『署名活動』(アリーナ)と『声無き声』(新文化施設)

日本のYahooニュースを眺めていたら、ハピネッツのリーグ問題に絡む5,000人規模のアリーナ建設を巡っての殿様知事の発言が波紋を引き起こしたようだ。
この問題、以前も県議会の2月議会の予算特別委員会で工藤嘉範(自民党)議員の質問に答えていて、計画されている新文化施設とアリーナの件をやや混ぜた答弁になっている。
おや、一体どうしたのか?と思うくらい興奮した色を作す答弁で、アリーナの建設に秋田県が支援することについて、
『確約は法律上できない』 <—当たり前
『例えばバブルの頃は良かった』 <—おっと、マジか? 法律は?
『(財政に関して)私は責任を持っているから』 <—当たり前
署名なんて全くアテにならない!』<—それは言っちゃいけない
『悪者になってもいい、磔になってもいい、どっちが正しいか!?』<—(^^)
次の知事が公約にしたら、私なんか負けるでしょう、いいですよ!』<—(^^)
といった具合にボルテージが上がっていて質問者の工藤議員が当惑している。筆者が上記を恣意的に抜き出したと思われては困るので、実際の動画(県議会のHP)でぜひ見て全体のコンテキストを理解して欲しい。(25:30あたりからと32:00あたりからだ)

ハピネッツのブースターによる署名活動は実際に行われているらしく30日の樹海体育館では1部残留の条件である5,000人アリーナの建設を目指す活動に7,500人の署名が集まり、目標を今後3万人としているそうだ。ちょっと遠慮がちな数字だなぁ・・・(AKTのニュース動画)
署名がアテにならないのは『その代わりこれだけの行政サービスが削減されると言えば署名もそう集まらなくなる』というのが殿様知事の見識だ(上記委員会の動画)。

一方の日本バスケットボール協会のタスク・フォースの川淵三郎チェアマンは『見下したような物言い』(by 殿様知事)でハピネッツのリーグ除外まで話したという(ソースが見つけられない)ため、メディアには出てこない殿様知事と川淵チェアマンの間に何らかのやり取りがあったのだろうと想像するしかない。
筆者としては、秋田県の懐具合から責任ある判断をした場合、殿様知事の公的な立場の発言と姿勢は正しいとは思うが、何故あのように色を作す答弁なのかは理解できない。あの程度で興奮するなら、ここのblogなど見たら倒れるかもしれない。今後はマイルドに書くかな・・・筆者は年寄りには優しい(^^)。

一方では、新文化施設について、欧州の都市を例に挙げ市街地の中心部にシティホールや博物館、美術館等が置かれていることについて殿様知事独自の見識を披露しているが、ややピントが外れている。欧州の都市でそういったものが中心にあるのは、城以外には教会(&カタコンベ)という宗教施設が大きな核なのであって、付随する公共施設を築き一定の大きさの範囲を城壁で囲ったからこそ結果的に現在はそういった施設が中心部になっているのである。
日本の村・集落でやや外側に鎮守の森を配置しているのとは違うし、日本の封建時代では人々が集まる場所というのを市のような商業エリアしか認めていなかった(あるいはそれも認めていなかった)ため、そもそも欧州とは文化・宗教・歴史が違いすぎてアナロジーも比較もナンセンスだ。

この新文化施設について上記予算特別委員会の動画の中ではその必要性について殿様知事は、
『声無き声である』
と言い切っている。
政治の場で政治家が『声無き声』を使う場合には注意が必要である。
一般的に政治の世界では『積極的な発言行為をしないが大多数である勢力』という単純な意味では使わない。
『発言はしないが現体制を支持している多数派』という手前味噌な意味が付くのである。発言しない人は体制や自分を支持しているはず、異議無きは同意とみなすという詭弁なのだ。
実際には発言をせず体制を不支持である人もいるわけだが、それらも皆『支持派』と手前味噌に解釈する詭弁は看過すべきでない。
このあたりは、『グレート・サイレント・マジョリティ』という言葉を使ったニクソン大統領の演説(ベトナム戦争についてだったかな?)をググれば出てくるはずだ。

パブコメなどを見ても新文化施設は支持されているというのが秋田県、秋田市の予想される言い分で、これから発表されるパブコメの集約結果もそれに従ったお約束のものになることは容易に予想できる。(意見の全てを公表するとはどこにも書いていないので)
既に行政サイドからはこの新文化施設の予算規模や施設内容などのアドバルーンも揚げられ、場所をどこにするかが焦点のようだ(まあ、あそこだろうが・・・)。
『声無き声』から需要を適当に設定し、予算も具体的な数字が出てくる一方で、実際に若者中心に署名活動を行って現実の数字まで出てくるものに対しては、
『署名なんて全くアテにならない!』
では、民主主義としては少々面妖ではないのか?
新文化施設についても『この建設・運営によってこれだけの行政サービスが削減される』となれば果たしてその『声無き声』はサイレントであるかどうか・・・。

