あのバブルのまま突き進んでいたほうが日本は良かったか?

日銀のマイナス金利効果は株価や為替ではわずか3日ほどで剥落してしまった。
強気の黒田総裁はさらに引き下げる可能性も示唆し、この『マイナス金利付き異次元QQE』に突き進むことを宣言した。
筆者の仕事に関していえば、ユーロが130円より上であればまあいいかといった感覚なものの、そのラインもいつ割ってくるかわからないような状態が続くのは立場上神経質にならざるを得ず、仕事のボリュームでカバーするしかないかと社員さん達と話している。


本来、製品やサービスが売れて業績が上がることによって評価され上がるはずの株価が単に株式の売買ゲームによって上がり、いわば公金で維持されている現状ではマインドの変化で無意味な乱高下を繰り返す。金融緩和したところで、そのマネーが市中に流れずマネーゲームに向かうだけで全体としては効果が明らかになってこない。
大げさに言えば日本全体がどんどん沈む泥船にも拘わらず、その船の中で乗組員や乗客が居場所を変えてああじゃこうじゃ言っているようにも見える。
うーん、どうしてこうなったかなと・・・。

fukuzawa筆者が未だにどうにも理解できないものが『何故日本はあのバブルを自ら崩壊させたか』ということである。
バブル全盛期は筆者も社会人になって数年経ち銀座や六本木などの狂乱の実態を見たが、突然日銀の三重野総裁によるバブルに針を刺す方針転換が行われ一気に弾けた。当時筆者は仕事でアメリカ往復を繰り返していたが、東京に戻るたびに新たな狂乱の実態を目にしたし、企業はアメリカの不動産を買い漁り、国内では土地神話に基づいて個人も借金してまで土地を買い、儲けた連中は固定資産税対策、相続税対策でさらにそれを続けたし株も買うため今では考えられない株価(東証38,957円)になった。
プラザ合意以降は、東京市場もロンドン、ニューヨークと並ぶ金融市場になり、24時間動くのだから、東京の地価は3倍になってもいいなどという輩もいて大変な勢いだった。
このバブルの副作用は主に大都市部(だけ)で起き、サラリーマンが自宅を買えないことが社会的問題になった。同時に地方も含めて、不動産取引によって巨額のマネーが闇社会に流れることも問題になった。強いて言えばバブルの副作用は”これらだけ”だった。
いつの時代も持てる者は富み、持たざる者は喘ぐ。マネーは集まるところに集まり、回らないところには回っていかない。この図式は、今も全く変わらない。

その状況で三重野総裁が『株も土地も半額にしてやる』と取組み、政府も国土法その他で土地取引を抑制した。その結果、土地神話至上主義の金融機関の融資の担保である土地の価格が下落し、担保割れ。さらに国際業務もしていないような地銀・信金などにもBIS規制を適用し、貸し出しが極端にできにくくした。
その結果、不良債権が山ほど積み上がり顕在化し、流動性を失って経営難に陥った一般企業ばかりか債務超過でもない山一證券や拓銀が曝し者のように倒産させられた。
崩壊する兆候が明らかではないにも関わらず、まるで共産主義のように稼ぎ頭達を退場に追い込みバブルを崩壊させた。
無論、日銀の三重野総裁一人の独断ではなく財務省との連携プレーだっただろうが、何故突然舵を左に切ったのかがどうしても理解できない。
英米のユダヤ系金融マフィアによる陰謀論もあるが、どうもそれだけでは説明がつかない。何故なら、日本はアメリカを凌駕する軍事力は持ちえないし、資源が無いため武力行使の継続力は無い。少なくとも日本の経済成長が世界の安全保障に影響を与えることは無かったはずだ。
日本は人口も1億以上あり、教育水準も低くなく、技術力・生産力も世界的にはトップレベルで国民性が勤勉(筆者は必ずしもそうは思わないが)だったはずだ。
バブル崩壊をさせた後は急激に復活させ、せっせと稼がせたほうが世界経済全体にとってはメリットが大きかったはずだ。
しかし、バブル崩壊以降の20年以上日本は立ち上がれないままでいる。

バブル時代に日本は単線的発展段階の(広義の)『製造』から『金融』への切り替えが出来たにもかかわらず『製造』段階に拘り自滅した。未だに東芝粉飾決算問題のようなものを庇う体質がそれを引き摺っている証左だ。
大店法などの悪法は廃止になったが、相変わらず金融機関の総量規制やリテールでの審査基準等で企業にも個人にも金が回らない。地銀などは目利きも少なく、土地担保がない限り融資に踏み切れないでいる。
それに輪をかけて少子化・高齢化による消費の減退によって需給ギャップが7兆円近くと言われるのが現状。
相変わらず土地神話が潜在的にあって国土法その他が邪魔をしているなら、総量規制とともに緩和をし、バブル崩壊前夜の状態にしてやらない限り日本経済の復活はあり得ないのではないだろうか。

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あのバブルのまま突き進んでいたほうが日本は良かったか? への3件のフィードバック

  1. びっくりぽん より:

    洗濯機型タイムマシンで1990年にタイムトラベルする映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』
    まさに、バブル崩壊をくい止めるため、大蔵省の総量規制を止めさせようとする内容。
    広末涼子分するタイムトラベラー「田中真弓」が持って行った2007年の悲惨な日本経済を示す週刊誌。それを見た当時の官僚が規制を取りやめ、結果、未来が変わってしまいレインボーブリッジが3本もできるほどに発展した、というストーリー。
    すんません、ネタバレしてしまいました。

  2. ブルーベリー より:

    日本も中国も、人口ボーナスが終わったタイミングで景気が悪化し、バブルが崩壊しました。
    原因は人口動態であり、不可避だったと思います。.

    しかし、中国は手持ちのカードが多く、一人っ子政策を止めましたので、
    人口動態を回復できます。

    • argusakita より:

      いや、人口動態で言えば支那は急速に劣化します。
      一人っ子政策を止めるのが遅かった(経済成長とシンクロしていなかったため止められなかった)ので手遅れと言われています。

      以前見た資料では、
      現在、支那は60歳以上が約2億人ですが、2020年には約4億人になります。しかし、年金(なんと日本と同じ賦課方式!!)加入者は5億人に過ぎません。既に上海等都市部では年寄りが多く集まり過ぎて年金の基金がカラになっているようです。
      年金は地方政府持ちなので、地方政府が理財商品に走ったのはそういう理由もあるようです。先進国ではあり得ない、GPIFで基礎年金部分までギャンブルに突っ込んでしまったどこかの国も似たようなものですが・・・。

      支那の年金は到底生活できるような年金ではないようですが、それすらも既に破綻しているようですから、共産主義(?)独特の総括、粛清で人口の年齢構成を人工的にいじる可能性はあります。

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