秋田県の少子化対策は誰が音頭を取るのか

47NEWSを眺めていたら、秋田県の人口が今月中に105万人を切ることが記事になっていた。

自然動態(出生544人、死亡1,115人)、社会動態(転入987人、転出1,076人)で差し引きマイナス660人。加速している状態に県民は気付いているだろうか。

秋田県の人口は、1956年(昭和31年)の約135万人をピークに57年間で30万人減ったことになり、今や仙台市の人口(平成25年10月1日現在1,068,511人)よりも少ない。
日本一の高齢化が進んでいるとよく言われるが、学問的には高齢化社会ではなく既に超高齢社会であり、なんとも自慢のしにくいことである。
実は、秋田県は平均寿命も(ほとんどの年齢での)平均余命も全国最低に近く、自然減特に年寄りは毎月1,000人程度コンスタントに亡くなっていて年寄りは減少している。にも関わらず高齢化が進むのは『少子化』がそれよりも加速して進行しているからである。マスコミもこのことを何故強調しないのか不思議である。決して秋田県の年寄りの寿命が長くなったせいで高齢化しているのではないのだ。(その意味では年寄り達の責任ではない)

一体どれくらい子供が少なくなっているのか。東北6県の出生数の年次推移はこういう状態だ。知人の話では秋田県は昔から堕胎率が高く統計上の出生数の値は低くなっているとのことだが、それが本当ならやはり経済的な要因が大きいのだろう。しかし、東北6県で秋田県が経済的にずーっと最下位かというとそうでもなく、出生数の少なさはもう少し別の要因がありそうだ。

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第二次大戦直前のピークはそれこそ『生めよ増やせよ』の国策の結果で、その後の戦後経済の疲弊状態や結婚・出産適齢期の男子が少なくなったなどの理由から減少に転じ、1970年代に横ばいになったものの、あとはダラダラと減少しつつある。
とはいうものの、もう少し詳しく出生率などを見てみると、戦後全国の出生率が低下に向かい始めたころの秋田県の出生率は全国平均をはるかに上回り『貧乏人の子沢山』と秋田の後進性を揶揄されたようだが、全国的に出生率が横ばいになったころには秋田は低下し続け、やはり後進性と言われたようだ。(1964年の広報誌による)
1955年の国勢調査で全国の都道府県(当然沖縄はまだカウントされない)中初めて8県で人口が前年に比較して減少した際も秋田県は3%程増加しているが、1960年から人口減少グループに入ってしまった。(昭和30年代の統計資料は国の発表と県の発表資料に違いがあり人口のピークも正確にはわからないがピークは昭和31年か32年と思われる)
要するに、総人口は別として出生数は戦後一貫して下がり続け、人口減少は昭和30年代半ばには明らかに始まっていて、その後どうしようもなく減少を続けているのだ。

とにかく、出生数の減少は間違いなく人口全体の減少に直結していて、そのことはいろいろなものに影響を与えている。
例えば、小中学校の数や教員の数だ。高校の数はあまり変化がないためグラフにしていないが、高校数の変化が無い理由は、昔は子供の数が多くても高校進学率が低く、現在は子供の数が少なくても高校進学率が高いため、その掛け算の結果がほぼ一定になっていると思われる。つまり高校進学率はほぼ100%近くに飽和しているため出生数の減少が高校数の減少に効いてくるわけで今後明確に高校数減少となって表れてくるはずだ。

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子供の数が減ると、
・生産年齢人口の減少による労働力供給の減少
・貯蓄を取り崩すと考えられる退職者の割合の増加に伴う貯蓄率の低下と投資抑制によって労働生産性の低下
・社会保障の現役世代の負担の増大によって可処分所得の減少
といった経済的影響や、
・単身者の増加による家族形態の変化
・単身高齢者の介護その他の社会的扶養の必要性の高まり
・子供同士の交流機会の減少や過保護やネット依存などにより、子供の社会性や成長に悪影響
・過疎化による基礎的な行政サービスの低下
といった社会的な影響が大きくなる。

