DIOジャパン問題の行方

昼のニュースでDIOジャパン問題について県議会と県側の委員会(部会?)が開催されている様子が流れていた。
何というか、既に時間稼ぎの茶番と化しているようにしか見えない。
補助事業期間中の売上げが4,000万程計上されていることで、場合によっては返還の要請を検討云々などと実に暢気な対応である。巨額の血税が使われたことを全く意識していない空気で、突っ込む側のはずの議員達も状況把握で『ま、いっか』という緊張感の感じられない雰囲気。

もともとDIOジャパンのバックにいるのは、
コールセンターはどこでもできるわけではない
のコメントで書いたように、
(東日本大震災中小企業復興支援投資事業有限責任組合無限責任組合員)の
大和企業投資株式会社
この大和企業投資株式会社というのは大和証券グループ。
上記の長い名称の有限責任組合の有限責任組合員としては、
独立行政法人中小企業基盤整備機構(35億円)
株式会社七十七銀行
株式会社岩手銀行
が名を連ねている。
独法が絡んでいる時点で『勝負あった』で、県や市町村などの地方自治体が抵抗できる相手ではなく喧嘩など無理。秋田県はまだいいが、銀行名を見れば宮城県、岩手県などは最終的に泣き寝入りの『大人の解決』しかないだろうと予想。

秋田県の場合は、羽後町のほうはまだ不明だが、にかほ市のほうはなんと同業者のプレステージ・インターナショナルに譲渡されたようだ。(叩き売った、買ったの状態だろう)
DIOジャパンの親会社の本社も事業停止状態(主要メンバーは既に香港あたりに逃げているだろうな(^^))で連絡がつかない現状で自治体側は早くも穏便な事態収拾に走っていると見える。
肝心の失業者の雇用の確保・継続が優先なのは間違いないため、早い事態収拾と対応は確かに重要であるが、筆者から見れば自治体側の責任も(できるだけ速やかに)きちんと追及されるべきである。問題が起きたらその検証や責任の明確化もせず、『前向きな解決』の美名の下に事後対応を対症療法で行って手打ちでシャンシャンでは全く学習することもなく再発防止にも繋がらない。
ちょうど田沢湖供養仏集落の土石流の原因の追究や責任の明確化もせずに遺族への補償(口止め)と砂防ダムの構築(これすらも原因が明確でないため果たして有効なものかどうかも不明ではないか)で済ませるようなもの、あるいは某県議会議員がメロン用冷蔵庫を政務活動費から支出し、指摘されたらアッケラカンと言い訳と返却をするようなものである。

そもそも緊急雇用創出事業という国の事業は、永続的な雇用機会を創出することを目的としていない。厚労省の調査中間発表にもあるように、
『緊急雇用創出事業により創出される雇用が、次の就職に繋げるための人材育成を行う有期雇用であることにかんがみれば、事業期間終了後に雇用が必ずしも継続されないこと自体は、制度上、委託契約としての問題とはならない。
という厚労省の見解が明らかにされている以上、今回のDIOジャパンの事業停止・縮小等の『上手なやり方』は非難される言われはない。強いて言えば給与未払い問題だろう。
しかし、この『次の就職に繋げるための人材育成を行う有期雇用である』ということを行政側が雇用者に対してきちんと説明するように事業者に指導したかどうかは非常に怪しい。
DIOジャパンに雇用された失業者側は『ここで永続的に働ける』と思ったに違いない。
この事実関係を元雇用者達にヒアリングして明らかにすべきである。
場合によっては雇用契約の絡んだ労働基準監督署の範疇の問題に発展する。

さらに、この緊急雇用創出事業を利用した自治体がDIOジャパンを誘致し契約した経緯を書類ベースで明らかにすべきである。ポイントは2つである。
(1)事業実績、見通しを含めた企業の信用調査をどう行い、どういう結果だったか
(DIOジャパンに決定した経緯の詳細)
(2)自治体とDIOジャパンとの間に『企業立地協定』を締結しているかどうか
(例えば『企業立地を支援する代わりに最低5年は雇用を継続する』あるいは『創出事業終了後も引き続き継続雇用する』といった具体的な約束があったかどうかだ。無ければ自治体側は非常に弱い立場になる)

これらが開示されることが重要で、自ずと自治体側の責任の明確化が図れる。
(1)がいい加減ならば自治体の担当部署、担当者の責任問題。(2)で協定を締結しているならばDIOジャパンへの損害賠償請求等も考えられる。もし損害賠償請求が可能なのに請求しないということがあれば住民監査請求などが自治体に突きつけられる可能性も出てくる。

地元の税金だけではなく国民全体の税金が投入されている事件である。
いい加減な幕引きは許されないはずだ。

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DIOジャパン問題の行方 への5件のフィードバック

  1. 最上英嗣 より:

    秋田県議会議員の最上英嗣です。問題を取り上げて頂き、ありがとうございます。
    この企業を誘致した時は、私は議員になっておりませんでした。
    仮にその時点で議員になっていれば反対したと思います。
    私は県議ですが、民間の企業の経営者でもあります。誘致、上場、投資、株、等の胡散臭匂いには敏感です。
    この問題の本質は「国の金」だからと言う思いがあったと思います。
    DIO以外にも、この様なケースは大なり小なりあります。(秋田県の企業です)
    予算執行。事業計画を役人任せにしてはならいないと言う事です。
    しっかりと議会の機能を働かせてまいります。 

    • argusakita より:

      こちらでも、こんにちは。

      国の金ですから議会で反対は少数派になったでしょうね。緊急雇用創出事業によれば、利益分の返還が発生した場合は国に返さず当該自治体がポッケに入れられるはずですから、ぜひ返還回収させるようにしてください。

      この問題は東北では秋田県が頑張らないときっとうやむやになりますよ。
      岩手や宮城は地元の銀行が出資者としての道義的責任も問われるので自治体と一緒に幕引きに走るでしょうから。

      >予算執行。事業計画を役人任せにしてはならいないと言う事です。

      それに尽きますね。
      漏れ聞こえてくる話では、やはり国の予算ですが、県が関わる医療関連のシステムでも大きな額の無駄遣い(出来ても使えない、使わない)が起きているようですね。
      アベノミクスのバラ撒きには呆れてしまいます。

  2. 元オペレータ より:

    お隣岩手県では、
    DIO寄付、県が返還 岩手国体への100万円
    http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20140731-OYTNT50436.html

    DIO本社のHPでは社外取締役の氏名などが削除されたようです。
    一連の問題は犯罪として立件されるでしょうか。

  3. blogファンその弐 より:

    河北新報では、
    ディオジャパン業務休止 東北の立地自治体、困惑
    http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140801_73013.html

    累計43億もの補助金が動き、給与未払いが7千万を超えているというのにメディアもイマイチ取り上げ方が半端なのは不思議です。
    やはり問題を突っ込んでいくと自治体側の不手際(間抜けさ)がクローズアップされるからでしょうね。

  4. argusakita より:

    DIOジャパン 事後処理を弁護士に一任(AAB)

    DIOジャパンは今後の処理を弁護士に任せてトンズラしそうな気配。
    法的に整理(会社解散?)すりゃ43億円の行方は不明なまま。
    まあ、載せられた自治体側も実はそのほうがホッとするだろうな・・・。
    酷い話だ。

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