行き当たりばったり熟年旅行の続き

昨夜は、マリインスキー劇場でオペラ Betrothal in a Monastery を鑑賞。インターバル2回の長いもの(3時間半くらいか)だが喜劇のせいか飽きさせない。Luisa役はANASTASIA KALAGINAだったが、昔観たANNA NETREBKOのLuisaのほうが良かったかな・・・好みの問題か(^^)。せっかくなのだからインターバルはシャンパンでも飲めばいいのに、ロシアはアイスクリームが美味いと2個も食う相方。(食ってるのを見たらネスレだったが・・・)
しかし、こんなオペラが数千円で観られるのだから凄い。日本なら2、3万円はするだろうか。

Peter-and-Paul-Cathedral滅多にロシアなど来ない相方のためにサンクト市内を少し回るかと算段。どうせならと馴染みのタクシー(BMWの大き目)を呼んで1日頼む。ホテルはモスコーフスキー駅に近いが駅を挟んで反対側のチャイコフスキーやドストエフスキーなどの著名人の墓のあるチフヴィン墓地に行き、その後折り返しでペトロパヴロフスク要塞、ペトロパヴロフスキー大聖堂などを相方に案内(大聖堂内部にはピョートル大帝などのツァーリ&皇后の墓がある)。
墓参りばかりしてどうする・・・。
移動途中、タクシーから日本食レストランらしきものを見つけて運転手も誘って食事。メニューが出てきて、味噌汁とキムチスープが併記されていたため、お察し。(よくある朝鮮人経営の日本食風レストランだろう)
相方が寿司を注文してつまんだが、はっきりいって日本のコンビニで売ってる握りセットのほうが遥かにマシでがっかり。最近はモスクワは日本食レストランや寿司屋も結構まともなのが増えてきたが、サンクトではあまり人気がないらしく、以前から筆者の知っている日本食レストランは2軒無くなっていた。食材が手に入りにくいため単価が高くなるのだろう。

ドライバーのワシリ君は箸の使い方は立派なものだが、注文した寿司の食い方を見ると醤油の小皿にたっぷり醤油を入れて”浸して”食べている。見かねて『しょっぱくないか?』と聞いたら、『寿司は好きなんだが、後で喉が渇く』と。そりゃあ、そうだ。(^^)
こうやって、ホントは手でつまんで手前からすくい上げるように醤油をネタに少しつけて食べるんだよと教えたら、さっそく実践。『こうだったのか! ハラショー!』と。相方とニッコリ。
この醤油をたっぷり使う食べ方は海外ではよく見かける外国人の最悪な食べ方で、これは、おそらく醤油を沢山消費させようとするキッコーマンの陰謀に違いない。(^^)

後からやってきた日本人とロシア人(中央アジア系かな)のグループの会話が自然と耳に入る。
『○△さん、箸の使い方が上手ですね』
『キャン・ユー・スピーク・イングリッシュ?』
これらは、よく日本人が外国人に言うフレーズだが、やめたほうがいいと思う。
箸使いは日本人の専売特許でも特技でも何でもないし、それこそ今や日本食は世界的に一定のポジションを占めていて、それなりの生活水準と教養のある人は箸を普通に使える。多少ぎごちなさはあっても、日本人のフォークとナイフ程度のぎごちなさと同じである。むしろ日本人のフォークとナイフのほうを残念に思ったほうが良い。だから、外国人に『箸使いが上手』などというのは幼児を褒めるようなちょっと失礼なことである。下手だったらさりげなく教えたり、フォークやナイフを勧めたらいいし、食事のマナーは相手に恥をかかせないことがマナーである。

また、Can you speak English? は相手の言語能力や学力を疑っているようで非常に失礼なフレーズである。mustもそうだが、日本の中学で教える助動詞の使い方の完全な誤りの一つである。
特にnativeな発音が難しい日本人が英語を母語としない外国人に Can you… と聞くのはエラく上目線の失礼な印象がある。せめて Do you speak English? と聞いて欲しい。
これは、聞かれても同じで、No, I can’t. ではなく No, I don’t. でいいのである。
所詮、言語というコミュニケーションツールは100%通じないことが当たり前で、英語を話す能力が無いのではなく、母語以外は普段必要が無いから話さないのだという意識が大事ではないか。

話を聞いてみると、ワシリ君はなんと名門サンクトペテルブルク大学(20以上の学部を持つ国立総合大学)で数学の博士号を持っているという。にもかかわらず、現在はタクシーの運転手である。ロシアの不況、特に若年層の失業はやはり相当に深刻だ。
Isaacs-Cathedralペトロパヴロフスキー大聖堂から海軍の博物館(日露戦争時の遺物や日章旗などもある)と聖イサク大聖堂(ここはドームの外側上部に登れて、サンクトの街が一望できる)などに立ち寄り、プルコボ空港。
急ぐ旅でもないし、相方が行ったことが無いラトビアのリーガ経由でワルシャワに行くことにしてLCCを使って飛んだ。リーガでは、旧市街(世界遺産)の大聖堂と第二次大戦記念博物館などをサクサクと回ったが、まさに中世ヨーロッパ、ハンザ同盟という街並みは我々観光客には興味深いが地元の人間にしてみれば車は入りにくいし建物はいじれないし、さぞかし不便だろうなと想像。