アリーナ建設支持が若者中心、新文化施設支持が年寄り中心であれば後者を優先になるのは今の秋田県では如何ともしがたいが、同様に秋田県の懐から支出するのであれば、どちらの提案・計画にも『それに見合う分の行政サービスの削減』を付加するのがフェアというものだろう。

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『署名活動』(アリーナ)と『声無き声』(新文化施設) への15件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    3.5億円のクマのオリ、8000万円の朝鮮ドラマへの寄付・・・

    散々無駄遣いしてきた殿様が、ヒステリックに倹約を訴えても・・・なにか不自然ですね。

    またなにかウラがあるんでしょう。

  2. 秋田シミーン より:

    新文化施設についての秋田市の出した計画概要(素案)とパブコメは去年まとめられていてここにあります。
    http://www.city.akita.akita.jp/city/pl/mn/bunkashisetsu/seibikousou/
    http://www.city.akita.akita.jp/city/pl/mn/bunkashisetsu/seibikousou/kekkaitiran.pdf 
    (パブコメ一覧)

    秋田県の資料のほうは参考資料も付属されています。
    http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1395623328799/files/seibikousou.pdf

    肝心のコンサートホール(高機能型ホール)の客席数は1,800~2,200、舞台芸術型ホール 800~1,200となっていてステージの大きさはわかりませんが、客席数からみて前者は現在の県民会館(客席1,839)、後者はわらび座のわらび劇場(同700)や秋田市文化会館(同1,188)といった程度の規模を考えると良さそうです。

    素案を見ておかしいと思ったのは、現在の施設では客席が少なすぎて(お客さんが少ない)興業にならないため来ないアーティストなどに関する考察が無く、現在の施設の規模で開催する(できる)ものの稼働率しか検討されていない気がします。

    さすがに秋田でしょっちゅう観客1万人は無理かもしれませんが、せめて5,000人規模が余裕の施設がなければ相変わらずこじんまりしたコンサート、そういうアーティストしか来ないと。
    非常に根本的な規模の問題が予算に合わせた妙なものならまたまた変なものハンパなものを作りそうな予感がします。

    なかいち 再び。

    PS なんかリンクがうまくいきません。修正お願いします。> blog主さん

    • argusakita より:

      ほぼリアルタイムでlink修正しておきました。

      確かにホール規模と開催可能な興業は鶏と卵でしょうからねぇ。
      去年素案を見たりして、
      絶望的な秋田の現実を見ない脳内お花畑の年寄り達
      に私の感想は書きましたが、秋田シミーンさんの危惧と同じようなものを感じます。

      結果が今後何十年にも渡るプロジェクトをまたいつもの老害中心のかび臭いアプローチで検討、アリバイ作りのパブコメ、(実は計画はほとんど決まっている)、建設・オープン、稼働率低迷・維持費問題化でしょう。
      もったいない。

      下手に(苦手の)ソフトウェア重視の文化施設なんてやめて、ハードで利便性を追求したスポーツ施設のほうが役人達だって容易だろうにと思いますよ。
      大規模コンサートを行えるように野外コンサート設備一式でも買ったほうがよほどいいかもしれません。
      県内アマチュア吹奏楽などが使える施設は現在の秋田市文化会館をその規模維持で建て直し程度で十分な気がします。

  3. 木造にこだわったためにプロ野球を呼べなくなったドーム球場を抱えている大館の一市民(つまり私)の想像ですが、文化施設建設のほうが、秋田杉を使用できると考えているのでは? なんといってもまだ林業公社を残している秋田県ですから。

    ところで大館市に集成材の柱を作る工場が出来ましたが、値段的に外材に太刀打ちできるか心配しています。
    (花粉症の主原因としての)有害木として、どんどん間伐し、投げ売りしてくれれば原木の値が下がり、集成材の柱も売りやすい値段になると思うのですが。野生の熊なら有害駆除しているので可能性は0ではないと妄想してます。そのためには林業公社ははっきりいってジャマですね。保護された業種はいずれすたれると思います。

  4. blogファンその1 より:

    でも、あの樹海ドームはコンサートイベント会場としては県内最大でしょうから秋田市に来ないアーティストなども行きますよね。
    元々は、県南のふるさと村、秋田市はまあ何でもあるから県北にという話で出来たんじゃなかったでしょうか。騒音が酷いとか聞きますが、何も来ないよりはいいですし。

    先週でしたか安倍首相が花粉症対策を本気でやるとかで今年度から伐採や花粉の少ない品種への植え替えなどに予算つけるみたいなことを言っていましたから秋田県はウホウホなんじゃないでしょうか。
    それを見越しての集成材の柱を作る工場なのではないでしょうか。

    林業公社は林業そのものではなく伐採や集材に必要な道路工事関係に金が流れていくらしいので「大人の事情」で秋田県では手が付けられないでしょう。

    • 最近は樹海ドームにはアーティストは来ていません。2002年のモーニング娘。が最後らしいです。敬遠されているのかもしれません。

      一番利用しているのは中古車業者です。彼らが集まって巨大な中古車市が年に数回行われています。なぜ一同に集まるようになったかは関係者でない私には謎です。

      ただ、きりたんぽ祭が樹海ドームで行われるようになったことは良かったことです。(昨年度が2回め)でも長木川河川敷で行われていたきりたんぽ祭が樹海ドームになったのは、直接的には鳥インフルエンザ対策のためですが、それがなかったらきりたんぽ祭も樹海ドームで行うことはなかったと思います。

