不可解な内陸線社長の任期を残しての退任

秋田県、北秋田市、仙北市などが出資する第3セクター秋田内陸縦貫鉄道の酒井一郎社長(66)が17日の臨時取締役会で任期を1年残した状態で6月の株主総会で退任する意向を表明したという。
メディアに対して酒井社長は『昨年5月に県幹部から「任期は(残り)1年としてくれ」と言われた』と語ったとされるが、秋田県側は退任を求めた認識は無いとしている。

面妖な話である。
酒井社長は2011年度に公募によって就任し、経営目標である経常損失(赤字)2億円以内を2012年度、2013年度(見込み)と2年連続で達成して株主達が要求したハードルを見事にクリアした。にも関わらず、昨年5月に退任を迫られていたとは・・・。

秋田県の発表している経営概要書によれば、経常損失は、

2009年度 250,902(千円)
2010年度 257,526(千円)
2011年度 251,123(千円) ※途中で酒井社長就任
2012年度 195,052(千円)
2013年度 ※決算確定前だが2億円以下と見込まれる

と推移している。
もし、酒井社長に与えられたミッションが本当に経常損失(赤字)2億円以内ということが唯一だとすれば、前年度から6千億近くも赤字を減らし見事にこれを達成した以上誰も文句は言えないし、赤字とはいえ酒井社長に対しては金一封(赤字のため100円くらいか(^^))が出てもおかしくはない。
これに対して筆頭株主である秋田県(出資比率約39%)が何故『辞めろ』と言ったのか・・・。(酒井社長の忸怩たる表情と『県の方針に従う』的な発言から言ったのだろうと推察する)

由利高原鉄道もそうだが、元々社長公募の話のときから胡散臭いなと筆者は思っていた。以前から秋田県の第3セクターの問題を筆者は何度も指摘してきた。例えば、
秋田の隠れた『官』的なモノ(2011/11/25)
第3セクターに手をつけない秋田県(2013/1/11)
がそうだが、秋田県の第3セクターの後始末は大体がこんな手順である。
・赤字が累積し手がつけられなくなる。
・県が手を下して潰すのは県民から反発を買うため、一旦民間(風)にする。
※社長公募はこの典型
・ハードルを設定する。
・民間(風)にしてもハードルが達成できない(赤字削減、解消等)。
※県は『ほら見たことか!』という側に立つ。
・倒産、解散
※この際、秋田県は一株主的なスタンスで責任はせいぜい株主責任ということで管理責任や経営責任に対する批判をかわせる。
ところが内陸縦貫鉄道は民間出身の社長が1年で目標を達成してしまった。
ハードルが高かったはずなのに達成してしまった。秋田県にとってはこれはマズい。県の無策による過去何年もの評価がボロクソに言われてしまう。さらに、これでは他の第3セクターも『民間に任せろ』という風潮が高まってしまう。これではシロアリ達の天下り先が減ってしまう。
そのため、再び赤字第3セクターに戻して公共性の高さという隠れ蓑を着せて赤字額も従前のようにしておくのが県の今後の計画なのだろう。
第3セクターの行動計画・指針などと毎年のように作文は作るが、結局は天下り先の維持とボンクラで民間に就職できないような連中の雇用の受け皿として県出資法人の共同採用などを行うのである。

相変わらず秋田県は木っ端役人天国で民間の手法や知恵・工夫など秋田県には不要なのかもしれない。
酒井社長にどこかのメディアに経緯の事実と本音を語ってもらいたいものだ。

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不可解な内陸線社長の任期を残しての退任 への7件のフィードバック

  1. なにがあったのか細かいところは分かりませんが、地元での評判があまりよろしくなかったようです。
    氏に与えられたミッションこそクリアしましたが、畳むのを前提とした人選だったためか手法的にも見る人が見ると削るばかりでたいした振興策が無いように見えたのでしょう。地域で協力していた人たちを排除するような動きもあったようですし、新たに採用した人たちも早々に辞めてしまったりとゴタゴタもあったようです。
    そのへんで、同じ公募社長の鳥海山ろく線の賑わいや地域との連携、海外から客を呼び込むなどの工夫を進める社長との比較もあって馘首されたのかもしれません。
    ま、私もよそ者なので、漏れ伝え聞く範囲のハナシではありますが…ま、集客数とかではなく赤字額で目標設定されてしまっては縮小方向で動くよりしょうがない部分もあったとは思うんですが。
    次の目標設定と人選に期待したいトコです。

  2. ちんあなご より:

    東北地方、特に秋田では「評判がすべて」です。
    有能な人でも、「評判が悪い」という理由で飛ばされます。

    痛みを伴わない改革などはない、という事は原住民には理解できないでしょう。
    だから何も改革出来ない。  やれば秋田名物「足引っ張り」が始まります。

    改革をやれるとしたら殿様だけですが・・・無能だから・・・
    あんなに無能でも無投票で再選ですから・・・やはり「評判がすべて」

  3. argusakita より:

    おはようございます。

    『評判がすべて』、うーん重いなぁ。

    ただ、元々公募で秋田にやってきた(こう言っちゃ悪いですが)ヨソ者なのは、公募・採用の時点でわかっていたことですし、秋田の多くの人の閉鎖性なども周知の事実。
    採用時の面接等で再建計画なり任期3年の間にやることを明示していたはずですから、経営目標の数字をクリアした実績こそが評価されるべきで、これこそ民間の手法や工夫・知恵でしょう。(決して民間はいいことばかりするというわけではありません)
    私も言ってみればマイクロ企業の経営者ですが、数字で現れる客観的なものこそ出資者や融資先への説得材料で、これを否定あるいは曖昧にされては企業の経営なんてやっていられません。経営者の人間性はその次でしょう。

