら、品質に関わらず工業製品のように一律に扱えというに等しい。
県に対してのキャップを市町村で配分させるには何らかの競争原理を導入して全体の転作を進めれば良いのである。競争原理というよりも違う土俵をそれぞれが選択すればよい話なのだ。
競争原理を認めない集まりが秋田県農業再生協議会と言ってよい。

国が進める農地の集約、農業経営の効率化とは完全に逆の方向を向いているものである。
農地の集約によって農家戸数が減少すると困るのは農協である。簡単な話、トラクターや軽自動車が10台売れたりリースできていたものが10戸が1戸なれば1台ずつになってしまうからだ。
平等に配分といえば聞こえはいいが、米作が得意なところにも不得意なところにも同じように転作のキャップを嵌め、結果的に零細で不採算な農家を温存することを良しとするのは農協なのだ。

TPPで農協がどんなに反対しても既に『プロレス』であり、流れは決まっていると見るのがもはや妥当だろう。
ならば、競争原理に耐えるやり方、例えば、思いっきり品質を高めた高付加価値な安全な米作を推進し、その販売ルートの開拓に協力するなどを模索するのが遥かに前向きな県の仕事ではないのか?
農家を高リスクで不採算な産業(?)、低所得な状態に置く施策はそろそろやめにしたらどうだろう。

danmitsu

ウィーンは最近は曇りがちの天気で寒くはないがだんだん冬が近づくのがわかる毎日。
秋田はまだそうでもなさそうだが、雪が降る前に帰れるかな・・・。新米食いたいな。

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秋田県の『皆で貧乏でいよう』という施策はやめてはどうか? への2件のフィードバック

  1. ちんあなご より:

    貧しいことは恥ではない。 しかし、貧しさに安住することは恥である。 
                         -古代ギリシアの政治家 「ペリクレス」

  2. 木っ端役人 より:

    秋田県は昭和30年代から貧乏、低学歴、低文化度を前提に施策を実施しています。
    貧しいということを意識させないように平等、公平感(目に見える部分だけ)を大事に。w
    これはこれで中々大変なことです。
    考え方は社会主義そのものでしょう。

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