無節操な提携・連携は無責任体制の温床

最近特にというわけではないが、ここ数年、民間企業、自治体、銀行、大学、■■協議会だの▲▲協会との連携を図る協定締結といったものがやたらと目につく。『三人寄れば文殊の知恵』とでも言いたげな・・・。
ネタの主なものは、観光、地場産業、農産品などだが、本来民間企業が行うことに自治体が首を突っ込み、投融資といった金融面でサポートすべき銀行(主に地銀)が本来の仕事をせず、大学は大学で学術的なサポートをするわけでもなく、何となく雁首揃えて協定書のようなものに署名し夫々がドヤ顔をするアホぉな絵が時々ニュースになっている。
産学公一体となり(たまには官もあるだろうが、公を官という地方の間抜けさは病気のレベル)課題に取り組んでいく・・・、一見耳障りの良いものだが、結局その課題に対してリスクを取らず結果責任の所在を曖昧にする手法であり、責任の所在を明確にしないほうが良いというのはいわゆる『日本的手法』ではあるものの、実は責任が問題視されるほど大した問題・課題ではないことが多かったりもする。


例えば、秋田の地元の新聞紙の3/31付には、
『大仙市など6者、外国人誘客で連携 情報発信へ協定締結』
(以下、全文引用)
 秋田県大仙市や市観光物産協会、北都銀行など6者が30日、市へのインバウンド(外国人誘客)推進などを目指し連携協定を結んだ。協会職員を台湾に派遣し、大曲の花火や特産品など市の情報発信を行う。
 協定はほかに、農産物加工販売・あきた食彩プロデュース(秋田市)、大曲商工会議所、大仙市商工会が締結。大仙市内の商工観光機関と海外にネットワークを持つ同行、食彩プロデュースが連携を深め、インバウンド強化や日本酒を中心とした特産品の販路拡大を図り、地域活性化につなげる狙い。
 6月をめどに協会職員1人を台湾に派遣する。現地に事務所がある食彩プロデュースの協力で、インバウンドや販路開拓のための人脈づくりや商談会開催を計画している。同行が事務所を持つタイでの情報発信も行う予定。
 市役所で行われた締結式後、栗林次美市長は「大曲の花火など地域ブランドの海外へのアピールは、経済発展につながる。派遣する職員には大仙市と台湾との経済的な懸け橋になってもらいたい」と述べた。
(引用ここまで)
のように、大仙市、市観光物産協会、北都銀行、あきた食彩プロデュース、大曲商工会議所、大仙市商工会の6者(今回は大学の出番は無かったようだ)が仲良く手をつないで云々なのだが、具体的には『協会職員1人を台湾に派遣』である。6者それぞれでいい歳の爺さんばかりなのだから、台湾くらい一人で行って、肩書でも使って小さな商談をまとめて来いと。残念ながら、この爺さん達では英語や支那語は無理なのだろうし、商習慣の違いなどの知識も無さそうだ。
予算が無いからこういうしみったれた話なのか、元々やる気が無いからとりあえず皆でワイワイやっているポーズ(アリバイ工作)を取っているのか知らないが、ビジネスの香りは皆無で爺さん達の趣味にしか見えない。経験的に人脈づくりや商談会開催程度で簡単に商売できるほど海外でのビジネスが甘いとは筆者には到底思えない。
実態は6者から出し合う予算(中には公金もあるだろう)を使ってあきた食彩プロデュースの事業をささやかに支援しようというのがスキームなのだろう。
おそらく、1年経っても成果や実績の総括は無く、公金部分の責任などというものが問われることも無く、仮に問われても6者全体の責任ということで有耶無耶となる。公金に雑金を混ぜて明朗会計にならないようにする手法である。そうすることによって責任追及の矢面は不在となる。
こういう話ばかりである。

秋田県と中央大学が県内就職促進で協定というニュースも見つけたが、低レベルなコラボにはため息が出る。
現在、中央大学など(のランクの大学全般)は学生確保が大変らしく、(正確ではないかもしれないが)3科目で1回受験すると、合否判定が3科目、2科目、1科目でそれぞれ出てくる(受験料はセット料金有り)。数年前、知人の息子などは1回の受験で合格通知と入学手続きの書類が3セット来たそうだ。なんとしても学生の数を確保したいのである。
こんな安売りをして学生確保しているような低レベルな大学に秋田県の人材募集を掲載してもらったところで、どんな人材がいるのかは推して知るべしである。『でもしか』人材が『でもしか』就職口に流れる図式である。
八王子の山の中(今は山の中ではないが)の大学なら田舎に行こうとする学生がいるとでも考えているのだろうか。
秋田から首都圏の大学に進学したまま戻ってこないことが人口減につながっているのは事実だろうが、既に秋田で少子化・高齢化が進み過ぎて大卒に満足な給与を支払える質の良い雇用機会がほぼ無いため首都圏に進学した若者は首都圏で就活するのである。まあ、鶏と卵のような負のスパイラルである。
中央大学程度のレベルでOKなら、2月ごろに開催される幕張メッセの大規模な合同説明会に秋田ブースでも出せるように働きかけるのが県や自治体の役割ではないのか? (早慶や旧帝などはほとんど来ないが)
秋田県は一体何を考えているのか・・・。

