移民・難民にどこまで寛容でいられるか

こちらに戻るたびにあらゆるニュースメディアで見かけると言っても良いのが欧州各国での移民・難民の流入問題である。アムネスティあたりが『人権』『人道』と煽ることもあってさぞや各国が頭を抱えているだろうことがわかるが、少しでも批判めいたものを言った瞬間メディアはバッシングを受けるし政治家は政治生命の危機に陥る。腹の中はどうでもアメリカの共和党大統領候補のトランプのようにはっきりしたモノ言いをする公人はまずいない。

ウィーン郊外にもいくつか難民キャンプがあり、トライキルヘンというところでは約1,500人が屋外で寝起きしているという。(夜はもう10-15度くらいなのだが、冬はどうするのだろう)
衛生環境や医療が不十分だといった批判もあるが内務省は増加の仕方が尋常ではなく『極限状態』と苦しい発表もしている。
アムネスティあたりはただ統計を取って、こういった各国の扱いが『恥ずかしい』などと評価しているが果たしてそうだろうか。

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シリア、アフガン、イラクなどからの移民・難民はトルコ、ギリシャを通過し、マケドニア、セルビアを通過してオーストリア、ドイツを目指す。アフリカからの移民・難民はスペイン、イタリアに上陸し、フランスを抜けドーバー海峡を渡ってイギリスを目指す。
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ドーバー海峡を泳いで渡るわけではなく、ユーロトンネルを通過する貨車、トラックなどに紛れて横断を試みる。このためフランス側のカレー(Calais)では自然発生した難民キャンプにてこずっている。入ってこられるイギリスもフランスに費用(総額50億円ほど)を払ってトンネル入り口付近の警備やフェンスなどの対策にも乗り出している。(金もパスポートも持たず散歩のように国境を超える)

欧州ではシェンゲン協定に基づく加盟国がFrontex(欧州対外国境管理協力機関、本部ワルシャワ)を通じて国境警備隊を置いているが、水際で防げない数になったことや、一旦入り込まれると退去強制その他は加盟国各国の法律によるためほとんど機能していない状態になってしまった。

Bulgarian border police stand near a barbed wire fence on the Bulgarian-Turkish border July 17, 2014. REUTERS/Stoyan Nenov

一方ではシェンゲン協定非加盟国のブルガリア、ルーマニア、クロアチアは独自に国境に長大なフェンスを築きつつあるため、ギリシャからマケドニアを抜けた移民・難民のドイツへの通り道が自動的にセルビアになる。

移民と難民は法的には厳密な違いがあり、現在は難民は政治難民のみに絞られ各国で認定が必要だ。この認定を受けた難民以外は、事実上不法滞在者である。最近は移民(immigrant)という単語は正式な(手続きを踏んだ)移民も含むためメディアは遠慮がちで、難民(refugee)または亡命者(asylum)という表現が多くなった気がする。

各国での難民認定数は、2014年で、
デンマーク 申請者14,565人 認定者9,222人(63.3%)
ドイツ 申請者173,070人 認定者108,387人(62.6%)
オーストリア 申請者25,700人 認定者12,125人(47.2%)
スウェーデン 申請者75,090人 認定者15,637人(20.8%)
ハンガリー 申請者41,215人 認定者6,462(15.7%)
と発表されている。
ちなみに日本は、2014年では申請者5,000人 認定者11人(0.2%)と驚異的に低い。

もはや欧州への移民・難民の流入は止めようがない状態になっている。
表面上『人権』『人道』による『寛容さ』が現状を生み出しているのだが、一方では北欧やドイツのように経済的にさほど苦しくない国は低廉な労働者層としてwelcomeである一面もあり、この層も食料他最低限のものを消費するため内需の拡大に一役買っているという側面もある。経済システム上も既に受け入れを止めることが困難になっている。
出生率が1スレスレのドイツでは既に人口の20%が外国人になっていて、このままでは10年、20年後にドイツという国とドイツ人というのが別のものになるという予測もあるくらいだ。ドイツのニュースなどで難民(シリアからの)がインタビューで『この国には人権が無い』『何とかしてほしい』と発言しているのを見て根本的に何かおかしいだろうと思うのは筆者だけではないはずだ。日本の在日棄民達と変わりない状態だ。
こうなると、元々の国民からは不満が湧き出し、決して狂信的な民族主義者ではなくとも排外主義に傾倒していく。最近はベルリンや旧東独地域では移民・難民を襲う事件が増加している。

