TPPで農水省と農協の解体を

秋田空港に着くと冷凍庫の中に連れてこられたような気分になる。
歳のせいか雪や氷を見ても小さい頃のように『遊び』が思いつかないせいだろう。
人は歩いていないし、多くの軽自動車が無機的に走っている印象は秋田市全体が冬眠中であるかのようだ。
珍しく、隣の年配者に話しかけられコメや減反廃止の話題に。飛んでいる時間そのものは45分くらいのため、相槌を打って適当に誤魔化した。
それにしても秋田の人、しかも結構いい歳の人と話をしていると秋田県の農業全般に関して勘違いをしたままでいる人が多いように感じる。
それこそ、『歴史認識』の問題かもしれないが、少し時系列に沿って自分で調べたら、学校などで教わったことが一面的あるいは後付の適当な話で、それが見事に刷り込まれて県民の大部分の共通認識になっていることに気付くはずなのだが。
実は筆者も30代くらいまではその『常識』が正しいものだと思っていた。

例えば、
■秋田はコメ作りに適した土地が多かった→ だから米作中心の農業になった
■食料不足に備えて八郎潟を干拓しコメ増産を図った
■仙北平野は昔からコメ産地として中心的な存在だった
などなどの『常識』。
ところが、秋田の明治以降の歴史、特に大正~昭和初期、戦後の歴史を見ると、
●秋田はそれほど米作に適した土地も多くなく、気候も適しているとは言えなかった
●八郎潟干拓はコメ増産が目的ではなかった
●仙北平野がコメ産地になったのは昭和初期の開拓と戦後の水利事業以降の話
と理解するのが合理的であることがわかる。
簡単に言えば、土地改良、水利、干拓、道路といった土木事業を優先し、単にケインズ流の土木事業では拙いために農作の中でも比較的単純な米作に無理やり結びつけたということだ。
結果的にコメ単品に頼る脆弱な農業と土木事業を主体とする土建業(建築は×だが)が残ってしまい、21世紀になってそのツケが回ってきているのだ。
八郎潟干拓がサンフランシスコ講和条約へのオランダの参加を促すための間接的な戦後賠償として行われたことは以前にも書いたが、これ以外の県内の水利事業の歴史を見ると、米作が目的で行われたとは思えないものばかりだ。無論、水利事業は防災事業としての側面もあるが、
雄物川筋農業水利事業
仙北平野農業水利事業
田沢疏水農業水利事業
男鹿東部農業水利事業
を見る限り農業関連というよりも国交省の分掌である事業のように思えてならない。

農林族(あるいは農水族)というものの本質を読者は知っているだろうか。
TPP関連で農協とともに反対派に回っている族議員たちだが、彼らの本質は農業そのものを守る、つまり農産物の関税等による日本の農業や従事者(農家)への影響を排除しそれらを守ることではない。農業に関わるとされる(後付でそう言う)土地改良、水利、干拓、道路といった土木事業に関わる利権を守ることが本質だ。
コメや他の農産物を守って得られる利権など微々たるものであるが、土木工事の許認可、土地売買に関わる利権は桁が違うし効率が良い。
農政というのは中身は大部分がこれで、ほとんど公共事業であるためTPPによってこれらの利権に外国資本が入ってきたらそれこそ死活問題なのだ。

食糧安全保障や食料自給率は確かに重要なことであるが、これをカロリーベースなどのまやかしで国民に説明する農水省、農林族、それらを補完する農協。これらをガラガラポンしない限り日本の農業はまともにはならないのではないか?
農水省は解体して、経産省、国交省に統合すべきだ。

<おまけ>
農水省監修の『クッキング自給率』(料理自給率計算ソフト)
玉子焼きの自給率・・・23%
(玉子自体は95%以上国内産だが、そのエサが輸入品のためこうなる)
エエッ???となるこのソフト、どうなの?(^^)

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TPPで農水省と農協の解体を への8件のフィードバック

  1. 私はTPPでは、もしかしたら医療関係ではTPPが進んだほうがいい面もあるのではないかと考えています。

    日本では、例えば飲む水虫薬は薬局で不特定多数に売ることは禁止されていますが、アメリカでは普通にドラッグストアで買えると聞いたことがあります。塗り薬だけでなく飲み薬も併用すれば早く治りますし、爪白癬のように、塗り薬では無理な水虫もあります。なぜ許可されてないんでしょうね、日本では。

