平成の大合併の負の効果がそろそろ表面化?

昨日は、知人に誘われてウィーンから車で1時間ほどの田舎に行きノンビリ。牧畜が主体のような田舎町(村)だがやはり教会を中心とした町の造りを感じさせ、日本の田舎町とは”そもそも”が違うことを再認識。

最近、秋田の新聞紙の記事の見出しを見ていると少し前の仙北市のいい加減な事務を忘れたかのような鹿角の税金徴収事務の不祥事や秋田市の新市庁舎の入札不調など市町村の間抜けな事件が目立ち、一方では台風や豪雨による災害による復旧など市町村では解決できず秋田県(と国)が尻拭いをするといったものが目に付く。
財源も無いくせに市町村は勝手し放題、県は尻拭いで国への働きかけや予算措置に追われる。ただでさえ財政の硬直化が進みロクな前向きな施策ができない秋田県とそれよりももっと首が回らない硬直化が進んで通常の公債発行もままならないにもかかわらずツケばかり作る市町村、これでは市町村の発展など論外で秋田県全体がズルズルと沈んでいくのは目に見えている。
別に県や市町村の役所が潰れても構わないが行政サービス低下や公共料金の増額などが住民に跳ね返ってくる以上、知らん振りではいられないと思う住民は多いはずだ。

平成16年~18年にかけて行われた平成の大合併、秋田県は69市町村が25市町村と合併率では全国7位と劇的な変化をしたはず・・・だったが、実態はマイナス効果ばかりが顕在化してきている。
鹿角の税金徴収事務の不祥事や秋田市の新市庁舎の不調は、役所側の人材不足にも大きな要因があるはずだ。もともとそういう専門的な知識・経験を持つ公務員がいたのかどうかは不明だが、合併や事務合理化によって必要な人材がカットされ、配置がいい加減になり素人集団のようなものが複雑化しすぎた行政をヒーヒー言いながら何とかコントロールしているというのが実態なのではないだろうか。
合併などしなくとも広域行政組合方式で十分だったのではないかという声もあるようだ。
ただ、これは公務員の能力のせいだけではない。
やはり、『エサ』に釣られた平成の大合併に問題がありすぎたのだ。

平成の大合併の『エサ』は、いくつかあるが、
(1)行政組織の統廃合により合理化、効率化によってコスト削減が図られる
(2)合併特例債発行を10年間可能になる(後に5年延長された)
合理化、効率化によって公務員は県全体で約1,000人減少したが、(優秀かどうかは無関係に)残った人員で従来無関係だった地域の課題に対応したり、細分化していた担当が合理化によって手薄になり専門的な対応が難しくなった。(鹿角市や秋田市が典型)
合併後のアンケートでも住民の『合併後に顔見知りの役人がいなくて不便』というプリミティブな回答が非常に多い。また重複公共施設の統合廃止に伴って『施設利用が不便になった』という声も大きい結果になっている。
また、地方自治法による拘束があるため人口減少にスライドさせるわけにはいかない議会の議員定数などはほとんどの市町村で変化せず分不相応な人数を抱えている。最近でも大仙市28人、横手市26人、由利本荘市26人の議会選が行われたかあるいはこれから選挙のはずだ。議員を1人、2人減らしても行政コストが大きく減るわけではないが、直感的にそれらの人数は無駄と思っている住民は多いはずだ。議員1人あたりの人口比で秋田市と同等にした場合、議会が成立するかどうかの瀬戸際市町村ばかりなのにも関わらずだ。他市町村と比較した1票の重みなど誰も指摘しない。

合併特例債発行可能と聞こえはいいが、要するに借金の枠を確保しただけで、償還財源のアテもないくせに借金をする市町村。

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人口減少、雇用減、企業数減など人口予測、税収見込みなどを見ても償還がきちんと行われるか極めて怪しい市町村も多い。財政力指数が0.3台、経常収支比率が90%程度の硬直化した財政の大仙市や由利本荘市などはまるで枠一杯借りて踏み倒す計画的な破産でも狙っているかのように思えて仕方がない。

