安全祈願祭を説明できますか?

秋田の地元新聞紙サイト(写真はそこから拝借)を眺めていたら、秋田空港の除雪作業を前に安全祈願祭を行ったという記事があり、そうか、もうそんな季節なんだなと見ていたところ、ある社員さん(ロシア人)の気を引いたようで、
『ボス、それは何の行事だ?』
と聞くので、一瞬困ってしまった。この手の話は外国人に説明するのに非常に難儀なのだ。


安全祈願祭というのは、これから春までの降雪期の除雪作業が安全かつ確実に行われ(空港なので)飛行機の運行に支障が生じないように祈願するもので、同時に作業に関わる人達の安全も祈願するものだ・・・日本人なら小学生でも何となく頷いてくれる・・・はずだ。
ところが文化、宗教、習慣といった背景の異なる外国人にこれを理解させるのはなかなか難しい。

20151103c12神主のコスプレのような装束その他はロシア正教の司祭同様そういうものだと言えば納得するが、
『何を撒いている?』(いきなり難しいな。何だろう米ではないし・・・)
「お札代わりの切り刻んだ紙・・・かな?」
『何を祈っている』
※上記の安全祈願祭について説明
『誰に祈っている?』(それな!(^^) 八百万の神だからな)
「雪を降らせる神、空港の土地の神、除雪機材に宿る神、作業員の安全を守る神・霊かな」
『どの神が偉い?』
「特定の最上位の神はいるが、その他の様々な神に序列は無いかもしれない」
『祈願祭の日時は決まっているのか?』
「特に決めていないと思う」
『日本人は安全は自分で守ると思わないのか?』(余計なお世話だ!その通り。核の傘の下で70年やってきた。お前らだって神のご加護をと祈るだろ!)

次々に襲い掛かる質問攻めに英語で適当な単語が思い浮かばず満足に答えられない自分を少々情けなく思ったのだが、今回はロシア人のため多少はスラブ神話の知識もあるようで、スラブ神話の『竈の神』といった概念は除雪機材に宿る神に通じるものが多少あるはずで理解は進んだはずだが、まあとにかくこのテの『日本紹介』は相当に厄介である。
神道は多神教といった単純な話ではないことは日本人ならわかるはずだが、一神教の人間にはまず多神教から感覚的に理解できないのだからそれ以上は逆立ちしても想像が追いつかないはずだ。

実は、若いころ東南アジアの某所に出張した際に頭数合わせで地鎮祭に駆り出されたことがあり、多少英語が話せたこともあり椅子が両隣に外国人(アメリカ人、オーストラリア人)という状況になったことがある。まあ、親しい知り合いだからいいかと思ったのが甘かった。
質問攻めで就職の面接よりも焦った記憶が今でも生々しく思い出される。
何も海外で日本風な地鎮祭などやらずとも・・・。
上記のような質問は当然として、
祭壇に並べられた水、酒、塩、米、野菜、魚、榊(なんと飛行機で当日持ち込んだらしかった)を見て、
『料理はしないのか? 日本の神はやっぱり刺身で食べるのか?』
『日本の神は果物は好まないのか?』
(そう言われればそうかな?)
『スパイスや香草は使わないのか?』
『箸や調理器具は要らないのか?』
・・・料理教室じゃないのだ、無礼者め!
『あの葉っぱのついた小枝は特別なものか?』
『何の意味がある?』
等々、『日本人検定』でも受けているようだった。
ちなみに榊(サカキ)は関東から西にしか自生していないため、東北・北海道の人は本当のサカキを見たことがない人が多いはず。秋田あたりでサカキと呼んでいるのは別の植物でヒサカキというものである。

安全祈願祭や地鎮祭でこれほど苦労するのだから、外国人に例えば『針供養』だの『豆撒き』だの赤ん坊の『お食い初め』だのを説明するのは非常に難しい。
英語なり他の言語で適当な単語を見つけるのに非常に苦労するし、そもそも我々自身が日本の古来からの文化や習慣をしっかりと正しく理解していないと説明ができない。
ぜひ一度外国人相手にチャレンジしてみて欲しい。

結果的に肝心の日本人が入手しづらくなったり価格が上がったりしては本末転倒で困ったものだが、日本の食品や料理を世界に紹介し商売するのも大事なことだろう。しかし、こういった日本の文化やそこから生まれる日本人のメンタリティをうまく説明し理解してもらえないうちはいつまでたっても日本は『途上国マインド』『欧米追従・模倣』から抜け出せず、外から見たら『ミステリアス日本』『不思議の国日本』から格を上げてもらえないのだ。

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