自民党を超える条件

南米アルゼンチンで大統領選で中道右派候補が勝ち14年ぶりの政権交代(左派→右派)が行われる見通しだ。
先般のポーランド総選挙でも左派から右派への交代が実現し、来月のフランスの地方選挙も右派(特に国民戦線)の躍進が見込まれている。
ここ半年ほどの世界各国の選挙で左派とされる政権が勝ったのは唯一カナダくらいのもので、カナダの場合は政策というよりもかつてのピエール・トルドー首相の息子のジャスティン・トルドーが首相になったのだが、歴史の短い国にありがちな”ロイヤルファミリー”から選出されたに過ぎないと見られている。トルドーは公約だった移民問題ですぐにでも理想と現実のギャップで行き詰るだろうという見方もある。
世界は左派から右派への大きな流れになっている。

日本でも第二次安倍政権以降は右派政権ということになっているが、外交や安全保障に関しては確かに右派(あるいはタカ派的と絞っても良いが実際は不明)であるものの、国内政治は相変わらずあらゆることに政府関与を行い『大きな政府』を維持している不思議な日本型官僚社会主義である。
日本は、国内で議論が進まない場合には国内での徹底的な議論をせずに外圧を利用して国内の仕組みを変えるという日本独特のやり方をするのが慣習となっていて、まさにTPPを使って農協の骨抜きや(今後は)医療分野などを改革しようとしている。
そもそも自民党は『憲法改正』あるいは『自主憲法制定』が党是の政党であるため、右から左と混在し特に経済政策においては決して一枚岩ではない。
ましてや、公明党というイデオロギーではないポピュリズム宗教政党が連立政権に子泣き爺のようにおんぶしているため800万と言われる選挙の組織票を理由にそれを無視できない足かせが付いている。早く創価・公明党を切って欲しいものだ。

金融政策によって円安誘導し大企業の株価を上げるのには成功したが、本来株価はその企業の本業の儲けやイノベーションに対しての評価であり、上がった株価は見せかけと言える。大企業、特に多国籍企業は租税回避と低廉な人件費を指向するため、これを国内に引き留めるべく法人税減税賃金抑制のための移民受け入れといったことが議論される一方、消費税を始めとした各種増税と課税対象の裾野の拡大(例えば女性や年寄り)を耳障りの良い奇麗ごとで推進している。
財務省の財政制度分科会などでも『社会保障支出は一層増加の見通しであり、歳出抑制を通じた収支改善が不可欠』と報告・提言されているにも関わらず、最もストレートで効果のあるはずの歳出抑制である公務員・議員給与削減や人員削減といった『身を切る』ことには全く乗り出さない。この公務員・議員給与削減や人員削減については、右派政権だろうが左派政権だろうが全く手を付けられないことは民主党政権でも明らかになっている。
公務員や議員が自ら失職するようなことを決められるわけもなく、当たり前といえば当たり前であり、結局はそれらのツケが『税金』という国民負担に全て跳ね返っている。

この大企業優遇官僚社会主義は日本ではどうしても変えられないもののように見えるが、団塊の世代が全て後期高齢者になる2024年以降(9年後だ、9年後!!)には日本の財政は間違いなく破綻するのは誰がどう鉛筆を舐めても明らかなことで、年金制度などは風前の灯である。
無論、公的年金が例え1万円/年になってもその制度が継続していれば政府は『年金は破綻していない』と強弁することは可能なため議論にならない。民間がやればネズミ講だが、国家が1憶2千万人を対象にするとそうは言わないらしい。

安倍政権は外交、安全保障で歴史的・画期的な一区切りをつけたことは評価されてもおかしくないし、できれば来年の参院選で衆参同時選挙を行い、憲法改正発議、国民投票を実施してもらいたいとは思うが、内政特に金融緩和しか目に見える成果の無かった経済面では残念ながらほとんど落第点なのは明らかであり自民党内部から退陣要求が出てもおかしくないくらいであるが、出てこないのはポスト安倍が不在かつ新機軸を打ち出せないからである。(内政、外交ともにバランスの取れた政権というのはなかなか難しいのだなぁ)
現在のままでは、消費税が10年後には20%程度、20年後には30%近くなるという試算もあるようだが、そういった数字になると(実際には消費税の納税義務は事業者だが)国民は『税を納める』から『税を払う』を通り越して『消費の際の罰金』のような感覚に陥るだろう。モノやサービスを買ったら罰金なのである。

やはり、自民党に代わる右派政権が必要だ。
その政権の目指すべき条件は、
・小さな政府指向
・減税
・高齢者福祉削減
である。これらが無ければ、現在の若者、現役世代が生活し次世代を作る持続可能な日本の社会を維持することは不可能だ。単純な色分けでは新保守主義あるいはリバタリアニズムを指向することになるが、可能な限り経済に関する政府関与を少なくし、行政サービスを民間に移し、公務員や準公務員を削減し、歳出を削減する。税を集めて官僚や政治家が恣意的にばら撒くという発想を弱めてもらわないといけない。国民も公金に集る体質を根本から変えないといけない。場合によっては間接民主制を直接民主制に徐々に近づけ、国や自治体の議員を削減していくことも必要だろう。
極端に夜警国家を目指さないまでも、日本人の教育レベル(維持は必要)であればそれに近い国家を指向してもそう簡単に土人国家のような百鬼夜行、魑魅魍魎の何でもありの社会になることは無いのではないか?(それぐらい日本の社会は成熟していると信じたい)

人口減少していく中でGDPを増やしていく(成長する)というのは経済の教科書的にはどこか夢物語のように聞こえるが、少なくとも需給ギャップを埋め、内需拡大を少しでも狙うなら国民の可処分所得を上げ、消費行動の入口でかかる税(消費税)を減らさないと、消費税そのものが今以上にデフレ圧力になっていくのは火を見るよりも明らかだ。
一般的に政治家はポピュリズムとは無縁ではいられないため福祉の削減、特に人口比で大きな高齢者の福祉削減は口に出せないだろうが、これを減税とセットで勇気を持って堂々と言える政党や政治家が出てくれば若者、現役世代の多くは圧倒的に支持するだろう。
極端な話、年金受給を開始したら医療費は7割自己負担にしてもらう、3割自己負担のままでいたい人は年金受給は先延ばししてもらう等のオプションを付けてもいいのではないか。

筆者も10年以内に年金受給可能な歳なのだが、高齢者福祉という美名の下に若者を社会の奴隷にしてはならないと思えて仕方がない。

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自民党を超える条件 への2件のフィードバック

  1. ばんそうこう より:

    うーむ。おっしゃる通りだと思います。現状では若者が投票したいと思うような政党がない。というか、近代的な意味で政党と呼べるのは自民党(と共産党)くらいしかないような気がします。そのなかで、橋下氏のおおさか維新の会の動きは注目されます。「支持政党なし」が、一番の多数派なのは納得の結果です。

  2. argusakita より:

    ポルトガルは左派政権誕生。
    緊縮財政反対派による連立政権だが、南欧のギリシャ的な政権が長期安定するとは到底考えられない。

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