国際紛争で法の支配を唱えるのは9条信者と同じか

ウクライナのクリミアの住民投票が始まる。
結果は予想どおり独立賛成になるだろうし、その後のロシア編入は既定路線のように見える。これを覆すにはアメリカとNATOが武力で挑むしか無さそうだ。
しかし、戦闘開始となればロシアもパラリンピックなど無関係に徹底抗戦するだろうし、そういう『チャンス』をロシアは長い間待っていたようにも見える。

最近、欧州のメディアではクリミア情勢をかつてのコソボ紛争との対比で論じているものが多く、なかなか興味深い。
旧ユーゴスラビアでチトーの死後始まった流動化で起きた滅茶苦茶な内戦、ホロコースト、民族浄化、NATOによる空爆その他は日本ではあまり背景が説明されないまま終わっているが、本当に複雑で専門家でも旧ユーゴスラビアから現在の各国・自治州(スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ヴォイヴォディナ、セルビア、コソボ、マケドニア)までの歴史経緯を3行で書けと言われても相当に難しいだろう。

コソボ紛争の要因はイラクのように石油利権絡みではない。単にチトーや旧社会主義が抑えてきた民族問題の爆発と紛争によってアルバニア人(一応ムスリムとされている)が周辺各国に難民として流れ込むのをEUが恐れて閉じ込めを目的としたNATOの介入とそれを支援し軍事的な兵器実験をしたかった(と思われる)アメリカによって紛争が拡大したと言っても過言ではない。何故なら旧ユーゴ地域にアメリカの国益などなーんにもないはずだからだ。
コソボ紛争の経緯は省くとして、こんなことがあった。
・コソボのアルバニア人は一方的にユーゴからの独立を宣言
・ビル・クリントンはコソボ解放軍(当初実態は不明だった)をテロ組織に認定
・しかし、実はコソボ解放軍に資金を提供していたのはイスラム過激派とアメリカだった。
・NATOのセルビア空爆(ドイツも第二次大戦後初めて参戦)は国連安保理でロシア、支那の反対(拒否権)を無視して行われた(国連憲章違反)
・アメリカは支那の大使館を誤爆(真相は不明、スノーデンの最大の隠し玉?)
・アメリカはB-2爆撃機、F-117(アメリカ初のスティルス攻撃機)、劣化ウラン弾、クラスター爆弾、スマート(誘導)爆弾を大量に使用
・当時の各国の指導者たちの多くは中道左派、あるいはリベラル主義の政治家達だった(米クリントン、英ブレア、独シュレーダーなど)

これらの事実に照らし合わせても、クリミアで一方的に独立宣言がされて・・・同じことを繰り返しそうな流れである。
ただ、クリミアの独立賛成派はロシアが支持し資金も提供しているだろうが、ウクライナ全体のクーデター(選挙ではない方法で大統領を追いやった)の支持をしているのは欧州、アメリカである。

もしプーチンが『コソボはOKでクリミアがNGなのは何故だ?』と言えばこれに明確に答えられる欧米の国は無いはずだ。法的な手続きで成立したわけではないウクライナの政権を合法で支持するという欧米、(日本を含めた)G7の言い分はどこかおかしい。
日本でも同様だ。
安倍首相や岸田外相があまり余計なことを言わない、かつオバマに対してアメリカの努力を支持する程度の発言で終始しているのは非常に賢いと思う。
ただ、対外的にあまり国連至上主義、法治主義を前面に出しすぎると笑われる。
コソボで明らかになったように、国連や安保理などはいざとなれば機能しないし、数が多ければ決定も無視される。ハーグのICJ(国際司法裁判所)もNATOの空爆に対するセルビアの訴えを門前払いにした。

結局は東京裁判のように戦勝国が裁く、力のある者の裁きが優先、これが現実である。だからといって諦めてもいいとは思わないが、国際紛争で国連だ、法治だといくら優等生的に叫んでもあまり影響は無いことは日本人は知っておく必要があるのではないか。
同時にクリミア問題から日本が学ぶことは、今浮上してきている年間20万人の移民受け入れといった政府の方針に注目することで、ある地域の人口の6割が外国人となった場合に一体何が起きるかといったことである。
自治体ごとの住民の10%を超えてはならない、超える場合は外国人を拒否する権限を自治体に与える等の事前準備もせずに移民受け入れなどを拙速に進めてはとんでもないことになる。

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