情報過多と情報不足

顰蹙を買うだろうが、正直言って熊本の震災ニュースには少々食傷気味だ・・・と思っているのは筆者だけではないだろう。
無論、亡くなった人や被災した多くの人には哀悼の念と同情を禁じ得ないが、東日本大震災や原発事故のときのように膨大な死傷者の人的被害があったのとは違って、首都圏や東日本からは遠い場所での自然災害で、今後被災地域が拡大していきそうな予感はあるものの、昼夜構わず何度も何度も同じ情報が繰り返され、複数のTVチャネルがそれに相当部分占有されているのはどうかと思わざるを得ない。音信不通で行方不明者が映像で映されることで役に立つといったことは今回はあまり無さそうだ。


東日本大震災でハリウッドさながらの映像が溢れ、悪い意味で『慣れ』てしまったことで、熊本の被災がどうも軽く見えてしまうという弊害がありそうだ。
また、再び大活躍の自衛隊には頭が下がるものの、本来の任務である国防も以前よりもキナ臭い状況の今、手薄にならないようにしてもらいたい。災害が起きると大規模な数の自衛隊が当たり前のように派遣されるという感覚の『慣れ』も怖い。自衛隊は災害救助隊ではないのだ。
これ以上、悪い意味での『慣れ』を起こさないように、TV各局は新規の情報はTV画面を逆L字型にするなりデータ放送にする、あるいは九州・中国・四国地域だけの番組編成にするなどの工夫があっても良さそうなものではないか。

死者のほとんどは70代、80代などの年寄り中心で20代の若者は少なく、主に倒壊した住まいは年季の入った木や紙や土みたいなものでは気の毒だとは思っても受け取る側は『地震が少なかったところはやむを得ないな』という感想で、あまり今後に有用な情報とは捉えないし、亡くなった人間の生前の様子や葬式を全国放送に載せ、同情・哀悼を誘うことに何の意味があるのか。おそらく死者も本望ではないだろう。(相当に時間経過後ならまだしも)
10分おきに緊急地震速報など流されても、ほぼ直下型ならば現地ではほとんど役に立たないだろうし、遠くの地域ではさらに不要といえる。必要そうな地域に緊急地震速報を送れば済むことでYahoo!でさえもそれくらいは出来ているではないか。何のためのデジタル放送だ。淡々と事実を伝えてくれるだけで結構だと思う人は多いのではないだろうか。
何よりも情報が過多で今以上に飽和してくると人間心理として『慣れ』が情報の取捨選択の大きなフィルタあるいは蓋となり、受け手側が本当に重要な情報を見逃す危険がある。
もし、阿蘇の噴火や中央構造線上の伊方原発などに異常が出た場合、他地域の国民もそれを見逃さないようにするには情報の過多、飽和状態は決して良い結果をもたらさないはずだ。

専門家と言われる地震学者達の50年、100年といったスパンの説明や今回の地震のメカニズムの推察は一般人とっては祈祷師や予言者の世迷いごとと大差ない。気象庁なども『今後の予測は立たない』では一般の我々はどうするのだ?
挙句の果てはNHKなどは被災者向けのつもりか『十分気を付けてください。周囲の人と話をして落ち着いてください』とアナウンサーが連呼したりと実にきめ細やかな『お節介』が延々と。
日本人なら皆5年前にずいぶんと学習したはずだ。
外国人相手なら、BSサブチャネルなりで在日外国人のために全部英語の放送でもやったらどうなのだろう。
NHK Worldでは英語で毎正時ダイジェスト的にやっているが、九州以外の日本人に必要なのもあの程度の情報量で充分なのではないか。
まあ、民放のCMが例のACのCMのポポポポーン(あいさつの魔法)になっていないのが幸いか。
それにしても熊本地域の備蓄食料は一体どうなっているのか。備蓄個所にアクセスできないのか、最初からほとんど無いのか、備蓄が不足だったのか。これは後で検証が必要なのだろうし、他地域も学ぶ材料だ。

