民間航空機分野での日本と支那のアプローチ

ワシントンでトランジットしてシアトルまで飛んだが、たまたま隣合ったアメリカ人が話しかけてきてヒマが潰せた。聞きやすい英語でMcで始まる名前だったのでもしかしたらアイルランドかスコットランド生まれかもしれない。それにしても今夜のシアトルは暖かい。

そのM氏は仕事が航空機産業関連らしく日本の三菱が開発中のMRJやホンダのHondaJetの話を振ってくるのだがこちらはあちこち飛び回っていろいろな民間航空機に乗ってはいるもののプライベートビジネスジェットなどとは無縁だし(^^)、ボーイングとエアバスで世界を分け合ってたらいいんじゃないのかぐらいにしか思っていなかったためMRJのようなリージョナルジェットや中型旅客機の各国の開発競争の話はなかなか新鮮だった。

日本が戦後航空機産業を制約され旅客機の国産開発がわずかにYS-11くらいなことは知っていたがMRJがいよいよその殻を打ち破りそうだという。
IHIなどで戦闘機のエンジン開発が続いていることは知っているが、旅客機の大型エンジンについては未だに欧米の独壇場のようだ。しかし機体やアビオニクスについては十分国産技術で賄えるレベルで、実際ボーイングの機体などで日本製が相当な割合を占めているのはよく知られていることだ。

上記M氏の話を聞いてネットで少し調べてみたが、MRJの開発は延期が重なりなかなか難しい局面にあるようだ。既に受注も進んでいて国内外の期待は大きいらしいがそこに立ちはだかるのが『型式証明』(安全性及び環境適合性の基準を満たしていることを証明するもの)で、日本以外でもそれぞれ国内の型式証明は取得できるらしいが、旅客機を国際線に投入となるとアメリカ連邦航空局(FAA)と欧州航空安全機関(EASA)の発行する型式証明が必須のようである。平たく言えばこれが無いと欧米各国に飛んでいけないのだ。要するに開発が出来て飛ばせて量産出来てもこの型式証明が無ければ欧米に売ることも飛んで行く事もできないということで、これが従来日本の航空機産業のネックだったわけだ。
しかし、2009年にアメリカと航空安全増進協定を結んだことで国交省の型式証明がそのままアメリカ連邦航空局(FAA)の型式証明となることになったためMRJが実現(寸前)まで漕ぎ着けているのである。一方、欧州航空安全機関(EASA)はエアバス社を擁するため本音では日本の航空機などは歓迎しないと・・・。日米vs欧州の図式がこんなところにもあるのだ。

M氏の話で興味深かったのは支那の動きで、支那もMRJクラス(ARJ21)とエアバスA320やボーイング737クラスの航空機(C919)を既に開発して量産に入っているらしい。ところが、FAAからもEASAからも型式証明を得られず我が道を行くで国内の航空会社からの受注だけで量産に入っているようだ。
エアバスもボーイングも支那の国内線を含めて大きな市場を期待していたはずで、おそらく支那には結構な額で吹っかけているのだろうからどっちもどっちという感もあるが、支那は今後FAAやEASAの型式証明が不要な国(例えばアジア、アフリカ等の新興国)への販売や路線開拓に力を入れるのだろう。
支那も一生懸命メディアでアピールしているがどうだろうか。少々古い記事だが、
ボーイング・エアバスの牙城を崩す「C919」
(このころはFAAやEASAの型式証明取得など簡単と思っていただろうか)

航空機産業は自動車以上に裾野の広い産業と言われ、ある程度の経済水準の国では期待を集める産業である。秋田でも航空機産業への参入などと言っているが、実態は組み立て時の治具くらいだということで少々寂しいが無いよりはましである。
支那は国際金融の世界でも、IMF、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)といった既存の体制に挑戦し続けBRICS銀行アジアインフラ投資銀行(AIIB)などをブチ上げ支那を中心とした新興国・途上国のグルーピングを画策しているが、支那自体の経済が傾き始めた今、金融、航空機産業などが思惑通りに進むはずがないというのが筆者の大雑把な印象だ。(挫折したときの出方が逆に心配ということもある)

世界の秩序、空気を察してか、その秩序に合わせ入り込もうとする日本と我が道を行く支那。スポーツでも日本は(日本潰しと思われるような)ルールが変わればそれに追従していく。なんと生真面目な国だろうか。
片や金融、産業だけではなくノーベル平和賞ですら孔子平和賞を創設してぶつけてくる感覚。どこまでも中華思想なのだろうが、これが崩れたとき(現実に綻んでいる)に支那はどうなるのか・・・。
少なくとも日本と支那には共通の価値観は無い。

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民間航空機分野での日本と支那のアプローチ への2件のフィードバック

  1. 三隣亡 より:

    中国製航空機の危険性は以前から指摘されています。ターボプロップ機「新舟60」(アントノフ An-24のパクリ)はトンガ‥ミャンマー・インドネシアなどで事故が多発。
    http://www.sankei.com/west/news/130819/wst1308190066-n1.html
    中国では2000年代でも「空飛ぶ棺桶」と有名だった旧ソ連製の Tu-154 が現役で飛んでいて、日本企業では搭乗禁止の会社もあったほど。中国製のジェット機など怖くて乗れません。

    • argusakita より:

      Tu-154 空飛ぶ棺桶(欧州ではケアレスと呼ばれていたかな)、私はロシアとポーランドで10回以上は乗っていますから、結構強運ですね(^^)。
      物凄く煩い飛行機で耳栓必須ですし(^^)、ある知人はヘリコプターといい勝負だと言っています。
      まだ現役だし、あちこちで飛んでいますよ。でも日本には騒音規制で飛んで来れないと聞きました。

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