秋田大学も数年前から郡部の自治体や観光協会等との連携、協定を結んでいるが、一体何をやっているのか。工夫や創意の無い自治体はとりあえず『大学』という名のついた組織と提携すれば何かが出てくるだろうといった漠然とした期待はあるだろうが、連携に伴う予算などもおそらく少額で具体的なプロジェクトの成果もそれなりあるいはほとんど無いようにしか見えない。無論、評価機構に提出の自己評価では地域に貢献していることになっているようだ。
例えばここ10年程度で、秋田大学が絡んで何かエポックメイキングなものがあっただろうか? 五城目の過疎地域の町興しのフィールドワーク主体の研究は東大TPPによる農業への影響評価のJA招致の学習会も東大が実施。
東大と秋大を比較するのは酷だが、秋大のHPで謳っている『地域との共生』の具現化の成果が、横手分校(いぶりがっこ)、北秋田分校(田植えや田んぼアート等)、男鹿なまはげ分校(ニコニコ体操塾)なのか。
曲がりなりにも国立大学が何故カルチャースクールや趣味の社会人サークルや実業高校のような活動をしなければいけないのか、訳がわからない。それが秋田大学流リベラルアーツなのか・・・。

自らの本来の役割を忘れて境界を越えて首を突っ込み、総無責任体制を作るのは自治体や大学だけではなく、最も度し難いのは地方銀行である。
ただでさえ低金利なところにマイナス金利の影響を受け、銀行に預金するなどというのはもはや昔の話であり、預金が増えなければ貸し出しもできない。もっとも、地方では貸し出しする優良な企業も少なく投資どころか融資もままならない。金融のポンプであるべき銀行が本来の仕事をしていない。止まっているポンプなど何の価値も無い。
そのうち個人でも住宅ローンなどを申し込めば銀行から盆暮れに中元・歳暮が届く時代が来るかもしれない。(^^)
結局、国債や地方自治体の公債引き受けと融資・助成制度の窓口業務といった目利きの全く不要な機械的な業務とサラ金もどきのリテール(しかも大手行やクレジット会社のシステムに便乗した利ザヤの少ないもの)くらいしか地方銀行の仕事が無くなっている。
昔のバンカーのように目利きが地元の企業を判断し融資し育てるといった気概も何も無いのが現在の地銀だろう。(したくともBIS規制等で出来ないという言い訳はあるらしい)
挙句の果ては、クラウドファンディングに一枚噛むといった本来の銀行業とは真逆(むしろ競合)のことに手をつけていたりで笑止千万である。
地銀のネットワークを生かして・・・というカビ臭い文言はもはやコンビニに取って代わりつつあるといっても過言ではない。どうせバンカーの顔が見えないのだから。

『三人寄れば文殊の知恵』という言葉(決して目上の人に使ってはいけない言葉)があるが、そこでいう集まる凡人はそれぞれが何らかの能力の自覚を持っている場合であって、自らの役割や能力を忘れて首を突っ込んで集まってもどうにもならない無責任な体制を作るだけの場合は、『三人寄っても下種は下種』なのである。

 

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無節操な提携・連携は無責任体制の温床 への9件のフィードバック

  1. ブルーベリー より:

    「文部科学省で辞令を受け取った際、関係者は非常に厳しい雰囲気だった。
    (文科省関係者から)注目しているとも言われ、身が引き締まる思いだ」とも語った。
    http://mainichi.jp/articles/20160402/ddl/k05/100/018000c

    秋田大学なんて、文部科学省から白い目で見られている 「お荷物学校」
    「こいつら、またヤラかすんだろう・・・・こんな国立大を存続させて良いのか?」 と思われてる。

    秋田県は人材レベルが低いのに、決してそれを認めようとはしない。
    「知恵を出し合う」 と言えば聞こえば良いが、実際には経費で大酒飲んで、飲酒運転するだけ。
    要するに、酒代を経費で落とすための協定。

  2. ブルーベリー より:

    ストーカー容疑で秋田大学職員(56)逮捕 不祥事相次ぐ
    http://www.sankei.com/affairs/news/160422/afr1604220026-n1.html

