先進国の後進国支援は”当たり前”か? ~国連COP21~

フランス・パリ郊外で開かれている地球温暖化対策の国連の会議COP21について連日報道が続いているが、その中でどのメディアも先進国が後進国を支援することが当たり前、さらに後進国の先進国に対する言い分が当然といった空気にどこか違和感を感じる。
地球の気温が将来1.5度上がることと2度上がることの違いを実感できないからかもしれないが、それをどんなに学者がいろいろなデータで説明してもどこかピンと来ないのが普通の感覚ではないだろうか。
COP21は環境問題をネタにして先進国側のゼネコン、エンジニアリング会社、商社が後進国に対してODAのように新たなマーケットを作るための機会で資金を複数の先進国に拠出させプールする取組という見方があることも事実だろうが・・・。

確かに最近の日本ではゲリラ豪雨(気象庁はこの単語は使わない)による被害なども増えているがこれらが温暖化だけによるものなどと信じている人は本当は少ないのではないか。
ゲリラ豪雨の首都圏での発生メカニズムについては、高層ビル群によるウォール効果、ヒートアイランド現象などによる急激な積乱雲発生によって説明されているが、九州、四国等の西日本での説明がうまくまとめられない。
積乱雲が発生するには上昇気流と水蒸気を集めて雨粒になる核となる空気中の浮遊粒子が必要なはずで、前者は近年日本各地が急速に都市化し地面の温度が高くなったということはないはずで、後者はおそらく支那の急激な工業化による環境汚染、汚染物質の大気中への放出量の激増によるものが偏西風に乗って日本に到達しているからではないかと筆者は推察している。
支那による海洋汚染も富栄養化をもたらし、巨大なエチゼンクラゲが九州、日本海沿岸に登場したのは支那の経済・工業発展とほぼシンクロしているのではないかと思われる。
大気や海流の流れを考えてもほぼ日本が直接的な被害者である。このまま優しく看過していて良いものだろうか。支那はCOPなどに出てこなくて良いから温暖化の前にまず大気・海洋汚染を何とかしろと・・・。
放射性物質を未だに放出・拡散し続ける日本が環境問題に関して他国に強く言えないのは実に忸怩たる思いである。

COP21、温暖化の話だが、筆者は専門家ではないため実際に世界規模で温暖化が進んでいるのかどうかわからないが、オーストリアやスイスでも氷河が縮小したといった話を見聞きするとそうなのだろうと思ったり、NASAの観測で南極の氷が実は増加していることを聞くと、地球規模の温暖化の評価について評価モデルに何らかの欠点や『抜け』があるのでないかと思ったりもする。
この温暖化による過大とも思える将来の評価をある種の脅迫材料として、後進国が先進国に支援を”当たり前”のように迫る構図はどこか納得がいかない。
後進国の言い分は、『先進国が発展する中で起こした結果が現在。そのツケが回ってくるのが後進国。故に先進国に責任があり、支援は当然である』なのだが、これは少し不十分だ。先進国が発展する段階で、科学技術開発や(法律や規制・基準作成を含めて)社会システム構築で自ら払ってきた時間とコストを後進国は支払っていない。
後進国は先進国が開発した技術やシステムを簡単に取り入れることで経済的には非常に”お得”なことをするわけで、これを『後進性の優位』(オーストリア出身のガーシェンクロンによる)というが、最近のCOPではそれを議論されることが全くない。
この後進性の優位は、日本の明治維新や旧ソ連の工業化でも現実に示されている。
また、戦後の復旧でも日本は新しい精密・軽工業技術をスイスから、鉄鋼生産技術をオーストリアから導入し自国でゼロから生み出さずに驚異的な発展をした。
この『段階のスキップ』とその効果を経済価値に置き換えたら、簡単に後進国が先進国に支援をするのが”当たり前”だとか、後進国が脅迫めいた開き直りの要求を先進国に突き出すことはできないはずだ。

日本は明治維新でも多くの科学技術だけでなく法律や社会システムや文化を欧米から導入した。もし、それをしなければ今頃はまだ東南アジアあたりと大差なかったかもしれない。
しかし、その導入コストは日本人自らが支払い、欧米に対して『日本は後進国なのだから欧米が日本を支援して近代化するのは当然だ』と主張したことがあっただろうか。
これと同じことではないかと思う。
温暖化という地球規模の変化による防災上の問題や各種生物を含めた環境問題があるならそれはあくまでも当事者である後進国(先進国の場合もあるが)の問題であって、自らコストを支払うべきではないのか? 段階をスキップして後進国の”お得”を享受するにしてもそのコストは相互の国益をベースに二国間あるいは多国間で個別に交渉すべきで、国連COP21といった全体の枠組み(1,000億ドルのプール)で実現できるものとは思えない。だから毎回玉虫色の拘束力の無い議定書等でチャンチャンなのである。

太平洋の島嶼国での防災や環境について必要な支援は、日本の国益に関するもの、例えば遠洋漁業の寄港地や食糧輸入拠点といった観点を絞ったポイントで行うべきではないのか。
アジアでほぼ唯一の先進国である日本だが、筆者から見るとノブレス・オブリージュを語るほど非常に豊かな国とは全く思えない。もっともっと国内の日本人のための施策を優先させてもいいはずだ。
太平洋の島嶼国よりも優先すべきは、国内の豪雨で氾濫する河川の問題や未だに復興もままならない東日本沿岸部の防災(同時に町づくり)なのではないか?

