日本の決定的な弱さを露呈

モスクワからウィーンに戻った夕方、ネットで画像が流れた。全くoutrageな事件で、今頃日本は日曜の朝のメディアが大騒ぎだろう。日本を離れている者にとっては他人事では割り切れない事件だ。
殺害された湯川氏の写真を持つ後藤氏の指先が赤く、爪を剥がされたのだろうか。
動画の湯川氏がさほど痩せていなかったことからおそらく湯川氏はずいぶん以前に殺害されていて殺害の動画は使わなかったもののその写真をいつ使うかタイミングを図っていたのだろう。今回出てきた2人の動画が合成だったのは過去の湯川氏の動画と現在の後藤氏の動画の合成だったのだろう。ISISも最初から2億ドルなど受け取れるとは思っていないだろう。

聞いた話ではイスラムで首を切るというのは首がないと死後アッラーに会えないとされるからだそうだが、斬首でビビッてしまうのは歴史を忘れた現代日本であって、サムライの時代は珍しくは無かったはずで、明治になってからでも例えば初代秋田県知事・島義勇も1874年4月に斬首だけではなく梟首(獄門・さらし首)になっているくらいだ。

abe-Holocaustそれにしても今回の事件で日本の決定的な弱さ(欠けているもの)が改めて露呈された格好ではないか。
安倍首相がISIS周辺諸国に2億ドルのばら撒きを約束してイスラエルではホロコースト記念館でキッパーまで付けて献花(まあシナゴーグでは普通だが)。反ユダヤ・イスラエルのサイドを決定的に刺激した。(靖国にはあまり行かないのに・・・)
ISISはもともと反シリア・アサドのためにイスラエルやアメリカの肝いりで資金・武器供与によって出来たとされるが、いつの間にかISISが一人歩きし始めた。このためISISはイスラエルに対してはあからさまにパレスチナと連携もしないし敵対もしていない。
その状況で日本はISISに敵対すると旗印を挙げたのだ。
テロとの戦いに2億ドルではなく、日本のエネルギー安全保障のために2億ドル(結果的に中東に寄与)と明確に言ったほうがまだましだった。

『テロには決して屈しない』と威勢の良いことを言いながら中東での予定を切り上げとっとと帰国した安倍首相は『逃げ帰った』と見られて当然だ。
もし事件解決の陣頭指揮を執るならイスラエルかヨルダンあたりに留まり情報収集、交渉、判断すべきだった。ついでにサウジの国王の弔問にでも行けば満点だっただろう。
政治家は毅然とした態度と言うのなら行動で示さなければ意味が無い。
逃げ帰ったのはセキュリティの問題だとは思うが、海外で首相も守れない体制では海外で一般の邦人の命と財産を守るなど夢のまた夢か。
多くの日本人は知らないかもしれないが、そもそも世界各国の在外大使館でその国の兵士が警備にあたっていないのは日本くらいだ。ホント、事務的なことはしっかりやってくれるものの頼りない感じがするのが日本大使館、領事館なのだ。海外の邦人が最後に駆け込むのがそこであるにも関わらず。

やはりいざとなれば特殊部隊を派遣することもできる体制(行使するかどうかは別問題)が日本には必要だ。それがないから金満日本に選択肢が無いことを見透かされこのような事件が起きる。アルジェリアの人質事件から何も進歩が無い。今後、日本はイスラム過激派から欧米同様にターゲットになるだろう。
いざとなれば日本だってヤルぞ! という裏づけの用意があって初めて毅然とした態度だろう。
かつて真珠湾を1日で破壊しつくし、約半年でハワイからアフリカ沿岸近くまで電撃のごとく平らげた日本。もちろん欧米の植民地支配に辟易していた東南アジア諸国の人々の力もあったが、いざとなればやるぞという日本の恐ろしさ、キレッぷりは過去に証明しているではないか。(今再現する必要は当然無いが)
一般的に中東地域はその歴史的な日本にリスペクトを持っている人や国が多いが、敵製憲法によって骨抜きにさせられた日本のこのヘタれようには驚いている人も多いだろう。そのヘタれ日本を覚醒させてくれたのは最近の支那や南朝鮮だが目覚めさせてくれただけでなく起こしてくれるのがISISだとしたら少々皮肉すぎる。

それにしてもISISはどの辺を目標にしているのか。
アケメネス朝のペルシャかスレイマン1世のオスマン帝国時代の版図か・・・。
ウィーンがオスマン帝国に攻撃されたときオスマンの軍団は太鼓を鳴らしながら近づき人々を恐怖に陥れたそうだが、現代ではこの太鼓の音がさしずめYouTubeなのだろう。

歴史は繰り返すのだから日本だって少し以前に戻ったっておかしくはない。
『今度は負けない』と同じ過ちを繰り返さなければいいのだ。

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日本の決定的な弱さを露呈 への8件のフィードバック

  1. きりたんぽ より:

