県議会の『知らせたいもの』と有権者の『知りたいもの』の乖離

来春は統一地方選挙があり秋田県議会も当然選挙で選挙間近になって目立とうとする議員も出てくるだろうが、やはり日頃からそれぞれの選挙区の議員はチェックしておきたいものである。
既に秋田県自体が3割自治どころか2.5割自治程度で殿様知事がどう動こうが県議会が何をどう議論して決議しても大勢に影響が無いことは有権者は知っているが、少なくとも身近な地方自治、公金の使い方や議会の動きや議案に対する議員の賛否などについては時々見ておくべきだろう。

広報や県議会だよりのようなものはだいぶ時間が経ってから出てくるもので、疑問や意見などが後の祭りのタイミングで出てくる。余計な雑音を排除したいという行政や議会の消極性(驕りか?)の象徴だが、そういうおざなりなものが県議会に対する有権者の無関心の一因だ。
リアルタイムに動向がわかれば議会に抗議の電話をするくらいの住民もいるだろうが(いるかな?(^^))、地元メディアは行政の御用メディアのため一切批判もしないし地域社会を改善しようという志も皆無のためか提言も何も無い。そもそも行政の施策をわかりやすく解説をする能力も無いと見える。

行政のチェックが最重要な仕事であるはずの県議会もそのHP自体が秋田県のHPの中にあり、木っ端役人がまとめた資料を掲載する程度しか事務局は仕事をしていない。
もっと事務局を酷使し、議会の会議録の迅速なupや議案に対する各議員の賛否の結果をupするなど『知らせる努力』をして欲しいものだ。
会議録などは文字起こしなど後でもいいから録画や録音(発言者が誰かわかるような副音声入り)でupしたらいいのだ。
こういう報告書を見ていると議員が選挙を意識して『知らせたいもの』有権者が『知りたいもの』が如何に乖離しているかがよくわかる。

それにしても、12月議会の、民主党などから出された『県議の2親等以内が関わる会社と県が公共工事の請負契約を結ぶことを制限する条例案』は自民党の反対で否決されたらしいが、一見するとオール土建屋体質の秋田県にあっていかにも自民党がそれらと癒着しているかを物語るかと見えなくも無いが、秋田の産業構造の現状を踏まえればこの是非は簡単な話ではない。
こういったところを突っ込めない地元メディアというのは本当に不甲斐ないというかお話にならない。
しかし、2親等というのは兄弟・孫・祖父は×で親子ならいいのかと・・・。狭い地域社会を考えると間抜けな議案だと思うが、いかにも綺麗ごとの好きな民主党県連らしい。
土建屋というのはフローで暮らしている社会のポンプのような業種なのだから、経済の停滞著しい秋田ではどんどん仕事を与えて税収を上げるほうが賢いという考え方もある。
ポンプが回れば飲み屋が儲かるかもしれないし・・・(^^)。
その意味では、議員の口利きで成約した案件について、営業マンの成績棒グラフのように議員を競争させたらいいのだ。
キックバックその他の不正については、告発の窓口でも設けることや厳罰化などを用意したらよい。

県議会が『第三セクター等の経営に関する調査特別委員会』の傑作な報告書(29ページ)を出している。
まーた木っ端役人の作文なのだろうが、こんな委員の写真入り(選挙近いもんなぁ(^^))報告書よりも21回も開かれたという会議の議事録を生で出して欲しいものだ。
特に林業公社に関しての議論を見てみたいものだ。
以前から筆者は林業公社こそ即刻解散整理すべきだと考えているが、この報告書で出てくる『平成95年度』といった超長期的な数字が平気で出てくるあたりは既に取組以前に議論すら諦めているのではないかと思われる。
平成95年度に秋田県があるかどうかもわからないし、孫、ひ孫の時代の話をしても仕方がないことだ(^^)。
いかにも、第3セクターに手をつけない秋田県の姿勢を議会も『指摘しましたよぉ!』というアリバイ作り、ポーズのようなものだ。
秋田県の林業公社の最大の問題点は分収造林という仕組みそのもので、秋田県の分収林の地権者は(筆者の記憶が正しければ)約9,000人、面積では民有スギ人工林の10%程度だ。そして、分収林というのが実は国有林に隣接した林業に不向きな山で行われていることに本質的な問題があることを委員の誰か指摘でもしただろうか?

秋田スギに限らず国産木材の価格低下にも関わらずこんな少数を国からの特別交付税で延命措置を継続する合理的な理由などどこにも無い。そもそもその特別交付税自体が国の方針で減額の方向なのであって、『平成95年度』に『85億円の黒字化』というのは皮算用どころか全くの夢物語だろうと考えるのが普通の感覚のはずだ。
累積債務400億弱の一括解消が課題だとしても、県予算の人件費を含めた義務的費用の10~15%と無駄遣いを1年間やめたらすぐに出てくる金額だろう。5%減額5年間程度を決めて起債してもそれまでだろうに。知事や議会に胆力があれば出来ないことではないはずだ。
県民は行政と議会がタイムカプセルを皆で撫で回すような議論を聞きたいのではなく、目の前の問題をできるだけ速やかに解決・解消することを期待しているのだ。

その他、内陸線や空港ターミナルビル株式会社、秋田県分析化学センターなどにも言及があり、指定管理者制度の是非についても記載があるがどれも目新しい指摘も提言も何も無い。水戸黄門のように『様子を見ましょう』が結論だ。
この委員会と報告書自体が統一地方選挙を前にしたアリバイ作りであろう。

