『降伏』や『終戦』に関する日本とドイツの違い

久々の日本、東京の桜はすっかり時期を外してしまったが、秋田はまだだろう。昨年の今頃は車で秋田~東京を2往復したりしたため車窓からあちこちの桜を見られたが、今年は久しぶりにどこかにゆっくり見に行きたいものだ。やっぱり桜は日本人には欠かせない。少し桜も残っているだろうから久しぶりに靖国にでも行くかな。(レイテ沖海戦の特攻で散ったとされる伯父の御霊が祀られている)

帰国の飛行機の中で読んだ雑誌や日本のTVなどでもやたら『戦後70年』といった枕詞が目に付くが70という数字に何か特別な意味があるのか考えたがよくわからない。単に10年毎の区切りかと。
おそらくこれから8月の終戦記念日に向けてTVなどでもあれこれ特集があることだろうが、欧州ではギリシャがドイツに対して戦時賠償額を具体的に約36兆円と提示したりしてまるでEU内のギリシャ支援の交渉材料にでも使うつもりなのかと思わせる妙な状況になっている。おそらくドイツは今まで賠償に関しては一貫して拒否してきているため絶対に支払うようなことはしないだろうし、もしスキを見せたらポーランドやチェコ、スロバキアなどぞろぞろ同じような訴えを起こしかねない。
勝手な歴史創作と捏造が得意な南朝鮮のメディアなどが時々『日本はドイツに学ぶべき』といった全くピントはずれなことを書いているが、ドイツに学ぶなどとんでもないことで、そもそも第二次大戦における『降伏』や『終戦』において日本とドイツでは全く異なり、もし日本が『ドイツ式』の戦後処理を行っていたら、結果的に南朝鮮への経済支援(南朝鮮は賠償と呼ぶが)などあり得なかったはずだ。

日本人でもそうだが、ドイツと日本の『降伏』や『終戦』は全く異なることを認識していない人が多い。同じ枢軸国で連合国に負けたのだから同じといった表面的なものだけを見ていては大きな間違いである。さらにそれを理解しないと何故ドイツが戦後自虐史観を持たずにドイツの誇りを取り戻し、今や再び欧州の名実共に盟主となったかが理解できない。
ちなみに、同じ枢軸国でも大戦終盤(終戦1ヶ月前)に連合国側について日本に宣戦布告したイタリアなど最初からお話にならない。

もし、親しいドイツ人がいたら(あまり親しくなかったらこの質問は遠慮したほうが良い)、
『ドイツの終戦記念日はいつですか?』
と聞いてみたらよい。
日本人ならほぼ100%日本の終戦記念日を8月15日と答えるだろうが、実はドイツにはそういった明確な国民的な終戦記念日というものが無い。
質問した相手によって、5月8日、5月9日、6月6日、7月20日、11月9日あるいは質問した側がユダヤ人なら1月27日と答えるかもしれない。(それぞれ歴史的な出来事があって意味がある)
それくらいドイツの終戦というのは認識がまちまちなのだ。そのため、国際的にこれではまずいということで現在のドイツでは終戦記念日ではなく『国民哀悼の日』(11月第3日曜)を設けて国民的な記念日としている。

何故そうなのか。ドイツと日本は『降伏』や『終戦』の経緯やその持つ意味が決定的に違う。
つまり、現在のドイツでは、あるいは多くのドイツ人は、
『負けて降伏したのはナチス政権とその軍であって、戦後のドイツの政権はその継承者ではない』
という論理が根底にある。
1970年にブラント西独首相がワルシャワで跪いたのも、ナチスの悪行は自分たちと無関係という意識があるため哀悼の意を表明することなど全く平気だったのだ。強いて言えばナチスに替わって哀悼・遺憾を表しますという腹芸に近いだろう。
さらにこの論理をよく表しているのが、戦後40年記念でのワイツゼッカー大統領(当時)の有名な演説(1985年)で、終戦を、
『ナチスの暴力支配による非人間的システムからの解放の日』
と定義してみせた。ちなみに、この演説で『過去に目を閉ざす者は、現在に対してもやはり盲目となる』とも言っていて南朝鮮などははこのフレーズを恣意的に取り上げるが、前者のフレーズのほうが遥かに重い意味があるし、歴史の事実を恣意的に曲解する南朝鮮の指摘はここでも相変わらず的外れである。
また、統一後のシュレーダー首相(当時)も60年記念(2005年)で、
『連合国による勝利はドイツに対する勝利ではなく、ドイツのための勝利であった』
と、まるでドイツが戦勝国側(連合国側)であるかのような錯覚を持たせるような演説をしている。東西統一の影響もあるが、すっかり、
『悪いのはナチスであって我々誇りあるドイツではない』
と言わんばかりのロジックである。
何故、こんなことがまかり通るかというと、『無条件降伏』した時の状況が日本とは決定的に違うからである。

ドイツが降伏したのは政府ではなくナチス・ドイツ軍(正確にはその臨時的な継承者)だということだ。ヒトラーが死にその政権(=軍)だったドイツは臨時政府に相当する代表(フレンスブルク政府=デーニッツ政府)が5月8日にフランスのランスで降伏文書に調印し、また5月9日に首都ベルリンで批准手続きをしたが、6月5日に連合国によってこの政府はナチス要人による政府のため正当な中央政府として認めないとされた(ベルリン宣言)。

