秋田県の『砂に水撒く』行政では将来ビジョンは困難

アベノミクスは金融緩和による為替差益と株価上昇をもたらし、国債の乱発で円の蛇口を閉める時がますます恐くなってきた。賢い人々は既にアベノミクスが『財テク』カンフル剤であることを見抜いている。
一方で公共投資の乱発で建設分野に限らず医療や介護等にまで無駄金をバンバン使っている。仕事は増えても人材のミスマッチや若年労働者の不足で有効求人倍率等の雇用状況は改善しているように見えるが当たり前と言えば当たり前。公共事業を増やして雇用が改善しないならそれこそ『馬鹿野郎!』だからだ。
とはいうものの、このアベノミクスの効果が地方例えば秋田で感じられないのは何故か。一言で言えば、秋田県の『効率』が悪すぎるからである。

admin-investment公共投資の程度を知る一つの指標に国や県市町村が行う社会資本整備を行政投資というが、この額の推移を近年分を表にしてみた。総務省の発表値で約2年遅れで出てくる統計数値だが、リアルタイムで出さないのは国や県市町村への批判を避けるためだろうか。
秋田県の特徴は、1人あたりの行政投資額が全国平均の約1.5倍にも関わらず、可住地面積あたりのそれは全国平均の約半分。ちなみに可住地面積あたりの行政投資額が10万円以下なのは秋田県と北海道だけである。
この傾向は過去数年だけではなくずっと以前からだろうと思われるが、この効率の悪さがアベノミクスのようなカンフル剤も何も効かないことを示している。バブルの時代もそうだった。大きく変動しないことは良いことという見方がなくも無いが、この効率の悪さと同時に行政投資額の絶対額が年々減少していることを考えればジリ貧で(ゼロにはならないが)ゼロに向かっていることが誰でもわかる。
分母にあたる人口減少によって1人あたりの投資額が増えていっても良さそうなものだが現状維持どころか減少しているのは二重に悲劇的だ。
つまり、過疎地域(秋田市と周辺、にかほ市以外は全県的に過疎地域指定だが)に無駄なあるいは社会資本として機能しないものを作り続ける非効率なことをやっているからこうなるのだ。
『均衡ある県土の発展』などという夢物語から目が覚めない状態のため、秋田県に公共投資を配分しても砂に水を撒くようなものである。(少なくとも国全体から見てそう非難されても仕方がない)
1964年1月の新産業都市指定(秋田湾地域は時の池田首相の肝いりで追加で指定された)をまだ夢見ている老害がいるのではないかとさえ思える。
(この秋田湾地域指定の経緯と壮大な計画は当時の資料を読めば秋田県民は皆ワクワクするはずだ。秋田にもそんな夢見る時代があった・・・というエピソードに過ぎないが)

社会資本にはストックとフローの効果があるが、例えば道路は始点から終点まで出来上がってこそストックになり、その後にそれを利用した経済活動によってフロー効果が出てくる。しかし、部分開通などをしてもストックもフローも効果が無い。
日沿道の大内JCあたりからにかほ方面まで運転したら、一般道よりも酷い段差や凹凸があり高速走行などは危険なことに驚く。しかも新潟まで繋がるのはまだまだ先の話で、痛んだ道路の維持補修が馬鹿にならずにしょっちゅう通行止めして補修している。ストックにもフローにもならない典型的な例だ。(あの道路は酷すぎる。あの程度では無料で当然だ)

殿様知事やエラいさんが選択と集中という文言を使うが、絶対額がジリ貧の行政投資額を効率的に使いストックとフローに結びつけるには、人口の市街地への集約によって社会資本投資の集中が必要条件になる。
可住地面積を少なくしていけば、可住地面積あたりの行政投資額を全国並みに引き上げることにもなる。
過疎地域に万遍無く投資していてはそのうちどれもが中途半端で無駄なものになり共倒れになる。人口が市街地(これも取捨選択されるはずだが)に集中するようにインセンティブを付けていかなければ、つぎはぎだらけや不連続の道路や漁師のいない港、住人のいない地域の治山洪水対策事業や海岸保全事業などで一般の県民には全く恩恵の無い公共事業だけが一人歩きする。

地域の固有名詞を使ってビジョンを語る勇気ある首長や議員などが出てこない限り、秋田の行政は『砂に水撒く』行政のままだ。

 


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秋田県の『砂に水撒く』行政では将来ビジョンは困難 への6件のフィードバック