そして、10年間に限っての財政優遇措置、つまり合併後の地方交付税が本来の算定よりも多くなる(合併前の市町村のそれぞれの合計が支払われる)措置が行われるというエサがあり、これによって現在、本来の算定よりも秋田県全体で300億近くの交付税が余分に入ってきている。しかし、この優遇措置は平成26年~28年にかけて終了する。

10年間の優遇措置と借金可能な枠の増額に目がくらんで合併した市町村。既に人口で市の資格が無い市もいくつかある。
いっそのこと秋田市以外は全部『町』か『村』に格下げしたほうが税金の面では住民にとってはるかにわかりやすいメリットがあるはずなのだが・・・。(秋田市は格下げさせてはいけない。秋田県の稼ぎ頭であるため。)
人口減少が加速している秋田県は市町村のあり方に関して特区でも指定してもらって新しい取り組みをしてはどうなのだろう。

ちなみに、合併しなかった市町村では、
・合併しなくて良かった 6
・どちらの意見もある 1
・他市町村との連携が必要 1
・その他 2
という回答で、合併したほうが良かったという意見はゼロである。

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平成の大合併の負の効果がそろそろ表面化? への11件のフィードバック

  1. ちんあなご より:

    政治家+役人の人材の劣化で、お得意の 「箱モノでバラマキ」 すらも出来なくなったワケです。
    現状維持すら出来ないのに、有効な人口減対策なんて打てるわけがない。

    カネがあっても、ちゃんと使える人材がいないと無駄です。
    それでも 「カネはよこせ!」 と言うんですから詐欺ですよ。

    人口減よりも人材劣化のほうが、緊急性が高いと感じます。
    それにしても、こういう危機感持ってる人は秋田県には何人いるのやら?

    • argusakita より:

      こんにちは、ちんあなごさん

      危機感以前に問題・課題を把握していないのではと思うことが多いです。
      特に県議会、市町村議会です。
      ここがもっとチェック機能、提案機能を発揮すれば首長や下っ端の役人達も少しはシャキッとするはずなのですが、名誉職でノンビリですから。
      若い人が少しエキセントリックと言われようが筋の通ったことを強引にやっていけるような時代が来ないとこのまま秋田は沈没です。

    • 木っ端役人 より:

      人材が総じて劣化しているのではなく、上層部が腐っている&古過ぎるのです。
      《今日やれることは明日やれ》
      これが社是と言えます。

  2. 大館市でも新庁舎を作ろうとしています。個人的には、大館市は市役所を立てなおしてもいいと思います。なにしろ、鉄筋の市役所の建物の裏に木造の平屋が有り、そこが水道課です。やはりひとつの建物の中にそろっている方が便利です。合併後の旧役場を利用するために田代町に教育委員会を持って行ったりしているので、その点も不便です。(多分大館市に合併した比内町にも何か行政組織を持って行っていると思います。)その点は、まだ建物がしっかりしている秋田市とは違うので、大館市は建て替えてもいいと思ってます。

    ただ、金額を減らす工夫は大館市には全くありません。旧竹村デパートを改修するという案もあったのですが、無料駐車場がないという欠点のために流れたみたいです。お荷物になっているハチ公小路をやめて竹村の立体駐車場を改修すれば解消できるかもしれないし、空洞化対策にもなると思います。あるいは新たに発展しつつある樹海ドーム近辺に持ってくる手もあるかも。スポーツ・イベント会場(樹海ドーム。平日夜8:00頃スポ少が盛んなため、もう維持し続ける方がいいと個人的に思います。)と買い物エリアが揃ってますから、それに行政エリアの加わると、生活しやすさはかなり高まると思います。そうなれば、病院なんかも増えそうです。

    でも絶対にこういうふうにはならないだろうな。

    • argusakita より:

      こんにちは、元匿名希望の傍観者さん

      大館市は市街地人口の集中度(連戸数の割合)から言って市としての存在可能性は高いはずなんです。この尺度をいい加減にして合併を進めたので複数の某市など本来『町』か『村』のはずが市になっています。
      余談ですが、宮城県だったか町+町+町=村という事例(実際には町で収束)があったそうです。
      住民が次第に大館市中心部に集まってくる未来が描けるならデカい市庁舎を作ればいいと思いますが、その可能性が低いなら発想を変えて数箇所に分散させるのもテです。

