支那のバブル崩壊はアメリカ型

スイスの不動産市場がバブルになりつつあるというUBSのニュースが流れた。『2015年10-12月の住宅ローン残高の伸びが所得の伸びを2010年来のペースで上回った』ことがそれだということだが、元々住宅やオフィスの賃料が高く物価全般が欧州で最も高い印象のスイスで今更といった感じがしないでもないが、スイスの国民にしたら嫌なことではあるだろう。この『バブル』という言葉は、不動産や株式をはじめとした時価資産価格が、投機(投資ではなく)によって経済成長以上のペースで高騰して実体経済から大幅にかけ離れ、それがオーバーシュートし、それ以上は投機によっても支えきれなくなるまでの状態を言う。よく言われるファンダメンタルズ(価格)からかけ離れた資産価格の動きとも言える。

バブルは日本、アメリカでも最近(筆者にとって(^^))目にしているが、日本のバブルのピークは、総量規制(3月)が始る直前の1989~1990年頃だろうし、アメリカのそれは2007年頃だろう。
この日米のバブルには違いがある。
日本の場合は、主に銀行による貸付によるもので、後に価値が下落してしまうと知らずに、土地だけを担保に、銀行が金を見境なく貸した結果、地価下落と総量規制によって回収不能になり不良債権の山を築いた。
しかし、アメリカの場合は、銀行システム、デリバティブ取引、サブプライムローンが複雑に絡みあった末にリーマンショックを引き起こした。
つまり日本の場合は皆横並びで進んでいたためバブル発生も崩壊も比較的シンプルだったが、アメリカの場合は崩壊がどこまで波及するかもわからないような複雑なプロセスだった。

また、決定的に違うのは、日本のバブルとその崩壊の影響範囲は日本自体だったことだ。つまり日本は国際的な金融資産に頼ることなく国内の土地・不動産を中心に日本の銀行が、日本人に貸付をしてバブル経済を引き起こし自滅した。
それ故、日本のバブル崩壊は日本の外にはほとんど影響が無く、欧米の銀行や保険会社などが影響で倒産するといったことは無かった。その結果、日本人だけが悲惨な目にあったわけである。一方、アメリカのバブルは弾けたバブルの金融資産の7割が外国の資産で、そこには欧州の銀行、日本の保険会社、ブラジルのファンドといった具合だった。そのためリーマンショックの津波は世界を駆け巡り、悲惨な目に遭ったのは世界中の人々だった。
日本の銀行は日本のバブル崩壊の後遺症が続いていたことや総量規制もあって難を逃れたと言ってもよい。その意味ではもし日本でバブルが1990年以降も続いていたとしたら、このアメリカのバブル崩壊で結局は滅茶苦茶になっていたに違いない。金融の世界で背伸びしていた日本はいずれは一度ワリを食う運命だったわけだ。

一方、支那の場合は、不動産バブルに行くまでの過程が日米とはやや違う。
筆者の記憶が正しければ2002年頃の支那の人件費は日本のそれの約1/30だった。日本で10人の工場で作れるモノと価格に対して300人の工場で作れるモノと価格を考えれば輸出にどれだけ有利だったかは想像に容易い。
d733210輸出先はアメリカが中心だったため、ドルがどんどん溜まっていったが、このドルとのペッグ制(現在は管理フロート制)を取っていたため、溜まる一方の外貨準備に見合った分の人民元を発行しなければならず、国内に人民元がワンサカ流れ出した。しかし、その行き先は一部の共産党幹部や人民解放軍幹部等の国営企業等に流れ、手にした連中だけが放蕩三昧とマネーゲームに走った結果、国内不動産に向った部分は需要を超えた開発・建設を生み出し、各地に人の住まないゴーストタウン(鬼城)やテナントの入らないショッピングセンターを出現させた。
さらにこの金余りが理財商品(各種証券化金融商品)に向かったためアメリカ型の複雑なバブル崩壊前夜状態である。もう既に弾けたと見る向きもあるが、支那の場合は情報統制されているため共産党当局の発表しかわからない。

既に十分バブルになっている支那の現状にも拘わらず、支那の企業は海外で資産購入や企業買収に動いている。
スペインの地方空港を2つ買い、ギリシャの港を買い、企業買収でも、
中国・ハイアール、米GE家電事業を買収 6370億円
中国化工、スイス農薬最大手を買収 5兆円超で
といった具合である。

日本もバブル期の象徴として語られる1989年のロックフェラーセンター買収(三菱地所、2,200億円)や1991年の横井英樹(大火災で有名なホテル・ニュー・ジャパンのオーナー)によるエンパイアステートビル買収(愛人の娘にプレゼント!!)などがあるが、その後これらはバブル崩壊とともに手放された。
バブル崩壊前夜の状態は日米支那いずれも共通だが、その複雑さと不透明性では支那のバブルはアメリカのそれに近いと言える。

バブルの中身が比較的わかりやすい日本のそれが20年以上たっても回復できないのに対して複雑なバブルだったアメリカは約7年で回復し利上げの出口に向かうくらいになった(以前、雇用などは不安材料としてあるようだが)。
ということは、支那のバブルは崩壊しても立ち直りは意外に速いかもしれない。
無論、支那に投資している外資は相当な影響を受ける(主に欧州か)と予想されている。このためAIIBのスキームにコミットする必要が欧州にはあったはずだ。
ただ、14億のsophisticateされていない人民が例によって各地で暴動を起こした場合は、共産党の私兵である人民解放軍の登場になり、国家がもたないだろうという観測もある。
ここが支那のバブル崩壊シナリオで日米とは大きく違う部分だろう。

日本から進出している2万社以上の企業は撤退できずに崩壊に付き合うことになるだろうが、チャイナリスクは昨日今日始まったことではないため、各社ともそれぞれ自己責任で準備は出来ているだろう。日本への津波はせいぜい『爆買い』が無くなった程度で済むことを願いたい。

 

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