決算特別委員会会議録(246ページ)
はおもしろい、読み物としては(^^)。
町内会的な枝葉末節なことも多いが、委員(議員)がどんなことに関心があるのかや議題等に関して実態把握がどの程度なのかが垣間見える。
医務薬事課と大里議員(医師でもある)の白熱したやり取りはぜひ動画で見たいくらいだ。
『ロシア人とは戦えない』(本人談)最上議員のほのぼのしたやり取りも和ませてくれるが、生活保護に関するやり取りは現在全国的にも注目を集める議題であるため、各委員の指摘や事務方の返答を読むに値する。

アリバイ作りの調査特別委員会報告書よりも、こちらの決算特別委員会会議録のほうが遥かに有権者には意味がある。
決算特別委員会をぜひストリーム配信ででも中継すべきだ。実名で登場する役人達も緊張感が増すだろうし、ストレスで死んでしまう者もいるかもしれないが(^^)、それくらい重責の仕事であるという自覚が生まれるだろう。

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県議会の『知らせたいもの』と有権者の『知りたいもの』の乖離 への6件のフィードバック

  1. 公務員の給料と借金の返済だけで予算の大部分を使っている秋田県ですから、税金をつぎ込む余裕はないはずなんですけどね。

    ところで緑の税だったかな、森林環境につかう税も取られていたような気がするのは私だけ?

    今のように議員がチェックする体制のままだと自分たちの計画したものだろうから、甘い判断にどうしてもなってしまうと思う。外部機関のチェックが望ましいんだけれど、北海道のあそこみたいに破産して国からのチェックを受けるまでは、もしかしたら無理かもしれませんね。

    大館市では、秋田の地酒を木杯で乾杯する条例が決まったため、飲食店で木杯を購入するときの補助をという働きかけをしている人たちがいます。こんなの絶対行政から補助を出す必要性は無いんだけど、政治の世界はよくわかりませんから、もしかしたら決まったりして。
    なにせ、雇用促進の補助金を個人のドジョウ販売拡大に使おうという動きが一時あった大館市ですから、油断できません。

    金額的には大したことはないだろうけど、NPO法人についてもちょっと気になってます。大館市では半分くらいは市会議員が代表みたいです。

    • argusakita より:

      いわゆる森林環境税ですね。
      秋田県の場合、平成20年度から実施されている『水と緑の森づくり税』(個人800円、法人県民税均等割額の8%)。年額4.6億見込んでいたはずですが初年度は3.7億円。最初から見込みも大甘。
      パブコメは消えているし、一体何をやっているのかさっぱりの検討委員会。
      金を集めておいて使い道を検討するという訳のわからない組織と仕組みだけが残っています。

      大館市も乾杯条例ですか・・・。
      建前として、合法ドラッグを公的な人間達が奨励してはいけないと何度言えば(^^)。
      アルコールが脳の萎縮を起こすことはもう衆知の事実なんですがねぇ。

      私? 飲みます、何でも(^^)。

      • 魁のホームページに乾杯条例関係の記事が出てました。
        http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20141226i

        全く無駄なことを。いくら条例を作っても日本酒が嫌いな人は飲まない。それになんとなく乾杯はビールがあう気がするし。
        こんな無駄なポスターに金かけるなら、もっと有効なことに使ってもらいたい。

        もうこうなったら役場職員に率先して乾杯してもらい、警察にその次の朝に検問でも掛けてもらって、どんどん酒気帯び運転で検挙してもらってもいいかもしれない。

        もしかしたらネット上では明日乗るのかもしれませんが、地方創世に関して、我が県知事は、『「抜本的な制度改革が行われないという印象。国が分権社会へのビジョンを示す必要がある」と注文をつけた。』とのこと。国の戦略を検討した上で本県のあり方をじっくり考えたいと発言してますが、・・・・、危機感がまるで無い。

        地方創世は、ライバル(石破)を野に放たないため捻り出した、座敷牢です。だから地方創世担当相には、支えてくれる閣僚も不足しているし、権限自体ほとんど与えてません。だから、金をかけずに地方創世する案を出した地方に予算が来るのではと想像しています。そもそも地方創世があってもなくても地方活性化の方向を探るのが知事の役目。今からじっくり考えるでは・・。ハァ~。ため息しか出ませんね。

        • すみません。誤字がいっぱいありました。世→生です。

        • argusakita より:

          いや、『地方創世』のほうが新しい時代を作る感じがして良いと思います。

        • argusakita より:

          アルコールはドラッグの一種だと小一時間・・・・(^^)
          民間の酒造組合や卸組合が幟作ってPRならまだしも、健康福祉も担う行政がアルコールで乾杯というのはやはりいただけませんね。行政がドラッグパーティの奨励をするなんてキチガイ沙汰です。
          秋田県は行政の『出しゃばり』をやめることが無駄削減の第一歩だと少しは認識を改めてもらいたいものです。
          民間を下から押し上げる、支える黒子に徹するというポリシーが欲しいものです。

          タイポだと思いますが、痴呆早世もとい地方創生じゃなく『地方創世』という言葉はいい響きですね。

          たまには相方にサービスということで友人夫婦3組でちょっと暖かい南半球に来ています。
          秋田の雪を考えると帰りたくないなぁ・・・。

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