幸せな日本の年寄り達は若者の日本離れをよく見るべき

日本ではシルバーウィークの連休中で敬老の日で、さぞやあちこちで『敬老』をテーマにイベントが開催されていたことだろう。
以前、
長生きは褒められない時代(2011/10/12)
を書いた際に沢山メールをもらい苦笑したが、筆者もそう遠くない将来に年寄りの統計に組み入れられるわけで決して他人事ではない。


時々送られてくる年金定期便を見ると家内と合わせても年間X00万に届かないらしい。おそらく年金だけを考えれば年代的にギリギリ『逃げ切り組』なのだろうが引退後に公的な年金でノンビリできるかどうかは不安のタネだ。もし30年以上払ってきた年金税を別に運用出来ていたら個人的には結構安心する状態を確保できたかもしれないし、運用に失敗したかもしれない。いずれにせよ、いざ年金をもらう段になって円安が強烈に進めば(可能性は高い)日本の年金支給額では一体どうなることやら。
と同時に、それらを支えるはずの愚息・娘達の世代が相当に悲惨なことになりそうで能天気に『敬老』などと祝う気持ちには到底ならない。

ヘルプエイジ・インターナショナル(本部:ロンドン)という団体が、『年寄りが生きやすい国ランキング』というのを発表している。
global-ranking2015これは年金の支給率やカバー率や年寄りの貧困率などの『所得保障』、平均寿命や健康寿命などの『健康状態』『雇用や教育レベル』、公共交通機関へのアクセスなどの『構造的な環境』の4つの指標からランキングを算出している。
日本は、所得保障はランキング33位、健康状態1位、雇用や教育レベル7位、構造的な環境21位で総合では96か国中8位である。
global-ranking2015-asiaアジアで見ると断トツのトップで、次点が34位タイ、41位ベトナム、46位スリランカ、50位フィリピン、51位キルギスタン、52位支那、58位タジキスタン、60位南朝鮮と続く。

8位という総合順位がどこか実感が無いのは33位になっている所得保障(端的に言えば公的年金)が低いせいと『構造的な環境』の21位によるものだろう。
東京にいても秋田のような地方にいても所得保障に関しては物価をはじめ生活コストの高さから所得保障が十分ではないと感じるだろうし、公共交通機関などの社会の構造的な環境は東京に比べて地方ではミゼラブルであり、さらに今後ますます悪化すると思われる。
健康状態1位というのは誇るべきことかもしれないが、島国の特性として感染症等が入ってきにくいことや、公衆衛生の教育が行き届いていることや食文化が比較的健康重視のため当然と言えば当然な印象もあり、それに加えて医療体制が比較的しっかりしていることが1位の理由であることはわかりやすい。しかし、乱暴な言い方をすればこの1位が少々下がっても33位や21位のものを上げるような財政的なシフトを行わないと(日本人が満足する)『年寄りが生きやすい国』にはならないだろうし、この2つがさらに下がっていけば総合順位(順位自体に大きな意味はないと思うが)が下がり『年寄りが生きにくい国』になっていくのは明らかだ。

若者にとっては賃金格差(特に24歳以下)が大きく、既に『生きにくい国』になっているのだが、若者もどうやら黙ってはいずに生き方を変えようとしている。
外務省の『海外在留邦人数調査統計』で明らかなように、日本を脱出していく人がこの10年ぐらいで相当数増加している。しかも10代、30代、40代の脱出組が増えているのだ。20代がそうでもないのは、既に賃金格差等で『脱出できない』若者が増えていることを表しているかもしれない。
10代が多いのは、企業の海外進出に伴う親の海外勤務をきっかけとしてそのまま日本に戻らないケースが多くなっているそうだ。活躍の場を海外で求めるのはごく自然な流れだと筆者は考えるが・・・。
30、40代はそこそこ脱出資金もメドが立ち、硬直化した日本の社会や企業の仕組みに失望し海外に新天地を求めるという勝負に出るケースも多そうだ。(経験的によくわかる)

年寄り達が日本は『まあまあ生きやすい国』と喜んでいる間に若者達が静かに国外に消えていく、日本の現在の状況はどうやらそんなものらしい。
global-ranking2015-2050そう遠くない10~15年後ぐらいには『年寄りも若者も生きにくい国』になっていそうな予感がする。年寄り特に団塊の世代とそれ以上の世代の社会保障を分離するか、30歳以下の社会保障を分離するなりしないと間違いなく日本は社会保障で沈む。
政府から見たら、社会保障の大問題を指摘せず、すぐには問題にはならない安全保障などに若者の目が行くことは問題隠しになり非常に結構なことで、ほくそ笑んでいる連中がいることだろう。(この点でSEALDsなどは近視眼的な視座しか持たない物足りない若者の集団に見える)

