日本の地域ブランド(GI)はまた天下り先作りか

22日、農水省が日本各地の農産物や食品などの特産品を国が地域ブランドとして登録する『地理的表示保護制度』に登録される7品目が発表された。その7つは、
北海道:夕張メロン
青森県:あおもりカシス
茨城県:江戸崎かぼちゃ
兵庫県:但馬牛と神戸ビーフ
福岡県:八女伝統本玉露
鹿児島県:鹿児島の壺造り黒酢
だそうだが、地元ではさぞやバンザーイなのだろうが、この制度は一体誰にメリットがあるものかと少々疑問。

夕張メロンや神戸ビーフ(何故神戸牛にしなかったんだろうな・・・)はもう十分に国内では知名度があるし、八女茶は伝統的な名称だし、一方では壺造り黒酢のようにそれを特定して何のメリットがあるのかよくわからないものやあおもりカシスはほとんど知名度が無さそうなものも含まれている。欧州ではカシスはポーランドと決まっている。
農水相によれば、『登録を契機に海外市場にも積極的に挑戦をし、攻めの農林水産業の一翼を担ってほしい。地理的表示保護制度はここからが本当のスタートであり、続々と日本全国の特色ある産品を登録していきたい』なのだそうだが、国の登録を証明する認定マークを表示できるからといって海外への輸出拡大が可能かと言うと当然それは別の話だろうと思われる。

2つのパクリ大国を隣国に持つ日本で、そのパクリ大国での商標すら国が守れないにも関わらず今回の地域ブランドをどういう実効性のある方法で国が守れるのか大きな疑問だし、上記7つのように日本人から見てもどこか『ふーん?』と疑問符が付きかねない『お墨付き』とは一体何なのか。
ブランドの保護には既に特許庁の地域団体商標制度があり、地域名と商品名ということでは似たような制度が存在する。大館曲げわっぱの地域団体商標はこれ。
さらに、一般社団法人食品産業センターでも『本場の本物』という認定制度があり、秋田からは檜山納豆が認定登録されている。ここは、まあそれなりに聞いたことがあるものも多いが、中には『山形の漬物』といったザックリしたものもある。

gi-cerem似たようなものをいくつも作り、天下り先を作るのは農水省だけではないだろうが、こう露骨に見せられると辟易するではないか。
各制度での認定もどうせ担当部署や社団法人等への『密着度』による裁量によるものが大きいだろうし、そこには癒着や袖の下的なものの余地を感じさせる。客観的な基準で選んでいないことは、これら複数の認定で品目が全くバラバラであることが証左だろう。
認定する側の上目線、授与される側の無意味な諂い・・・。
いつまで経っても『お上』の大好きな実に日本的な風景であり、一次産品の生産者をある意味馬鹿扱いしている図式である。

似たような制度は世界中にあるらしいが、欧州でもEU28カ国で約3,000の品目があると聞く。
有名なのはフランスのカマンベールチーズ、シャンパーニュのシャンパン、スペインのイベリコ豚ハム、イタリアのアスパラガス(バドエーレ産)などだが、これらは28カ国共通の、ステッカーを使用している。
f0715_ph03and4_b使われるステッカーで赤っぽいほうは『生産・加工・製造』の3つ全てがその地域で行われるもの、青っぽいほうは3つのうち1つ以上がその地域で行われるものである。
品質管理はなかなか厳格らしく、バドエーレ産のアスパラガスは認定されるのが約3割しかないそうだ。確かにバドエーレ産のは太くても筋が少なくて束で他のホワイトアスパラガスが6EURくらいの場合、3EURくらい高価である。
日本の地域ブランドはそこまで行けるだろうか・・・。

縦割り省庁のこういったバラバラな認定で生産者は漠然とした期待を持つだろうが、認定後に支援すべきは生産者ではなく、どちらかと言えば消費者寄りの仕組みのほうではないのか。
例えば、地域ブランドを積極的に店頭に並べる小売りそれを使った料理を提供するレストラン等をPRしてやるとか、ごくまれに場合によってはそういった小売りや飲食店に支援を行う。それによって消費を伸ばしてやらなければ地域ブランドは生きない。
海外に輸出を考えるなら、日本の地域ブランドの産品を扱う海外の小売りや飲食店への支援まで考えないと実効性のあるものにはならない。
パクリ大国を隣に2つも抱え、日本国内だけで有効な制度や法律を作ってもほとんどマスターベーションであり、生産者を馬鹿にした天下り先作りはほどほどにしてもらいたいものである。

ブログランキング・にほんブログ村へ 
(blog rankingに参加。ご協力を。Click it!)

広告
カテゴリー: 食・レシピ, 迷惑な隣国, 国政・国会, 海外 タグ: , , , , , , , , , , パーマリンク