ドイツもそうだがラトビアは豚肉料理が美味い。とはいってもドイツ料理同様さほど凝った料理ではなくポーク・シャンクのようなシンプルなもので、結構大きな塊が出てくる。焼き方と塩(岩塩)が決め手なのだろうとは思うが、ビールも結構美味いせいか、日本ではまず一人で食べないと思うくらいの量を平気で食べてしまう。
相方を連れていったローゼン・グラールスという店自体が地下にある中世のアトランクションのようなレストランだが、何しろ薄暗く、やや老眼の二人にはメニューが辛い。iPhoneで照らしながら注文は思わず苦笑。
ラトビアは日本語学校もあるくらいで、たまに『こんにちは』と声をかけられることもある。(こっちはラトビア語はLabdien! ラブディエンくらいしか知らず全然ダメ)
昔、知人に案内されて行ったことがあるが、夏はリーガ湾に面したキャンプ場などが賑わうもののバルト海自体が日本人の感覚で言ったら非常に汚い海に見えるせいかイマイチ。
ラトビアもエストニア同様、仕事以外ではあまり縁がない。
リーガはSASラディッソンのような大きなホテルもあるが、小さな古いホテルも沢山あり趣がある。ただし、エレベータが無かったり小階段の連続のホテルなどが多いため、キャリーバッグなどを抱えて上り下りできる体力が必要で若い人向きかもしれない。

ということで、リーガからワルシャワに飛んできてショパン空港(旧オケンチェ空港)でたっぷり歩かされて(しばらく前にドーンと直線状の空港になった)タクシーでワルシャワ中心部まで。そびえ立つスターリン様式の文化科学宮殿が見えてくると、またワルシャワに来たなという実感。
チェックイン後、バス、トラム、地下鉄で、ワルシャワ国立美術館、ショパン博物館、聖十字架教会(柱の一つにショパンの心臓が埋め込まれているので有名)、歴史地区(世界遺産)と駆け足で回り、ワルシャワに来ると大体立ち寄る日本食の店に。ここは麺類が比較的まとも。
Wawel-Zygmunt-Bell翌朝、中央駅からクラクフまで電車で移動。ポーランドは筆者の好みもあるが、欧州では一番バリエーションがあり、美味いものが多い印象だ。発酵したライ麦の上澄み汁を使ったスープ(ジュレック)などのスープ類も美味いし肉類も豊富だ。味付けがちょいと濃い目でひょっとすると日本の東北の人は口に合う料理が多そうな印象。
また、歴史的な経緯もあってポーランドは一般的に美味いイタリア料理のレストランが多い。クラクフでも有名な店が多く、Trattoria Mamma Miaなどはピザも美味い。
午後はヴァヴェル城とコペルニクスで有名なヤギェウォ大学。そろそろ相方も旅行疲れの様子。

たっぷり睡眠を取って、翌日はクラクフの中央市場広場のカフェで朝食。その後レンタカーでオシフィエンチムまで往復ドライブ(片道1時間半程)。結構アップダウンのある道で、相方は『茨城の田舎走ってるみたい』(どこからそんな感想が出るのか不思議)とか。

Auschwitz-Birkenau相方は初めてのアウシュビッツ・ビルケナウで、入口から終始無言。確かに、見学者が多くザワザワしてはいるが、どこか重苦しい空気が続くのがアウシュビッツ。
同じ強制収容所でも、ミュンヘン郊外のダッハウのようにだだっ広く(今は)ほとんど建物が無い不気味さとは違ってアウシュビッツは多くの建物やその中のおびただしい展示物の演出が別の意味で直接的に恐怖を感じさせる。靴やブラシの山の部屋などは圧倒的だ。
筆者はこれで3度目だが、もう訪れることはないだろうと思う。

最終日、クラクフのバリツェ空港からドイツのシュツットガルト経由でウィーンに帰着。
モスクワ-サンクト-リーガ-ワルシャワ-クラクフ-ウィーンと駆け足での熟年旅行。相方のありがたいところは海外でブランドものなどあまりモノを買わないことだ(まあ、中東欧で欲しいのはボヘミアングラスくらいか)。
さて仕事に復帰で『お前いつ日本に帰るの?』と聞いたところ、『○○さんと△△さんがチューリッヒに来ているから合流』だそうで・・・、全然疲れていないじゃないかぁ!!

 

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