スリリングな日々

ウクライナのキエフから辛うじて生還。
顧客の要望でシステムのバックアップと別の場所への環境移行を依頼され、情勢悪化が伝えられていたため社員さんを送り込むわけにもいかず、ポーランドから陸路単身キエフに入ったものの暴動(あれはもうデモじゃない)の拡大で、仕事も7割がたで中止し脱出に決定。
ボリスピリ空港は脱出を図る外国人で溢れ、予約していたサンクト行きのアエロスビートは、なんとダブルブッキング(と思われる)トラブルで乗れず、しばらく航空券は取れそうに無かったため、知人と黒海沿岸のオデッサまで車で移動することに。
500km弱の道のりで、普通なら1日で余裕なのだが一旦モルドバのキシナウに抜けたため途中検問やら通貨持ち出しのチェックだのがあり、2日半かけてようやく到着。
何度か泊まったことのあるロンドンスカヤホテルでようやく人心地。
このホテルは映画『戦艦ポチョムキン』で有名な階段の近くで、階段を下りた先のフェリー港周辺にもデモらしき人々が集まっているのを見たため、こりゃ拙いなと翌朝オデッサ空港に。
ウィーン行きは既にしばらく満席のようで空きのあるチケットならどこ行きでもいいかと、とりあえずイスタンブール行きに乗り、その後は乗り継いでウィーンの事務所に。

2004年のオレンジ革命のときも偶然キエフに滞在していたが、あのときはもう少しデモも平和的で、市庁舎前などのテント村とオレンジの幟などが目立つくらいだったが、今回はほとんど戦場だ。
独立広場や周辺の建物などは火炎瓶で真っ黒で、あれは回復するのに何ヶ月もかかってしまうだろう。
オレンジ革命のときはアメリカの投資家ジョージ・ソロスがユーシェンコ側に資金提供をしていたとされるが、今回は資金だけではなくもっとヒト・モノ・カネが投入されているとしか考えられない。ウクライナ分断を画策している勢力だろう。
ソチ五輪でロシアが動きにくいタイミングで暴動を起こさせたのはなかなか計画的。

もともとウクライナはニュースでも言われているように北西部と南東部で全く違う国の様相を呈していて、今後も紛争が長引き米・EUとロシアの駆け引きが長引けば実質的に国家分裂は避けられないだろう。
国境線はドニエプル川(川といっても幅の広い湖のような場所では対岸まで30kmはある)あたりだろうか。

欧州各国のデモや暴動の中心的課題は移民だが、さほど移民の問題が無いウクライナを見ていると、経済状態の安定と発展は本当に重要だと思い知らされる。
後ろで糸を引く勢力があるのも事実だが、全て貧困や格差からあのような暴動が起きていると言っても過言ではない。
この点で日本は金持ち喧嘩せずが徹底していて、安全保障の点で国民の頭がややお花畑なのは拙いものの、経済優先でほぼ全体が一致している点では上等な国なのだろうと改めて実感する。

しかし、小銃抱えた連中に囲まれて質問を受けるのは気持ちの良いものではない。

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スリリングな日々 への2件のフィードバック

  1. 神津大輔 より:

    基調な体験記に御礼。
    外部勢力の介入は、プーチンのロシア側は当然掴んでいるはずで、長引きそうですね。しかし、この紛争で一体誰が得をするのかが見えてこないですね。
    しかも、ガス・パイプラインでEUは首根っこを押さえられているにもかかわらず。

    • argusakita より:

      こんにちは。
      まあ、デモや暴動には今までも出会っていますしタイミング逃さず逃げるのが一番という経験則です。

      外部勢力ですが、気のせいかもしれませんがいつもよりアラブ系の人間も結構いたような気がしますし、北アフリカからでしょうか黒人も多かったような気がしますね。
      シリアあたりから傭兵達が流れ込んでいるのかも(憶測ですが)
      北カフカスの連中もこの機を逃さずに動くでしょうね。プーチンも2面作戦はキツいでしょうし。

      EUはガスパイプラインでロシアに首根っこを握られていると言われていますが、最近はドイツなどもシェールガスで安くなったアメリカの石炭を使って石炭火力が復活しつつありますから昔ほどガスパイプラインは死活問題直結というわけでも無さそうです。

      今回は日本も含めてG7がすぐに非難声明を出しましたが、冷静に見るとプーチンに分があるように思います。グルジアのときとは明らかに違います。
      炊き付けたのは欧米ですし、法の支配を唱えるなら選挙で大統領を追い出したわけではなくクーデターですからティモシェンコはじめ親EU派は選挙までは不当な政権でしょう。クリミアで帰属をRUかUAのどちらかという住民投票が実施されれば圧倒的にRU帰属が決まるはずですから、欧米は住民投票は絶対阻止するように動くでしょうね。
      G7がウクライナの財政支援を約束したと言われますが、EUが数兆円出せるかどうかは怪しいですねぇ。日本がATMにされる可能性も・・・。

      パワーゲームになるといきなり存在感の無くなる日本ですが、国連もどうせ安保理が死に体で機能しないでしょうからウクライナ安定化東京会議でも開催したらとも思いますが、日本の外交力ではムズかも。
      今回は日本は様子見で十分だと思いますし下手にレームダックのオバマに加担しなくても良いと思いますが、陸路ポーランドやバルト三国に逃げるウクライナ西部の住民は難民化しかねないので、日本はせっかく良好な関係を築き始めたポーランドやバルト三国に対して支援しても良さそうに思います。

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