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幸せな日本の年寄り達は若者の日本離れをよく見るべき への6件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    高齢者は、単に肉体労働が出来なくなるだけで、やれることは多い。
    高齢者がやるべきなのは、若い世代にお金の一部を渡し、投資経験などを積ませること。
    培ったノウハウを継承する事も重要。 一言でいえば、生き残るための教育。

    毎年100万円投資し、平均8%で運用すれば、30年で1億2186万円。
    早期リタイヤし、資産運用だけしながら悠々暮らせる。
    (ダウ平均の50年間のリターンは年平均12%で、インフレを4%と仮定して、8%は現実的な数字。)

    教育に金を掛けない秋田県が最速で衰退したのは、当然のこと。.
    大酒ばかり飲んで、無為に年金を浪費するのではなく、若者にチャンスを与えるべき。

  2. 若者の本音 より:

    なんとなく、ブルーベリーさんは悠々自適な方に見えますが…、
    お言葉ですが、

    >高齢者は、単に肉体労働が出来なくなるだけで、やれることは多い。

    労働者の8割がたは肉体労働とその人の時間を切り売りして報酬を得ているわけで、体が使い物にならなかったらやれることなんて大したことなくなるのでは?

    >高齢者がやるべきなのは、若い世代にお金の一部を渡し、

    具体的にどんな方法で『渡す』のですか?

    >毎年100万円投資し、平均8%で運用すれば、30年で1億2186万円。

    銀行の窓口でNISA売ってるアンポンタン女子行員の売り口上みたいです。
    キャピタルゲインの総合課税でいくら持っていかれることか。
    30年間のダウ平均なんていっても、為替を考慮したらどうなりましたか?

    そもそも今の20代でタネになる100万を日々の生活からひねり出すのが難しいでしょうし、それができるくらいならそんなに必死に頑張らなくてもいいポジションにいるんじゃないでしょうか?(正規雇用とか)

    高齢化は日本だけじゃありませんが、今の社会に歓迎される高齢者はどんどん浪費してくれる高齢者と元気で突然ポックリ逝く高齢者だけでしょ。

    • ブルーベリー より:

      肉体労働ができなくなると殆ど何も出来ないと?

      そういう人に何を言っても無駄だと思うので、敢えて反論しません。

      • argusakita より:

        いや、若者の本音さんが言っている肉体労働というのはもっと広義だと私は解釈しました。
        ブルーベリーさんがどういう仕事をされている(いた)のかわかりませんが、少なくとも私の仕事では肉体の衰えは確実に役立たずになりつつあると感じますね。

        入院したりして弱気になった部分もありますが、目の老化で書類を読む速度も遅くなり、英語も単語が出てこなかったり、体力が衰えると夜間等の集中作業が必要な場合も足手まといになるし、打ち合わせもあちこち飛び回るのも億劫になるし、エンドレスみたいなものもちょっと付き合えない。
        これらは全て肉体(が必要な)労働で、現実に生産性が低下している証拠ですからね。頭だけじゃどうしようもない。
        歳とって頭だけで何とかなりそうなのは物書きや創作活動で、肉体労働という生産活動はほとんどダメですよ。
        私は素直に認めています。

      • 若者の本音 より:

        replyがあるかなと見に来たら「反論しません」と捨て台詞だけとは。
        上品さを気取った典型的な頑迷な年寄りですね。
        適当なことを書いているので指摘させてもらっただけで、
        少しは具体的にQに対するAをお願いしたいものですね。

    • argusakita より:

      なかなか、ストレートな(^^)。

      そうですね、若い人がタネを手に入れるのはなかなか時間がかかりそう。
      スマホやめたら、年間15万くらいは軽く浮くでしょうけれど(^^)。

      まずは、借金してゆうちょの上場でドンと買って、すぐに売るのからスタートという人もいそうな気がします。
      昔NTT上場で160万で買って290万で売った時(その後310万くらいまでいったかな?)、サラリーマン辞めてトレーダーで食えそうな錯覚持ちましたからね(^^)。

      若い奴はまじめに働けぇ~(^^)。
      ただし、『修行期間』の見極めは必要。守破離です。

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