      少し前ですが、アメリカの某巨大な企業の本社は西海岸にあったのですが、受付には大きなLCDパネルが何枚かあって受け付け嬢とテレビ電話で会話します。すると面会部署、担当者に繋いでどこそこに行けと建物の場所を教えてくれ、必要な情報を受付のプリンタにプリントアウトしてくれます。しかし、その受付嬢は実は東海岸にいる在宅勤務の女性だった。
      こんなこと、今の時代、当たり前に安くできるのです。秋田だって今はさほど大掛かりなインフラ整備が必要になるわけではありません。
      必要なら、分散した担当者をタライ回しすら可能ですし、複数個所で同時に話もでき、昔のように顔なじみを作ることも容易です。
      上下水道のような現業部門は別ですが、ワンストップでほとんどの事務サービスは完結しますし、AVを使ったインタラクティブであれば年寄りにIT機器を使わせるような無慈悲なことをしなくてすみます。
      こういう分散化をしておけば、将来その地区に住人がいなくなったら別に移すのも簡単です。
      人口が30万超えている秋田市ではもう難しいでしょうが、他の10万に満たない市町村こそそういう先進的な取り組みをして日本中に『どや!?』って示すことができるように思うんですがねぇ。

  3. ヒマな通りすがり より:

    小生も人口減(特に若い人)がモロに利いてくる商売なのでblog主さん同様危機感ありますねぇ。
    人口8万以下は町にしましょうといったら、秋田市以外に残るのは由利本荘、横手、大仙だけになるということを県民は知っているだろうかと思いますよ。

    いっそのことロシアから未婚女性1万人くらい移住してくれないかなと思いますよ(笑)。

  4. 茹で蛙 より:

    私は県北生まれですが、長いこと見ていて県北が冷遇されているよなぁという印象が強いです。
    あと何年かかるか知りませんが高速道路なんか完成してももはや誰もいなくなったみたいな状況が目に浮かびます。
    自分の票田ではないから目をかけない知事と、大館城主気取りのO様に引退してもらわない限り県北内陸部の将来は無いですよ。

  5. あじさい より:

    読んでいて、ため息ばかりが出ました。
    平成の大合併…常識的に考えても秋田県にとって、プラスにはどうしても考えられず、
    資金繰りのつかなくなった大企業が、帳尻合わせに行う危険性を感じて
    自分の置かれた立場で反対してきましたが、国は押し切りました。
    疲弊している市町村の財政を救うような餌に、秋田県のほとんどの市町村が飛びつき
    むしろ、合併を拒んだ市町村が批判されるような有様でした。
    大きく変わる、大きく動く生活を100年後を見据えてイメージしていただけなかったことが
    残念でなりませんでした。
    そして、秋田県は、異常とも思える合併率になったのでした。
    たった10年で、この有様です。
    想像力の欠如を政治の世界に強く感じます。
    どうしたらいいのでしょう…。
    ため息しか出てきません。

    • argusakita より:

      あじさいさん、ため息ばかりですみません(^^;)。

      でも、秋田県とその市町村はホント危ない状況だと思いますよ。
      財政収支が若干改善なんて新聞記事等で目にしても信じてはいけません。一般会計から赤字の部門を特別会計に回せばいくらでも数字はいじれますから。
      先日も夕張市の人口が激減したとかのニュースが流れていたと思いますが、地方自治体の破綻は悲惨なもので、何故北海道や国が助けないか不思議に思っている人も多いと思います。夕張市はいずれ人口ゼロになるでしょう。

      赤字再建団体(という名称だった)は、昭和29年で全国に553自治体、昭和35年で府県11、市133、町村237もありましたが昭和50年あたりにすべて解消しました。
      これは旧自治省が交付税特別会計から増額加算して地方の不足分を補填したからです。
      (借金の付回しにすぎませんが)
      で、ヨーイドンで地方自治体は再スタートしたはずですが、わずか30年程で財政再建団体(今は財政再生団体というのが正式)予備軍が滅茶苦茶増えたのです。
      これ、住民のせいでしょうか? 住民の借金ではなく役所の借金でしょう?(^^)

