封印している潜在的な日本人の反米感情

historyofUS年末、ある訳本を読んでいた。『アメリカ史の真実』という約100年前にイギリスのジャーナリスト、チェスタトンによって書かれたアメリカの第一次大戦の参戦までの歴史について書かれたもので『恒久的価値をもつ書物』と評価されているものだ。訳者による注や参考史料なども併記されていて、確かに読む価値のある一冊という印象だ。
帯には監修者による『アメリカ史が他の国と決定的に違う点は、中世がないことで、それは「奴隷制が古代のまま残存」「騎士道精神の欠如」という結果をもたらした。それが最も明瞭な形で現れたのが、第二次大戦後における、敗者に対する情け容赦のない復讐裁判、処刑であった』と書かれているが、封建制度や騎士道精神の欠如が特別取り上げられているという印象はあまり無いが奴隷制については興味深く、民主党や共和党の成り立ちや現在の両党の支持基盤の実態との違いなどがおもしろい。

最近オバマの動向が国際的なニュースにあまりならない。
エジプト政変でも存在感を示せず、シリア問題でイニシアチブをロシアに取られた印象にはじまり、北・中央アフリカではフランスが目立ち、アジアでも支那の強引さに対抗してくれるはずと期待するフィリピン、ベトナムの期待を裏切っている。イラク撤退、アフガン撤退もブッシュ以来の『テロリストとの戦い』を標榜したものの結果的にイスラム過激派のさらなる増加を招いている。
日米同盟を持ち上げる日本の秋波にもあまり組せず、支那、南朝鮮との対立や尖閣問題でもイマイチ明確な態度を取らないアメリカはここ数年『錆び』が見え始めている。
アメリカの大統領というのは外交や安全保障では滅茶苦茶権力が集中しているが、財政等の内政では実はさほど強権を発動できない存在だ。
オバマケアは一段落したが、国債発行による債務上限引き上げは今後何度も乗り越えなければならず、このままでは今年末の中間選挙での大敗が予想され任期後半2年のレームダック化が指摘されている。
さらにFRBによるQEの緩和縮小が徐々に進めばドル高となりアメリカの貿易収支が悪化するのは目に見えている。
内政でもたつき、対外的には『世界の警察官』の役目が果たせないとなると、世界の有力国が相対的に目立ち、存在感を高める。フランス、イギリス、ロシア、支那以外にアベノミクスの日本もその一つだろう。

靖国参拝に対しての在日大使館の『失望』発表でオヤッ?と思った日本人も多かっただろうが、その1ヶ月前にあれほど日本で歓迎されたキャロライン・ケネディ大使の行動について違和感を感じていた人も筆者以外にも多かったのではないだろうか。

信任状奉呈式で、天皇陛下が礼服にも関わらずキャロライン大使は平服だった。アフタヌーンドレスくらいは当たり前で、アメリカがこういう儀式のプロトコルを熟知していないはずがない。
前任のルース大使もモーニングコートで儀装馬車に乗っていたと記憶している。
表面的にはケネディの娘という上っ面の人気があるが、所詮はアイルランド移民の出自・・・などと考えてはいけない。
実はこの明らかな無礼、失礼がオバマの日本に対する『意志』なのではないか。

アメリカが最も嫌がることは、第二次大戦の再評価、再検証であり、米軍が行った非人道的な戦争犯罪への関心の集中だ。
いろいろな学者らが書いているように、アメリカは広島、長崎への原爆、東京を始めとした空爆で多勢の日本人(民間人)を虐殺した。機銃掃射による民間人、赤十字車両への攻撃なども多くの事実がある。それ以外にもサイパンでの民間人への凶行・虐殺、日系人の強制収容や米軍兵による日本軍戦死者の遺体の切断など米軍の残酷さは第二次大戦だけではなく、それ以前のインディアン戦争、南北戦争での焦土作戦、米比戦争など、さらに第二次大戦後も朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン、イラク、南米での軍事行動は綺麗ごとなど言えない実態が暴かれている。しかし裁かれないのがアメリカだ。
欧州でも第二次大戦中のドレスデン他の空爆で多勢の民間人の虐殺が行われた。
『アメリカ史の真実』を読めば、アメリカ人というのは歴史的にも非常に残虐性の高い連中だということがわかる。
余談だが、第二次大戦でアメリカは参戦国の中で唯一民間人の死者がほぼゼロで本土を直接大規模に攻撃されたことがない。それだけに9.11の与えた精神的な衝撃は大きかったのだろう。また、スノーデン氏による情報暴露は大きな危機をアメリカにもたらしたはずだ。

日本では戦後GHQによる情報統制で第二次大戦の再評価、再検証は未だに大っぴらにできない空気がある、あるいは物証が消えつつある。
実はアメリカこそ世界で最も多く他国の国民を殺した国という事実が常識になってしまってはアメリカの威信は揺らぐ。
そのためには、ナチスのホロコースト、旧日本軍の南京虐殺といったものをより残虐なものとしてプロパガンダし続け、アメリカの所業に注目が向かないようにする必要がある。南京虐殺の検証はイコール極東軍事裁判やA級戦犯の再評価、再検証に直結するのだ。

世界でトップクラスの残虐性と実績のあるアメリカと気が合うのは支那だろう。互いに歴史を隠匿、捏造する部分で両者は協力関係にあると考えても良いだろう。
安倍首相の戦後レジーム云々に第二次大戦の再評価、再検証が含まれるとすればアメリカは大いに警戒するはずだ。
もし、学者や一般の民間人から第二次大戦の再評価、再検証の大きなムーブメントが起きれば、日本人が封印してきた反米感情は爆発するかもしれない。単なる軍事的敗北であって日本の伝統、文化が否定されたり負けたわけではないことに多くの日本人が覚醒すると案外いろいろな価値観に影響するはずだ。
もちろん、鬼畜米支と戦って日本が勝てる見込みはほとんど無いが、少なくともアメリカとの付き合い方は大きく変わるはずで、その時こそ日本の本来の意味でのレコンキスタ(失地恢復)かもしれない。

若い頃から反米感情を持ちながら、それで行動しても無意味と感じていた筆者は欧州の一部に対する親近感から無意識に親欧感情(?)を優先してきたように思うが、この一冊を読んで改めて自分の感覚が裏付けられたように思う。

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封印している潜在的な日本人の反米感情 への2件のフィードバック

  1. argusakita より:

    イルカの追い込み漁に反対するというケネディ大使のTwitterが炎上している。
    反対意見は日本語、英語も即削除されるようだ。
    歴史上他国の人間を最も多く殺してきたアメリカは軽々しく『人道上』という言葉を使ってはいけないのだが・・・。

    日本では何故かケネディ一家がロイヤルファミリーのように人気があり不思議なのだが、大使任命で違和感を感じていた筆者としては、キャロルはやっぱりなという印象だ。
    今後、日本での人気は手のひら返しになる予感。

  2. なるほど、キャロラインさんは、米国の田中真紀子なんですね。

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