    「余命三ヶ月のウソ」という、がんは治療するなということを主張している医師が書いた本がありますが、その中で、欧米では制癌剤は塊ができるがんの殆どに効果なしと考えられていて、使用量は日本と比べて大変少ないということが書かれていました。(がんで延命しているということも、早期発見ができるようになったため、その分の年数を引くと治療しても延命していないということも説明されていて刺激的な本でした。)

    薬の効果は欧米人と日本人では多少変わる可能性もありますが(例えばアルコールの耐性は人種で少し違います。)、でもドラッグストアで普通に買える薬が日本では買えなかったり、国際的には効果が無いと考えられている制癌剤が日本では許可されているというように薬に対する許認可が日本はおかしいのではないかという不安が私はあります。

    厚労省は元のように年金関係と医療・保健関係と分けたほうがすっきりすると思います。

    農水省についてはそのとおりだと思います。農協は、多分アメリカの圧力かと思いますが、金融業から離れなさいということが言われ始めているようですね。ここにも外資金融が入るのかな。農協が今後どうなるか興味があります。

    • argusakita より:

      飲む水虫薬というのは例えばラミシールのことだと思いますが、あれは本当に副作用が危険な薬です。
      肝臓、腎臓に問題がある場合には間違いなく影響がありますし、特に腎臓のネフローゼなどでステロイド(例えばプレドニン)を長期服用していると感染症にはもともと弱くなり爪水虫になったりします。
      ラミシールは確かに効果はあるものの副作用については医者とじっくり相談して服用するべき薬でしょう。

      クスリはリスクですが、新薬の件は医学的な問題とビジネスの問題が絡んでいますからねぇ・・・。
      ウチの娘は勧められて子宮頸がんワクチンを接種しましたが、幸いにも副作用はありませんでしたが、その後の経緯でやめりゃ良かったと思っています。
      昔のサリドマイド事件をもう一度日本では反芻してみるべきですよ。

      TPPで医療関連の改革をという件では、私はメリット・デメリットが同じくらいに感じます。
      新薬の導入は条件付でメリットだろうと思いますが、外国人の開業医OKとなると大変なことになりますよ、きっと。
      詳しい理由は書きませんが、平均年齢が65歳超の秋田市の開業医は2/3くらいは廃業に追い込まれるでしょうね。
      他の市町村では日本人の開業医(特に歯医者)は皆無になるでしょう。

      >厚労省は元のように年金関係と医療・保健関係と分けたほうがすっきりすると思います。

      賛成です。
      どこもかしこも熟しすぎて、役人の役人による役人のための国です。

      • そうか、開業医の問題もでてしまいますか。確かに色々と不具合も出てきそうですね。

        人間は神ではないので、脚気の原因が伝染病だとされたり、良かれと思ってワクチン摂取を決めたりされるんでしょうけど、その決定をする人たちはせめて国際的にどういう学説がでているか、しっかりアンテナを貼ってほしいものです。

  2. 黒鉱 より:

    こんばんは

    私は秋田市よりも北のほうに住んでいますが、blog主さんの書かれた東北農政局管轄の水利事業を見ると改めて秋田県は北より南半分を優遇しているなぁと僻みがつのります(笑)。高速道路などもそうですが。

    大館、能代がかつては鉱業や林業で景気が良かったもののこれらが輸入品との価格差で衰退して地場産業の転換ができなかったことが問題ですが、米は重金属汚染で廃棄または工業用になるものも多く、将来的にも米作は期待できません。

    大館では一部の若者達がアートだ何だと街づくりに頑張っていますがなかなか注目されませんし衰退の一途です。
    秋田県の北に住んでいる我々地元民には気が付かない何か産業ネタや観光ネタなど、秋田市や県南の方々で何か気付くものはないでしょうか。
    あったらぜひ教えてください。

    • argusakita より:

      はじめまして。

      黒鉱って懐かしい響きがありますね。
      秋田県の南北問題、確かに歴史がその存在を示していますよね。
      まずは大館の『殿』がそろそろ変わらないと・・・。