移民・難民がイギリスやドイツを目指すのは福祉や教育もさることながら、経済大国に行けば何か仕事があるだろうというシンプルな見込みだろう。決して彼ら全部が怠け者というわけではない。
この状況は近未来の日本にも当てはまる。北東アジアで移民・難民が『何か仕事があるだろう』と思ってやってくるのは日本だ。著しい人権侵害の支那は敬遠するだろうし、人種差別の激しい南朝鮮は経済的にも明るい将来は無い。日本はそれらが顕著ではなく宗教的にも寛容とされる。そのため日本は間違いなく移民・難民のターゲットになる。

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幸い日本は島国で、金もパスポートも持たない連中がゾロゾロ徒歩で入国してくるといったことは無いが、ボートピープルが大量に押し寄せてきた場合にはなかなか厄介だ。
国際的には(大半の日本人が知らないが)日本は人権侵害、特に人身売買でここ20年近く非難を受け続けている。理由の根本はあの悪名高い『外国人技能実習制度』である。正確に言えばその制度で入国して脱走した連中が人身売買(特に女性)の対象になっている実態である。
この脱走(行方不明)によって既に6万人弱の不法滞在者が国内にいるとされる。

難民認定の率の低さと人身売買の人権問題の両面で非難を浴び続ける日本もそろそろ移民・難民に対する明確な態度、対処法を国民的なコンセンサスを得ながら決めておかないと大変なことになる。

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移民・難民にどこまで寛容でいられるか への13件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    朝鮮で砲撃が始まっているけど、難民が出たら、
    なぜか朝鮮大好きの秋田県は受け入れたがるんでしょうね。

    国境から30キロしか離れていない危険なソウルに、
    わざわざ子供を送り込んできたくらいですから、常識は通用しません。

    ただでさえ、朝鮮の漁船が漂着し易い地域。
    「秋田を目指せ」とならない事を祈っています。 

    • argusakita より:

      その後どうなったか最新の情報は知りませんが、相変わらず双方『無慈悲な口喧嘩』ですか?
      ロシアの熊さん(メドベーチェフ)が北方領土に行ったそうですが、日本の隣はこんな国ばっかりでどうしようもないですね。
      まあ、安保法制審議には追い風ばかりですが。

  2. きりたんぽ より:

    日本は1945年の戦後にはすでに朝鮮人を特化した移民の国でもありましたが、この70年内で在日朝鮮人・支那人の数多くの残虐な事件がありました。

    昨夜はすごかったですね。マスコミやメディアでも一斉に報道していました、逮捕された大阪府高槻市の中学生男女を殺害した45歳の男はやはり在日朝鮮人のようですね。すでに帰化しています。

    【官 報】 第 485 号 平成 2年 10月 16日 火曜日
    (本  紙) 告  示

    ○ 法務省告示 第三百二十九号
     左記の者の申請に係る日本国に帰化の件は、これを許可する。
     平成二年十月十六日        法務大臣 梶山 静六

    住所 名古屋市南区宝生町3丁目62番地
     金浩二(山田浩二)昭和45年2月3日生

    ↓ 帰化した名簿が官報の記事に載っています

    • argusakita より:

      記事を読むと、(その45歳が犯人だとしたら)肉体的に自分よりも弱い子供を手にかけるという残忍さにはなんとも・・・。
      どういう育ち方や親の躾でそうなるのか不思議で仕方がない。単なる精神異常者かな。
      それにしても被害者のそれぞれの両親の影が見えないのは何故でしょう。
      中学生が深夜、早朝ほっつき歩くのは全く問題無いのかなぁ・・・。

  3. きりたんぽ より:

    メディアも在日の事件はいつも通りにあやふやにして風化させますからね。
    被害者側も在日なのかもわかりません。

    容疑者や被害者の親はフェイスブックも利用していたので日常生活の一部が見えます。これまでの在日の凶悪な事件を思い起こすと今回も変わらないものだとも感じます。

    先日、行われました夏の甲子園、NHKで中継しますが初戦の試合前には必ず出場校チームの地元の紹介を光景や文化や特産物などを取材映像で紹介しますが(秋田商業の秋田市の紹介では竿燈祭りと今年の東北六魂祭り)、今年の大阪代表校のチームの紹介では突然に焼肉の映像と地元のコリアンタウンを紹介していまして、キムチの映像や鶴橋などの紹介で明らかに在日朝鮮をアピールしていまして驚きましたね。

    • argusakita より:

      速報によれば北の潜水艦(潜水艇?)50隻が出港し、DMZ近くに砲兵を増強させているらしいですが、日本での報道はどうでしょうか。
      半島有事には在日米軍も自動的に介入することをアメリカは公式に言っていますから、始まったら『統一』(焦土であっても)までやるでしょうね。
      今年の干ばつは南北ともに酷いらしいので、北は案外『本気』かもしれませんね。

      • 嫌韓2 より:

        民主党・社民党あたりは『口だけ義勇軍』を派遣してあのスピーカーの代わりに『ハンターイ』を叫ばないと。
        安保法案反対派はこれで少し静かになるでしょう。