      ですから、未だに樹海ドームの活用を試行錯誤しているようにも思えます。

      個人的には、アメッコ市も樹海ドームを使って、将来のコンパクトシティの中心になることを期待しているんですが、大館市は役場の位置はそのままとなりました。交通網から離れた場所に市役所をおいたままなんてホント訳がわからない。「交流軸の都市は栄える」という言葉を市役所職員や市会議員にもっと理解してほしいと思ってます。

      集成材工場ですが、製品の値段次第ですから、伐採に手のかからない外材に負けないためにも投げ売りするくらいしてくれないと困難な道だと思ってます。

      • argusakita より:

        横からですが、
        >2002年のモーニング娘。が最後らしいです。
        そうなんですか、SMAPやらB’zやら来ていたのってそんなに前のことなんでしたっけ?
        秋田市にもドーム(これも “のようなもの”)というか屋根付きグランドのスカイドームがありますが、市街地から遠いし。
        スポーツをする人と見る人の数が大都会とは逆でしょうからねぇ・・・。
        大館は駅と中心部が完全にズレていますからね、再構築もなかなか難しいでしょうね。
        全国最長首長のかかった市長選は盛り上がりそうですか? 

        花粉症対策に本腰というのはいくつか新聞紙サイトで記事が出ていますね。
        昨年あたりそんな症状があって、『えっ、この歳でかよぉ』とちょいとブルーでした。
        林業公社、林業公社、そうそう・・・。殿様知事は手をつけないでしょうし、県議会も先般の検討では問題の先送りを決めた感じでしたからね。秋田県が壊れるまでそのままでしょう。

      • ブログ主さんへの返信ボタンが見えないのでここにコメントします。

        樹海ドームでのコンサートは今はどうやら市としては拒否しているみたいです。
        http://blog.livedoor.jp/queenshair/archives/52055422.html
        一応は騒音が迷惑とのことのようですが、民間が行うと黒字、行政が行うと赤字というのには笑いしか無い。

        そのせいで、2回めにB’zが大館市に来た時は、紙の文化会館で行ったみたいですね。
        http://blog.livedoor.jp/nagakigawa/archives/51352313.html

        まあ、B’zのときは、リハーサルでの騒音、当日の騒音が迷惑だとの記事が当時の新聞に載ったのを思い出します。樹海ドームのドームはシート1枚なので騒音は駄々漏れなのは確かです。

        でもそうなら、エグザイルのリハーサルも無理なはずなんだけど。変ですね。

        • argusakita より:

          >ブログ主さんへの返信ボタンが見えないのでここにコメントします。
          ネストを深くすると見難いので制限しておきました。
          適当にお願いします。

          >民間が行うと黒字、行政が行うと赤字というのには笑いしか無い。
          マジですか? まあ、行政は赤字が基本でトントンがbestなのでしょうから。
          樹海ドームはもったいない話です。
          石田博英氏が生きていたら・・・

      • おっとと! 文化会館が紙製のはずがない。紙でなく、市です。

  5. 秋田シミーン より:

    昼行灯の穂積市長も「アリーナは財政上困難」と言ったらしいです。(地元紙)

    じゃあ、新文化施設は財政上余裕あるからやるんか? とツッコミたくなります。
    秋田市では新文化施設、外旭川新駅、イオンタウンなど構想が相次いでいますが、全部出来上がったころには人口もドーンと少なくなっているでしょうから、時既にお寿司かもしれません。

    • argusakita より:

      お寿司! 食べたい!

      何につけてもランニングコストですね、課題は。
      ゴミ収集を月に3回位に減らしたら幾ら浮きますかね?
      あ、処理場の効率もありますか・・・。

  6. ブルーベリー より:

    スポーツ用品販売のゼビオが作った、「ゼビオアリーナ」 の総工費は約30億円。
    総座席数は約4000席で、中央のフィールド部分を含めると最大6000人を収容可能http://blogs.yahoo.co.jp/masa_115/61482090.html

    バスケの新プロリーグ1部への参加のために、アリーナ建設を税金で賄うなどありえない話。
    殿様の対応も異常だが、秋田県民もお花畑。 

    アリーナ、文化施設、ソウル便、クマ牧場、朝鮮ドラマ・・・・
    時間もカネも残り少ないのに、誰もが税金にタカル事しか考えていない。
    やはり秋田人には危機感が欠落していると感じる。

    • argusakita より:

      まだ5,000人という曖昧な数字の実現法やアリーナの規模、必要な予算規模などが具体的ではない段階と思いますが。
      ハピネッツやブースターも行政に対して直接的な陳情をしているとも聞きませんし、新組織から具体的な要請があった訳ではないのでは?
      心情的な応援にしろ先ずはそれぞれの温度の確認なのではないでしょうか?

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