便乗移民の強制退去とロシアの巡航ミサイル攻撃開始

そろそろウィーンに戻る準備をしているが、難民・移民問題や中東地域の不安定さがまた動き出した。

イギリスのThe Timesによれば、EUが数週間以内に何十万かの庇護希望者のうちシリア難民ではない便乗移民を中心に一斉に強制退去をさせる計画が明らか(リーク)になったようだ。
特にニジェール、エリトリアなどからの経済移民から始まるようで、対象国が受け入れを拒否した場合は経済援助打ち切り、貿易取引、ビザ発給の停止等の制裁を課す予定らしい。(日本もかつて南朝鮮に対して同様に強く出るべきだった)

既にドイツのガウク大統領が『ドイツにも物理的な限界がある』と発言したこともあり、最近は各国のメディアでは2週間前くらいは毎日のように報道されていた各国国境付近の難民・移民の映像や情報はニュースにならなくなってきた。
気候も冬に向かい今月25日からは冬時間になる欧州では、多少手荒な方法でも餓えや寒さで欧州で死亡者が多数出るよりはアフリカに帰還させるほうが人道的だという意見が出たのかもしれない。
考えてみれば欧州全体ではスターリン時代の大飢饉と粛清に伴う難民、ヒトラーによるポーランドの難民、大戦後のイスラエルに向かう難民(イギリスが欧州に強制送還)以外にもプラハの春やベルリンでの(壁が出来る直前の)亡命や旧ユーゴ解体時のセルビア、クロアチア等からの難民なども経験しているため、今回のシリア難民も初めての経験というわけではないだろう。無論、従来の難民や亡命者の移動とは人種と宗教の点では経験がなかった部分もあるだろうが・・・。

問題はシリア、ヨルダンあたりからの難民・移民だろう。帰るべきシリア地域(既にシリアという国は無いに等しい)の状況が一段と悪化している。
ロシアが俄然やる気を出し始め、建前上アサド政権と協力しながらISを攻撃するフリをしながら反(アサド)政府勢力を攻撃しているらしい。
シリアの基地から出撃し空爆を行っているが、Su-24の爆撃には最新のSu-34が護衛機として付いていて、Su-34は空対空ミサイルを搭載しているという。ISも反政府軍も航空勢力など全く無いにも関わらずだ。明らかに空対空ミサイルの仮想敵はアメリカ、サウジ、トルコ、フランス、オーストラリアのISに対して空爆を加えている国だ。
これに加えて、7日にはカスピ海からISの攻撃目標に対して26発の巡航ミサイルによる攻撃を発表し、なんとYouTubeに投稿までしている。

プーチンは地上部隊の派遣は無いと公言しているが、1,500km離れたカスピ海からの攻撃をアピールすることは中東における明確なプレゼンスの誇示であり、同時にウクライナ問題に関してのNATOに対するアピールなのだろうし、ウクライナで妥協しなければシリア難民のEU流入は増え続けるぞという脅しでもあるはずだ。
大統領選日程が詰まってくるアメリカも病院の誤爆でますます動きにくいことを十分意識してのことだろうが、中東で一触即発状態のアラートレベルが一段と高まったことは間違いない。
領域侵犯等で業を煮やすトルコやイスラエルやイランあたりがキレたらあっという間に第五次中東戦争(あるいは代理戦争)の泥沼開始になるではないか・・・。

ノーベル賞で盛り上がっているスウェーデン沖のバルト海ではまたNATOの各国空軍の演習が増えるだろうか。
外交と武力はどこも一体だ。

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