一部の評論家は少子化と人口減少によって環境負荷の低減、住宅・土地問題や交通交雑等過密に伴う諸問題の改善になる、1人あたりの社会資本が増える、密度の濃い教育が行える、受験競争が緩和されるなどとプラス面を挙げる者もいるが、筆者には全て一部の都会生活者の寝言に聞こえる。

子供の数が減ると、真っ先に困るのは誰か。
子供相手の職業を持つ連中だ。つまり教職員。
小学校の教員などはこの20年間で約3割も減少している。中学校も約2割減少している。そもそも小学校数が2/3に減少している。職場、雇用機会が無くなっているのだ。
出生数が年間6,500人になれば小学校の数200校としても、1校あたり200人を切ることになる。これではスポーツ特に団体競技などほとんど無理な状態になってしまい、学校対抗的な競技会は開催できなくなるだろう。
少子化の危機感を肌で感じているのもおそらく教職員だろう。それならば教職員こそ、自分たちの雇用機会確保、市場確保のために少子化に取り組むべきなのだ。
しかし、未だに左翼系の組合が牛耳っている教職員の世界で『生めよ増やせよ』は戦前のドグマでとても口に出せない事情もあるだろう。
そのジレンマを打ち破るあたりから早急に始めないことには、出生数低下に歯止めがかかったり上昇に転じることはあり得ない。

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秋田県の少子化対策は誰が音頭を取るのか への14件のフィードバック

  1. 情弱 より:

    少人数制学級が「学力日本一」秋田の特徴だと思っていましたが、なんてこたぁない。先生たちの職場確保だったわけですね。
    そうですよね、小中学校の学習レベルって繰り返し、繰り返し丁寧にやったら能力の差なんて出ようがない内容ですもんね。
    高校に行くとそういうパターン認識的な学習ではだんだん通用しなくなって本来の頭の良し悪しが差となって出てくる。
    だから秋田は高校からダメになるという現実がよくわかる表の数字でした。

    blog主さんの時々出てくる表やグラフ、説得力があってうなずくと同時に、秋田県などがあまりグラフを用いた統計発表をしない理由が想像できました。

  2. ちんあなご より:

    秋田県民はともかく計画性がないので、サラ金利用者が多く、借金苦の自殺者も多い。
    そして堕胎率も多いのでしょう。

    高校卒業時の平均学力も、進学率も低いくせに未だに 【学力日本一】 と言っている滑稽な地域。
    これでは問題は解決しません。

  3. 秋田出身 より:

    こんにちは、ブログ楽しく拝見しています秋田出身です。

    秋田の人口については、この前とある資料をみたときに、!?ってなりましたね。

    僕が中学に通っていた頃と比べた人口減少数が、3万4万じゃない!

    凄い寂しいですね。15年前に、県職員でも議員でも知事でもいいからもっと中長期的な対策を練っておけば、まだ衰退を遅めることはできたと思いますが、目先のことを誤魔化しながらやるだけでは結局こうなるのは仕方ないのかなと。

    もうセンスの欠片もないハコモノを造るのを完全にストップして、そのお金を出産希望者に補助金として分配するとかしないと、秋田の地で子供を産み育てるのは厳しいのでは?と思います。
    極端な例えではありますが(笑)

    ちなみにどこかで見たネタで本当かどうか未確認ですが、神奈川は秋田の県北ほどの面積にもかかわらず、東北6県の人口に近い位の人が暮らしてるそうです。。
    この地方格差…

  4. あじさい より:

    10年前の体に戻れたら、音頭をとったかもしれない。と豪語したくなるほど、
    誰も音頭を取ろうとしないのが、情けない思いです。
    誰か、メスを入れてくれる人はいないのでしょうか。
    ダメだ、ダメだと言っているばかりでは何の進展もなく、
    どなたか手を上げてくださる方はいないのでしょうか。
    自分ができないことを歯がゆく思っています。
    私には何ができるかを考えてみます。
    好きな秋田から逃げたくはありませんから。

  5. blogファンその1 より:

    メスは入っているはずなんですけど・・・県の少子化対策局ってトップが女性だったのでは? (メスなんて言って失礼しました) 佐々木主査ってもう代わったんでしたっけ?
    秋田県少子化対策総合ウェブサイト
    というページ、ご存知ですか?
    http://common.pref.akita.lg.jp/babywave/
    ですが、そこで県から助成されている事業をみなさん見てくださいよ。
    全然明後日の方向向いています。採択事業の一覧などを見ると、こんな金額で、一体何ができるのか? Web作ったり、ポスター、チラシ作るくらいしかできませんよ。
    喫緊の課題である少子化に集まるわけがないファンドのようなものを適用し、どうせ砂に水を撒くような高齢者向けやガン対策事業を一般会計本予算で組む。
    こんなことしてたら、前に進むわけないですよ。
    結婚貸付金みたいな直接的なことをやらないと結婚も出産も増えるわけが無い。

    秋田が好きでも、経済的に出て行かざるを得ない人は多いはず。

  6. ちんあなご より:

    あんべいいな、あきたびじょん、あきたにしました・・・意味がわかりません。
    秋田県は無駄カネは使っていても有効打を何も打っていない。時間だけが過ぎていく。

    神奈川県に住んでいましたが、人口は950万人位いて、東北6県とほぼ同じ人口です。
    神奈川県ならば、無能な知事と市長を即刻リコールし、県内に適任者がいない場合は他から探して来ます。 (秋田県と違って出身地は全く問われません)
    生活と自分たちの未来が掛かっていますから当然ですよね?  

  7. 秋田県痴痔 より:

    そういうキャッチコピーもポスター制作だの何だので結構な金額使っているわけです。
    佐竹知事の無駄遣い。まあ、結果論的ですが、事前に効果が無さそうだと指摘されながらも遣った無駄遣い。(金額は概算)
    ・熊牧場(3億3,000万円)
    ・アイリス2(8,000万円)
    ・新美術館(建設に20億円、オープンイベントに9,000万円、2012年度に6,000万円、学芸員増員に1億円)
    ・秋田DC(2億円)
    さらに今後の新文化施設建設(100億円規模と言われているが秋田市とジョイント)

    また、外交交渉権限も何も無いにも関わらずトップセールスという「名板貸し」同然で、担ぎ出されて行ったのが、
    ・支那朝鮮族自治区
    ・南朝鮮
    ・沿海州
    ・台湾
    ・インドネシア
    ・タイ
    これらの外遊で実際にある意味成果として形になったのは台湾のチャーター便数便だけ。
    プーチンに秋田犬を送るスタンドプレーは一体どんな効果があったのか。

    有効打どころか、内野ゴロと外野フライでアウトばっかり。
    任期を3年以上残しているが、任期終了時には県人口も100万割ってるでしょう。
    さっさと勇退して若い人に代わるのが秋田県のため。

  8. 出張中 より:

    5月に続いてまた出張で秋田に来ている県外出身者です。
    なかなか県政に厳しい見方が多いんだなと。

    最近(というか、5月も見たかな)、「あんべいいな」というキャッチをよく見ますが実際の会話では秋田弁の方でもこういう言い方を聞いたことがありません。
    どういうときに使うのでしょう?
    どこか一部の地域の方言でしょうか?

