マイナンバー関連の話題が静かなのは・・・

しばらく前にマイナンバー(自分で選んだのではないので国から強制付与されたユアナンバーだが)の通知が届き、写真入りのカードを作るかどうかまだ様子見をしている。写真についてはカラーや白黒の指定も無くパスポートのテンプレートよりも緩い規定のようで、どこか胡散臭いというか準備不足なのだろうと想像。
このマイナンバー、日本ではちょっと誤解されているところがあって、先進国ではほとんど利用しているようにマスコミによって印象操作されている気がするが、各国ではこんな具合だ。

[イギリス]
共通番号制度を創設しようと法を通し準備まで進めていたが、制度廃止を唱える政権の誕生により実現せず
[ドイツ]
納税者番号はあるが社会保障では共通利用せず
[フランス]
社会保障番号はあるが納税等での共通利用はせず
[アメリカ、カナダ]
社会保障番号(SSN)が様々な分野(民間でも)で利用されているが取得は国民の任意で日本のマイナンバーのように強制ではない。
[イタリア]
納税者番号が社会保障の分野でも利用されているが、日本のような生涯不変ではない
[オーストリア]
納税者番号と社会保険番号で用途が厳密に分離が原則。確定申告は社会保険番号で行う。
この社会保険番号は生年月日を含むので問題視されている。
セクトラルモデル(分野により異なる番号を用いる方式)の国の代表
オーストリアの凄いところ(というか逆に不安なところ)は日本で市町村から発行されるマイナンバーのカードに相当する市民カードは民間でも発行できキャッシュカード、健康保険証、携帯電話等で代用できる論理的なものになっている(法律でそうなっている)。
e-Government法による電子化の進め方がシンプルで高度で日本とは次元が格段に違う。

以上のように『先進国では皆マイナンバーのようなものを使っている』はある意味正しいが、日本のような全ての分野で共通に使う一元化した番号を使う例は無いと言っても良い。
マイナンバーにやや反対の立場を取ると日本では『マイナンバーであれこれ透明化されて困るのは脱税している連中』とスティグマを貼られてしまうが、納税者番号と社会保障番号を何故共通で用いないかの各国での議論は敢えて書かないが一度あれこれ見てみて欲しい。(間違いなく将来日本でも同様の問題が起きる)
日本のマスコミはある意味大本営発表のため、こういった本質的な点はまず報道しない。
せいぜい、マイナンバーの漏洩だの悪用の可能性といった技術的な問題(しかもヒューマンファクター)で不安を煽る程度の低レベルなものばかりである。

マイナンバーは既に金融分野への利用が既定路線であり、医療関連での利用の準備も進んでいる。法律よりもシステム開発が先行するためわかりやすい。
現在のところ、マイナンバーが不達の件数が500万(全体の約1割)に上るというが、単純な計算では1,200万人のファントム国民がいるということになる。
この1,200万人がどういう層なのか考えると納税よりも社会保障が優先する層なのではないだろうか。納税の不要な層かもしれない。
この500万通分がいつまでも未達の場合、社会保障をその分切り捨てすることができるのかもしれないと考えるとなかなか恐ろしいものがある。
切り捨てない場合は逆に納税が明確になる9割の納税者の血税の一部が生活保護のように自治体等の裁量で相変わらず不透明な部分(例えば外国人への生活保護)に吸い込まれていくことになる。
こういった現実が果たして本当に『税と社会保障の一体改革』なのかどうかは大いに疑問である。

法人へのマイナンバーは従来の納税申告に特段変更も無く欄が増えるだけで何のメリットもない。
消費税の欧州型インボイスも導入されず、自営他零細での『みなし課税』もまだまだ存続するらしく、目こぼしの多いザル課税制度と合わせて、政府が一体何を改革しようとしたのか理解不能だ。
本来、既に国民全員にユニークに振られている基礎年金番号を活用し、利用するセクタごとに認証ゲーウェイを構築して利用したら良いものをわざわざ番号振りから始めたのは、法律が省庁縦割りで年金以外に使えないという制約があるからで、そこを利用して大手IT企業の需要創出が大きな目的だったことは既に明らかだが、そんなことを続けていたらマイナンバーでは移民が増えて桁数が足りませんでした、もう一度マイナンバー2をやり直しますといった馬鹿げたことになりかねない。

マイナンバーについてその用途の拡大や懸念材料について煩かったマスコミはパタッと静かになった。
内在する問題点(納税者番号と社会保障番号を共通に使うこと)についてマスコミも突っ込まないのは、やはり来年の選挙に向かうためと思われるがどうだろうか。
選挙が終わったら、結果によっては憲法改正も含めていろいろなものが一斉に火を噴くだろうと予想している人は多そうだ。

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マイナンバー関連の話題が静かなのは・・・ への2件のフィードバック

  1. 一納税者 より:

    届かない人が国民の1割にもなろうというのに政府はあまり騒ぎませんね。
    全くの妄想ですが、マイナンバーというのは納税や社会保障のためではなく、国民の資産把握の目的が大きいのではないかと思っています。
    来るか来ないかわかりませんが、日本経済がのっぴきならない状況になったらX-Dayには預金封鎖(1,000万上限があるので)でどれだけかき集められるか線引きしたい、そのために、まずはマイナンバーで金融機関口座で把握しておこうとしているのでは?

    それが目的なら、住所不明なんていう層は資産とは無縁な人が多そうで、敢えて捕捉しようとしなくてもいいかと。マイナンバーが無くて多少不便さがわかれば自然と自己申告してくるだろうという上目線で待っているのかも。

    • argusakita より:

      あり得るかもしれませんね、デノミと合わせて。
      やるとしたら全くその気配を感じさせない状態で突然でしょうから、準備は大事だと思います。

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