『3』が万人に好かれる数字とは言っても・・・ ~新3本の矢~

まだ少し時差ボケでぼーっとしているため1週間分くらいの記事などを斜め読みしている。
アベノミクス第2ステージ新3本の矢というのが発表され『1億総活躍社会』なのだそうだ。
(1)希望を生み出す強い経済—–>20年を目標に名目GDPを600兆円
(2)夢を紡ぐ子育て支援———>1.4程度である合計特殊出生率を1.8に(期限不明)
(3)安心につながる社会保障—–>介護離職ゼロ(離職ゼロって?)
岸内閣の後の池田内閣(国民所得倍増計画)のように『安全保障の後は経済だ』というのなら、景気づけにGDP1,000兆円くらい(現在の倍)掲げたらどうなのだろう。
ちなみに旧3本の矢は、
(1)大胆な金融政策(日銀頼みの異次元の金融緩和—>もはや出口見えず)
(2)機動的な財政政策(公共投資—>失業率減るのは当たり前)
(3)民間投資を喚起する成長戦略(規制緩和と思ったら企業向け減税が主だった)

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(これ、3本の矢の折れている部分を握って隠しているのでは?(^^))

旧3本の矢で確かに最初の1矢の金融政策だけは見事に的に的中し株価は上がり、年金運用で運用益も出て少々一服だったが、円安でコストプッシュインフレを起こし、消費税上げのタイミングも悪く株等のマネーゲームを楽しむ層と輸出主体の企業には明らかに恩恵があったものの一般国民にはどうだろう?
そもそも教科書的には日本のような変動相場制の国では景気刺激のためには金融政策が有効であり財政政策の効果は無いというマンデルフレミング効果について言われていたため旧(2)がアカンというのはわかっていたことである。ただし、無理矢理の公共事業によってほぼ完全雇用状態(日本では完全失業率3.7-4.3%がそれに相当と言われる)になったため(これまた教科書的には)その後の賃金上昇につながるかと思いきや未だに大きな動きにはなっていない。正規雇用の賃金を上げ同時に正規雇用の数を減らしているのだから全体では労働者側隅々まで恩恵が無いのは当たり前。
旧(3)についてはいくつかの特区が発表され、サンダーバードのモグラーにでもなるような安倍首相の威勢の良い演説もあったが、部分的な規制緩和が行われつつあるもののその効果はまだ海のものとも山のものとも・・・。
要するに1本目は確実に的を射たが、2本目3本目はどこに飛んだかわからない、あるいはまだ的(の方向かな?)に向かってゆっくりのんびり飛んでる最中のようだ。(矢と言うのはピューンとスピード感を持って飛んでいくイメージだが)

そこで新3本の矢なわけだが、一層不透明感の増したものになってしまった。
(1)の名目GDP600兆円(2015年度見込みは504.9兆円)というのは、2015年2月12日の経済財政諮問会議による試算の計数表の『経済再生ケース』に書かれてある2020年度599.4兆円、2021年度621.2兆円をそのまま話しただけで(実際、甘利経産相も”東京オリンピック後”にと発言)、楽観的な見込みに過ぎず、『ベースラインケース』(大体はこのセンあるいはそれ以下で現実は推移する)では、2020年度543.8兆円、2021年度551.5兆円である。

(2)子育て支援については“いつまでに”という期限も示さず、単に1.8を目指すという不思議なもので、どんなに国が頑張ってもせいぜい1.8で頭打ちなのではないかと表明したのではないかと勘ぐってしまう。
何故少子化なのかという議論で出てくる国立社会保障・人口問題研究所の大14回出生動向基本調査の平均希望子供数の既婚、未婚の男女のそれぞれの数値は1982年の調査以来ほぼ下がりっぱなしである。特に顕著なのが独身男女の希望子供数が下がっていることだ。
子供3人を持った経験から言えば、子供ができてしまえばもはや選択の余地などは無く何とかして育て上げないといけないとなるのは当たり前で既婚者に対する支援などはそこそこでいいはずだ。セーフティネットは別として、行政に見放されたからと言って子供を捨てる親などあり得ない。
そもそも、独身男女が結婚しない(できない)あるいはしたくない理由のトップが『結婚資金』であり、『子育て支援が不安だから』などとは答えていない。
要するに結婚という入口をまず容易にしてやることこそ行政のやるべきことではないのか。
ちなみに独身生活の利点では断トツに『行動や生き方が自由』で、これを守りたいという独身者が多い限り<結果的な>出生率の向上は望めない。
子育て支援よりもここはやはりヒトラーの有名な施策『結婚資金貸付法』だろう。