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先進国の後進国支援は”当たり前”か? ~国連COP21~ への10件のフィードバック

  1. 温暖化については、武田邦彦氏の考えに賛成の立場で、温暖化の科学的事実はないというのが私の立場です。昨年度の大館市は雪は多いし冷え込むし、大館市に関しては絶対に寒冷化でした。豪雨も大気が強く冷やされることによって起きるのではと思います。日本は島国で、寒流も流れてますが暖流も流れていて大気にどんどん水蒸気や水滴(湯気)を供給してます。温暖化しなくても空気中に水分は結構あるのです。ですから寒冷化こそがゲリラ豪雨の原因と思います。でもこの考え絶対に少数派だろうな。

    ツヴァイでしたか、沈んでいく島が温暖化のせいだとも言われていますが、これもきちんと科学的に調査さえしてくれれば違う結果が出るかもしれないと個人的には思ってます。ハワイをしっかり見れば、プレートが移動してもホットスポットが殆ど動かないので、常にだいたい同じ位置で火山噴火しそこでは島は成長します。でもプレートで運ばれていったところは噴火がおさまって侵食されていってます。ハワイよりも小さな島では侵食されて水没するような場所のほうが大部分では? ですから、温暖化と関係なく水没する可哀想な場所なのだと私は考えてます。

    政治は自然科学に口を出してほしくないな。もし温暖化が進んでいるとしても北国秋田にとってはその方がいい。別にりんごがダメになってもみかんができるかもしれないから。

    ホントに鳩山は嫌な置き土産を残しました。そのおかげで温暖化は間違っていると日本は言えなくなってしまいましたから。

    • argusakita より:

      オセアニアのツバルですね。
      いきなり余談ですが、ここは.tvというドメイン名を5,000万ドルで売却してその資金で国連加盟をしたので有名です。
      海抜5mだそうですから、温暖化以前に高潮や津波による災害はありそうで、そういうところは波の浸食そうですが自然消滅していく運命だろうと思います。沖ノ鳥島みたいなものかも。

      温暖化は地球全体的かどうかはわかりませんが、確かに局所的にはあるんだろうと私は思っています。実際ロシアの北極海航路なども現実になっていますし、スイスアルプスの氷河も縮小しています。
      異常気象の原因がすべてそうなのかどうかについては私も大いに疑問ですが、北半球で台風やハリケーンが大型化していることは事実ですね。

      2003年のアメリカ国防総省のレポートでは北半球では2010年から平均気温は下がり始め、2017年には7度くらい低下するそうで、逆に南半球は温度が上がり降水量が減るとされていますから、案外寒冷化もそれなりのデータと評価があるのだろうと思います。

      科学というよりも予言に近くなってきている気がします。
      だからCOP21みたいなのは経済問題と商売が裏にある胡散臭いものに見えて仕方がありません。

      政治が科学に口を出すように仕向ける商売人達がいるということだろうと思います。
      確かにルーピーの置き土産は、親の遺言や冷酒のように後で効いてきました。

  2. ばんそうこう より:

    明治期の日本が帝国主義の時代に、先進国からの援助どころか関税自主権がなく関税収入の見込めない状況から、農民の重い負担を主財源として近代化を進め、近代法・政治制度の整備、日清・日露の両戦争による国際的地位の向上によって半世紀かけて不平等条約を改正してきたのと比べれば、第二次世界大戦後の独立国は非常に恵まれています。それはたいへんよくわかりますが、1997年の京都議定書で先進国だけでCO2規制を始めてしまったのが今となってはスジが悪かったのでしょう。京都のときアメリカが抜けてしまったのもよくなかった。今はその尻ぬぐいをしなくてはならない局面なので、仕方がない一面があると思います。「話し合いに加わってやるから援助しろ」というのはゴロツキのセリフではありますけどね。