一方、日本は(ある意味)同じように政府と軍が一体であったもののポツダム宣言を受諾しミズーリ艦上で降伏文書に署名した政府代表の重光外務大臣(文官)が存在したように降伏はしたものの正当な日本政府が厳然として存在していた。
無条件降伏したのは、ドイツの場合は『ナチス・軍』であって政府ではなかったが、日本は『正当な政府』だった。この違いが決定的に大きい。
もし、日本が戦争責任を天皇と軍に全て押し付けて『悪いのは天皇と軍』ということにして戦後の政府は戦前・戦中の政府の継承者ではないといったドイツと同じような定義づけをしたら戦後処理は全く異なったに違いない。
しかし、日本はそんな姑息なことはせず国体の護持を選択し、潔くポツダム宣言を受諾し、極東軍事裁判の結果を受け入れた。
ニュルンベルクはナチスを裁いたが、極東軍事裁判は敗戦国日本(政府、軍)を裁いた。
この違いは非常に大きい。尚、ナチス・ドイツは無条件降伏したが日本が国家として無条件降伏したかどうかは学問的にはいろいろな説がある。

降伏した主体がどこかによる違いが、戦後の憲法(基本法)を制定する過程で大きく影響したという説もある。
戦後の処理において(ナチスの継承者ではない)ドイツは、ロンドン勧告やフランクフルト文書に見られるように、憲法(基本法)制定で2つの条件を出したとされる。(ドイツ連邦共和国基本法)
・議会民主主義
・軍隊の保持
そして憲法は制定するがそれは『ドイツの国民が自由な自己決定を行えるまでの暫定的なもの』である『基本法』であるとされた。

一方の日本の憲法は・・・。
既に日本の国民は領土的野心などあり得ず、現在の朝鮮、支那の非民主的で価値観を共有し得ない国家の民族を支配するなどはもはや嫌悪に近いものさえあるだろう。
国民が自由な自己決定を行えるまでに成熟した、いやそれを通り越して熟しすぎて腐っているかのごとく高齢化し思考停止状態になり、日本を取り巻く周囲の環境も70年前とは全く違う状態になった。
だからこそ、この暫定的で歪な内容を含む憲法を改正する必要があるのだ。
PS. 天皇・皇后両陛下がパラオで頭を下げられたのは謝罪ではない。英霊(敵国人も含む)への尊崇の念によるものだ。
(この意味をメディアは世界中に発信すべきだ)
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『降伏』や『終戦』に関する日本とドイツの違い への5件のフィードバック

  1. きりたんぽ より:

    NHKなどはクローズアップ現代の捏造やらせがバレてしまい、春の人事が行われている中で
    なぜあの国谷キャスターは人事異動しないのか不思議で仕方がありませんね。
    幸福の科学の大川氏の書籍にも出演していたりと、後ろ盾が厚いのでしょうか。

    そんな中でNHKは天皇皇后陛下のパラオの訪問の生中継しておりました。
    パラオは過去にドイツの植民地でもあったようですね。

    支那や朝鮮がドイツを見習うべきと、そして朝日新聞までもが同じことを繰り返しているのを
    日常的に見かけてしまいます。

    第二次世界大戦後に、たしかドイツは対戦国と講和条約を結んでいないわけで、
    日本が見習ったら大変なことになりますね。
    しかし似たような作用があるものとしてはベルリンの壁が崩壊した後に1990年に最終規定条約を結んだということでしょうか。

    今年に入り亡くなったワイツゼッカーの残した言葉を朝日新聞やNHKはくどいほど報道していました。
    あなた達に当てはまる言葉だと実感してもらいたいですね。

    • argusakita より:

      国谷さんはNHKの社員になったことはないと記憶しています。かつて厚労大臣だった小宮山さんと並んで筋金入りのまともな左翼でしょうね。ちょっと縁があるので間違いないと思います。馬鹿サヨとは違います。
      クローズアップ現代はNHKの番組というより国谷さんの番組では?
      後ろ盾は厚いですよー。

  2. きりたんぽ より:

    NHKの社員ではなかったのですね、知りませんでした。

    民法のバラエティでのやらせとは違いますから、
    NHKは今後はさらに窮地に追い込まれるのではないでしょうか。

    またさらに受信料を集めるのが難しくなると思いますし、
    会長のモミちゃん(籾井勝人)の辞任にまた一歩進みました。

    どちらが先になったのかわかりませんがNHKのトップや上層部の天下り先が三井物産に渡ることで、三井物産出身のモミちゃんが会長になったわけですので、NHKの次の天下り先はどこの企業になるのでしょうか。

    • argusakita より:

      そりゃあ天下の三井物産ですからいくらでも(^^)。三井の主要企業の二木会26社は傘下にそれぞれ100くらいは関連会社があるでしょうから数千社はあるでしょうし・・・。

      三井、三菱、電通、読売、競艇・・・満州の阿片に関わった人脈(首相経験者を含め、皆有名な人ばかり)でたどれば戦後の歴史もなるほどねぇといろいろ見えてきますよ。NHKなんて末端みたいに見えてきます。
      陰謀論めいたものではなく、ホントにそうです。史料なども腐るほどあるでしょう。

  3. きりたんぽ より:

    NHKの番組では見ての通りに近年は民法化していますからね。

    芸能部の不祥事の責任(嵌められたようですが)で辞任した過去の会長のエビジョインイル(海老沢 勝二)は親しいナベツネ(渡辺恒雄)の読売グループに逃げたりと、

    天下り先がトヨタの場合などはNHKがトヨタに見返りを渡す大義名分として、
    NHKが得意な「ロボットコンテスト」を開催しそこで莫大な予算を作りながら、
    トヨタの技術開発者などや関係者を審査員などロボットコンテストに番組に関わらせながらお金(NHK受信料)を渡したことがあったようですね。

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