現代の『平和』は力の均衡であり武力衝突の無いことか

先週、金曜日からウクライナ・キエフ、ロシア・サンクト、ポーランド・ワルシャワを回ってウィーンに戻った。ノートPCのSSDの不具合でblogも少々ご無沙汰。

空港その他あちこちでアサルトライフルを持った迷彩服やら警察やらとすれ違う出張だったが、厳戒態勢故やむを得ないだろうがあまり気持ちの良いものではない。(日本もそのうちああなるだろうとは思う・・・というよりならざるを得ないはず)
キエフは思った以上に静かで落ち着いていて、クリミア問題はもはや勝負あったか(ロシアの勝利)と思わせる。2004年のオレンジ革命も結局は欧米の(仕掛けと)負けだったが、今回も同じ。2連敗(ロシアから見たら連勝)というところか。


キエフからサンクトまではエアロスヴィートの直行便が無くなっていてラトビア・リガ経由かなと覚悟していたが、ベラルーシのベラヴィア航空のミンスク経由があることがわかり初めて乗った。B-737の古ーい機体でどこか危ないなぁと思いながらもミンスクでトランジットしてサンクトへ。ミンスクでもサンクトでも着陸時は機内で恒例の拍手。おそらくキエフからはチェルノブイリの上空を飛んでいたのだろうなと思うものの、まあ仕方がない。
サンクトはもう完全に冬で寒い寒い。例年、気温などは(個人的には)秋田と同じくらいの感じ(温度計ではもちろん低い)なのだが、今年は秋田が寒くならず雪も遅いらしく、サンクトがやけに寒く感じる。

トルコによる撃墜事件で騒がしいかとも思ったが、やはりロシア人は腹が座っている。街の中を歩いていても全く何も感じさせず、いつもの冬のサンクトだった。
知人と話していても、一般のロシア人がビザ無しで行ける数少ないリゾート地がトルコ(とエジプト)だったため、相互のビザ無し渡航が停止されたことが痛いなぁとあまり気にかけていない様子でやはり『ロシアはロシアだ』と再認識。経済制裁などは一般国民にはかつての金融危機時に比較して(実際に生鮮食料などは不足しているらしいが)どうということが無さそうだ。
トルコは『トルコは欧州でありアジアでもある』と言う人が多いが、ロシアは『ロシアは欧州でもアジアでもない、ロシアだ』と言う人が多い。さすがアウタルキーである。
しかしどちらも頑固さでは大したもので、その両国の強面のトップが鞘当てをしている今、いつ何が起きても不思議ではないが、全面戦争にならないところが幸いである。

考えてみれば、米仏豪サウジ他がISを空爆しロシアやトルコも加わって、時代が時代ならば世界的な戦争になってもおかしくない規模だが、そうならないのはISが国家として認知されていないことと、対ロシアでは『核兵器』があるからだろう。
一時クリミアでの武力衝突がエスカレートして戦術核兵器の使用もチラつかせたロシアだが、どこか(当然ながら)使ったら互いに最期という認識があるのだろう。
やはり核兵器こそ力の均衡をもたらし、武力衝突のエスカレーションを抑止する明確な答えだ。これが世界共通の最大公約数的解答であり、ちょうど英語が言語としての優劣を語られることなく普遍的な共通語になっていることと似ているではないか。
日本も経済的に妥当なある程度の核武装さえしておけば、余計な口喧嘩などせずに東アジアでの力の均衡をベースにした『平和』が実現できるはずなのだが・・・。核武装しながら、多数のチャネルでの対話、これが真っ当な国だろう。

ニュースを見ているとフランスのオランドのパリでのテロ以降の目まぐるしい動きは大したものだと感じる(浮足立っているという批評もあるが)。メルケル、オバマ、キャメロン、プーチンと次々に会談し、一方では地中海に空母シャルル・ドゴールを派遣し空爆。
外交と軍事は表裏一体(あるいは延長)であることを見せつけられている気がするが、やはりこういった局面では日本は出る幕が無い。(というより足かせがあって動けない=相手にされない)
もっとも、現在のISやクルドを巡る複雑な状況に日本が顔を突っ込んでも何の国益にもならず、むしろ不要なテロを誘発するようなもので、少なくとも現段階では関わらないのが賢明だと思えるが、COP21で訪れたフランスで安倍首相が『テロを繰り返させない』といった発言をしたようで、主語が不明で何か積極的に関わろうとしているのかと少々驚き。以前のイスラエルでの会見での余計なおしゃべり同様、日本には法的に足かせがあるのだから身動きできないまま不用意な発言はいかがなものか。ISを刺激するな!

日本では、様々な『識者』が現状のISや英米仏露土あたりの動静分析がされているのだろうが、日本にとっては所詮キリスト教もイスラム教もメジャーなコミュニティがあるわけではないため、中東に積極的に関わる理由がなさそうだ。むしろ、国内のテロ対策でも心配したほうが良さそうに思える。
テロ撲滅は不可能でありテロは絶対に無くならないわけで、日本で想定される銃器によるテロではなく爆破やNBC兵器によるテロに対する備えはどの程度行われているかが少々心配である。

PS. キエフ、サンクトとおもしろい写真を撮ったもののそのスマホをプルコヴォで紛失してしまい、参った参った。しかし、予備のガラケーで未だに十分だな(^^)。

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