    中国のPM2.5の原因は、内モンゴルの「ウラン混合石炭」だという情報があるようで、スモッグは日本の関東地方(鳴霞さんによればアメリカ西海岸)にまでおよんでいるということです。NHKの大気汚染予測の画像をみると確かに東北・北海道にまでおよんでいます。WHOの「世界ガン報告」では「2012年度の世界中のがん死亡者は820万人、その大部分は中国大陸で、死亡者の半数は中国人だ」との報告があります。そこで、中国の富裕層はどんどん国外に脱出しているのです。一方で中国に滞在している日本人は14万人もいて、これまた中国からどんどん撤退していますが、子どもを含めた駐在日本人の健康被害が心配です。

    日本政府、各自治体、日本国内の医師団体は石炭採掘と燃焼をやめるよう抗議してほしいと思います。おそらく向こうは、灯油普及前の日本と同じで一般家庭でも石炭ストーブを使っていると思うのですね。底冷えの冬になると空気が非常に汚れることが心配。もはや「環境テロ」のレベルです。

    この局面で石炭火力誘致もスジの悪い話です。

  3. ブルーベリー より:

    日本の石炭火力はSOxやNOxの排出量はきわめて少なく、
    欧米と比べてもクリーンなレベルを誇っています。
    http://www.jpower.co.jp/bs/karyoku/sekitan/sekitan_q02.html

    日本の石炭発電はクリーンで、海外に技術を売り込んでいるほど。
    CO2が問題というなら、石油・天然ガスも五十歩百歩。

    中国の全ての発電所に、日本の石炭発電技術を導入すればPM2.5問題は解決します。

    • argusakita より:

      >中国の全ての発電所に、日本の石炭発電技術を導入すればPM2.5問題は解決します。

      日本がSCやUSCの技術を与えたら支那はそれをどうするかは新幹線で十分わかったはずでは?
      14億人で毎日数回深呼吸してくれれば・・・と思います(^^)。

      • >14億人で毎日数回深呼吸してくれれば・・・と思います(^^)。

        うーん。なるほど。
        アサリで海水の浄化ができるらしいから、中国人の深呼吸でも可能性があるかも。
        以上、タダのチャチャ入れでした。

      • 秋田シミーン より:

        私も朝から笑わせてもらいました。
        秋田市は濃い霧に包まれていて憂鬱な月曜日にありがとうございました。

        太極拳のように14億人でゆっくりとした動きでやってもらいたいですね。

        アサリや貝類の水浄化ですが、何かTVで見て以来、私はハタと気付いて貝のキモ類は食べられなくなりました。
        牛のレバーも毒素の塊を敢えて食べるようなものです。

        話が逸れました、失礼。

  4. ばんそうこう より:

    COP21では、先進国の石炭火力発電所のプラント輸出は規制されることが決まり、アメリカやフランスも輸出を停止したようです。日本はというと、その方針に抵抗し、CO2排出量の少ないクリーンな技術に限り輸出を認めるよう主張し、それは各国の承認を得たようです。ただし、新規のものに限られるでしょう。発展途上国の電力需要はしばらく伸びるでしょうから、旧技術の発電所をどんどん廃棄する方向には向かないように思います。

    インドもまた大気汚染のひどい国で、この状態を改善していこうとするならば、随時日本のクリーン火発に切り替えていく可能性は高いと思います。日印関係は良好ですし、石炭が石油にくらべて安価だという状態は今後もつづくでしょう。日本としては追い風かもしれません。

    http://www3.nhk.or.jp/news/taiki/
    PM2.5の問題は、ちょっとそれとは違う気がします。「ウラン混合石炭」が原因だとすれば、ウランと石炭を分離する技術が開発されなくてはいけません。大気中の放射線量の値が福島県沿岸部よりも北陸や西日本の方が高いという情報もあり、なおかつ、中国政府はいっこうにPM2.5の原因を公表していません。厳重な報道規制をおこなっており、「核霧散」の語が検索不能になっているのだそうです。

    http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20140301/1393676215
    http://hosyusokuhou.jp/archives/37207784.html
    そしてまた、必ずしも発電の問題ではなくて、中国の何億という住民が冬季に石炭ストーブを使うことも大きな原因になっているものと思います。確かに発電所だけで数メートル先が見えないほどのスモッグが発生するとも思いません。

    少なくとも中国に関しては、内モンゴル産の石炭の採掘・使用をやめさせること、庶民の暖房用には、石炭ストーブをやめて木炭ストーブに切り替えること(たとえばシベリアの豊富な森林資源を利用してロシアに木炭をつくってもらうとか)くらいしか解決策が見いだせません。日本のクリーン技術の発電所がほしいと中国側から言ってくるのなら別ですが、そうでないなら、まずは「PM2.5の原因は何なのかハッキリさせてほしい」ということを要求するところから始めないと、と思います。

    • ばんそうこう より:

      名前間違えて入力しちゃいました。「ばんそうこう」でした。訂正可能なら訂正お願いします。


      訂正しておきました。
      Argus

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