国保の都道府県移管は地方切捨てか?

厚労省が国民健康保険(国保)の運営を2018年4月に市町村から都道府県に移管する方針だそうだ。これだけ聞いて、ふーん、じゃあ住民票を東京にでも移してしまうかなと思った人は結構賢い。そういう賢い人が多いと間違いなく地方は即破綻していくだろう。
国保税の地域差などはメディアはあまり報じない。保険料は東京、神奈川、埼玉が低く徳島や大阪が高額だ。差は1.6倍~1.9倍ほどになる。

そもそも国民皆保険制度というのはまじめな人が損をする極めて典型的な社会主義システムである。互いに支えあう・・・というのは制度が出来たころの理想論であって現実はそうなっていない。
無論誰でも予想しない病気や怪我に出会うことはあるわけで何らかの保険というものは必要だが、国民皆保険制度というのは他人のリスクまで少しずつ背負うことで互いに保険を掛け合うようなもので狭い視野で自己中心的に考えればこんな理不尽なものはないとも言える。
現在この国保は加入者が約3,500万人の自営業者中心で年寄りが多く医療費が嵩み、無職・無収入の人の割合も高く既に収支は破綻しているため市町村が赤字補填に税金を投入している(その税金も税収が少なく7割以上が交付金なのだからお先真っ暗)。
督促などの経費も馬鹿にならないらしく全国で6割以上の市町村は青息吐息だそうだ。

筆者も社保加入前の一時期国保に加入したことがあるが、何しろこの国保の税金は複雑で計算式が面倒だ。
例えば、現在の秋田市は東京のような所得割額+均等割額(1人あたり)だけでなく平等割額(1世帯あたり)が加算され、この平等割額も特定世帯、特定継続世帯、それ以外の3種類に分類されて税率や税額が決まっている。さらにこれらの3種類の****割額がそれぞれ医療、支援、介護の3種類になっていて税率・額が異なる。
さらに所得に応じて、7割、5割、2割と税の軽減制度があり、この複雑なものをソラで言える人間がいたら無条件に尊敬してしまいそうだ。(^^;)

この、
・税を負担する人が減少
・制度が複雑
なものを都道府県に押し付ける場合、市町村の窓口担当は不要になるためその分人件費が浮くとか赤字補填のための財源が不要になるといったメリットがある・・・わけはなく、単に都道府県の窓口や督促が負担増になり赤字補填がまとまった大きな額になるだけで、破綻状態は不変だろう。まあ、細かな対応が出来にくくなるだろうから明らかに弱者切捨てにはなるだろう。
簡単に言えば、国からみたら今まで10人にそれぞれ10円ずつ個別にあげていた赤字補填(計100円)を今度は10人分まとめて100円あげるよということだ。合計でハンドリングすると合計100円を98円、96円、90円と段階的に減額しやすいのだろう。

秋田県の場合、隣の青森県と違い後期高齢者の1人あたりの医療費は全国平均からはやや低く(高いのは圧倒的に九州などの西日本地域)、『秋田の年寄りはあまり病院に行かず我慢強い』のかもしれないが、県内でも地域差がある。最も高額なのは上小阿仁村で、次が能代山本地域の市町村、秋田市、由利本荘地域、県北地域、県南地域となっている。
(以上は、厚労省の非常に難解な統計資料『平成24年度 医療費の地域差分析』より)
一方、保険料の地域差は最高が由利本荘市、最低が小坂町で約1.5倍の差がある。
(『平成23年度 市町村国民健康保険における保険料の地域差分析』より)

皆保険制度が本当に良いものなのかどうかは簡単な議論では難しいが、税を負担する人間が減り、恩恵を受ける人間が圧倒的に多くその傾向が加速している現状ではどう穴埋めをするかをさらに複雑な制度で対症療法していったとしても破綻は免れない。
国保も社保も共済もやめて民間の保険1本で自己責任を重視すべきではないのか。難病や高額の先端医療などは保険でなくとも対処の仕方がある。実際、海外の多くの国で皆保険制度など無くてもやっていけているではないか。
これは決して強者の主張ではなく『持続可能性』からの視点である。

これからの若者、現役世代は単純に言えば給料の1ヶ月~1.5ヶ月分は消費税で消える。税金はできるだけシンプルにし可処分所得を個人個人の価値観に基づいて使い道を決定できるようにすべきだ。左巻きが目指す『大きな政府』はまじめな者ほど馬鹿を見ることになる。
それにしても、与党自体が『小さな政府』を目指さない社会主義の日本はここ10年くらいで『持続可能性』という観点からは必ず行き詰るに違いない。

ますます首都圏集中1極化の材料が出たわけである。同時に市町村の存在理由もまた一つ消えるわけである。

 

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国保の都道府県移管は地方切捨てか? への2件のフィードバック

  1. あきたしみーん より:

    あけましておめでとうございます。
    地方は今後さらに先細りしていきますね。
    秋田にドラスティックな改革者が出現することを望みます。
    今の秋田県知事や秋田市長にはちょっと期待できないので(笑)

  2. blogファンその弐 より:

    遅ればせながら、明けましておめでとうございます。本年も<落書き>楽しみに拝見させてもらいます。
    有休をくっつけて私も家族サービスがてら温泉に行っていました。

    あきたしみーんさんこんばんは。
    >秋田にドラスティックな改革者が出現することを望みます。
    私は、そういう改革者出現よりも役所の連中がきちんと公僕で税金で食っているという意識と責任感で仕事をきちんとやってくれるだけで秋田はもう少しシャキッとすると思っています。

    督促はきっと外注になるでしょうから国保の取り立て会社でも作ろうかなぁ・・・(笑)

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