    今回のこの人質事件で思い出したことがありまして、
    昨年の11月か12月でしょうか、私がコメント欄によく紹介させて頂いたりしています
    ユーチューブの「チャンネル桜」ですが、そこで番組の中で水島社長の発言で
    2013年のチャンネル桜の忘年会で出演者や視聴者のサポーターの方達が来る中で
    名前もよくわからない比較的に若い男性から一緒に写真を撮って欲しいということで、
    撮ったということと、田母神氏とも写真を撮ったようでした。

    その男性とはその時に初めてこのような行事に来たようで
    過去にも全く面識がないというこのことで、
    さらにその時限りで名前もよく覚えていないということでした。

    そしてその男性と思われる方がイラクかシリアで行方不明になったというだけで
    その後は全くわからないということを話していました。

    私はもしかしたら!?と思い、ネットで検索したらこの男性が殺害された湯川氏でした。
    本当に驚きました。
    こちらのサイトに載せてあります 
                ↓
    http://matome.naver.jp/odai/2140845547517436601

    • argusakita より:

      2人の自己責任論も結構出ているようですが、ジャーナリストや写真家を装って危険エリアに入ったかどうかは知らないものの密入国等犯罪を犯していない限り、海外にいる邦人を日本政府は守る義務があるのです。だから日本のパスポートにもああいう文言が書かれているのです。
      国家は国民(納税者)を夜警国家としての最低限の機能で守る義務があるはずで、これが機能しない国家は国境を越えて出て行く国民にパスポートを発行してはいけない。渡航を許してはいけない。
      自己責任論は安全サイドにいる人間の極めておかしな論調です。

  2. argusakita より:

    サウジのアブドラ国王の弔問に皇太子殿下がとんぼ返り。
    首相が逃げ帰ってきたにも関わらず、皇太子殿下をわずか6時間あまりの滞在時間の弔問に向かわせたのは誰なのだろう。(政府専用機で空港との往復か)
    サウジはアメリカに基地提供だけでなくISIS空爆に参加しているし、そもそもISISはこのアブドラ国王の正当性を否定していたくらいでサウジを敵視している。
    そんな危険エリアに皇位継承順位TOPの皇太子殿下を今のタイミングで向かわせるのはおかしい。
    王家と皇室の親密な関係はあるとは思うが、天皇陛下の名代ならば他にも選択肢があるのではないか。

  3. argusakita より:

    最終的なシナリオ予想。

    日本
    ・ヨルダンにISISに渡す金を送る(ヨルダンの取り分も含むかどうかは? 経済援助か?)
    ・アブドラ2世国王と親しい天皇陛下からも依頼してもらう(前国王の時代から非常に親しい)

    ヨルダン
    ・この金とリシャウィ死刑囚をISISに
    ※ただし金が動いたことは日本を含めてヨルダンもISISも緘口令の約束

    ISIS
    ・金とリシャウィ死刑囚を受け取り次第ヨルダンのパイロットと後藤氏を解放

    それぞれの声明
    日本
    ・後藤氏が救出されてバンザーイ
    ・ヨルダン政府の決定に敬意を払う
    ※カネの流れが後でバレても、身代金ではなくヨルダンへの経済支援であるという説明でOK

    ヨルダン
    ・死刑囚の釈放は日本人の命がかかっていたからやむをえない。
    ・パイロットの生還はバンザーイ(大部分の国民も納得)

    ISIS
    ・2対1の交換だったがアッラーの慈悲による・・・。

    これで3者のメンツも何とかなる。
    アメリカ国務省のPsaki報道官に『日本政府の決めること。アメリカは関知しない』とわざわざ発表させ、事前了解を得た模様。

    しかし、今後これに味をしめたISISは海外のどこでもとにかく日本人を拉致したらカネになると学習してしまうことになる。
    なってこった!

  4. argusakita より:

    うーん、残念な結果だった。
    ちょうど帰国の便がシベリア上空を飛んでいるときに動画配信を見ていた。
    他のシートから『オーマイガー・・・』と小さな声が聞こえてきたので同じものを見ているパッセンジャーがいたのかもしれない。

    海外にいると事件や事故に巻き込まれるのは『いつかは・・・』とは思うものの、人質になって日本政府に手間をかけるのだけは避けたいものだ。
    それにしても、9条改正しても自衛隊特殊部隊があったとしてもこのテの事件は防ぎようはないし、日本政府ができることはほとんど無いことだけは確かのようだ。

    http://isdarat.org/?p=4018

  5. こんにちは より:

    知人で大学教員をしている者は、結末を当てましたね。
    日本政府は手段がないためヨルダン頼みになり、そのヨルダンはパイロット生存の証拠を求めるものの、既に故人のパイロットが生きている証拠を出せるはずもないISISは音信不通になり、急に人質の最期映像が流して事態終了だろうと。

    日本国内でテロが頻発する可能性はかなり低いと思いますが、空港でのチェックを見ているとあれで防げるのか?って思いますね。

    仕事で半年ごとに東南アジア某国へ行きますが、今回の事件の時の直前まで現地へいまし。そこもイスラム教8割くらいの国です。
    ISISの話をすると、中東のほうのイスラム教とこっちのイスラム教は別物だと怒っていましたが、同じ東南アジアのフィリピンにはイスラム国に加担する集団が居るみたいだし、何が本当か分かりませんね。