      おそらく交付税特別会計から増額加算して救済は可能でしょうが、もう国はそれをやらないと決めたと見え、夕張市のように実効のある救済はほとんどされないわけです。
      (北海道自体も破綻予備軍のトップですし、助けようがありません)
      企業の倒産は債務がチャラになるものもありますが、自治体の場合は破綻しても地方債の返済は最後まで残り、逃げられません。
      その結果、夕張市のように20年間(計画)で数百億円返済となるわけで、行政サービスはおろか公務員の給与も減額されていくわけです。
      この、『もう国は助けませんよ』というのが重要なメッセージでしょう。
      秋田県の市町村も、きっと県や国がなんとかしてくれるはずという期待で動いているでしょうが、夕張市への扱いをしっかりと見るべきです。

      実は、宮城県は平成21年度の段階で平成23年度に財政再生団体転落が決まっていたのですが、あの大震災で・・・財政がどうなったのかよくわかりません。
      不謹慎ですが大震災は宮城県民を財政的にはギリギリ土壇場で助けました。

      自治体が破綻しても債務償還は逃げられない。住民に負担が来ます。
      その土地から逃げられる人は引越ししたらいいのですが、年寄りや土地に縛り付けられている人は逃げようがない。ただでさえ、そういう人は税負担能力が低いにもかかわらず。
      公務員はある意味身軽ですから、給与減額などされたらさっさと逃げ出すでしょう。
      誰が支払えるでしょう。結局、極端な話、住民ゼロまでいくのが現在の法律の枠組み遵守ということになります。

      地方公務員は『自治体が破綻しても辞めない』と一筆取ってから採用すべきです。
      危機感とあじさいさんも指摘している『想像力』を持ってもらうためにも。

  6. A330 より:

    こんにちは!2回目のコメになります。

    秋田県自体がすごく不便な所にある感じは否めないです。ネット掲示板などでは、陸の孤島秋田!なんて書かれています(笑

    福島→宮城→岩手→青森の太平洋側4県は、北海道までの日本の大動脈ですし、山形は、仙台まで高速バスも、在来線の仙山線も結構な高頻度で通っていて割と不便じゃないですし・・・

    秋田県がダントツで不便度No.1な気がします(笑

    結局秋田県は、新幹線もフル規格で通せませんでしたし(E6系はカッコいいですけど)高速道路もまだら模様で、未整備区間も多くあります。それに片道一車線が標準。

    もっとバブル期にインフラ網を整備しておく必要があったのでは!?と思ってしまいます。東北太平洋側を見習って、日本海側東北で連携するとか(それこそ、山形新幹線をフル規格で作っておいて、新庄から秋田まで通すとか)角館とか田沢湖は犠牲になってしまいますが・・・

    でも山形県が仙台宮城寄りなので、秋田だけ取り残されてしまった感じは否めないと思います。

    全ては地理的要因・・・という気がしないでもないです(笑

    • argusakita より:

      A330さん、こんにちは

      首都圏独り勝ちと地方の衰退の加速
      にも書きましたが、秋田にバブルというのは無かったに等しいんですよ。
      だから、高速交通体系の整備は秋田出身の政治家の利益誘導にかかっていたんです。
      (古いタイプの政治家ですが)村岡、野呂田両氏がもう少し頑張っていれば、少なくとも日沿道はもっと早く完成していたでしょうし、山形・酒田の加藤氏も現役なら今頃は秋田から新潟までビューンだったでしょうね。
      もう、知事がどんなに『オラが地元』と頑張っても秋田新幹線がフル規格になることは無いと思います。知事にそんなやる気があるとは思えませんが。
      車か飛行機、これしか秋田の交通体系を変える方法は無いだろうなと私は思っています。
      陸上自衛隊駐屯をもっと大規模にするかどこかのLCCでも呼んでくるしか方法はないかもしれませんね。
      それまで人口がある程度維持できていればの話ですが。
      なんとも寂しい話です。

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