    公共性が高い事業とはいえ、秋田県が第3セクターを手放して民間に移行しようとしたわけで、赤字は削減しろ、住民とはうまくやれ、話題を作れ、評判(何の?)良くしろ、こんな全方位同時進行でうまくやれる現実的な方法があったら、過去の年間2億5千万以上の赤字も減らせたのでは? 行政ができないことをやった点で十分評価されるべきです。
    3年間という短い会計年度で優先順位をつけて経営を進めるなら、まずは切るものは切る、そこで生まれた原資なりを次の段階で投入するのはごくごく当たり前で『辞めろ』というのは絶対におかしい。
    こんないい加減なことをしていたら、もっと100倍くらい問題(金額的に)を抱える農業公社、土地公社、林業公社など絶対に手をつけられないですし、他の問題第3セクターの改革など夢のまた夢。
    秋田県の施策と進め方に県民は『どっちやねん?』と疑問をつきつけるべきではないでしょうか。

  4. 『評判がすべて』ですか。誰から見た評判が問題なのだろう。

    ノーザンハピネッツの監督が今季限りと発表されてから結構たちましたが、あの人は評判が悪いとは思えなかったのですが、シーズンが始まったと思ったら来季の契約は結んでいないという報道がなされ、来季の監督は○○と重ねての報道がありました。確かに○○氏は、ハピネッツスタート直後のほとんど勝てない時期に選手兼監督として頑張ってた人なのであえて反論はしませんが、普通はこんな、選手に動揺を与えそうな報道はシーズン初めにはなされないと思うんですが。今の監督は能代高校バスケット部監督だった人なのに。これで、また他の地区が強くなることでしょう。

    話がずれました。内陸線の社長については、普通であれば、秋田県から頭を下げてでも社長を続けてもらわないといけないと個人的には感じてます。でも知事が頭を下げる相手は韓国便存続のために韓国(まあこれからはどうなるか様子見してますが)でしたけど。韓国に頭を下げれるんだったら、現内陸線社長に頭を下げても何も問題はないと思うんですがね。それともクビを切ることになってすみさせんと頭を下げて詫びているんでしょうか。それも考えにくいか。

    • argusakita より:

      すみません、バスケは全く興味が無くて知りませんでしたが、ギャラの問題かもしれませんね。
      でも実績が上がったときに交代は無いですよね。
      HCも経営も結果責任ですし、それ以外の評価基準はきちんとしておかないと。

      何でもかんでも、県、自治体・・・。イニシアチブを取るべき人がいなくなって当然の状況。
      人材不足なんじゃなくて不足するように仕向けているとしか思えません。

  5. ちんあなご より:

    地元に人材がいないから「余所者」を呼んだくせに、
    「余所者」が秋田で苦労して事業を軌道に乗せると・・・石をもって追われる。

    「有能な余所者」よりも「無能な地元民」の方がいい、という秋田人の意志なのでしょう。
    (まともな日本人には理解し難いですが!)

    秋田が日本最速の衰退をしているのは、そこに原因があると思います。
    でも、県民性なんて変わりません。

    • argusakita より:

      こんにちは。

      よそ者を排除するというか、なかなか馴染まないのは秋田県の県民性と言ってもいいと思っています。私自身、親父の仕事の都合で小学校低学年で東京から秋田に引っ越したとき言葉や何かで苦労した記憶がありますから(^^)。

      歴史を考えれば当然というか・・・。
      秋田(安東)氏が17世紀以降あのまま秋田全体を支配していれば全く違う歴史だったかもしれませんが、減転封されて常陸からやってきた佐竹氏とその取り巻き家臣団は久保田城の周囲を固め、攻めにくい城下町を作り、北前船で自分たちの懐を肥やし(いつか徳川かその譜代が攻めてくると被害妄想に駆られて準備していたのかもしれませんが)秋田を発展させようとは考えなかった(あるいは余裕が無かった)のだろうと思います。

      明治になっても、三菱、古河等財閥が鉱物資源を搾取し、八橋の石油も日本海の油田も搾取。地元の発展にはあまり寄与しなかった。これもよそ者。
      昭和になっても八郎潟干拓、大潟村入植や田沢湖の毒水。これもよそ者で地元秋田の農業を画期的に変化させることは無かった。
      で、今はイオングループによる各市町村の地元商業の蹂躙(^^)や三菱系や東北電力による地熱エネルギーの搾取。
      遠い昔からよそ者が秋田を豊かにしてくれた記憶が秋田県民には無いんでしょうね。だからよそ者を排除したがる傾向がDNAレベルで刻まれている。

      秋田県は隣県との主要道路8箇所程度が不通になると陸の孤島でしょうから、この地形と歴史が相まって排他的であるのはやむを得ないというか当然というか。
      逆に考えれば、秋田が秋田であるのはこの排他性の強い県民性が必要だったのかもしれませんね。

      >秋田が日本最速の衰退をしているのは、そこに原因があると思います。

      同感です。
      気付いている人は何らかの準備をしているでしょうが、気付かぬままの人はそれなりに幸せなんでしょうね。
      知らないフリをしている小役人達が最悪でしょう。

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