どこかトータルなものが感じられない再開発

秋田市と秋田県が何か動き出したようだ。しかし、どこか斜めな向きというか既に迷走に見えるのは気のせいか。殿様と行灯だもんなぁ・・・。早くこの二人、行動力のある若い人に代わってくれないものだろうか。あるいは、都市計画全体の司令塔をどこかから呼べないものだろうか。計画の目玉がとん挫したモスクワ・シティ(モスクワ国際ビジネスセンター)の規模ではなく、たかだか30万人くらいの街の話だ。
再開発というよりも1個、2個箱モノを作るという話なのだが・・・。

■県、市、JRで秋田駅前再開発(JR支社ビル建て替え)
以前書いた通り、あのJR支社の場所にランドマークになるような中高層ビルを建設するのは結構なことだと思うが、中身が『秋田版CCRC』というわかりにくいもので、ストレートに商業ビル+オフィスビル+市役所窓口サービス拠点の機能を計画しない理由は何だろう? ビル1つで『再開発』とはおこがましいが秋田では久々の大型案件ではないか!
向かいに位置するフォーラスやアルスを慮っての当面のアナウンスならば理解できるが、それならば両者の主要なテナントとは違う業種を集めたら良い話だし、耐震性に疑問のある老朽化した両建物の持ち主を刺激することで競争・相乗効果も見込めるというものだ。
閑散とした市内でとりあえずは曜日に無関係に終日公共交通機関や自家用車、人の流れの集まるあの(西口)駅前に富裕層の居住区を作ったところでおそらく入居希望は少ない。富裕層の望むものをどこか勘違いしているのではないだろうか。『秋田版CCRC』とやらを作るなら旧ホテルハワイの場所で千秋公園を借景とする場所と向きだろうに。(現国学館高校をどこかに移転してもらい、あの位置も有力)

■新文化施設を県民会館の場所に建て替え
現在の施設の老朽化と能力不足から見て当然の帰結のようにも思えるが、検討時間をかけた割には特段目新しいアイデアが無いのが不思議。筆者は旧ダイエー跡地を予想していたが、価格交渉で折り合わなかったか・・・。
座席数2,000の大ホールと800の小ホールの計画だそうだが、県民利用の800はアリかもしれないが、その機能は既存のアトリオンのホール(700)で良いではないか。コンサートやバレエ、オペラを考えると大ホール2,000ではロクなものが期待できない。人気アーティストがやってこない現在と大して変わりない。(現在1,839)
六本木のサントリーホールも2,000ちょうどくらいだが、あそこは何をやるにもチケット単価が○一つ違う世界で、秋田でそれは少々無理だろう。
地元アマチュア団体の利用を優先した計画なのかもしれないが、『観客』となる一般市民、特に若い人たちには物足りない中途半端な規模と思われる。せめて小ホールを無くして、仙台サンプラザ(最大2,710)を超える大ホール(3,000程度)くらいなら観客数で稼ぐアーティストのコンサートも可能だろう。
せめてたまには一つくらい単純に自慢のできる『東北最大級!』を作ったらどうなのだ?
ついでにアトリオンのホールも演劇やオペレッタができるような改修をしたらどうだろう。
問題は駐車場だが、和洋女子高に移転してもらい立体駐車場や地下駐車場を併設しないとせっかくの施設の稼働率が上がらない冬期大規模災害時の避難場所や備蓄場所としても地下駐車場は活用可能だろう。旧県立美術館を解体し駐車場にする方法もあるだろうが、あのロケーションは駐車場にするにはプライスレスにもったいない。
本物の美術館を建てるか郊外すぎて不人気な博物館を持ってくるかハピネッツの専用アリーナを作るとか・・・予算(起債か?)がいくらあっても足りないな(^^)。とりあえずは植物園にでもして22世紀の楽しみにしておくほうがベターかもしれない。

国学館と和洋の移転を軽く書いたが蔑視しているのではなく、秋田はもっと私立高校をまともにすべきという観点だ。地元の少子化に合わせていたら現在の公立高校の代替受け皿もじきに収斂してしまうだろう。
そうではなく、スポーツや芸術あるいは科学や語学に特化するなどの個性を出して県外・国外からも生徒を呼ぶような公立で難しいことを目標にする高校にすべきではないか? 国際バカロレア(IB)指定を目指すのもアリではないのか?
そのためには十分な教育環境・広さが必要なはずで、現在の敷地よりも県有地や市有地を代替地として提供し、移転してもらうのも一つの方策である。かつて茨島にあった高校・短大が創価系になったとはいえ、郊外に大きな敷地を確保して文武両面で一部ではあるがそれなりの成果を上げたことは素直に認めるべきだと感じる。
今後ますます秋田の高校教育は課題が浮き彫りになってくるだろうし、高校が問題という県民の意識は私立高校への助成に関してもコンセンサスの得られる空気がありそうな気がする。(早い話、少数の裕福な篤志家がいれば解決するが今の秋田では全く不在である)

■旧県立美術館
ん? ”なかいち”の開発の時に耐震性に問題があり『美術館移転後、解体』が予定されていたのではなかったのか? 美大の関連施設? それは新屋で何とかしろと・・・。新屋に美大を置いた意味が無くなるではないか。
改修に最大11億4千5百万円、解体なら約1億6千万円。
どうみても解体だろう。改修して維持するならそれを希望する人間達、財団なりが差額を集めるなりして行うべきで、住民投票にかけてもいいくらいだ。
例えば大きなグリーンハウスを作り、秋田の貴重な植物を集めたり、ビオトーブを作るなど、冬でも雪・氷とは無縁の明るい緑の歩行空間を作るのも今までの秋田にはない試み(セリオンの空間ではしょっぱ過ぎる)になるではないか。年寄りや子供が集まるだろうに。

