国連を舞台にした情報戦 ~戦時売春婦問題~

サンクトから戻ってニュースなどを拾い読みしていると、産経新聞の特集 【歴史戦 第4部(上)後半】 で、今月16日にスイス・ジュネーブで行われた自由権規約委員会(human rights panel)の審査で日本が非難され、24日には最終的な補償の勧告を出されたということで何だか大騒ぎだと思い、国連のあちこちのサイトやニュースを探してみたらほとんど出てこない。

まず16日の日本側報告書に対する質問、指摘等。
この中には、人身売買、同性愛、代用監獄(拘置所?)、精神病院での患者の扱い、亡命申請者の扱い、福島の災害による人口減の問題、アイヌの人権問題とあれこれあり、いわゆる戦時売春婦の問題は委員会の記録として残されたものの中ではほんの5,6行に過ぎない。
ところが、実際の会議では戦時売春婦の問題について長々と意見を述べた委員がいるらしい。(南アフリカのZonke Majodinaという女性委員)
日本叩きをしたかった連中にしてみれば、この件があまりマスコミで取り上げられなかったのが不満だったのか、24日にこの委員会(Nigel Rodley委員長)が、

The panel urged Japan to “ensure that all allegations of sexual slavery or other human rights violations perpetrated by Japanese military during wartime against the ‘comfort women’, are effectively, independently and impartially investigated and that perpetrators are prosecuted and if found guilty, punished”.
(委員会は第二次大戦中に日本軍が犯した性奴隷または慰安婦の人権侵害について独立的かつ公平に調査をし、違法な場合は加害者が裁判によって処罰されることを促した)

『促した』とあるが、これを朝日新聞や毎日新聞は、
委員会が勧告した
誇大に報道しているのである。勧告ならrecommendなど別の単語だろう。まあ、勧告でも罰則も何も無いからどうでも良いのだが。
英語で検索をかけても出てくるのは朝日新聞と毎日新聞、ロイターニューズウィークグローバルポストジハン通信社(トルコ)なのだが出てくるのはソースが全部新華社である。欧州のメジャーなメディアにはこの自由権規約委員会の話題など微塵も無い。
いかにも『世界がそう言っている』という印象を与える情報操作である。
要するにこういうのが情報戦や心理戦なのだ。
そもそも日本はあまりにも『国連至上主義』を謳いすぎる。そこを突いて『海外からの声に弱い日本』が攻め込まれるのだ。

国連はニューヨークの本部の他に欧州ではジュネーブ(UNOG)、ウィーン(UNOV)、アフリカでナイロビ(UNON)に事務所があり、ジュネーブでは国際原子力機関(IAEA)や国連薬物犯罪事務所(UNODC)などが知られているものだろうか。
UN-org国連の組織は機構一覧図を見てもわかる通りあまりにも肥大化しすぎ、似たようなことをやっている組織が沢山あり収拾が付かない状態になっている。
一見、国連あるいは配下の機関で働いているよというと日本では聞こえはいいかもしれないが、ウィーンの某機関で働いている知人に聞くと『とんでもない』という答えが返ってきて驚いたものだ。
現在の国連組織は無能で有名なパン・ギムンの話は置いておくとして、その知人に言わせれば新興国・途上国でまともなホワイトカラーの職にありつけない無駄に高学歴な出稼ぎ連中と先進国の主に左翼のNGOのサークルのようなものだということだ。
さらにこれらに(カネによる)ロビー活動を行う各国のロビイストが群がり、そのロビイストはやはり巨大な多国籍企業の回し者だったり、各国政府の息のかかった者たちということだ。南アフリカの委員なども日本の左翼NGOと懇意だそうだ。
ある意味、経済力、軍事力の弱い大多数の国の『ガス抜き』の場というイメージで、権威など無く人権理事会などはまさにその典型のように感じるそうだ。人権理事会の委員は、それぞれ国内に大きな人権問題を抱えている国が多く選出されること自体が疑問視され、互いに国の代表として『お前んとこが言うな!』という雰囲気なのだそうだ。勘違いしてはいけないのは理事会委員の発言は決してその国の政府の見解ではないことだ。
そんな人権理事会の議論や『勧告・勧奨』に意味はあるだろうか。
確かに最近は安全保障理事会などは常任理事国の拒否権によって有名無実となり各地の紛争に何の効力も示せない。国連決議の経済制裁などまじめに守っているのは日本くらいではないか?
PKO、PKFなどもアメリカのやる気一つに掛かっていたり、WHOの勧告も最近はアメリカの製薬会社や遺伝子科学会社の言いなりのように思えるフシもある。

日本はどうだろうか、確かに(秋田生まれの)元UNTAC事務総長特別代表の明石康氏や元国連難民高等弁務官の緒方貞子氏など活躍した方々もいるが、国連分担金実質1位(1位のアメリカは払っていない)の割には、たまに非常任理事国に名前を連ねるものの常任理事国に比べて何の発言力も指導力も発揮する機会が無い。
逆に、上記の胡散臭い理事会や委員会で不愉快な思いをさせられ間接的に支那や南朝鮮の情報戦や左翼等の反日勢力に押されてばかりである。
ドイツ、インド、ブラジル等とともに常任理事国入りを目指し国連改革をするなどと言う政治家もいるが、現在のロビー活動によるカネの動きを変えたくない一派も少なからずいることは間違いない。しかし、一方では複雑肥大化し自浄能力の欠けた国連がこのまま惰性で続くとは考えにくい。

日本はこのまま情報戦、心理戦に負けたままでいるのだろうか。
いっそのこと松岡洋右の1時間20分に渡る英語の大演説で国際連盟を脱退したように国連で日本人の誰かが大演説して脱退したらどうか・・・とも思うが、まあそんなことは不可能か。
(この松岡洋右の『十字架上の日本』という演説の原文をぜひ読んでみたい)

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国連を舞台にした情報戦 ~戦時売春婦問題~ への2件のフィードバック

  1. 増田 正 より:

    この記事をFBにて使用しました。承認を得ることなく掲載しましたので事後ですが報告します。貴殿の記載内容は私にとって非常に興味がありこれからも来させていただきます。ありがとうございました。

    • argusakita より:

      おはようございます。
      ご連絡ありがとうございます。
      以前から、掲載先でトラブルや見知らぬ輩によるArgusAkitaを騙っての書き込みなどで少々不愉快な思いをしておりますので、できれば、掲載先のURLでもお知らせいただければ幸甚です。
      よろしくお願いします。

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