秋田県『均衡ある県土の発展』とは程遠い現実

先日、平成の大合併の負の効果がそろそろ表面化?に書いたように合併市町村の『効果』は数字だけではなく、首長選挙にも出ているようだ。

横手市は合併当時の首長が30代の若い市長に僅差で破れ、27日のにかほ市の市長選は、新人候補が現職候補の元後援会役員だったなど内輪もめの様相だが65歳と66歳の対決ということで若い人の自治に対する無関心がさらに進んでいるのかとさえ思われる。
一方、議会選はほぼ定数に見合う数だけ立候補しどこも無投票当選状態に近く競争も活気も全く無い状態で、地域の名誉職が信任されただけのようだ。これでは自治体の行政に批判・提案などもほとんど出るはずも無く首長の施策の追認組織を選ぶようなもので、人数くらい独自に削減しても良さそうなものだが、その報酬が貴重な税金で賄われていることを住民はあまり意識していないように見える。
元々秋田の選挙戦は基礎自治体だろうが国政だろうがどの選挙も地域間対立の図式しかないため、そのまま平成の大合併に突き進んだ結果、今になって改めてその地域間対立が蒸し返されているのではないかと思われる。

地域間対立はある意味活性化につながる側面もあるが、実は既にそんな内輪もめのようなことをやってる段階ではないのだという意識が市町村やその住民には無さそうだ。
秋田県もヌルい殿様知事の焦点の定まらない施策でさっぱり前進しないが、市町村に対して甘いということが指摘できる。
財政面から見て筆者が独自に『市町村の通信簿』を作成してみた。材料は県のHPにあるあきた100の指標である。おそらく、県もマスコミもどこかの基礎自治体が実際に破綻するまでこういった比較は発表もしないだろうし発破をかけるような真似はしないだろうが、破綻して一番困るのは住民であり、行政サービス=財政という厳格な現実を考えて欲しい。
何しろ行政サービスを運営しているのは自分たちの給与が最優先の公務員であって、身を切って行政サービスなどを考える奇特な公務員などほとんどいるわけがないからだ。(良し悪しではなくそれが実態ということだ)

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評価に使ったのは、財政力指数、歳出決算額(住民1人あたり)、市町村税収入額(住民1人あたり)、地方債現在高倍率、実質公債費比率、経常収支比率、実質収支比率の7項目。
それらの偏差値を算出し、それを8段階相対評価(良いものを8、悪いものを1)に落とし、その点数合計(56点満点)で総合評価をしたものが上記の表である。処理したデータの結果はここ。
総合評価は秋田市より北の市は概ね何とかなりそうな数字に見えないこともないが、県の南部の市はどこも非常に厳しい見方をする必要がありそうだ。秋田県の姿勢がどことなく北低南高なのがこんな数字にも表れていると見るのは気のせいだろうか。
ほとんどの町村については、既に自力で自治体を維持していけるかどうかについては悲観的な見方が必要な状態で早急に再度合併してスケールメリットを模索し一時しのぎに逃げる財政の抜本的な改革を行わない限り、それぞれの町村がジワジワと北海道の夕張市状態に向かうしかない。
基礎自治体が破綻しても皆で同時に渡れば怖くないとでも考えていたら大変なことになる。

いくつか市町村別に見てみると、
■能代市、大館市、鹿角市、男鹿市
財政力指数は低く、経常収支比率が高い。収入も少ない反面、歳出もさほどではない状態で首が回らない状態のため大胆に何かをやろうとすることができないのが実態だろう。。何もせずにじっとして省エネの寝たきりでいる状態。

■秋田市
1人あたりの市町村税収入額が多いにも関わらず、1人あたりの歳出決算額が県内最低である。無論社会インフラの差が他市町村と大きいことによるためだが、県内で最もケチな自治体であるといえる。ゴミ袋有料化で集めた税金を目的税ではなく一般財源にするなど狡猾だ。地方債現在高倍率や経常収支比率から財政の硬直化が顕著であるため、このケチをさらに続ける必要がある。その割には新市庁舎などと無駄遣いに邁進している。