というわけで、付けっぱなしのTVはOFFにして話題のパナマ・ペーパーと登場するペーパー・カンパニー(実は、この和製英語では製紙会社になってしまう。英語ではshell corporation か dummy company)について南ドイツ新聞の記事を拾い読みしている。
2.6TBの量で1,150万件と言われるパナマ・ペーパーの実体は、1970年代から今年までの、
・電子メール 4,804,618件
・データベースファイル 3,047,306件
・PDFファイル 2,154,264件
・画像ファイル 1,117,026件
・テキストファイル 320,166件
・その他 2,242件
ということらしく、5月に詳細が出てくるらしいが、一部は既に検索できるような記事もあるものの入口は見つけられない。
このパナマ・ペーパーの解析に協力しているのはNuixという企業で、筆者の知る限り非常に『政治的な』企業のため、解析結果の公表がどのように行われるのかはよくわからない。
また、Mossack Fonsecaというパナマの法律事務所が何故こんな膨大なデータを抱えていたかは非常に単純で、ペーパー・カンパニーの設立をわずか1,000ドルで請け負っていたらしく、これは安い。何故なら、筆者が以前調べたときはアイルランドでも1,500ドルはかかりそうだった・・・と思ったが、コトはそう単純でもなさそうだ。
このMossack Fonsecaの創立者はJurgen Mossack(68)はドイツ人だそうで、その父親はナチス親衛隊だったものの、戦後CIAのスパイを志願しMossackが13歳の時アメリカに渡ったそうだ。
つまり、元々はこのペーパー・カンパニーはCIAのためのダミー会社だったのだろう。
また、日本のマスコミはこのMossack Fonsecaがパナマの小さな法律事務所という報道をしているが、それは間違いで、パナマ以外にバハマ、バージン諸島、香港、スイス、ルクセンブルク、アメリカのワイオミング州、フロリダ州、ネバダ州などに46の子会社と600人を超える従業員を抱えた『多国籍グループ企業』(PWCのようなファーム形態か?)なのである。
直近で大きな影響を受けそうなのは大統領選を戦っているヒラリー・クリントンで、2000年の上院議員選挙の際の選挙運動の会計係、夫ビルの友人たち、クリントン財団に寄付をしたカナダの鉱山企業家、90年代に民主党に献金をしていた支那の富豪などの名前が既に挙がっている。
対するサンダースは、自著の論文で以前からタックス・ヘイブンの問題を指摘しているため、それが改めて証明された格好で追い風となる。19日に予備選が行われるニューヨーク州は圧倒的に民主党が強いところだが、その民主党の2人の勝負は注目だ。

うーん、だんだんクライブ・カッスラーかトム・クランシーの世界になってきているが、仮に400人程度の日本人の名前が出ても、1970年代からなら大抵は鬼籍で、その子孫まで追及、非難がされるかどうか。案外、日本ではネズミ一匹でお仕舞になりそうな予感がする。

太平洋の反対側、グアテマラやエクアドルでも同時に大地震が起きていることに非常に興味があるのだが、ヒューストンの大洪水も大変なことになっていて、アメリカも熊本の支援どころではないのではないか?

ブログランキング・にほんブログ村へ 
(blog rankingに参加。ご協力を。Click it!)

広告
カテゴリー: 社会・経済, 雑感, 海外 タグ: , , , , , , パーマリンク

情報過多と情報不足 への3件のフィードバック

  1. argusakita より:

    被災地での朝食。整然と配給が行われるだけでなく、配給する人は手袋を使って衛生的に行っているだけでなく、リサイクルを意識したゴミの分別が行われている熊本。
    日本人、凄すぎる・・・。
    BBCの配信。

  2. 脇道コメントですみません。
    ACの今回のコマーシャル、言いたいことはわかるが、国際的にはどうなんだろうとちょっと思いました。

    柔らかい心を持ちましょう、とのことですが、日本人は結構柔らかい心だと思う。狭い国土でそれなりに衝突しながら生きていかざるをえないですからね。韓国や中国の人は、相手が柔らかい心だったら、自分は茶碗でいいと言い出しかねないような気がする。

    このコメント、ジャマだったら削除して下さい。

    • argusakita より:

      興味深いですね。

      日本人向けなので問題無いのでしょうが、確かに日本以外では理解不能という反応が多そうな気がします。
      宗教的なものに基づいているわけではないと思いますが、モラルやマナーみたいなものがTVCMや看板、注意書きといったもので溢れていて、少々押しつけがましいお節介にも思えたりしますが、日本の特殊性というのをよく感じます。

      私は相田みつをの生前の実生活を知ったら何を聞いても白々しく感じましたが、何となくこころに響くのは日本人が持っている仏教の価値観だろうと思います。

コメントを残す(短めにどうぞ)

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中