地銀の再編は地方自治体の消滅を加速させるか?

横浜銀行と東日本銀行という首都圏で始まった業界再編がいよいよ地方にも本格的に波及してきたようで、肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合するようだ。
reorg-banksオーバーバンキングと言われる日本国内の地銀の再編が進むのは金融業界の問題もあるだろうが、昨年末金融庁が出した『森ペーパー』に某証券会社が業績の数字から銀行名を当てはめたものが囁かれていてトップに秋田銀行が挙がっている。
銀行自体の決算等は決して悪くはないが、人口減少やそれに伴ういわゆる貸し出し先の減少で見通しは明るくないということらしい。

最近の秋田銀行の動向は周回遅れも甚だしく、すっかり地元の企業に諦めたのかインドネシア、タイ等東南アジアへの企業進出を手助けするなどと発表していて間抜けの感が半端ではない。
円高加速の時代ならまだしも、既に金融はFRBのQE終了に加えて日本のQQE拡大で円安基調の局面に転換した。
にもかかわらず、海外に進出をお手伝いとは流れを無視した動きで呆れてしまう。スピード感があるなら逆の動きをするはず。
地元に優良な貸し手が少なく、県外でも福島県あたりを除けば競争力がないのが秋田銀行で、ネット利用のサービスも遅れに遅れ、ATMのコンビニ利用も何だか歪だ。

個人的な予想では近い将来どこかと合併するのだろうが、北都銀行がフィデアHD傘下になったように軟着陸できるかは不明だ。その北都、フィデアでさえいってみればみずほ銀行というメガバンクの傘下のようなもので、いずれは吸収されるのではないかと予想している。

秋田県と秋田銀行に限らず、地銀はその本社のある自治体と密着していて、地方債の引き受けから始まって業種ごとの各種融資制度の窓口や公的な住宅ローンや奨学金などの窓口や細かいものでは公立学校の引き落とし口座指定など切っても切れない仲である。
ところが、もし県境を跨いで合併や統合となれば自治体の地方債の引き受けなどが従来のような馴れ合いではなく経営判断が入ってくる可能性がある。
地方債は、8年くらい前から総務省の許可が不要となり極端な話、総務省がOKしなくとも自治体が『不同意債』を発行できることになっている。
そのため、例えば税収が少なく地方公務員の給与に足りなくても地方債を発行し、銀行等に引き受けさせ(大体4割から5割)、何とかやっている状態だ。この従来からの馴れ合いが突然ストップし、『今回は地方債は引き受けられません』となれば県市町村は大変なことになる。地銀が生殺与奪を握っている自治体は多いはずだ。

メガバンクに限らず地銀も融資先が無いため国債をせっせと買い続けているが、国債は暴騰すると金利が低下し受け取る貸し出し利息が減っていくし、暴落すれば国債そのものの評価損が増えるという両側に危険性を持っているわけで、地方債も似たようなものだ。
ただし、地方債が暴騰するなどということはあり得ないため地方債の暴落(評価損)というシナリオしかないだろう。そんなものを民間の銀行が延々と引き受けるはずがない。

結局、銀行再編によって自治体が経営判断で選別され、地方債の発債が困難になれば自治体の破綻は間違いなく、人口減少などの緩いエンディングではなく急激なジ・エンドが襲ってくる可能性がある。

既にドイツの地銀の一部などは大口預金顧客にマイナス金利を適用している。つまり銀行に預けたら目減りする仕組みだ。
日本でもシティバンクあたりは小口預金者から定額の口座維持手数料を取っているが、今後は日本でも銀行に『金を預けない』のが普通になっていくだろう。
円安基調は今度は円がQQE終了+ユーロのQE拡大と連続していくと思われるが相当長く続くはずで、我々庶民の防衛策は、
・銀行(特に地銀)には預金しない
・変動金利のものは避ける
くらいしか無さそうだ。

 


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地銀の再編は地方自治体の消滅を加速させるか? への4件のフィードバック

  1. きりたんぽ より:

    秋田銀行は未だに殿様商売の気質が抜け落ちていないのだと感じます。
    店舗の窓口に行くとすぐに対応や雰囲気で工夫や変化もないな~と思ったり
    こちらが聞いたことだけしか応答しないマニュアルロボットのような
    窓口に行っても電話のカスタマーセンターと変わりはないという感じです。

    北都銀行は荘内銀行と経営統合して個人的には良かったと思います。
    荘内銀行は日本で初めてインストアブランチで成功して、北都銀行も取り入れて
    利用客からも受け入れも良いのではないでしょうか。
    特に年配や高齢者の方にとっては相談しやすい雰囲気とコミュニケーションが
    取れたり、小さい子供がいても安心できるような仕組みになっていました。

    ちなみにイオン銀行が荘内銀行にインストアブランチの教えを請いにいったりしてまして
    、名のある豪商元の地域でもあるなとも感じます。
    イオン銀行のATMで秋田銀行口座を利用すると手数料はかかりますが、
    北都銀行は無料という特典もあったり、県民の皆さんはどう思っているのでしょうか?

    • argusakita より:

      そうですねぇ、殿様商売かもしれませんね。

      都市銀行のカードで自分の口座に入金する場合、サンクスの秋銀のATMだとりそな銀行経由でワンクッションあって時間制限やら手数料やら。
      ローソン、ファミマのATMだとストレートに都市銀行の画面が出てきますからね。時間ギリギリのときは他行宛扱いと自分の口座ストレートでは大きな違い。
      リテールでは全く競争する気は無いのでしょう。まあ、それも企業ポリシーでしょうが、金貸しが格好つけんなよと思っている人は多いでしょうね。
       
      今は(子供達の学校関係も含めて)個人でも仕事でも全く取引が無いのではっきり書いちゃいますが、法人向けも市や県信用保証協会と『密着』ですから、その代行事務してるに過ぎないのでまあ横柄なこと横柄なこと(^^)。
       
      だいたい、本店の目の前の交差点の角3つが空き地同然というのは、地元に貢献なんてのが口先だけで、地元の企業を育てようとか知名度のある企業を引っ張ってこようというようなやる気がないように感じますよ、普通。
       
      少し昔は、(酸いも甘いも知ってる)古き良きバンカーみたいな人もいましたが、もう今は目利きも滅多にいないしマニュアル君ばっかりかな。(^^)

  2. ブルーベリー より:

    秋田県 ようやくコンビニ納税が可能に
    http://www.zck.or.jp/letter/H26/2879_01.html

    コンビニ納税すらも30年遅れる地域。
    殿様商売と言うよりは、単純に無能なのではないかと思います。

    秋田県が最速で衰退するのは当然です。
    特殊すぎる秋田銀行と合併したがる銀行があるのか疑問です。

  3. きりたんぽ より:

    そうですねたしかに無能だと感じます。
    銀行の能力と比例するものが地域に多くありますよね。

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