今回のほぼ同時に発表された計画で、外旭川へのイオン進出は消えるだろうと予想するが、再開発の計画の予算がショボいことと、そのせいかスピード感のない進捗になればイオンの計画も息を吹き返すかもしれない。なにしろ新文化施設完成までには秋田県の人口は間違いなく90万人台だ。市民に『待てない』という声が上がってくればまた迷走するに違いない。
所詮、孤島のようなテーマパークもどきを作っても本質的な観光資源が元々無いのだから、遠方からの観光客にとってはサービスエリア的なポイントにしかなり得ず、ましてや悪名高き営利企業による商業施設なのであって、モノやサービスに対する購買力が低い現在の秋田ではあまりバラ色の状況は期待できないし、数年後には撤退の危機におびえることになる。
中心部の商業施設の(怠慢による)衰退は度し難いとしても、原資が少ない中で公共インフラへの継続的な投資・維持に関しては現実的な引き算で既存の中心部の維持が優先されるべきという行政の判断があるとしたらそれはそれで真っ当だと言わざるを得ない。

何にしても再開発めいたものは『やり直し』である。そこに必要なのは規模や予算だが、進捗を眺めている住民が感じるものは『スピード感』『期待感』なのである。
時間をかけてそこらじゅうであーじゃこーじゃ議論が煮詰まった末に出来上がったものが『ガッカリ感』満載では、やはり“なかいち”と同じ轍を踏むことになる。

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どこかトータルなものが感じられない再開発 への7件のフィードバック

  1. オジーブ より:

    『秋田版CCRC』について全くその通りだと思います。首都圏の富裕層とはいかないまでも首都圏の秋田出身者の同級生は、「何で年取ってから寒くて不便な秋田に住まなきゃならないの。伊豆半島、関西、沖縄、千歩譲って仙台でしょ」って嗤っておりますが・・・。厚生労働省の地域ケアのうたい文句の「住み慣れた場所で末永く暮らす」は、どうなったんだ?またもや身体障害者の棄民政策に続き、高齢者の棄民政策に秋田県は、手を貸すのか。ここまでやるのであれば、市の中心街に働き盛り、子育て中の勤労者が住み、高齢者が郊外に住むような住み替えの政策を進めるべきでしょう。若者が郊外に住まざるを得なくて社会インフラや商業施設が郊外に整備されることが望まれ、秋田市の中心街が空洞化して、商業施設が撤退していく。その対策として首都圏の富裕高齢者を秋田駅前に住まわせる?秋田駅西口って東京の練馬区江古田駅前(前出秋田出身同級生在住)より魅力ありますか?少し、井の中の蛙すぎませんか。

    • argusakita より:

      こんにちは(こちらは おはようございます ですが)

      (^^♪ 日芸 武蔵 武蔵野音大 思い出の街
      江古田、たまに遊びに行きました。

      秋田は100、200m掘ったらどこでも温泉出ますから温泉くらいは付けるかもしれませんが、富裕層誘致というのは土台コンセプトに無理がありますね。アドバルーンだと思いますが。

  2. オジーブ より:

    こんにちは いつも読ませていただいてありがとうございます。「・・・アドバルーンだと思いますが。」っていうのはそうかもしれないですね。本当の目的は、首都圏の生活保護受給者や精神障害者の受け入れではないかと少々疑っております。まあ、その方が医療関係者も賛成でしょうし。

    • blogファンその1 より:

      横から失礼します。

      さすがに痩せても枯れても県庁所在地の玄関口ですから、そこに福祉拠点というのはどうでしょう。ただ、設置反対運動は確かにペット霊園以上にし難いです。
      それに生活保護受給者や精神障害者なら財源付きで来てもらわないことには秋田は破たんしてしまいます。ただでさえそれらの予算が馬鹿にならずしかも増加しているでしょうから。

      郡部では財源付きなら十分受け入れる可能性はありますね。

  3. オジーブ より:

    やはり郡部では受け入れる可能性はありますか。
    ご存知かもしれませんが今年4月から特定施設(一部を除く)の住所地特例の改正法が施行されて財源付きで可能なんですね・・・。愛する郷土が発展していくのであれば賛成したいですが、秋田の将来像って行政主導で決まっていくんですかね。

    • argusakita より:

      4月の改正の適用除外施設入所者や養護老人ホーム入所者の介護保険施設入所の場合でも保険給付は住所地特例と同じにするというやつですね?
      介護老人や身体障害者、重症心身障碍児、ハンセン病患者などが地方にどんどん移動するのでしょうか。

      行政主導というよりも首都圏主導の行政に何故地方は声を上げないのか・・・。交付金で縛るんでしょうね・・・。

  4. argusakita より:

    16日の県議会本会議の答弁で殿様は新文化施設について大規模な駐車場を整備しない方針を示したそうだ。
    代替駐車場は秋田ニューシティ跡地(大町)や市営駐車場だそうだ。

    ホントに馬鹿だなと感じる。
    あの千秋公園の近くに駐車場を設けて大型バスも停まれるようになれば、文化施設の利用者だけではなく中心部への観光客にとっても便利ではないか。
    ニューシティ跡地や市営駐車場から年寄りも子供も歩け(例え冬場でも)ということか。
    例え文化施設が人気なくても駐車場だけでもそれなりに稼げるだろうに。
    民間の経営者を入れてフィジビリティスタディをしないとこういった間抜けな方針が平気で出てくる。

    情けない話だが、殿様はもう辞めたほうがいい。

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