      観光ネタかどうかわかりませんが、私が知人(欧州の)を県北に連れて行って案内するならこんなところを紹介したいと思います。
      ■冬の十和田湖(十和田ホテル)で2,3泊
      ※もっと高くても従業員を教育したら北東北有数のホテルになる可能性あり
      ■(正月なら)大日堂舞楽
      ※定期公演とかできないものなんでしょうかね?
      ■秋田犬関連
      ※ホンモノをぜひ見せたい
      ■比内の十和田石の採石場(一度行ったことがありますが地下の大空間が圧巻)
      ※採石しているのは独占企業のはずですが石材屋さんだけというのがもったいないですよね
      ■藤里の素波里ダム傍のサフォーク白神
      ※ホゲットが食べれる(おそらく)秋田唯一のレストラン、もうちょっと料理を研究してくれたら・・・。秋田市にアンテナショップ出せばいいのに・・・。
      ■藤里のゆとりあ
      ※私的にはレストランを含めて県内で3本指に入る温泉施設だと思います

      という具合で1週間くらい連れ回せるくらいいろいろあるんですよ。
      世界遺産白神山地や縄文遺跡群なんて興味持つ欧州人はほとんどいないと思います。もっと大規模なものが一杯ありますし。
      上記に関して地元の評価がどうなのかわかりませんが、売り出したいものと観光客が求めるもののギャップがあるのではないでしょうか?

    • 大曲に農業科学館がありますが、もしかしたら、その施設は大館に決まる可能性もあったと、結構前に農業科学館の人から聞いたことがあります。大館町だったころのようですが。その頃は畜産試験場があったので候補に上がったのかと推察してます。(ちなみにその試験場の助手だった人が私の記憶違いでなければ、比内鶏を固定種にした人で、初代の三鶏保存会会長だったと思います。)

      もしそうなっていたら、県北の方にもっと予算がついたかもしれないのですが、不運でした。

      ゼロダテではアートで盛り立てようとしてますが、そのアートを見てもその良さが私は全くわかりません。個人的にゼロダテは現代芸術家の卵の先物買いでしかなく、評価に値するものはどれくらいあるか謎です。その前に(金をかけない)芸術で町おこしできるのかも私には謎です。全国放送で竹村デパートでの模様が放送された時があったそうですが、廃墟みたいなところに並べなくてもと、東京に嫁いた姉が言ってました。逆効果だったみたいです。やはり、展示場所も大事で、それなりに飾り付けまで含めて芸術だと思います。その点から言うとまだまだですね。秋田県立美術短大・大学の卒業生の活躍の場所のためだとしたら(ここは私の想像です。)、もう廃止してもいいと個人的には思います。

      ただ、県北を元気にするために何をしたらいいかが私はわからないので、文句ばかりつけてなんて人だと思われても仕方ないです。

      • 熊さん より:

        おもしろいですねここのブログ。(失礼)

        TPP、農水省、農協とは関係ないですが、ゲージツといえば、上小阿仁でも夏に何かイベントやっていますが私にはさっぱり理解できないというかピンと来ないものばかりで、この村は一体何なんだろうと不思議を通り越して気持ち悪ささえ感じました。あのギャップを楽しめる感性が私にはありませんということなのですが。
        ゼロダテはもう少し普通の人が親しみを持てるものなんでしょうか。

        秋田市もおかしなことやっています。
        藤田嗣治「花鳥図」再現展示というのが行われていますが、あの「秋田の行事」のある新県立美術館ではなく、秋田市立千秋美術館の無料スペースで行われています。
        なーに、ちぐはぐなことやってるんだか。

        • 上小阿仁村で行ったのもゼロダテです。大館市から出張して行ったのです。ですから、この点に関して、上小阿仁村を非難できません。問題なのは訳の分からない芸術をつくった集団と、その集団に依頼した関係者ですね。

          個人的に、芸術は年月がある程度立たないと、評価が決まらないものと私は思ってますので、現代芸術は今の段階では、あまり評価に値するものは無いと個人的には思います。どうしても現代芸術で客を呼びたいのなら、外国でも活躍していて評価されている人を連れて来るべきだと思います。

          ゼロダテは、あくまでも現代芸術家のしかも卵たちです。でももう成人した大人たちです。そろそろ成果を検討して、今後どうするか考えてほしいと思います。

          秋田市の方では、市民文化会館と県立文化会館を合わせようという動きがありましたね。おそらく市立の美術館と県立の美術館を合体させて新しい箱物をつくろうという動きが出てきたりして。そのための下準備で、どちらにも関連作家の作品を展示してたりして。・・・深読みしすぎでしょうかね。

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