幸福度調査での日本の落ち込みは残念

国連が発表したWorld Happiness Report(幸福度調査)2015年版がおもしろそうだ。英文170ページのため、まだ全部は読んではいないが、過去2回との調査との比較変化が気になる。
2012年版では幸福度についてcantril ladder(キャントリルの階梯)として発表されたが、2013年版、2015年版ではHappinessとなっている。2014年版が無い理由は不明。
※Hadley Cantrilはアメリカの世論研究者。ギャラップ調査で有名なGeorge Gallupと親しかった。

とりあえず2015年版幸福度総合順位は、158カ国がランク付けされていて、
1位 スイス
2位 アイスランド
3位 デンマーク
4位 ノルウェー
5位 カナダ
13位 オーストリア
15位 アメリカ
20位 UAE
21位 イギリス
24位 シンガポール
26位 ドイツ
29位 フランス
34位 タイ
35位 サウジアラビア
38位 台湾
46位 日本
47位 南朝鮮
50位 イタリア
64位 ロシア
84位 支那
といったところで、G7の中では日本は6番目である。
調査は、国民1人あたりの実質GDP、社会福祉、健康寿命の平均、人生選択の自由度、寛容度、腐敗認識などの要素のようだが、北欧などが上位にいくあたりはどこか西洋的なライフスタイルを好しとする前提があるようでちょっと違和感が無いわけではない。
ちなみに日本は2012年版では44位、2013年版では43位だった。

気になったのは、もう一つのランキングで、前回2013年版(2010-2012年調査)との比較による総合的な幸福度の上下変化のランキングだ。
1位 ニカラグア
2位 ジンバブエ
3位 エクアドル
26位 南朝鮮
27位 支那
といった新興国・途上国が上位に来るのだが、プラス側の変化が大きいため上位に来ているようだ。67位のベトナムがほぼ変化なしでそれ以下はマイナス側が増えたつまり幸福度が減少したことになる。
日本は107位で大きく幸福度が減少したらしい。108位にはデンマーク、119位にスペイン、123位にイタリア、最下位の125位はギリシャだ。
大雑把に言えばランキングを見る限り先進国では幸福だと感じる人が減少していることを示しているのだが、日本の社会の経済問題、人口減少、若者の雇用機会や正規/非正規の問題などを考えると何となくわかるような気もする。
レポートでは日本の分析については大震災と福島原発事故の影響に触れていることとジェンダー・ギャップの存在についてもフィンランドやカナダとの対比で指摘されている(日本、南朝鮮)が、日本の社会の抱えている構造的な問題はこの二つの国難以前からのように思える。

ところで、幸福度について意味のある測定ができるのかという素朴な疑問は誰もが持つはずだが、実はここ10年くらいの研究で主観的幸福に関するデータの収集は可能だとされている。幸福とは極めて主観的なものでムリムリと思っている人はちょっと古い頭か思考停止状態だと自覚したほうが良い。

例えば、日本語なら、
幸福のパラドックスについてのノート(京都女子大学:伊藤正憲)

OECD幸福度白書2(OECD編著、西村美由起 訳)
などにその定説や議論が残されている部分について書かれている。
いろいろな論文で(作り笑いでない)自然な笑顔(デュシェンヌ・スマイル)と各種の幸福度指数との相関が示されていて、さらにストレスホルモンのコルチゾール分泌量や左・右脳の活動との相関も示されている。
最近の心理学分野の進歩は劇的で脳科学や生理学による実証も含めて筆者たちが学生だった頃のカビ臭い心理学(ユングだのフロイトだの)とは180度違うものもある。
研究者名Rassler, Riphaln, Krueger, Schkade, Diener and Tovなどでググるとあれこれ出てくるはずだ。

秋田のような地方で、もし幸福ではないと思うなら、その幸福を実現するためにはどんな尺度を改善したら良いかといったアプローチに様々な心理学による科学的分析を用いるのもアリだろう。
少なくとも『県民の幸福には雇用が第一!』などと空虚に叫びながらちっとも実現できないアホな首長や行政の担当者は少し勉強してみる価値はあるはずだ。

気のせいか日本人観光客が多いと思ったら、そうかGWなんだ。

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