(3)安心につながる社会保障という幻想は北欧の人口の少ない国でかろうじて成り立っているだけで、人口が1億(しかも3人に一人が年寄り)を超える日本のような国で万全の社会保障など実現できた国は歴史的にも無いではないか。例え社会主義でも。ましてや人口の年齢構成が悲劇的な日本である。理想論は時間の無駄である。
そもそもその北欧のモデルでさえ難民・移民の流入で崩壊に向かっている。
社会保障については長くなるのでまた改めて書きたいが、介護離職ゼロという文言だけでも面妖な話だ。
介護という労働が既に3K業種とされる今、特別養護老人ホーム(特養)を大幅に増設・整備し、親や親族を介護するために離職する人をゼロにしようという施策は、サラリーマンには変わらず働け(税金を納めろ)という意味しかない。
まずは介護現場の待遇改善や職員の増員・教育・訓練の徹底が先で、これでは住所地特例の改正と合わせて特養を経営する側が儲かるだけの構図。
結果的に介護離職ゼロではなく介護職ゼロを目指しているとしか考えられない。(ひょっとして日本人の介護職ゼロを目指しているのか?)

安倍政権支持者には2種類いて、安保法制のように憲法、国防に関する安全保障政策の支持者新自由主義的な経済政策(筆者に言わせれば新自由主義には全然不足、半端だから好結果が出ない)の支持者がいるが、こんな新3本の矢では、そろそろ後者も支持の気持ちが凹み始めるのではないだろうか。
現在はとりあえず長期安定政権を見込めるのだから方向を間違わないで欲しいものだ。

それにしても、前回3本の矢だったからまた3本とはイージー過ぎるが、政治家に限らず人間は古今東西『3』が好きなようだ。
二度あることは三度ある、三人寄れば文殊の知恵、石の上にも三年、三つ子の魂百まで、三大花火、三大美人、三位一体、・・・今回の新3本の矢は何となく『朝三暮四』や『駆けつけ三杯』的(国連に行くため時間が無かった?)な感じである。
まあ、秋田県知事や秋田市長のように『三年飛ばず鳴かず』よりはいいだろうか。
しかし、仏の顔も三度まで、三度目の正直、三途の川というのも日本人は皆よく知っている。
筆者の場合は、1か月ぶりに帰ってきた(またすぐにウィーンに戻る予定だが)ため、
『世の中は三日見ぬ間の桜かな』
だろうか。

PS. 石破派立ち上げ、水月會(しかし会合は毎週木曜日(^^))。権力闘争してる場合じゃないんだがなぁ・・・。トガシ氏は水月會参加か、伝統的なバラ撒きの臭いがするんだろうな。

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『3』が万人に好かれる数字とは言っても・・・ ~新3本の矢~ への5件のフィードバック

  1. 契約秘書 より:

    偶然こちらのblog拝見しました。

    新しい3本の矢は全部女性に刺さってきそうです。

    (1)しっかり働いて税金を払いなさい
    (2)子どもを2人以上産みなさい
    (3)特養なり介護つけるなりして親の面倒をみなさい

    強い経済って何ですかね?
    私はできれば専業主婦でいいんですけど(笑)

    失礼しました。

    PS おもしろそうなので、過去記事もいろいろ拝見させてもらいます。

    • argusakita より:

      はじめまして

      >新しい3本の矢は全部女性に刺さってきそうです。

      (^^)なるほど。これから女性は『輝く』ともてはやされて大変だなと思います。
      仕事に育児に(できれば介護も)と。

      >強い経済って何ですかね?

      安倍首相の定義としては例え名目GDPがマイナスでも実質GDPがプラスで持続していくことなのだろうと思いますが、どうなんでしょう。
      経済成長の指標とされるGDP自体、私はあまり意味が無さそうな気がしますし、実質GDPを追うなら人口が減少していく以上プラスを持続することは無いという気がします。

      GDPの内訳には『持ち家の帰属家賃』というのがあって日本のGDP500兆強のうち50兆円くらい含まれています。
      そのうち主婦の家事・育児も金額換算されてGDPに含まれるようになるかも(^^)。
      (GDPが数兆円増えるはずです)

  2. きりたんぽ より:

    機会があれば現代の学生の道徳の教科書だけでなく家庭科の教科書をご覧になってみてください。特に女性に関しては現代の問題に誘導していくニュアンス文言が多いものです。素晴らしき反日・日教組教育。

    消費税増税もですが正規雇用を減らしているのは「反・安倍組織」でアベノミクスではありません。

    経団連含めた、竹中平蔵などを主導とした移民・難民を受け入れグローバル万歳という組織です。

    外国人を入れて最低賃金が下げられますし彼らにとってはおいしいものです。

    日本のメディアなどはこの安倍政権が全ての悪の根源として都合の良い主観で印象を操作していますね。

    今年の元旦のテレビ朝日の「朝まで生テレビ」で竹中平蔵は「正社員をなくしましょう」の発言がありましたね。

    竹中平蔵の本音発言はこちらです。 

    http://news.livedoor.com/article/detail/9634197/

    残念ながら安倍政権前と比較することをしたら嘘がバレますので都合の悪い雇用回復の統計数字は出しません。

    各会社の人件費を上げるかはそこの経営者の権限ですから、さすがに政府が手をつけることは不可能でしょう。しかし安倍政権はメディアを通じて懇願のようなこともしていましたが。 

