SHARPや東芝の破綻を期待

どうやら鴻海によるSHARPの買収が相当な延期あるいは白紙になりそうな模様だ。一方の東芝は証取委が事情聴取などを始めたようで、粉飾決算による虚偽の有価証券報告書で5,000億を超える資金を集めたことで、ひょっとすると東京地検特捜部なども腰を上げる可能性が出てきた(当然である)。
筆者はこの2つの企業に恨みも何も無いが、破綻(更生法適用や再生法適用なども含めて)を大いに(ワクワクして)期待している。しかし、破綻によって生まれる失業者や下請けの破綻によって発生する不幸をメシウマと喜ぶために期待しているわけではない。
大企業、特にこういった技術をウリにした製造業が破たんするということは、人的資源、物的資源、子会社、関連会社、取引先を含めた商売のネットワークなどの経営資源が一斉に『解放』されることであって、それらがゼロになるのではない。そこに大きな可能性があるから期待なのである。

解放された各種の資源がどれだけの社会的、経済的、技術的インパクトがあるか・・・。
また、SHARPのように貸し倒れの痛みを食らう金融機関シンジケートが破たんをさせなかったり、東芝の粉飾決算を有耶無耶にして再融資やつなぎを行うなどムラ社会あるいは護送船団方式で株式を維持するといった不透明なスキームは日本の株式市場に対する信認に疑義が生じ、株式市場に対する投資家達の動向に大きな影響を与えることになる。
さっさと会社更生法なり民事再生法なりを適用する等でSHARPや東芝といったブランドをリスペクトしながらも”レジェンド”にしてしまうのが中長期的に見て日本全体にとってどれほど有意義なことか。

SHARPや東芝といった大企業の場合、保有するそれらの資源は多岐に渡るはずで、技術的なものだけを考えても、特許や実用新案も膨大な数が保有されているはずである。例えば、もし、それらを一旦公的な機関(あるいは清算会社)で管理することができれば、それらを他の大企業よりも様々なベンチャー(当然日本企業優先)に優先的に廉価で使用させたりしたなら新たな製品や市場が出てくるに違いない。地方のベンチャーならさらに有利といったインセンティブを付加したら、地方での起業や企業誘致にも活用できだろう。
図体の大きな大企業では発生する各種間接経費(営業所、支店、本部経費等)のせいで、良いモノであっても生かせなかったニッチなものを小規模なベンチャーなら実現できる可能性は大いにあるはずだ。筆者のマイクロな企業ですらSHARPのある特許については非常に関心があるくらいだ。

生産設備を切り売りすることは難しいかもしれないが、流行りのIoT(この顔文字のようなキーワードは好きになれない)や欧州で言われるところのインダストリー4.0を用いてフレキシブルな生産設備を複数の企業が共有することもあり得るだろう。
本社を始め拠点のビルはオフィスビルとして開放したり、大学やベンチャーの研究拠点やサテライトに使わせることも可能なはずだ。何しろネット等のインフラは既に十分揃っているはずだからである。
技術だけではなく、大企業の場合は社員用の福利厚生施設なども保有している場合があり、それらを一般に開放して新しいビジネスにすることもあるだろうし、それこそ待機児童対策の保育施設にという場所もありそうに思える。観光地にある場合には、外国人に特化した宿泊施設や研修施設などアイデアは様々に出そうだ。

そういった様々なベンチャーや新しいビジネスを思いつくのは外部の人間よりもその大企業の様々な資源を熟知しているはずの社員さん達なのである。
国や自治体はそういった起業をする人やそれらの短期間の生活保障といった部分で支援もできるだろう。
数万人、場合によっては数十万人の社員とその家族を数でみれば、『解放』によって一度にその数だけの人的ネットワークが数的にも地理的にも構築されることになることで、これは凄いことである。

そんな大きな可能性を見ぬふりをして、貸し倒れ損をしたくない金融機関とポジションに執着する経営陣の保身のために若干の不採算部門を分離し延命措置をしたところで、組織の体質が大きく変わるはずはなく、よほどのオリジナルが無い限り、規模の大きな同業に負けるのは明らかで、じり貧に陥ることになる。
金融機関は貸し倒れ引当金を積み増す時間が欲しいだけで、それが達成できればメガバンクなどは特に大きな問題ではないはずで、その元大企業がどうなろうと知ったこっちゃない。金貸しとはそういうものだ。