    今は帰国して、秋田の相変わらずゆったりした時間の流れにまったりできることに幸せを感じているところです。

    東南アジアから撤退したほうがいいかなあ…

    • argusakita より:

      はじめましてさん、はじめまして。

      >空港でのチェックを見ているとあれで防げるのか?って思いますね。
      私もこのblogで何度も書いていますが本当にそう思います。セキュリティチェックとパスポートコントロールは人も大勢集まりますし、もっと強面の小銃抱えた連中がいるほうがいいと思います。私がテロリストならその2つの場所狙いますからね。(^^)

      良いイスラム、悪いイスラムってのがあるとは思えませんが、イスラムの世界では子供が法学者に『雪ダルマを作っていいか?』と質問するそうです。
      (当然×ですが)
      食べ物、飲み物を宗教上の戒律で制限される、それを守る人間とは友人になれないので、私は仕事でもプライベートでも極力イスラムやモルモン教などとは距離を置くようにしています。原理主義的なものとは絶対相容れないものがあるからです。

      >日本国内でテロが頻発する可能性はかなり低い
      そうでしょうか、ドンパチは確かに可能性は低いでしょうが、NBCR兵器というのは日本みたいな国向けではないでしょうか。

      >今は帰国して、秋田の相変わらずゆったりした時間の流れにまったりできる
      ご同慶の至り。
      気温もそうですが、全体的な空気がチルドルームのような秋田です。

  6. きりたんぽ より:

    昨年に事件が起きて身代金のことも含めてが直接、自宅と日本政府側に
    連絡が入り交渉を続けてきた中で、現時点までどのような流れだったのでしょうか。
    政府はあらかじめ衆議院選挙後に出すことを決めていたことだと思います。

    不謹慎な言い方ですが、何か上手く行き過ぎてるようにも見えてなりません。
    この間の衆議院選挙で現在の政権の再確認をし、
    経済政策を続ける中で憲法改正を国民に問うことを今年中に行うか
    遅くても近年中に確定させたいわけです。
    (ちなみに朝鮮戦争やベトナム戦争で日本は集団自衛権をすでに行使されていましたが
    近代社会ではなかったことにしていると仮定です。)

    それがこうも早くスムーズに国民に問える出来事を見出すことができ
    集団自衛権、憲法改正の反対派を収めるきっかけにもなり、
    後藤氏の殺害後にいち早くオバマ大統領が会見で声明を出し
    これからも日本と全力で協力して結合していくという、
    イギリスのキャメロンも他国も同じくです。
    雰囲気がすでに出来上がっているようにも見えてなりません。

    「集団自衛権があったらもっと他にも手立てが・・・・情報戦も弱い」
    「次にまたこう同じことが起きたら日本はどうするの?」
    と思ってもらえる基盤を作ってくれたのでしょうか。

    武装組織はこれからも日本を狙うことを提言していましたが、
    背後にいる連中が提言させたのでしょうか!?
    脅せば脅すほど、有利にもなる日本政府(反日を除いた)。

    戦争含めた人類の歴史の中では権を得るためには
    国民を殺すことを問わないのは過去の歴史が証明していますから
    驚くことはありませんが、過去の支那事変も思い出すような出来事にも
    見えなくもないですね。
    大義名分で軍事費も増すこともでき、軍事武器も売ることもできます。

    国同士の戦は勝っても負担が大きすぎて世界に波及して自らも滅びますから、
    経済を突っつくだけでこの有様ですから。
    紛争地盤を作り、更地にして国ではない国籍もない輩に
    作らせるているようにも見えます。
    過去に収容所にいたISIS親玉の人物を野放しにしてしまうわけですから
    イラクに引き渡して釈放・・・・・・ 考えられないものです。

    しかし現代は経済戦争に代わったとかいいながら
    為替をいじれば簡単に国を破綻させることもできますからね。
    やっぱり軍事がてっとり早く一番儲かるなという声も聞こえているでしょう。
    さらになぜNHKが細かな独自取材や映像が撮れるのか不思議でしょうがありません。

    支那が日本の領海侵犯など朝鮮の行う様々な犯罪では、
    憲法改正のきっかけにはつなげることはできないわけのようですね。
    できたとしてもそうとうな年月がかかるはずです。
    それはやはり日本国内のたくさんの同胞がいるのでむしろ彼らの方が権限が強い
    ということもあります。
    であるならば国籍もない残虐犯罪組織を道具に使いきっかけを作ればいい・・・・・!?

    ちなみにフィリピンの武装組織はミンダナオ島を中心でいますが、
    近年にフィリピン政府との紛争を停止し協定を結んだりしている状態ですが
    安心はできませんね、このフィリピンの組織はリビアのカダフィからの支援で
    存続できていたようで、はしごが外されてしまっては活動も生存もできませんからね。
    さらにインドネシアも危険ですね。

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