『歴史戦』は日本vs支那・朝鮮だけではない

毎年、イースターが過ぎる頃に欧州のメディアにちょくちょく出てくるのがアルメニア問題だ。当事国とは無関係な外国人の筆者には季節の風物詩的な感覚しか無いがこちらでは非常に根深く複雑な歴史問題の一つである。
アルメニア問題で4月24日は1915年にイスタンブールでアルメニア系の著名人たちが逮捕・追放され殺害されたこと(赤い日曜日)と、この日が各地でのアルメニア人虐殺の契機になった日ということでジェノサイド追悼記念日とされている。
今年は特に今月12日にローマ法王フランシスコが100年記念のミサで『20世紀最初のジェノサイド』と発言したことでトルコが猛反発し、駐バチカントルコ大使の召還を決めた。(トルコは大使召還を好んで使う印象)

欧州では各地で民族紛争があり、北アイルランド紛争、キプロス紛争、バスク問題、旧ユーゴスラビア紛争などは現在でも燻っている状態だが、これらは民族、宗教、領土の問題で戦争の後遺症、歴史戦という色彩はさほど強くない。(相当古い戦争の後遺症もあるが)
アルメニア問題は、第一次大戦時のオスマン・トルコ帝国によるアルメニア人虐殺が発端(それ以前からという説もある)だがその虐殺されたという数は研究者によって30万~150万と幅があり、オスマン・トルコ帝国の継承者であるトルコ政府は強制的な移住などの事実は認めるもののジェノサイドといった組織的・計画的なものは無いという主張だ。
現在のエルドアン首相はトルコ首相としては初めてこのアルメニア人虐殺に関して追悼・遺憾の意を表明した(2014年4月)。
欧州全体(+米国)としては、1988年のナゴルノ・カラバフ戦争(アルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州を巡る紛争)のような目と鼻の先での紛争は地域の安定に対する脅威ということでトルコとアルメニア間での国交正常化を後押ししたが、単に問題を先送りしているだけという見方が一般的だ。
さらに、このアルメニア人が第一次大戦時に強制移住させられる以前の居住地域が現在はクルド人が住んでいるという事情が事態をさらに複雑にしている。(ISなども絡む問題)

BTCpipelinerouteアルメニア人がトルコ政府に賠償金を要求しているわけではないが、アルメニアはトルコと旧ソ連によって設定された現在の国境線を認めていない。
そのため、バクー(アゼルバイジャン)-トビリシ(グルジア)-ジェイハン(トルコ)を結ぶBTCパイプラインはアルメニアを迂回する形で建設された。
穿った見方かもしれないが、国境線をアルメニアに有利な形で設定できればこのBTCパイプラインの通過国になり種々の恩恵が期待できるのだろう。
無論、無垢なアルメニア人達が殺害された事実は大悲劇であり同情はすべきだが、現在は石油利権絡みの話にアルメニア人虐殺という『歴史』を利用していると見るのが妥当かもしれない。

1970,80年代にはアルメニア人の多いフランス(パリ)、アメリカ(LA)で過激派がトルコ人相手にテロ活動を多数行ったが、現在は比較的穏健になり、この問題に関してはアルメニア人ロビーというのが各国で活発に活動していて、フランスでは『アルメニア人虐殺否定禁止法』が一旦可決、その後廃案、サルコジが選挙時にアルメニア系の票集めのために頑張って再度成立(2012年)、アメリカでは下院でジェノサイド認定、非難決議案を出したためトルコ政府はアメリカの基地使用を一時拒否したり、駐米大使召還などと揉めに揉めた。(アメリカはトルコにも核配備をしているため戦略上互いに正面から喧嘩はできない)
欧米(キリスト教)は深層心理ではやはりトルコ(イスラム教)の台頭を歓迎しないことがこんなところでも垣間見える。そして、紛争のタネの裏側には石油という背景があるのが『いつでも感』満載なのである。

歴史を利用して2国間(加害者・被害者)のみならず他国を巻き込んで困ったチャンを演じているのは世界的に見て、
支那人→日本(南京事件、ただし誇大・捏造)
朝鮮人→日本(日帝支配や戦時売春婦、ただし歪曲)
ユダヤ人→ドイツ(客観的史料のあるホロコーストだが誇大喧伝?)
アルメニア人→トルコ(客観的史料があるが誇大喧伝?)
で、それぞれロビイストやシンパのメデイアやステークホルダー(石油等)が儲かる側面があるため継続中の『歴史戦』であり、『政治戦』『情報戦』『謀略戦』『心理戦』といった『武力戦』以外の戦争である。

日本は南朝鮮とは竹島占拠(1953年)以来、支那とは尖閣諸島領有権主張(1970年)あるいは1985年の中曽根首相の靖國参拝非難以来ずーっと『宣戦布告なき戦争状態』なのである。
日本政府にはしっかり戦ってもらわないと国民は困る!

<追補>
作家の村上春樹が南朝鮮メディアで、『相手国がもういいというまで日本は謝るしかない』と言ったらしい。
まるで、アルメニア問題でトルコの作家オルハン・パムクが2005年に外国メディアとのインタビューで100万人のアルメニア人が殺害されたことをトルコは認めるべきと発言しトルコ国内で国家侮辱罪で起訴される騒動が起きた(オルハン・パムク騒動)事件を彷彿とさせる。
翌年2006年オルハン・パムクはノーベル文学賞受賞
村上春樹は狙っているのか・・・。
こういう自分の商売のために自国侮辱・自虐が平気な連中は、どこにもいるのだ。

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