    平成25年、副学長が酒気帯び運転でブロック塀に衝突、妻に身代わりにして懲戒解雇。
    昨年は赤字額を大幅に圧縮する粉飾決算、個人情報流出やら書き切れない!
    今年2月に今度は沢田学長がブロック塀に衝突し、当て逃げ事故を起こし辞任。

    今月就任した山本学長は 「信頼回復に努める」 と述べたが、
    その後、副理事が勤務中にアダルトサイトを閲覧し訓告処分を受けていたことが発覚。
    で、今度は職員がストーカー・・・・これらも氷山の一角なんだろう。 

    襟を正すべきなのに、全て取材拒否で隠蔽を図っている。
    実に秋田らしい大学だが、学生が本当に可哀想。

    • argusakita より:

      またですか・・・。
      そのストーカーですが56歳のおっさんなんですね。妻子もいるんじゃないのかな、独身かな。
      何なんですかねぇ、事情はわかりませんし、聖人君子が理想とは思いませんが、その歳でトキメキならもう少し動きようがあると思いますし、若い頃あまり遊ばなかったのかなと・・・少々気の毒かな。
      何か言い分を聞いてみたい気がします。(^^;)

  3. 大館市周辺の観光事業、秋田犬DMOも、あっちこっちの寄せ集めになったように感じます。NPO法人のレイルバイクを計画に入れなくてもと個人的には感じます。

    元々の計画では、秋田銀行が外部からマーケティング担当者を見つけるという計画のようだったので、元佐賀県最高情報統括官の森本登志男氏が、おそらく秋田銀行が見つけた人物なんでしょうね。市政策情報収集組織(シンクタンク)のコーディネーターのようです。私は先頭に立って情報収集し、観光の計画立案する人が来るのだと思ってましたが、一体何をする人なんでしょう? どうもカタカナ言葉は苦手です。

    なんかいろいろ組織は作っているけど、行政主導は程々にして、はとバス等の民間の観光関係会社を引っ張ってくるほうがよっぽど観光にはプラスになりそうな気がするのは、私だけでしょうか?

    • argusakita より:

      へぇー、森本氏ですか。昔ジャストシステムやMSに居た人ですね。
      佐賀県や秋田県(由利本荘・にかほなど)でアドバイザやらコーディネータやらで地方回りが好きな人のようです。でも、知っている人間から見たらこれといった形のある実績が特に無い、いわばエバンジェリストみたいな存在に見られているかなぁ。
      何だか旬の過ぎた芸人がドサ回りの”営業”をしているのと同じように見えます(言い過ぎかな(^^))
      何かのセクタで地方の行政と仲良くなって食っていける非常に日本的な図式でしょう。
      やたらカタカナで概念的なこと(クラウド・ソーシングのようなバズ・ワード)を発信するよりは大館の地元にいる若者たちに発信させたらいいのになぁ。(それが地元に合った、しかも必要なレベル)
       
      秋田でよくあるパターンですが、行政や***協議会のような組織が、
      ・地元にしがらみのない外の民間の人間を招聘する
      ・適当に泳がせる(本人は真面目に取り組むにも関わらず)
      ・しかし、『地元無視』といった排他的な目で見守るだけで積極的には協力しない
      ・成果が出ない
      ・追い出す(または静かに去る) —-> ほら、民間でも出来ないよねと行政がドヤ顔

      ちょっと昔になりましたが、こんなのを秋田県民の何割が知っていたでしょうか?
      由利本荘・にかほ 10万人セールス大作戦
      森本氏、ここにもいます(^^)。(YouTubeにも動画があったような記憶が・・・)

      • >・追い出す(または静かに去る) —-> ほら、民間でも出来ないよねと行政がドヤ顔

        この人を引っ張りだしたのは、計画書によれば秋田銀行なので、責任は秋田銀行にあるはず。でも秋田銀行は責任を追わないんだろうな。

        森本氏の成果がググっても出てこないのは、やっぱり成果をあまり出せなかったからですか。先行きが心配になってきた。

        • argusakita より:

          以前から秋田県のアドバイザのようなことをやっていたようなので、今回は秋銀が窓口という話では?

          動画見つけました。
          どーぞ。

  4. argusakita より:

    大館市議会の「はちくん」ポロシャツ

    例のアドバイザーはこの辺のお仕事かな?
    秋田県議会も犬耳、猫耳でも着けたら『県民の幅広い理解』得られるのかも(^^)。

    • 議会の中でアピールしても市民にはわからないんだけど。なんかずれてるカンジがするのは私だけ?

      以前賛否がわかれた、大文字焼きを犬文字焼きにする動きがまた出るかもしれないと、危惧してます。

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