■横手市、由利本荘市、湯沢市、潟上市、大仙市
秋田市と逆で1人あたりの市町村税収入額が少ないにも関わらず歳出決算額が多い。大盤振る舞いで赤字を平気で増やす体質、見栄っ張りの傾向と見られる。経常収支比率が高く首が回らないのと同時に実質公債費比率も高く危険水域一歩手前である。
地方債発行で県知事の許可が必要になるのはそう遠くない将来に見える。湯沢市、潟上市などは市庁舎よりも人口減少に歯止めをかけるのに金を使う必要があるはず。

■北秋田市、仙北市
財政力指数(市町村財政)が既に0.2台財政は危険水域だ。1人あたりの市町村税収入額が少ないにも関わらず歳出決算額が多い点では横手市、由利本荘市などと同様だが、硬直化が顕著でこのまま市として存続するのかどうかは何かの機会に県民全体のコンセンサスを取って欲しいくらいだ。

■にかほ市
1人あたりの市町村税収入額がTDK撤退によって激減するのは目に見えていて、急速な財政の悪化が見込まれるが、地方債現在高倍率が高いためこれに頼るわけにはいかないはずで、収入を上げることが選挙の争点のはずだが、新聞サイトではなんとも暢気な田舎の選挙だ。ここも北秋田市、仙北市同様存続には県民全体のコンセンサスを取って欲しい。

町村については、現状の財政状態で何とか維持、前進できるのは小坂町と大潟村だけであるが、大潟村については1人あたりの歳出決算額が東成瀬村並みに大きく、懸念はあるものの、若年人口の割合が県内で最も高いという将来への希望が最も大きい基礎自治体である。ぜひここは、見栄を張って『市』に格上げなど考えずに『村』のままでいる茨城の東海村のような戦略を目指して欲しい。

市町村は秋田県というワンクッションがあるため全国の納税者から露骨に責められることは無いが、秋田県内の大部分の市町村がその将来に大きな不安要素を抱えているため、ドラスティックな施策が無い限り(特に人口減少問題)、それぞれの市町村の住民がいなくなるのと公務員が静かにいなくなるかの競争が始まるだろう。

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秋田県『均衡ある県土の発展』とは程遠い現実 への2件のフィードバック

  1. A330 より:

    こんにちは!

    それにしても寂しいランキングですね(笑
    どうして秋田県の市町村はこう過疎市町村ばかりなのか・・・(笑

    現状、秋田市しかまともな大都市が無いのが現実ですよね。それに横手市や大仙市などの内陸県南部は本来、交通の要所のはずなのですが(全県とみちのく(陸奥国)が繋がる大動脈)街自体の規模の小ささで全てパーになってしまっている印象があります。

    例えば隣県・青森県と比べてみると、秋田県には「弘前市(18万人!)」や「八戸市(24万人!!)」などという大都市は皆無に等しいですよね。

    秋田市にだけ大きい大学があったり、企業の本社(支社?)があったり、大型商業施設があったりして、仰る通りとても均衡ある県土の発展とは程遠いと思います。

    県北部は青森県に併合して、内陸県南部は岩手県に、沿岸南部は山形庄内地方に併合させるのもいいアイデアかもしれません・・・(笑

    • argusakita より:

      こんにちは、A330さん、

      秋田市の一極化は歴史的に仕方がありません。
      東北で江戸時代に藩主家が変わらずずーっと続いたのは秋田と宮城(伊達藩)くらいのもので、その歴史が同じような一極集中となって続いているのでしょう。260年の社会資本蓄積と住民の心理的なバリアはそう簡単に変えられないでしょう。
      青森や岩手は小藩の集まり、山形は流刑地同然の藩主家の入れ替わり、福島は八重の桜の通りですから。
      秋田でも本荘や矢島あたりの藩がもっと勢力が強ければ、今頃は本荘やにかほあたりに10万クラスの都市があったかもしれませんが・・・。大館、能代、横手と大曲が何故大きくならなかったかはそのうち私見を書いてみます。
      市町村分割で周囲を隣県にといってもおそらく引き受け手はいませんよ(^^)。
      隣県も同じように財政は疲弊していますからねぇ。

      秋田市を県と同等にして、県は秋田市以外の市町村を分担する。
      将来的にはこれが一番効率が良いはずで、人口減少と共にそうなっていくと私は予想しています。
      (まあ、私はそんなに長生きしませんが(^^))

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