大企業を『解放』し、その資源を開放・分散しながらも強力な人的・物的ネットワークは人間が必ずkeepする。その後にまたその元大企業の『縁』でまとまってスケールメリットを追及しても良いはずだし、少なくともゼロから始めるよりは圧倒的なスピードが期待できる。
そういったアメーバ的なスクラップ&ビルドが出来ない大企業はグローバリズムというイデオロギーが席巻している現在は生き残れない。それこそ破綻=ゼロに向かうだろう。筆者のマイクロ企業が『公器』などと尊大なことは言えないが、大企業は間違いなく『公器』である。
勿体ない。

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SHARPや東芝の破綻を期待 への5件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    社会には、多少の新陳代謝が必要です。
    「大きいから、歴史があるから継続させる」 というのは合理的な理由になりません。

    秋田県の公示地価は、住宅地と商業地で11年連続で全国最低。
    しかも、3年連続で下落率が全国ワーストです。

    余りにも腐った組織、腐った自治体はリセットが必要です。
    そうしなければ、甘えが生まれ、活気が失われ、国が腐ってしまいます。

  2. コームイン より:

    自治体のリセットとは具体的にどういう意味かわかりませんが、民間企業の破綻や解体とは違って、物的資源はそれなりにありそうですが、人的資源に関してはほとんど無いに等しいと感じます。自分で言うのも何ですが、特に地方公務員などは潰しが効かなくて周囲の人間を見ても「この人、民間に行ったらすぐにクビか窓際だな」と思うのばっかりです。

    地価の下落はもうどうしようもないですね。
    それでも(価値下落が明らかな)土地をローンで買って、10年もしたらゼロ価値になる家を建てる「まじめな」人が秋田にはまだまだいるので自治体は続くのかなと思います。

    とりあえず、ウチの「社長」をリコールもしくは選挙で落とそうという人が増えませんかね。

    • ばんそうこう より:

      リコールは無理でしょう。選挙で落とすしかないと思います。どなたかいないんですかね?

  3. 巡回親父 より:

    東芝不正会計、監視委が見解公表を中止(TBS)

    東芝の不正会計問題で、旧経営陣の刑事告発に向け調査している証券取引等監視委員会が、15日に予定していた「取引の違法性に関する見解の公表」を急きょ中止したことが、関係者への取材でわかりました。
    東芝の不正会計について、監視委員会は、「歴代3社長ら旧経営陣がパソコン事業の取引で利益水増しを主導した粉飾決算の疑いがある」とみて、刑事告発を視野に調査を続けています。しかし、告発を受ける東京地検特捜部は「取引が実在していて、個人の刑事責任を問うのは難しい」との見方で、意見が対立しています。
    監視委員会は15日にも「東芝の不正会計は金融商品取引法に違反する」との見解を公表する方針でしたが、当日になって急きょ取りやめたことがわかりました。監視委員会と検察が対立しているとみられることへの影響などに配慮したものとみられます。(15日18:42)

    SESCが腐っているのか、地検特捜部が腐っているのか….。
    未だに「粉飾」じゃなく「不正」。最初は「不適切」だったような記憶。

    • argusakita より:

      現日本郵政CEO西村泰三が巨悪で、5代前の東芝社長だった時代から粉飾は当たり前だったのでしょう。そこまで問題が遡及しかねない。
      株価暴落を懸念する政府、東証(西村は2005-2010年東証の会長)が西村を守る限り、東芝問題は今以上に騒がれることはないでしょう。

      西村が東芝社長だったころ、
      ・総会屋問題
      ・半導体事業不振
      ・フロッピーディスク装置訴訟で敗訴
      で利益は下降線一途でしたから、パソコン事業で粉飾していないと考えるほうがおかしい。

      SESCが(秋田弁でいう)”ジグ無し”なのではなく、地検特捜部が政治的思惑で動く組織だからでしょう。
      東芝はラグビーやゴルフの大スポンサーなので、誰が擁護しているかも何となく想像できますね。

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