安倍談話のオーバーライドは将来的に相当に困難

安倍首相の70年談話を聞いたとき妙に『だからこそ』(4回)の多い文章だと思ったが、改めて官邸のHP掲載の全文を読み返してみるとなかなかの名演説だったかなと思いが変化した。内容的にはわざわざ明言するようなことも無く当然と思うことばかりで、70年だからといって特別に談話など出す必要もないと感じていたが、やはり必要だったかもしれない。(結果オーライ?)

安倍談話と平成7年8月15日の村山談話平成17年8月15日の小泉談話を見比べるとその違いが顕著だ。
村山談話も小泉談話も戦後50年、60年について触れているが起点が戦後(敗戦)である。しかし安倍談話は20世紀という時代、『100年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が広がっていました』と西洋列強による帝国主義、植民地時代を起点としその世界の流れの中での日本の・・・というコンテキストで話を始めている。
これは重要な視点で、日本単独ではなく『世界の中の日本』という見方であり、明治維新後に西洋列強に追いつけ追い越せでやってきた結果を示すものである。無論、それが日本の様々な行為を正当化するものではないが、当時の先進国・列強すべてがそうだったではないかという至極真っ当な指摘に思える。
準決勝(日清・日露)までは何とか負けずにきたが、最終的に帝国主義の決勝戦で(おそらく)負けることがわかっていながらアメリカとの開戦に踏み切った日本の国策の選択は誤りだったのかもしれないが、帝国主義・重商主義・砲艦外交の時代に武力を用いずに外交で解決が可能だったかどうかは極めて疑問だ。
マッカーサーが議会証言したように少なくともアメリカとの太平洋戦争は『日本にとっては自衛のための戦争』というのが正しい客観的な見方だろう。
安倍首相も村山、小泉同様『国策の誤り』と指摘しているが、負けたから誤りなのであって、当時の帝国主義の物差しでは負けなければ『誤り』ではなかったことは明らかだ。

第二次大戦の評価の起点を100年前に置き、その時間軸で日本の行動、史実を語ったことは大きい。戦後からしか触れない村山、小泉談話を完全にオーバーライドしていて、安倍談話をさらに上書きするのは時間軸的にはほぼ不可能だ。(江戸末期からにしても無意味)

もう一つ、安倍談話には大きなポイントがある。
談話はイギリスBBC他海外でもほぼリアルタイムで流された。その結果、
・将来世代に謝罪の義務を負わせない
・積極的平和主義
の点で概ね評価する論評がメディアでは大多数だ。しかし、ドイツはフランクフルターアルゲマイネの論評などでは『明確な謝罪が無い』ことを指摘している。
これは、経済的にズブズブの支那に阿る代表的な意見だが、それだけではないだろう。ドイツは戦争・虐殺の責任をすべてナチスとヒトラーのせいにしドイツ政府・国民を善意の第三者に置くことで偽善的に代理謝罪をすることで戦後処理をしてきたため、同じ敗戦国大日本帝国の正当な継承者である日本政府が70年経って世界からストレートに許される空気ができることは心情的に絶対に認められないという潜在意識の表れともいえる。
また、支那と南朝鮮(北朝鮮はほとんど論評を出さず)だけは、『明確な謝罪が無い』といつもの脊髄反射反応を見せたものの公式な突っ込んだ論評はほとんどなく、抑制的である。
人民元切り下げに伴う混乱や天津の大爆発などでそれどころではないというのが実情のようだ。

おそらく、支那も南朝鮮も各国の反応を見ながら、大反論キャンペーンは支那と南朝鮮の異常さを浮き彫りにする逆効果になると判断したのだろうと見える。

『侵略』『植民地支配』『反省』『謝罪』の全てのキーワードを盛り込みながら、時間軸を100年前からに拡大し歴史を俯瞰、世界の中の日本の位置づけを表し、今後の積極的平和主義に結びつけることによって、
・村山、小泉談話を時間軸を拡げてオーバーライドする
・支那、南朝鮮の異常さを際立たせる
この2点を達成した安倍談話はそれこそ歴史的な成果を上げたと言ってよいのではないか。(まあ、それでも支那や南朝鮮は国内向けのために相変わらず反日で進まざるを得ないだろうが)

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安倍談話のオーバーライドは将来的に相当に困難 への6件のフィードバック

  1. blogファンその1 より:

    安倍談話の最後のほうで、
    >だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ
     
    とありますが、既に外交青書でも「価値を共有する国々」に支那と南朝鮮は入っていないのですから、支那と南朝鮮には日本からの明確な決別のメッセージと捉えてもらいたいですね。
    国交断交まで行かなくとも大人の付き合いで十分です。

    • argusakita より:

      今回の安倍談話では南朝鮮はテーマの中には入っていないでしょう。
      第二次大戦で戦ってもいないし、南朝鮮は関係ないよというメッセージでしょうね。
      この談話に南朝鮮がガタガタ言うことがおかしいでしょう。

  2. 嫌韓2 より:

    安倍談話の日の夜に朝生見ましたがいきなり金慶珠のキチガイっぷりが披露されて滑稽でした。

    時間軸ですか、blog主さんならではですね。
    その時間軸を持ち出したらかつての列強国も下手に評論できないですよね。
    私は名演説だったと思います。

    • argusakita より:

      朝生やってたんですか? ちょっと見たかったなぁ。
      海外からのお客さん連れて日光の奥に行っていたものですから、ニコ動で会見は見ていました。

      歴史ってそういうものでしょう。時間軸の起点をどこに置くかで評価や印象は全く変わりますよ。
      不敬な例ですが、例えば日本の天皇制だって、もし平安時代の後白河法皇あたりからしか天皇制の史料などが一切無く系図もその辺からだったら近親●○などで滅茶苦茶で、日本人のモラルでは眉を顰める状況ですから果たして尊敬・敬愛の対象になっただろうかと思います。
      ずーっと神代の時代からの流れを(例え史実ではない部分があっても)知っているからこそ天皇制に対する理解と尊敬があるのだろうと私は思います。

  3. phary より:

    いつもながらargusakitaさんの解説はわかりやすく的を得ていてためになります。
    当方ドイツ在住ですが、このブログ記事をドイツ語訳してドイツ人に読ませたいです。それだけのドイツ語力がないのが悔しいです。

    • argusakita より:

      こんにちは(おはようございますかな)

      英訳なら何とか自分でできますが、ぶっつけ本番でやみくもに日本語で書いて推敲もしていないため、自分で読み返すと恥ずかしくなる文章力なので過去記事にlink貼る時以外はほとんど自分で読み返しません。よって、英語訳は・・・。
      ドイツ語訳なんて私も無理無理無理無理カタツムリのレベルで・・・(^^;)。

      ドイツ各紙の反応、微妙ですよね。

      そちらはまだ暑いでしょうか。
      ウィーンの社員さん達から今年は異常に暑いと聞かされ、日本で適当に都合をつけて戻るのを遅らせています。(^^;)

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