お人好し日本の付き合う国は皆したたかな国ばかり

カニ漁解禁に合わせて日本に戻ってきた(偶然か(^^))が、成田も羽田も普段通りで欧州の空港のセキュリティ検査の緊張感とは一線を画す『平和』な印象。中東やウクライナの浮足立ってキナ臭い流れとはどこか違うのは不思議でもあり『良いこと』なのだろうが、日本を取り巻く環境がどんどん変わっているにも関わらず相変わらず経済優先だけで走っているようで何か脆弱なものを覆い隠しているように見える。国内経済問題か?
安保法制が成立してもまだ施行されていないため簡単に自衛隊が海外派遣されることはないだろうと推測しているが、いずれは南スーダン、中東、南シナ海あたりに自衛隊が駐留するようになるだろうし(ジブチには既に前線基地もあるが)、日本人の目ももっと海外に向くようになるだろうか。

安倍政権は『積極的平和主義を掲げた地球儀を俯瞰する外交』という題目でここ数年世界中にばら撒きを続けているが、そろそろその成果が国内に還流してきても良さそうなもののどうも日本ではそれを感じない。まあ、ばら撒きは商社やゼネコンなどに行くのだから国富の流出ではないが。
筆者は現在の日本は商人国家自民党は国家社会主義官僚支配大企業党と見ているので、それに合わせてうまくやっていくしかないと半ば諦めているが、どういう形で揺り戻しが来るかを多少考えている。
安倍政権以前はこのようなトップ営業で世界中にばら撒くようなことはほとんどしていなかったためアフリカを除いて大体世界を一巡した今、どのあたりに重点を置いていくのか興味深い。
最近は、アメリカ&キューバ、支那&台湾のように従来たすき掛けで互いの裏庭とのつながりがあった遠交近攻だったものが遠攻近交と歴史的な逆転をしはじめている。
引っ越しのできない隣国に恵まれない不幸な日本は相変わらず遠交近攻だが・・・。

nicaraguaアメリカがキューバとの国交回復に動いたのは、2013年に中米ニカラグアに『ニカラグア運河』(ニカラグア湖を使う水路)の計画に支那がコミットしたことが大きかったとされている。
このプロジェクトは、運河建設などの実績の全くない香港の億万長者ワン・ジンのHKND社が請け負うのだが、このHKND社の背後にはジンウェイ・テレコムと支那の国有企業の大唐電信技術の資本が入っている。支那の電気・通信企業は漏れなく人民解放軍の出身者によるもののため、アメリカの裏庭の中米ニカラグアが支那の影響下に入ることは相当な脅威だとアメリカは感じているはずだ。そのためキューバとの国交回復を急いで中米の赤化を食い止めようとしているように見える。
しかし『ニカラグア運河』は11月5日に環境影響評価調査事業(これも支那の企業)開始にゴーサインが出され、地元では環境への影響そのものの心配と同時に評価調査事業に対する不透明さが指摘されている。
1月から融資開始とアドバルーンがあげられている件のAIIBもFRBの利上げ観測が前進したこともあり実際にはどうなるかわからないため、この『ニカラグア運河』プロジェクトが着工までたどり着けるかどうかは不明なものの、中米でも最も貧しい国の一つであるニカラグア(オルテガ政権)はベネズエラ(チャベス政権)、エクアドル(コレア政権)、ボリビア(モラレス政権)とともに反米グループであり、ここに支那がコミットしているのは対米政策であり、その手段は強烈な賄賂攻勢だろうと言われている。

中米で支那が影響力を目指すなら逆に南シナ海でアメリカが影響力を強化しようとする米・支の鞘当てが今後は注目だが、支那流の賄賂による貧しく・独裁あるいは強権政治の体制の国家の取り込みは中米だけではない。
アジアではインドネシアが今その術中に嵌っている(ように見える)。
先般、高速鉄道の案件で土壇場で日本が支那に負けたが、インドネシアのジョコ政権もなかなかのものだ。
この高速鉄道の件については直前まで日本は楽観していたフシがある。何故なら、今年の3月にジョコ大統領が来日した際に日本は都市高速鉄道などの整備に約1,400億円の円借款を供与することにしている。
約2億5千万人の人口を抱えるインドネシアは、GDPがASEAN全体の約4割を占める域内随一の新興経済大国で、日系企業は約1,500社が進出している。インドネシアにとって日本は最大の政府開発援助ODA供与国である。2013年末には2国間の通貨スワップ取極の拡充も行っている。
それにも関わらず今回の高速鉄道の失注である。
円借款したのだからインフラ整備プロジェクトは当然日本に・・・と考えていたならあまりにナイーブ過ぎる。
やられたらやり返す相互主義に基づいて取り合えず通過スワップ枠の縮小ぐらいを匂わせたらどうなのだ。
どうせ、FRB利上げで東南アジアは再度金融危機に陥るだろうから、その提案を出すだけでも効果があるはずだ。

インドネシアは世界最大のイスラム人口国であるが、多数の島嶼に約300の民族が暮らし、共和制とはいうものの中央政府が全部の州(34)を把握しきれていないためあちこちで独立運動を抱えた不安定な国に見える。
筆者はジャカルタとバリしか行ったことがないが、ジャカルタ特別州だけがインドネシアと称する国という印象だった。
スカルノ、スハルト時代のどちらかというと親日的なインドネシアのイメージはもはや通じない普通の国だろうが闘争民主党(現政権、自由主義標榜の中道左派)は支那のダークサイド側に落ちつつあるように感じる。(民主党と名の付く政党は日本やアメリカを含めロクなところがない)
しかし、インドネシアはTPP参加意思を表明するなどなかなかしたたかさも見え隠れしているのも事実だ。

安倍首相は、来月インドを再訪問するようで、ひょっとするとミャンマー(選挙結果によるだろう)やイランも訪問するかもしれない。
『地球儀を俯瞰する外交』も結構なことだが、先般の中央アジア諸国を見ても、どうやって日本のマネーを引き出すかを虎視眈々と狙っている国で気前よくばら撒いているだけでは国益につながらないのも現在の世界ではないだろうか。
賄賂攻勢で暗躍する支那を包囲するのは、南シナ海を見る限り安全保障面ではアメリカがコミットしてきているため表面的にはうまくいっているようにも見えるが、経済面ではどうだろう。インドネシアのように種を撒いて収穫は支那に掠め取られるのではお話にならない。
あいかわらず日本が『援助する側』といった認識はそのうち大火傷をする事態になりかねないと危惧している。もうそんな時代ではない。
キッシンジャーがかつて言ったように『国家に真の友人はいない』のが当たり前なのだからそろそろ『お付き合い』も重点主義(ベトナム、インド、イラン、トルコ、ポーランドあたりか?)に移行しても良さそうなものだ。

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