    2012年の12月に安倍政権が誕生しましたが、この誕生する前にすでに円高・デフレの影響で失業・倒産していた方達は、円高・デフレの中では復活することは不可能です。

    元の位置に戻り円安にしなければ復活できないものは当たり前のことですが、一緒になって円安に向けているアベノミクスを批判している極度の矛盾でしょうね。

    長いデフレの中で雇用の復活はただでさえ時間がかかり、反日左翼の反安倍組織が一緒にくっついている以上にかなり困難の中でも現在のこの結果です。

    超円高・デフレを主導する反日・民主党政権に戻りたいでしょうか?

    円高・デフレの影響で失業・倒産したにも関わらず、それでも円高・デフレに戻り再度また永眠につきたいのでしょうか。

    円高産業がアベノミクスを批判するのはわかりますが、過去から今も円高・デフレの影響で雇用問題で苦しんでいる方はアベノミクスを批判するのであれば中途半端過ぎる政策と「反・安倍組織」に非難すべきでしょうね。

    円高・デフレの影響で沈み、アベノミクスでも復活できないとなると、どちらにしても円高・デフレに戻しても現在のアベノミクスでも復活はあり得ないのでどちらも関係がないものだと思います。

    今日のニュースでも出てましたが、秋田県内の来春卒業する高校生の新卒求人が増え続け、過去20年の中でも求人倍率は過去最高になっています。

    • argusakita より:

      結局、きりたんぽさんはアベノミクスを評価しているのかそうでないのかよくわかりませんが、私は、安倍政権は憲法改正はヘタれたものの外交と安全保障周りの政策と旧3本の矢のうち金融緩和だけは評価されていいのではないかと思っています。アベノミクスは40点くらいじゃないですか?
      こういう立ち位置の場合、反・安倍組織側なのでしょうか?

      >経団連含めた、竹中平蔵などを主導とした移民・難民を受け入れグローバル万歳という組織です。

      以前書いたようにグローバリズムはイデオロギーですし、大企業特に多国籍企業はボーダーレスが究極の望ましい状態ですから当然の行動だと思います。
      彼らが右肩上がりを追及するのをやめたら日本は相当に貧乏な国になりますよ。

      フリードマンやベッカーの新自由主義からみたら、竹中平蔵ですら半端と言えるでしょうし、フリードマンが挙げた国家としてやってはいけないこと(14項目あります)をほぼ全てやっている日本は官僚が保身から社会主義を選択しているようなもので、そんな日本の現状はそう簡単には変わりませんよ。

      高卒の求人倍率が何に対してインパクトがあるというのでしょうか?

      • きりたんぽ より:

        歴史問題含めて反日・左翼が安倍政権になって全てに焦っているのは十分にわかります。円高・デフレ時に活躍しているあらゆる分野の人たちはメディアから消え去っていくのも目の当たりにしますので、強調プロパガンダをして保持していかないといけないものだとわかります。
        海外と日本の生活をしながら通貨の両替をしなければいけない人達は為替変動に振り回されたり経営に差支えがあるのだとも思います。円高を望む人たちは多くいるのはわかります。

        昨年の12月の選挙の公約で安保法制はありましたので、自民党が特に変わらず勝利したのは国民が選んだわけですから無駄な国会が長引いたということだと思います。

        反日・左翼と呼ばれる側からは国境をなくそうというグローバリズムは日本のため・・・いや自分達のためだったわけですよね。

        スローガンのように戦後の日本を民主化してやったという連合軍と同じ仕組みですが、すでに通じないのは現実です。おかげで現在を見てもかなり疲弊しつくしましたよ。

        経済政策で雇用を増やすのは当たり前ではないでしょうか。失われた20年の中で過去最高の結果が出ていますよね。

        県内から労働生産の人口減少が少しでも食い止めることができるようになることが全てにつながる大事なことだ思いますが、これがインパクトがないのはあまり日本や秋田に関心がないからでしょうか。

        グローバリストというのは、実際はいいとこ取りですからね、在日商人に近いものがあると感じます。

        そして、雇用・失業などに関して数字の操作で良い印象を与えているといいますが、なぜ円高・デフレ時に強烈な悪化した数値はそのまま公表してなぜ良く操作しなかったのでしょうか。(実際はもっと悪かった!?)

        実際は悪化した時はそのままで、回復し出すとそれは操作をしているからという、いかにして日本が悪い状況に陥ることを望み(プラス安倍政権批判)公表したがるこれもまさに左翼ロジックでしょうか。

        人件費の高い日本人の若者などを海外に移住を促し、逆に移民・難民を日本に受け入れたがる、これぞまさしく選挙で当選したわけでもなく国民に選ばれていない民間議員の竹中精神ではないでしょうか。

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