        南北連携して日本に向かって来たら困りますねw

        半島で潰し合いの紛争は日本を含めて周辺国の期待を集めているかも。

  4. phary より:

    <少しでも批判めいたものを言った瞬間メディアはバッシングを受けるし政治家は政治生命の危機に陥る。腹の中はどうでもアメリカの共和党大統領候補のトランプのようにはっきりしたモノ言いをする公人はまずいない。>
    公人どころか一般人でも、本音をいうのには相手をよくよく選ばないとという状況です。
    うちの本当に小さい町も600人の難民を受け入れるそうです。はっきり言って今までのような平和でのほほんとした田舎町のままでいられるかどうか心配です。ミュンヘンの大きな収容施設の周辺の路上はここが本当にドイツなのか?というくらいアフリカ系の人だらけですごく違和感がありました。しかも今後あと何人の難民がやってくるかわからない状態。施設での生活がかなり大変なのは重々承知ですが、もっと待遇をよくしろ!とストライキをやったりするのはちょっと違和感ありです。彼らを養うためのお金はみんな私達の払った税金だと思うと、年金がちゃんと支払われるかも定かでない身としては、祖国にいればもっと惨めな状況にあったかもしれないのだから、お世話になっている分際で不満を言わないで少しは我慢してほしいと思うのが本音です。でも、小心者の私はそういうことを家族以外には誰にもいえないでいます。

    • argusakita より:

      本当にミュンヘンは変わりましたね。一時は支那人が多くて、駅や街中の看板に漢字が多くなり煩い支那語の声が聞こえていましたが、最近は確かにアフリカ系が多くなっている印象があります。
      ドイツはドイツ人だけの国じゃないとか言われるのも時間の問題でしょう。

      PS メルケルのバービー人形って手に入りにくいですね。

  5. きりたんぽ より:

    テレビではわかりませんが、日本でも同じ報道をメディアでは報道していますね。

    北朝鮮が公式声明で「韓国」と呼んでいました、通常であれば「南朝鮮」「傀儡国」と呼んでいたのですが。 何に気をつかっているのでしょうか。戦後70年でオレたちの存在だって・・・・・と、どさくさに紛れたいのでしょうか。 

    民団のサイトでは特に目立った記事はないのですが、朝鮮総連では準戦時状態の宣布に関しての記事はありまして、朝鮮総連のこちらでは「南朝鮮」と呼んでいますね。

    こちらので記事です、朝鮮総連の「朝鮮新報」です。

    http://chosonsinbo.com/jp/2015/08/20150821riyo-2/

  6. きりたんぽ より:

    朴 槿惠・大統領が南北統一に関して述べていますが、万が一に統一する際に北朝鮮からの核の権限などを南朝鮮に触れさせることはアメリカなどは間違いなくさせないので現実的には不可能に近いと思います。

    生みの親や育ての親もであるロシアや支那など、さらに北朝鮮の核需要で利を得ている各国も北朝鮮の崩壊を阻止するのではないでしょうか。 

    朴 槿惠・大統領の父親である、暗殺された元・大統領の朴 正煕などは核武装をしたくて水面下から日本に協力を求めていたことがわかりアメリカに殺された歴史もあるので、アメリカは子に核武装は間違いなくさせないことだと思います。 

    • argusakita より:

      ヲンもKOSPIもシャレにならない水準になってきましたが、経済崩壊+干ばつによる被害でキナ臭い状態は続くのではないでしょうか。
      全く個人的な推測ですが北は実戦投入できる核は持っていないように思います。
      強いて言えば劣化ウラン他、汚い放射性物質・汚染物をミサイルに詰め込んだものが怖いかも。

  7. argusakita より:

    ドイツはオーストリア国境を一時的に閉じて検問を始めました。(シェンゲン協定でも一時的なものは認められる)
    オーストリアのファイマン首相が難民の扱いでハンガリーを非難したため、ハンガリー政府は駐ハンガリー・オーストリア大使を呼びつけて抗議。かつては二重帝国だった両国は非常に険悪な状態。

    ドイツは難民をところどころ各地の旧強制収容所跡地(記念館や跡地になっているので)に難民キャンプを作ってそこに滞在させていますが、ミュンヘンも数が多すぎておそらく郊外のダッハウの収容所跡地(記念博物館とシナゴーグと正教の教会があります)に誘導するだろうと思います。

    もしオーストリア側国境検問をブラウナウ(ヒトラーの生誕地)あたりでやっているなら結構ブラックなジョークにも見え、日本人のメンタリティでは考えられませんが、これぞまさにドイツ合理主義という気がします。

    難民が暴動を起こすのは時間の問題でしょう。

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