戦争、武力行使が自己目的化しているのがアメリカ

英FT紙を始め各紙でここ数日盛んに出てきたFreedom of navigationというミッション名。
南シナ海での支那による人工島建設と領海の主張に対抗するアメリカがそれらの人工島の領海とされる12海里に『航行の自由』を主張して艦船を派遣するというものだ。
カーター国防長官や、海軍のトップ等の発言もあり、ここ数週間以内に何らかの動きがあるだろうと見守っている向きは多そうだ。
当然、支那は猛反発しているが口先では強がりを言っても内憂外患状態の支那としては相当に脅威を感じているだろう。

オバマは武力行使特に陸上部隊の派遣には歴代大統領の中でも最も慎重(及び腰)で常に非難を浴びているが、ここにきてアフガン駐留の撤退計画を変更し再来年以降も駐留延期を決めた。(無論次期大統領がどうするかは不明)
さらに、TPP等のブロック経済での『支那にルールを決めさせない』とあからさまに『支那排除』を主張し出し、先般のシー・ジンピン訪米も徹底して冷たくあしらった。
IS掃討も進まず、むしろロシアのプレゼンスを招いた結果によって、
<アメリカ、有志連合> vs <ロシア、シリア、イラン>の構図が鮮明になり、その隣ではイスラエルvsパレスチナも際どい情勢になってきた。
大統領としてのほぼ唯一の大きな実績がキューバとの国交回復では歴史に残らないと判断したかどうかはわからないが、とにかくオバマは何かを決断したように見える。(とは言うものの演説だけはピカ一なため今回もブラフだろうという見方もある)

無論、対支那で互いの本土を巻き込む全面戦争は両国が核を持つだけに考えにくいが、南シナ海での海軍力+空軍力の衝突は十分あり得るだろうし、既に綿密な計画が出来上がってからの大統領や国防長官・軍関係者の発言と見るべきだ。
16navy1_2304049_dotted_line今週、インド洋では日米印の演習Malabar(マラバール)が実施されている。支那の主張する九段線(赤い舌、図の緑色の線)のエリアは日本にとっても死活的なシーレーンであるため、安保法制の施行を前倒しして日本の参加もあり得るかもしれない。ただ、今の時点では攻撃的兵器を持たない日本はやはり『巻き込まれる』的な感覚が払しょくできない。また、南シナ海での武力衝突が東シナ海での日本vs支那の衝突を誘発しない保証はないだろう。キナ臭い話である。(と眺めていられる状況なのかどうか)

何しろ、アメリカは圧倒的な物量のみならず実戦経験も豊富で、真珠湾以降を見ても、

1941年~1945年 太平洋戦争、第二次大戦(欧州)
1950年~1953年 朝鮮戦争
1958年 レバノン派兵
1961年 キューバ侵攻・ピッグス湾事件
1961年~1973年 ベトナム戦争
1965年 ドミニカ共和国派兵
1970年 カンボジア侵攻
1971年 ラオス侵攻
1982年 レバノン派兵
1983年 ニカラグア空爆、グレナダ侵攻
1986年 リビア空爆
1988年 イラン航空機撃墜
1989年 パナマ侵攻
1991年 湾岸戦争
1992年 ソマリア派兵
1993年 イラク空爆
1994年 ハイチ派兵
1995年 ボスニア・ヘルツェゴビナ空爆
1996年 イラク空爆
1998年 スーダン空爆、アフガニスタン空爆、イラク空爆
1999年 コソボ空爆
2001年 イラク空爆、アフガニスタン戦争(継続中)
2003年 イラク戦争、リベリア派兵、ハイチ派兵
2007年 ソマリア空爆
2011年 リビア攻撃、パキスタンでウサマ・ビンラディン殺害、
11月に豪州でアジア太平洋地域を軍事的最優先に位置づける演説
2014年 ISに空爆(継続中)

と、誰が見ても文句なくスーパーパワーだろう。

一方の支那は、実戦といっても共産党創設以来の他国との戦争・武力衝突では、朝鮮戦争、ベトナム、インド相手程度の経験しか無く、しかもベトナムには負けている。また、陸戦以外の戦闘経験はほぼ無いに等しく、海戦などは共産党以前の日清戦争以来無い。
仮にアメリカvs支那の武力衝突が起きても短期間(数日)で決着すると言われるものの、支那が明らかに負けた場合はただでさえ不安定な国内で様々な蜂起もあり得る。
そもそもアメリカに敵対した場合は即座にアメリカの国債(約150兆円)が無価値になるため、支那の経済が崩壊する。
日本も含めて世界の大方が望むのは支那共産党が崩壊し、例え数か国に分裂しても14億の大人しい市場を残し、できればTPP等のブロック経済に引き込むことであるため、アメリカは今回は案外本気かもしれない。
来週はシー・ジンピンが国賓としてイギリスを訪問する予定で留守になる。アメリカが共産党崩壊を狙うなら絶好のタイミングであることは確かだ。

それにしても、上記のようにアメリカの軍事行動を並べてみると、いかにアメリカが好戦的であるかがわかるが、全世界にいるアメリカの戦力を全部国内に帰還させることは既に不可能と言われ、それだけ既に軍事行動そのものが軍産複合体の経済システムに組み込まれていることが理解できる。軍産複合体の過剰生産が世界のどこかで『消費場所』を求めているということだ。
その過剰生産を引き起こしたのは、実はアメリカが本気モードになった太平洋戦争だろう。
日本に打ち勝つために圧倒的な物量と工業生産力の急激な増強を行った結果、大戦後にその過剰生産システムを生かすためにはやはり戦争・武力衝突を世界のどこかで作り出し、四六時中戦争をしている国になる必要があった。泳ぎ回らないと酸素不足で死んでしまう大型回遊魚のようなもので、アメリカとはそういう国だと筆者は理解している。

穿った見方をすれば、アメリカをそうさせたのは敗戦国日本とドイツであるかもしれない。
歴史に”もし”は無いと言われるが、もし日本とドイツがあそこまで徹底的に負けずに早々に連合国と手打ちをしていたならば、支那共産党による1党独裁も、旧ソ連・ロシアといった自身が持て余すほどの大きな国は成立・持続していなかったに違いない。
筆者のドイツの知人は進出先のベトナムから現地スタッフ以外は全員引き揚げたそうで、南シナ海周辺ではそれなりに不穏な動きがあるのかもしれない。
筆者としてはウクライナ問題が優先順位の高い問題なのだが、NATO vs ロシア、中東、南シナ海と一斉に武力衝突というのはまんざらあり得ない話でもなさそうだ。

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カテゴリー: 迷惑な隣国, 国際・政治, 海外 タグ: , , , , , , パーマリンク

戦争、武力行使が自己目的化しているのがアメリカ への1件のフィードバック

  1. argusakita より:

    先ほど、ハーグの国際司法裁判所で、支那の九段線に法的根拠無しとの判決。
    ・支那は歴史的に海や資源に関して排他的支配を行っていた証拠は無い
    ・支那はフィリピンの主権を侵害した
    ・人工島を構築することにより、サンゴ礁の環境に深刻な被害を引き起こした

    BBCによれば、こんなところかな。

    さあ、支那の反応が楽しみです。

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