    首都圏でも時々秋田の観光キャンペーンのポスターを見ますが、なんとなくキャッチコピーが浮いているという印象で、もっと落ち着いたものがなかったのかなぁと。
    どんよりした曇り空や雨で今回の出張では観光地に行くよりも各種鍋でも堪能しようかと目論んでいます。
    お邪魔しました。

  9. argusakita より:

    秋田県痴痔さん、

    全くそんな感じで無駄遣いというか、大事なものに手を付けずに小手先だけの姿勢には辟易しますね。こちらは遠くにいますから議会中継や会議録とメディアの報道でしかわかりませんが、2期目に入ってますます酷くなったような印象があります。

    クマ牧場の件は、昨年12月の議会で『私のリーダーシップが無くなる!』と言い切って実行。
    新美術館新築移転は2010年2月22日の議会本会議で『政治判断だ』とまで言って実行。
    そのうち、当然ながら結果責任であるリーダーシップの責任、政治責任というものが県民から問われるはずなのですが・・・。

    出張中さん、

    そうですか、秋田は天気が良くないですか。
    鍋かぁ、いいですね。そろそろキリタンポの季節でしょうしね。

    『あんべいいな』は(ほぼnativeの)私も聞いたことがありません。寧ろ体調や物事の進展の度合いで『具合が悪い』という意味で『あんべわりぃ』というのは使うのでは?
    敢て実際を無視してキャッチに選んだのはきっと何か高邁な理由があるのでしょう。

    地元民にもウケず、県外の人間には当然わからず、どこに向けたアピールなんでしょうね?(^^)

  10. ちんあなご より:

    いま県と市は、老朽化の進む 「旧県立美術館」 の責任の押し付け合いをしています。
    佐竹知事は税金を浪費する時だけは強引に押し切るけど、その責任を取った試しがありません。

    耐震補強費は少なくとも1億円以上ですが、「3.5億円のクマのオリ」を普通のオリにすれば、耐震補強を賄ってもお釣りが出ます。 佐竹知事は人よりクマの方がお好きのようですが。 

    • argusakita より:

      はっきり言ってしまうと、佐竹知事は左巻きに徹底的に弱いんですよ。
      県庁の役人時代に、前知事、前々知事が左巻き連中に徹底的に叩かれたのを見てその対処にあたって苦労したせいもあるのでしょうが、リベラル、左派系の勢力にはからっきし弱い。
      典型的なのがクマ問題。

      自分では中道・保守だとか言っているようですが、理論武装した保守ではなく、ただ単に古臭い価値観に囚われているだけの時代錯誤を保守と勘違いしているおじいちゃんというのが正確な見方だと思います。

      秋田で自治労、秋教祖、JR東日本の主力メンバーが死に絶えない限り、この人の活躍するチャンスは無いと言っても過言じゃないというのが私の見方です。だから本人のためにもさっさと後進に道を譲るべきと思うのです。見ていて痛々しい気がします。新機軸を打ち出せる人じゃない。

      ちょっとキツイ見方かな?

  11. 美の国あきたネットの知事記者会見(10月28日)を斜め読みしてますが、ところどころお上の言うことには逆らいません、というように見えますね。
    特に減反については、自民党が減反廃止に舵を取り始めたこの段階で、それに賛成するような立場をとってます。選挙では減反政策廃止を謳ってましたっけ。まあただ減反のためのお金が来なくなれば、秋田県はその政策を行えないのは当たり前ですけど。ホントにミャンマーに輸出できれば農家も助かるんでしょうけど、どんなもんなんでしょう?

  12. ちんあなご より:

    秋田県は兼業農家率が89%と全国平均(約 80%)を1割程度上回っている。
    農業生産額に占めるコメの割合は67%と全国平均(約 26%)を大きく上回っている。

    つまり、極端な「兼業農家による稲作」 が秋田県の農業の実態。
    減反廃止で拡大する農家も一部にはいるが、全体的には酷くなる。

    減反で一番ダメージを喰らうのは秋田県なのに、
    減反に賛成してる佐竹知事は事態の深刻さが全く解っていない。

  13. argusakita より:

    減反問題関連は、こちらへどうぞ。

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