  1. おそらく今後はコンパクトシティに向かわざるをえないと思うのですが、今の知事だと難しそうですね。
    国文祭のあと、知事は「県内外の多くの皆さんに秋田の文化の魅力を再認識してもらえたと考えている。文化の力で地域を元気にする取り組みが継続されるよう国民文化祭の成果を検証し、文化振興と交流人口の拡大にしっかりつなげていく」と語ったようです。
    しかし、個人的には逆に、一部の文化の消滅も考える時期になっていると思います。例えば、阿仁地区の根子番楽のように、無形文化財なので法的には存続する義務があるんだけれど、これからは無理そうな物があります。
    すみません。暴論です。阿仁地区に住んでいる人、すみませんでした。でも秋田県の北にも南にも、過疎なんだけど無形文化財があるという地域があります。その文化を大事にするということは、コンパクトシティに逆行ということになりそうな気がします。
    国文祭をやったからそれを活かして誘客に務めると言ってた気がしますが、やはり過疎地には誘客は難しいです。特に(なんちゃって)新幹線の恩恵もない秋田県の北部には。
    それでも知恵を絞るのがそこに住んでいる人の努めでしょうが、ため息しか出ませんね。個人的に。

    • argusakita より:

      無形文化財を残すというのは立派な仕事だとは思いますが、生活に密着しているものならいざ知らず非日常になってしまったものを文化として残すのは相当に困難で、いっそのことデジタルアーカイブ(3次元の舞踊譜のような)にしていくのも一つかもしれませんよ。
      その時代時代で新しい文化を創ることも必要でしょうから。

      一見目立ったものが無い秋田県北部は、それこそ本当の秋田、つまり江戸以前の(佐竹氏以前の)秋田があると思うのですが・・・。
      鉱山や林業の産業遺産を観光に持っていくのも、もうちょい後押しが必要でしょうね。何しろ高速道路の開通となんちゃって新幹線の能代延伸が大命題でしょうか。

      何度か書いていますが、どこかの不味いB級グルメじゃなく、ラム、マトン、ホゲット、馬肉などの食文化の町おこしはどうでしょう?

  2. ブルーベリー より:

    ナカイチ、ソウル便、クマ牧場、文化施設など、明らかに無駄が多いので、
    人口が少ないくせに税金の投入が多いなー、とは思っていたけど・・・
    秋田県の、1人あたりの行政投資額が全国平均の約1.5倍とは!

    これまで税金をふんだんに使ってきたけど、ほとんどを無駄にしてきた秋田県。
    今後は財政危機+円安+悪性インフレで、無駄遣いすらも出来なくなるでしょう。

    数年後には、ライフライン・行政サービスも止まるかもしれません。
    (秋田県はバスから病院まで補助金漬け)
    その場合、どの地域に資源を集中するのか、今から考えるべきです。

    • argusakita より:

      >秋田県の、1人あたりの行政投資額が全国平均の約1.5倍とは!

      ご存知無かったですか? 無駄遣いと漠然とした感情論めいたものではなく実際秋田県はこういう数字なのです。

      なかいちもイマイチを通り越して再々チャンレンジのようですから、不死鳥のように何度でも・・・。
      いっそのことフェニックスとか名前やロゴも変えたほうがいいかもしれませんね(^^)。

      >その場合、どの地域に資源を集中するのか、今から考えるべきです。

      選択と集中について別の視点から後で書きます。

  3. きりたんぽ より:

    可住地面積の小さいということで、秋田県に引っ越してきた時に感じた時の違和感は
    まさにこれでした。地図で見ると秋田県は大きいなぁという印象があったのですが、
    日常生活の稼動範囲はほぼこの可住地面積の中だけですからね。
    いろんな面でも良し悪しもありますが地方の特徴として、
    職場のエリアと住まいのエリアが一緒という地方の車社会。
    道路の作りや立地で仕方がない部分もありますが
    秋田市内は、目的地に行く道路のルート数が少ないですね、渋滞の原因にもなります。
    けっこう10年以上前でしたか、青森駅前の街づくりのコンパクト化が
    けっこう評価されて自治体の専門誌に載っていました。
    除雪にしても合理的なものがあるようです。
    青森駅前・弘前駅前・盛岡駅前は車から降りて街を散策したことがありますが、
    比較しても秋田駅前が一番さみしいですね~・・・・・・正直な感想です。

  4. blogファンその1 より:

    思わず、総務省の元データの秋田県だけが極端な数値も見てしまいました。
    こういう数字でまとめて見せられると、生産も消費も弱い年寄りが多い秋田で1人あたりの投資が多くても無意味だし、県全体の土地面積ではなく可住地面積あたりの投資が全国平均に比べて極端に少ないのでは20年も土地価格が下がり続けるのは当たり前だしアベノミクスも何の波及効果も無いと納得しました。
    砂に撒く水、水そのものも減ってきている。これでは砂は砂のままですね。
     
    秋田で現在景気がいいのは土建屋さん達ですが、やはりどこも人手不足だそうです。
    この土建屋さんたちもキチガイみたいに川反で飲み歩いてくれればまだしも、おこぼれが回ってきませんね。(笑)
    なにか、だんだんと自民党安倍政権への漠然とした期待が薄まってきましたね。

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